「さて、貴様たちを鍛えるに前に、仮契約で手に入れたアーティファクトを確認しろ。得たもの次第で鍛え方を考える。茶々丸、マスターカードを桜井にコピーしたカードを2人に渡せ」
「はい。桜井様、姫島様、明石さんお受け取り下さい」
茶々丸はマスターカードを悠斗にコピーしたカードを朱乃、裕奈に渡した
「エヴァちゃん、どうやって使えばいいの?」
「カードを持った状態で“来たれ(アディアット)”と唱えろ。そうすればアーティファクト、簡単にいえば魔法のアイテムが出てくる。戻したいときは“去れ(アベアット)”と唱えればいい」
「では」
「「来たれ(アディアット)」」
エヴァンジェリンにやり方を教わった、朱乃と裕奈はカードを手に持ち、言われた通り唱えるとカードが光、朱乃は虹色に輝く白い羽衣を裕奈はデザートイーグルに似た銃が現れた
「これが」
「私の」
「「魔法アイテム」」
「ふむ、なかなか、面白いものだな。姫島朱乃、明石裕奈、手に入れたアーティファクトの名を教えろ、こちらでどのような物でどんな効果があるのか調べておきたいからな」
「えっと、名前を教えろって言われても・・」
「どこにも書いてありませんわ」
「面倒だ桜井悠斗、マスターカードを私に貸せ」
「いいですけど、ちゃんと返してくださいよ」
「当たり前だ。貴様が契約したカードを私が持っていても何にもならん。“夢幻の羽衣”と“七色の銃”・・・か」
悠斗からパクティオカードを受け取ったエヴァンジェリンはカードに記されているアーティファクトの名を読み、紙に書く
「訓練をいつから行うのか決め次第連絡する。それまでは基礎体力を着けておくなりしておけ。それと姫島朱乃、貴様は桜井悠斗の黒猫に東洋呪術の基礎を習っておけ。それらは私では教えることは出来んのでな」
「解りました」
エヴァンジェリンの言葉に頷いた
「では、今日は解散だ」
「しておけと言われたが、本当に俺が毎朝やっているメニューをやるのか?」
仮契約を行った翌日の早朝。ジャージを着た朱乃と裕奈に悠斗が尋ねる
「はい」
「解った。取り合えず俺がいつも走っているコースを教える
悠斗は地図を広げていつも自分が走っているコースを説明する
「以上が俺がいつも走っているコースだ。朱乃と裕奈ちゃんにはこのコースの半分を歩いてもらう」
「歩く?走るのではないんですの?」
「いきなり5km走ろって言われて走れると思うか?まずはウォーキングで走れる身体にしていくんだ」
「・・・解りましたわ」
悠斗の指摘に朱乃は渋々納得した
「あの、桜井先輩。私は部活でそれなりに走ってますから大丈夫だと思うんですけど」
「この前、2km走ってばてていた子に言われてもなぁ~~」
「う!?」
悩んでいた時に悠斗に付き合わされ2km走らされ、バテバテになった時のことを思い出す
「まずは1週間半分の距離を歩いて、慣れてきたら軽くジョギングを取り入れて行けばいいさ。それと、歩きとはいえしっかりと準備運動をするように」
「「はい」」
悠斗に言われ2人は準備運動を行う
「それじゃあ、また後でな」
1kmを過ぎたあたりで悠斗は歩きから走りに変え、あっという間に2人から遠ざかって行ってしまった
「ふぅ~~ユウ君と一緒に走れるのは当分先になりそうですわね。まぁ、ユウ君は小さいころから訓練してきたのですから当然と言えば当然ですけど」
『当然にゃ』
朱乃が呟くと1匹の黒猫が2人に話しかけた
「貴方は?」
「確か、黒歌さんでしたっけ?」
『そうにゃ。悠斗の新しいパートナー兼、私の後輩にあたる子がどういう子達なのかを見に来たのにゃ』
猫状態の黒歌は問いに答えると乗っていた塀から朱乃の肩へと飛び乗る
『ふむ・・・呪術の名門である姫島家の血を引いてるだけはあって素質はありそうね。鍛えがいがありそうだにゃ』
朱乃の肩に乗った黒歌は朱乃の頬にぷにぷにの肉球付きの手を当てて、朱乃の呪術に対する素質を調べた
『あれもこれもやるのは効率が悪いから今は体力づくりに専念するにゃ。余裕が出来てきたら少しづつ教えていくにゃ』
「はい」
黒歌から呪術の教えを約束された朱乃は言われた通りまずは体力づくりに専念することを決め、ほんの少し歩く速さを上げた
「おう、戻ってきたか」
30分かけて悠斗が指定したコースを歩いてスタート地点に2人が戻ってくると先に戻ってきていた悠斗がタオルで汗を拭いていた
「それでどうだった?」
「歩きだからそんなに疲れることはないと思っていた自分が浅はかでしたわ」
「私もです」
タオルを2人に渡しながら悠斗が尋ねると2人はただ歩いていただけだというのに思いのほか疲れたことに考えを改めた
「歩きでも体力作りは出来るってわけさ。2人には朝と夕方にウォーキングをしてもらう」
「2回も今のコースを歩くんですか!?」
「別に今朝のコースを2回歩く必要はないな。朝は今のコースの半分歩いて、夕方にもう半分歩く。又は、朝、4分の3歩いて、夕方残りの4分の1歩く。自分の好きなように調整して歩くんだ」
「は~~~い」
「解りましたわ」
「さて、俺は素振りをしていくから2人はもう帰ってもいいぞ」
「いえ、せっかくなので昨日手に入れたアーティファクトで何ができるのかを自分で調べておきますわ」
「あ、私も」
『なら、私が練習用の傀儡をだすからそれを使って練習するといいにゃ』
そういうと黒歌は猫から本来の姿に戻り、朱乃と裕奈を連れて別の場所へと向かっていき、悠斗は木刀での素振り、徒手格闘の練習を行った