ガンプラバトル初心者のタツヤはミサに借りたガンダムエクシアでガンプラバトルシュミレーターに挑戦し、初心者狩りで有名なタイガを見事に撃破
初勝利で終わったガンプラバトルにタツヤはハマっていく·····
「出来た·····!」
時刻は午前2時
真夜中の彩渡商店街に1つだけ灯る明かりがあった
真夜中というのに机のライトのみで熱心に触っているもの·····それはガンプラだ
初のガンプラバトルをしてからという物、タツヤはガンプラバトルの沼にハマってしまい、寝る間も惜しんで過去の世界大会の動画やガンプラ制作動画を見漁っている
明日は休みだしこれくらいの夜更かしは誤差だ
という確実にダメ人間まっしぐらの思考になってしまった俺は帰宅してからというもの食事風呂トイレ以外をガンプラ作成に費し、漸くガンプラを完成させた。
ミサから譲り受けたガンダムエクシアをベースに腕をガンダムヴァーチェの物に変え、オリジナルの青と白を基調にしたカラーから赤とグレーを基調にした色へと変えた
その名も ガンダムエクシア・アスター
昔、ミサと二人で読んだ花の図鑑に載っていた花のアスターから名前を取りこの名前に決めた
「ふぁー····· さすがに眠いな·····」
卓上のデジタル時計は2:20を指す。
これ以上の夜更かしはまずい、それに今日は予定があるしさっさと寝よう
早く作り上げたこのエクシアを使いたい気持ちを抑え、大きなあくびと共にベッドに潜り込むと5分もしないうちに寝息を立てて夢の中へと誘われた
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何とか予定の時間1時間前に目を覚ました俺は眠い目を擦りながら洗面台へ向かうと蛇口から流れる冷たい水で意識を現実に戻す。
「おはよう、母さん」
リビングで朝の支度をする母親に挨拶し、椅子に座ると頂きますの一言と共に卓上に並べられた白飯と味噌汁と鮭の塩焼きを頬張る。
それにしても·····土曜の朝だと言うのに母親は忙しそうだ
うちは商店街で数少ない店の1つの居酒屋を経営している。百貨店が出来、商店街からは客足が遠のいていたがうちの居酒屋だけは変わらず客足があった。
と言っても、客のほとんどは年配の男性が多い 恐らくうちの母親のミヤコ目当てに来るお客さんだろう。
とはいえそのおかげでうちは何とかやれているから客のおじさん達には頭が下がらない。
「ご馳走様でした。」
手を合わせ食後の挨拶をして皿を洗い終え出かける準備に入る
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待ち合わせ場所は家を出てすぐの大通りを真っ直ぐ歩いた先に見える店
ミサの家の模型店だ。
店のドアを開け、店内に入ると既に2人程集まっていた
「おはよ、ミサ ユウト」
「おはよう!タツヤ!」
「おはよう!タツヤくん!」
店内の2人に挨拶をすると、タツヤの声の数倍でかい声で挨拶が返ってくる
店にいた内の1人はミサ、そしてもう1人は同じクラスのユウトだ。
ユウトとは高校に入ってからの出会った、ミサや俺と同じクラスの少年だ
中性的な顔立ちで吸い込まれる程に綺麗な赤い瞳、たまに女に間違えそうになる
早速集まった3人、話題は巷で噂になっているものだった。
「「誰にも倒せないガンプラ?」」
聞き覚えのない話に俺とミサは頭を傾げる
「そう!隣町のゲームパークイグチってところなんだけどさ!」
「ゲームパークイグチ·····」
その場所に聞き覚えがある
隣町の沢渡市に存在する巨大なゲームセンター、規模で言えばこの街のイラトゲームパークの2倍の敷地面積を誇る。まぁ実際に行ったことは無いのでどれ程の物かは詳しくまで知らないが
「それで、誰にも倒せないってどういう事?」
「ゲームパークイグチは多くのプロファイターが通うゲームセンターで割と有名だ、当然ガンプラバトルシュミレーターも沢山置いてあるんだけどその中でも店の奥2つのシュミレーターにだけ存在するミッションの敵が異様な強さらしい それに·····めちゃくちゃいいアビリティがドロップするって話だぜ!」
「誰もクリアしてないのにか? それ噂話が伝言ゲーム式に拡がって根も葉もない噂になってるだけだろ」
「アビリティはそうかもしれないけど····· 敵の強さはも本物らしい····· なぁ!行ってみようぜ!タウンカップに向けての特訓だと思ってさ!」
「うーん·····私は行きたいけど····· 今日店番なんだよね····· 」
ミサは前回相当絞られたのかエプロンを脱ぎ捨て私も行く!などと言わなくなった
いかにユウイチをキレさせたらやばいのか····· あの時のことを思い出すだけで身震いする。
「なら、俺が行くよ タウンカップに向けて最終調整したいし」
「なら決まり! よし!早速行こうぜタツヤ! ミサもまたな!」
「うん!いってらしゃいユウトくん タツヤくん!」
「ほらほら!早く行くぞ!」
「ちょ!ユウト!服伸びるから袖引っ張んなって!」
ユウトに服の袖を強く引っ張られながら店を出るタツヤ
「ミサまたな〜! ちょ!わかったから離せってええぇぇえ!!!!」
商店街に木霊するタツヤの声にミサはクスリと笑いながら、店を去るタツヤとユウトに手を振った。
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「到着ー!」
「ここがゲームパークイグチ····· やっぱり話に聞いてた通りでかいな·····」
目の前に聳え立つ巨大なゲームセンター。 見るだけでもイラトゲームパークの2倍の面積はありそうだ
店の入口にはガンプラバトルシュミレーターののぼり旗が複数立ててありいかにこの店がガンプラバトルシュミレーターに力を入れているのか見て取れる。
早速中に入った2人の前には20台近いシュミレーターポッドがあり、休日ということも相まって沢山の人達がシュミレーターでのガンプラバトルを楽しんでいる。
「えーっと····· 噂の筐体は····· ここ!おーいタツヤー!ちょうど空いてるよー」
ユウトに連れられるままシュミレーターポッドに入る2人
2人が入っていく様子を周囲の客が話をしながら見守った
「おい·····あの子達 アレ に入ってったぞ····· 」「そんな強そうでもなさそうなのに勝てるのかよ·····」
周囲の客はそんな話をしているがシュミレーターポッド内に入った2人の耳には既に届いてはいない
それぞれが持ってきたガンプラを台座にセットし今か今かと出撃を待つ。
タツヤは赤いカラーが目立つガンダムエクシア・アスター、ユウトは白を基調にカラーリングされたフォースインパルスヴァイスだ。
画面が出撃可能へと変わり、2人は操縦桿を強く握り締める
「エクシア・アスター タツヤ、出る! 」
「フォースインパルスヴァイス ユウト、行くよ!」
大きな掛け声と共に2機は出撃し、カタパルトを駆ける
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「それにしても·····レアアビリティってどんなのが落ちるんだろうなー」
「さぁな、そもそも噂かもしれないんだろ?」
「そーだけどさ、やっぱり期待しちゃうだろ!」
アビリティ····· ガンプラバトルにおいて機体の次に大事な物と言えるもの
本来、ガンプラ自体に固有のアビリティはある。例をあげるとしたらストライクガンダムのPS装甲だ。
この固有アビリティでは機体の耐久値が上がったりもしくはスラスター容量が増えたりと様々な性能の上乗せとなるが、しかしこのガンプラバトルシュミレーターではある一定の確率で様々なアビリティがドロップする可能性があるのだ。
例えば大剣の攻撃DPSを上乗せするものや、ステージギミックの自動砲台の標的にならない物。特にレアなアビリティとして1発でHPゲージを削られても耐える即死無効等といったアビリティが存在する
ガンプラバトルシュミレーターが発表されて長い年月が経つが未だにドロップの法則性は分かっておらず目当てのアビリティを得るには何度も何度もミッションをこなす他ない。
仮にレアアビリティがドロップするのが嘘ではないと言うなら即死無効のレアアビリティを手に入れるチャンスだ。
「タツヤ!敵だ!」
ユウトの一言で現実に戻されたタツヤの前に6機のジェガンが現れた
難関ミッションと聞いていたのでガンダムタイプが大量に現れると思っていたが·····
「3機ずつやるぞ! ボスステージ前に落ちんなよ!」
「そっちこそ!」
お互いを鼓舞するように声をかけると3機ずつおびき寄せる様に2機は散開。
タツヤ達の思惑に乗るようにジェガンはインパルスとエクシアを追う
スラスター全開でジェガンの追跡から逃げ続けるエクシアは目の前の山岳にぽっかり空いた巨大な穴目掛け姿を隠す様に飛び込む
3機のジェガンはその穴の前でホバリングすると武器をビームライフルへと持ち替えてゆっくりと穴へと近づいていくと、その動きを待っていたかのようにGNダガーが穴から飛び出し、2機のジェガンの動きを止めるとGNソード片手に飛び出したエクシアにより切り捨てられ空中で撃破し大爆発を起こす。
残すは一機。赤色のGN粒子を放ちながら次第に迫ってくるエクシアへとジェガンはビームライフルで応戦するも全てのビーム弾をエクシアにGNシールドで受け止め切られ、先程の2機と同じ末路をたどった。
「難関ミッション····· 確かに普通に比べて敵AIが少し賢い気もするけどなんて事ないな·····」
タツヤは地面に転がっていた大破したジェガンの頭部を見つめ呟く
するとなんという事だろうか、あろう事かジェガンの頭部に光が灯ると紫色の光と共に失われた身体がみるみるうちに再生していく
「嘘だろ·····」
かれこれガンプラバトルを初めて1週間が経ち、タツヤ自身も難易度HARDのミッションを何とかクリアする腕前にもなり、暇さえあればガンプラバトルの事について調べていた。しかし撃破されたのにも関わらず再生する敵AI等これまでに見た事がないし聞いたことも無い
さらに再生した一機に続くように最初に撃破した2機も再生している。それに心無しか先程とは違い禍々しいオーラのような物を纏っているのを感じる
誰にも倒せないガンプラ正体、それは何度も蘇るガンプラだったわけだ
「ッ·····! 復活するなら何度だって落としてやる!」
ファイティングポーズの様にGNソードを構えるエクシアへと先程とは比べ物にならない速度で間合いを詰めるジェガン。
そのスピードにタツヤは反応が遅れ、装甲へとビームサーベルの一撃を許してしまいシュミレーターピッドが連動して揺れる
「なんだよ····· このスピード·····!」
目にも留まらぬ速さとはこの事だろうか
一瞬の瞬きをするスピードであっという間に間合いを詰められた·····
2機のジェガンは再び凄まじいスピードと共にエクシアへと襲いかかる
先程とは違い、相手のスピードは大体分かった。ジェガンによって放たれるビームサーベルの一撃をGNシールドで受け止めつつ反撃を狙うエクシアだが、その反撃を拒む様に、今度は反対側からもう一機によるビームサーベルの斬撃がエクシアへと降りかかる
何とか間髪GNソードで受け止めたものの、2機のジェガンによって両腕を封じ込められる形となり、ガラ空きの本体部へと三機目のジェガンによるビームライフルの一撃が胴体を貫き、一転して今度はエクシアが地面へと叩きつけられる結果となった。
凄まじい程の威力だったのだろう、満タンだったはずのHPゲージはあっという間に半分以下となってしまった
恐らく、もう一度あの連撃を喰らえばGAMEOVER
ここに来て何故誰もクリア出来なかったのかその身をもって味わう事となった。
速い────────。 それに隙がない。
奴らを撃破するにはスピードと何よりも一撃で落とす程の決定力が必要不可欠だ。
ならばやる事は1つ
アレしかない
「立て····· エクシアッ!」
操縦桿を思いっきり前に倒すと、それに呼応するようにエクシアは少しずつ立ち上がる
GNソードを再び握り締め、上空に佇む3機を睨む
「へへッ····· もう一度叩き落としてやるよ、地面になッ!」
GNドライブから凄まじい程のGN粒子を放つと共に高く飛び上がるエクシア
反撃するように3機もビームライフルで応戦する
前方から飛び交う光弾はエクシアへと命中する度にHPゲージをジワジワと削っていく。
これ以上のダメージは危険 そう示す様にシュミレーターピッド内へとアラートが鳴り響いた
これ以上のビーム弾が当たる様ならエクシアは落ちるだろう·····
「なら····· 当たらなきゃいいッ! エクシア、トランザム!」
内部の高濃度圧縮粒子を開放する事によりただでさえ赤い装甲はさらに赤く発光すると共に先程の数倍も早い速度でジェガンがやって見せたように間合いを一気に詰めると、一機の背後を取りGNソードで縦真っ二つに斬り裂いた。
残された2機もこの間合いでのビームライフルは不利と判断したのかビームサーベルへと持ち替えてエクシアへと襲いかかる
「お前が接近するなら····· 今度は俺が撃つ番だッ!」
GNソードをライフルモードへと切り替え、迫ってくるジェガンの頭部めがけ狙い撃つ
放たれた光弾は真っ直ぐ、そして狙い通りにジェガンの頭部へと命中。怯んだ隙を突くように瞬く間にGNビームサーベル2本で四肢を切り落とし撃破。
残すは一機、トランザムももう長くは持たない
「いっけええええええ!!!」
全てをGMソードに込めた一撃はジェガンを横真っ二つに切り裂き、今度こそ3機のジェガンを落とした
ジェガンは今度こそ完全に跡形もなく消え去った。
これで恐らく再生はしないだろうが何よりもユウトの安否が心配だ
幸いまだレーダーにはインパルスの反応はある物の応答がない
恐らくユウトも再生ジェガンに苦戦を強いられているのだろう
タツヤは急いでユウトの元へと向かった。
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「ああもう·····執拗い!」
ジェガンと鍔迫り合いになるインパルスは胸部バルカンでジェガンへと牽制射撃を試み、そのまま怯んだジェガンを2本のビームサーベルで切り裂き撃破。
これでこちらも残す所一機というところだ。
しかし先程から残りの一機の姿が見えない
嫌な予感がしながらも辺りを見回すとジェガンの姿はなく、不安感からか操縦桿を強く握った
すると、レーダーに反応が。
「嘘だろ·····重なってる!?」
レーダー上では自分の位置とジェガンの位置が重なっている
しかし姿は見えない····· だとしたら考えられるのは·····
「上か!」
時すでに遅し。フォースインパルスヴァイスの真上からジェガンが両手でビームサーベル握り、振り下ろす構えだ
「しまった!」
残りHPはそれほど無い、それに再生したジェガンは復活前に比べ機動力も攻撃力も上がっているのは先程の戦いで身に染みて理解している
終わった·····
ユウトの脳裏にGAME OVERの文字が浮かぶ
その間にも凄まじいスピードで迫るジェガン
万事休す、そう思ったユウトの考えを裏切る様にジェガンへと赤いビームがジェガンのメインカメラを貫く
「ユウト、まだくたばってないよなぁ!?」
「タツヤ·····! 当たり前だろ!」
口が裂けても諦めかけたとは言えない。
タツヤが与えてくれた逆襲の機会に再びエクスカリバーを握り、インパルスは立ち上がる。
「さっきはよくもおおお!!!」
インパルスヴァイスのエクスカリバーはメインカメラをやられ怯んだジェガンの胴部へと突き刺さると、そのまま大破。
これで何とか6機の再生ジェガンを打ち破って見せた
とは言えこれで終わりではない、あくまでこれはボスステージまでの前座。
2人の画面にも『ボスステージへ移行します』の文章が現れ、互いに気合いをいれる
先程までとはステージは変わり、2人が移動したのは巨大な倉庫内部のような場所だ
HGサイズ、ましてやMGサイズと戦うにしてもあまりにも広すぎる·····
すると倉庫内部が揺れ始め、このミッションのボスが漸く姿を現した。
「さぁて·····主のお出ましだ·····!」
「なぁ、俺ずっと思ってたんだけど····· まさか相手って·····」
ユウトの嫌な予感は的中。
倉庫内部の大きな揺れの原因、それは·····
「PGサイズ RX-78 ガンダム·····!」
誰にも倒せないガンプラ という噂を嗅ぎ付けミッションに挑むユウトとタツヤ。
再生ジェガンを倒した彼らの前に立ちはだかるのはPGサイズのガンダムだった·····
次回、「PGを迎え撃て」