2人を待っていたのは倒されても完全に破壊しない限り復活し続ける再生ジェガンとPGサイズのRX-78ガンダム
想定外のPGサイズの登場に対し、2人のエクシアアスターとインパルスヴァイスはどう立ち向かう·····
〜キャラクター〜
・タツヤ
彩渡商店街に残る数少ない店の1つである居酒屋の一人息子。 ミサに誘われ始めたガンプラバトルにハマり、愛機のエクシアアスターと共に戦場を駆ける
・ミサ
彩渡商店街の模型屋の一人娘。幼馴染のタツヤと共に彩渡商店街を立て直す為、ガンプラバトルのチームを建ちあげる。 愛機はアカツキの改造機のアザレア
・ユウト
ミサ タツヤと同じクラスの同級生。チャームポイントは吸い込まれるような赤い瞳 愛機のインパルスヴァイスと共に2人を支える
・カマセ
ミサ タツヤの幼馴染。彩渡商店街ガンプラチームに所属していたが強さを求め脱退。
「PGサイズ····· RX-78ガンダム·····!」
2人のモニターに映る巨大なその姿に思わず動きが固まる
PGサイズ·····世界大会等でも使う選手はいるが·····まさかNPCとして立ちはだかるとは·····
それに俺はまだ1度もPGサイズの機体と戦ったことは無い。あるのは知識のみ·····
だが、ここまで来たらやるしかない!
頬を叩き、気合いをいれるとスラスター全開でガンダムに立ち向かう。
幸いにもボスステージに移行した際にHP等は全快しているが····· 相手がPGサイズとなると一撃一撃がほぼ必殺技級の威力となる。
リペアキットは5つ、GNソードのライフルモード残弾もしばらくは持ちそうだ。
トランザムも再使用可能だが、恐らく使えるのは1度っきり。使う場所を考えて動かなければ·····
考えろ·····考えるんだ·····
どうすればPGを倒せる·····!
「タツヤ、来るぞ!」
「ハッ!」
ユウトの呼びかけの通りガンダムは動き出し、ビームライフルの銃口をこちらに向ける
放たれたビームは真っ直ぐにこちらへと向かい、エクシアとインパルスは分散するようにして攻撃を避けた
しかし·····流石はPGサイズ·····!
先程まで立っていた場所の地面は威力により抉れている
本当に一撃一撃が必殺技級の威力だ·····
額を伝う汗が心の内の焦りを表している。
今できることはまだ分からない····· ただ、今は相手の動きを見ながら対策を練るしかない。
一撃離脱戦法で相手の出方を伺おう·····
俺は操縦桿を思いっきり前に倒し、エクシアを全速で加速させガンダムへと迫る
スラスターの限界まで出し切りながらGNソードを構え、ガンダムに攻撃を仕掛ける。
「硬い·····!」
スラスターを出し切り、踏み込んだエクシアはGNソードでガンダムの胸元へ飛び込み、切りかかるがガンダムの胴体には傷1つ付かない
MGすら真っ二つにできるGNソードの刃すら通さないのか!?
どうやら強化されているのは攻撃力だけではないらしい·····
次の対策を練るタツヤのエクシアは一旦離脱を試みるも、ガンダムの巨大な手に掴まれ身動きが取れなくなってしまう。
握られているだけの筈なのにHPはじわじわと減り始め、心のなしか機体の一部からミシミシといった亀裂音が鳴り始める
ここから抜け出さなければHPを削られGAME OVER·····、それだけは何としても避けたい!
「タツヤを·····離せえええ!!!」
エクシアアスターを掴むガンダムの手へと、インパルスヴァイスのエクスカリバーが火花を散らしながら切りつける
最大出力でぶつかっているのだろう、フォースインパルスのスラスターからは凄まじい量のエネルギーが放たれているが、一向にエクシアアスターが解放される様子はない。
HPが4分の1減り、そろそろ抜け出さなければまずい·····
使うしかないか····· あれを·····
「トランザム!」
ガンダムに掴まれたエクシアアスターの機体から赤い光が放たれると同時に全性能が増し、両腕の力でガンダムの手から身を引き離す
とは言え最後の切り札をここで使う羽目になってしまった。
連撃を叩き込むなら·····今しかない!
漸くガンダムの手から逃れたエクシアアスターはGNソードを使い、各ボディへと連撃を叩き込むが相変わらず傷1つ付かない·····
だが確実にHPゲージは減り始めた
トランザムが続く内に····· 少しでも多くのHPを削らなければ·····!
「タツヤ!俺が囮になる!お前はガンダムのバックパックを破壊しろ!」
「分かった!」
「こっちだ·····デカブツ!」
インパルスヴァイスは自ら囮になりガンダムの視線を引き付けながらビームライフルで牽制、一方の俺のエクシアアスターはインパルスヴァイスへと注意が行っているガンダムの背後に回り、バックパックへと狙いを定める
トランザムはあと5秒で切れる、今だ!
「EXアクション! クロススラッシュ!」
GNソードをX字に切りつけ、放たれるX状のエネルギーが見事ガンダムのバックパックへと直撃し、大爆発が起こる
「決まったァ!」
先程とは比べ物にならないHPの減少を目の当たりにし、思わずシュミレーターピッド内でガッツポーズを取るタツヤ。
そんな喜びも束の間、爆煙の中から巨大なグーが飛び出しエクシアアスターへと命中。
攻撃が直撃したエクシアアスターは地面を削りながら吹き飛ばされ、倉庫内部の壁にぶつかり合い漸く止まった
凄まじい衝撃を示す様にタツヤのモニターの画面に砂嵐が起こり始めた。恐らくメインカメラに異常が起きたのだろう。あれだけの威力の攻撃をモロに喰らったのだ、むしろHPが残っているだけ奇跡と言うべきだろうか?
支障が起きたのは恐らくメインカメラだけではない、先程から左腕の反応が無く思うように動かせない
確認しようにもモニターの画面が安定しないせいで何が起きてるのか全く分からない
ガンダムは?ユウトは?俺の左腕は?
治る気配のないモニターに苛立ちながらも俺は幾度も操縦桿を動かす
動けなくなって40秒が経過した頃、漸くモニターが安定し始め現状を確認出来た。
分かった事はインパルスヴァイスとガンダムは以前交戦中、そして左腕は関節から先が粉々になりリキャプチャービームで回収云々言えるレベルでは無い事。
非常に不味い·····
何とか起き上がれはするものの、残された右腕だけで攻撃を補う他ないが····· GNソードはまだ握れる。
GNダガーは満足に投げられたものでは無いが、PGサイズが相手なら動きを止めることすら敵わないのは理解している
与えられた条件で勝つにはどうすれば·····!
俺はモニターに映るガンダムの動きを見つめながら逆襲の機会を窺う
待てよ·····?
先程から見ているとガンダムの動きにある一定の規則性がある
あの巨大な身体から放たれるビームサーベルの動きは似合わないほどに速い。だが、攻撃後数秒間動きが止まる瞬間がある
ビームサーベルを振り切ったその後の数秒間、そこを突けば·····!
更には頑丈なボディのPGにはある弱点がある。それが関節だ。
PGサイズの機体にはリキャプチャビームが装備されていない。つまり1度パーツアウトさせてしまえば相手は二度とパーツアウトした部位は再使用不可となる。
そしてこのガンダム、攻撃後の数秒間の間から元の構えに戻るまでの間の動きの止まりは関節の守りが手薄になる。
わざと攻撃をさせ、動きが止まった間に関節を狙いパーツアウトさせる····· 奴に勝つにはこれしかない!
「ユウト!聞こえるか?」
「タツヤ!生きてたか!こっちもそろそろやべえかも·····」
「作戦を思いついた!こいつはビームサーベルの攻撃後に関節の守りが薄くなる、そこを突いて両腕もぎ取るぞ!」
「OK····· これが最後のチャンスかもな·····」
「ああ····· エクシアアスターもこれ以上の戦闘はやべえかも」
エクシアアスターの残りライフは後僅か·····
牽制のバルカンですら10発喰らえば間違いなく墜ちる
つまりこれがラストチャンス·····!
せっかくここまで来たんだ····· どうせなら勝ってやる!
エクシアアスターとインパルスヴァイスの2機は最後の力を振り絞りガンダムへ接近。
近づこうとする2機を蹴散らす為、ガンダムは巨大なビームサーベルでまとめて2機ごと切りつけようとするも必死の回避で何とか突破。
タツヤの予想通りガンダムの動きが止まり、2機はエクスカリバーとGNソードを構え、守りが手薄の関節へと切りかかる
同時に刃が入った関節。PGといえど関節までは硬い訳では無さそうだ
2つの刃はあっという間に関節へと深く入り込み最後の一押しへ
これを逃せば次はない····· そう思いながら雄叫びを上げ操縦桿を更に前に倒す
「「いっけええええ!!!!!!」」
2人の威勢に応える様に、刃は更に入り込み火花を上げながら·····ついにガンダムの両腕を切り落とす
「よっしゃああ!!!」
「パーツアウト!」
もはやこうなった以上、怖いものなどない
そのまま2機は振り返り、両腕を失い守りがガラ空きになったガンダムの胴部へとエクスカリバーとGNソードで切りつける
流石の硬さに刃は入らないものの、何度も何度も切りつけ、ついにガンダムのHPゲージは0となり、その場に倒れ込む
Congratulation! という文字がモニターに映し出され、先程までガンダムが立っていた場所へとアイテムボックスが現れた
終わった····· かなり苦戦はしたもののPGサイズの機体を倒した·····
2人は大きなため息をつくと、ガンプラ同士でハイタッチをしてお互いを労った
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「さてさて····· お待ちかねのアビリティは·····っと」
ユウトはワクワクしながら報酬欄を開き、獲得したアビリティを確認する
「お、ソードマスタリ! 後は·····うーん微妙····· あんなに頑張ったのにこれじゃあ普通のHARDミッションの方が美味いじゃんかよー·····」
思ってたのと違う報酬に一気に萎え始めるユウト
肝心の俺の報酬はっと·····
「ふむ····· ライフルDPSか····· まぁ+1200だから何とも·····ってなんだこれ?」
タツヤの目を引いたのは赤文字のアビリティだ
通常、最高レアとされる即死無効等のアビリティは黄色文字で表示される。
だが、俺の報酬として出てきたアビリティは赤文字で 覚醒 と書かれている
覚醒·····? 当たりなのかは分からないがとにかくレアそうだという理由で習得しウィンドウを閉じた。
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時刻は18時。いつの間にか空は茜色に染まり、2人は並んで帰路に着いている
「結局レアアビリティってのは噂だったかー·····」
しょぼくれながらタツヤへと寄りかかるユウト
出来るなら暑苦しいから離れて欲しい。
そんなことを思いながらゲームセンターを出る前に買ったコーラで喉を潤す
それにしても····· 手強い相手だった
だけどおかげで実力は少し上がったはず、タウンカップまで残り5日しかない
「絶対に勝つぞ·····タウンカップ·····」
「もーらい!」
突然ユウトは俺が飲んでいたコーラを奪うと目の前で美味しそうに飲み干した
この野郎·····! 俺の貴重な130円をよくも·····!
ユウトに対し込み上げる怒り
「じゃ、俺家こっちだから!あばよ!」
「あ!おい待てこの野郎!」
「ギャハハハハ!!!」
俺のコーラを奪い、去っていくユウトの背中を空っぽになった空き缶片手に見つめる他なかった。
ついに開幕するタウンカップ!
優勝をめざし初戦突破の為に奮闘するミサとタツヤ
そんな彼らの前に現れたのは2人の幼馴染のカマセだった。
次回、「初陣、彩渡商店街ガンプラチーム」