異世界召喚ロリコニア   作:名もなき紳士

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幼女、服従、戦闘

 

俺はその瞬間、全てを理解した。

 

「……そういうことか」

 

さっきまでの熟女神は、目の前の幼女が年齢詐称して変えていた姿だったんだな。

恐らく、あの場所では舐められないように大人びた姿をしていたんだろう。もしかすると過去に違う転生者から容姿をバカにされたのかも知れない。背伸びしようとする幼女特有の思考もあるだろう。

 

「何でそこまで分かるんですかっ!?」

 

俺は幼女に関して分からないとこなど有るはずがないだろう?

 

「……変態。やっぱりロリコンじゃないですか…」

 

俺は元の姿の熟…いや幼女神の頭を撫でながら、優しく告げる。

 

「さっきは気づいてやれなくて済まなかったな」

「急に優しくしないで下さい」

 

幼女の変装も見抜けないとは……まだまだ精進が足りないようだ。

 

「はは、背伸びしている姿も可愛かったぞ」

「さっきまでは散々罵倒していたじゃないですか……ここまで違うともう呆れますね」

 

幼女神がジト目でこちらを見てくるが、幼女のジト目は可愛いから許せる…というかずっと見ていられる。

目を合わせ、じっと見返してやると、

 

「っ…!」

「なんだ、照れた顔もかわいいな」

「ふ…ふざけないで下さい!変態って呼びますよ!?」

「はは、『お兄ちゃん』って呼んでくれてもいいんだぞ?」

「呼ぶ訳ないでしょう!この変態(お兄ちゃん)!……え?」

「ぐふぅ…」

 

幼女に「お兄ちゃん」と呼んで貰う……前世からの長年の夢が遂に叶った瞬間だった。

 

しかし、まさか本当に言うとは思わなかったが……本人も言うつもりはなかったのか、口に手を当て驚いた表情をしていた。

…もしやこれは。

 

「…そ、そうでした。召喚された側は契約でマスターに絶対服従でした……」

「という事は、幼女神は俺に逆らえないって事か?」

「そんな……物すごく身の危険を感じるんですけど……」

 

へぇ……良い事を知った。

まぁ幼女神には安心して欲しい。俺の心情は「幼女は愛でる物」であり、幼女を決して虐めたりはしない。弄るのは愛でる範疇だが。

 

「ふ、不安しかない…。というか幼女神って呼ぶのやめて下さい!心の中でも!」

「あぁ、そういや名前聞いてないや。俺は守緇(むらせ)(つとむ)な」

「……教えたくありません」

 

…ふむ。ならちょっと試してみるか。

 

「名前を教えてくれ。ついでに幼女っぽく」

 

絶対服従がどこまで効力を持つのか…結果は直ぐに出た。

 

「誰が──ティアだよ、お兄ちゃん!──教えるものです……か」

「ティアか、良い名前だな」

「こ……この変態(お兄ちゃん)っっ!!」

「はは、改めてよろしくなティア」

「もういやぁ……」

 

どうやら、絶対服従は相当強い力を持つらしい。結果に満足していると、ティアがその場に泣き崩れた。

 

「ふぇぇ……帰りたいよぉ…」

「よしよし…帰る?召喚したら元の場所に還せるのか?」

 

そう言うと、ティアは何か思いついたように勢いよく立ち上がった。

 

「そ、そうですっ!私を天界に還して下さい!」

「え?どうやって?」

「…………え?」

 

次は困惑した表情でフリーズ。俺がコロコロ変わるティアの表情を内心で楽しんでいると、ティアは絶望した顔で言った。

 

「そんな……帰る方法が無いなんて……」

 

そうだったのか……召喚したら還せないのか……

 

「そうか……残念だ」

「内心で喜んでいるの分かっているんですよっ!!」

「……やったぜ(グッ)」

「そんな嬉しそうに言わないで下さいっ!!」

「ははは、怒ったティアもかわいいな」

 

暫くティアを弄り続けていたが、その時間も長くは続かなかった。

 

 

──森の中央で騒いでいるのがいけなかったのだろうか、ふと後ろで物音がしたので、反射的に振り向くと……。

 

「………あ」

「……どうしましたか?」

 

すぐ近くにいる、でっかい熊と目があった。

 

「え?熊……ひぃっ!?」

「……グルルル」

 

体長は少なくとも俺の3倍以上はある、でかい熊だ…ってか熊じゃねぇなコイツ。日本のヒグマが可愛く見えるくらいにでかい。それでも幼女には敵わないが。

 

「も、モンスター…」

 

なるほど、コイツはモンスターって言うのか。確かに見るからに強そうだしな。

……ここまで存在感あるのに、近づかれるまで気付かなかったのが逆に不思議だ。ティアがかわい過ぎたのが原因だと思う。

 

「わ、私のせいにしないで下さいっ!」

「グルゥッ!!」

「ひぃい!?」

 

…なんか唸ってるし、俺たち絶対敵認定されてるよねこれ。てか涎垂らしてない?餌認定されてない?いやでもモンスターの目はティアに釘付けで俺の方は見向きもしない。つまりティアが好物?こいつロリコンだな(確信)

 

「た、食べられる………主神様すみませんティアはここで終わりのようです…」

 

怖がるティアかわいい(現実逃避)

 

「げ、現実逃避してる場合ですかっ!?」

「でもどうしようもないし……ティアどうにかならない?なんか神的なパワーとかで」

「そ、そうでした。私の神力で……」

 

何か突破口を見つけたのか、ティアが何かを唱え始める。

……すると、空の一部が若干赤くなっているのに気がついた。よく見ようと目を凝らすと……何か隕石っぽい物が結構な速さで降ってくるのが分かった。

 

「あれって……」

「──喰らいなさいっ!ゴッドメテオ!!」

「……ヤバくね?」

 

ティアは正面のモンスターを倒す事に必死で気づいていないようだが……サイズと速さ的に、このままだと俺らも巻き添えになる気がする。てか絶対巻き込まれる。

 

「下がるぞ!!」

「え……きゃぁっ!?」

 

前世のトラック事故と同じくらいの危機感を感じた俺は、咄嗟にティアの服を掴み、後ろに猛ダッシュする。事故を経験していなかったら、この反応はできなかっただろう……あの事故が早速活かされるとは思わなかったけど。

 

最後に少しだけ振り向くと…そこには同じく逃げようと大きさに見合わない俊敏な動きで下がろうとしているモンスターと、それに合わせて向きを変える隕石が見えた。

 

……追尾式かよ、アレ。

 

その直後、隕石が着弾してそこら中に爆音が鳴り響き、俺は気を失った。

 

 

 

 

──気を失っていたのは一瞬だけだけだったようだ。気がつくと、俺は少し蒸し暑くなった森の中で倒れていた。

 

ティアは……良かった。俺の腕の中で目を丸くしていた。見た感じ怪我は無いようだ。抱きかかえたまま起き上がり、自分自身も確認。……よし、何ともないな。服が汚れただけで済んだ。

 

「おーい、ティア」

「え、あ、は、はいっ」

「なんだ、無事で良かったな」

「……えーと、ごめんなさい…」

「気にするな」

 

幼女のしたことくらい、笑って許せる。結局2人とも無事なんだし。

腕の中で小さくなっているティアを、許すという気持ちを込めて撫でておく。申し訳なさが大きいのか、ぴくっと反応するも特に嫌がる素振りは見せなかった。

 

 

 

「……………いつまで撫でているんですか」

 

幼女を撫でるとか役得だったので、ティアを撫で続けていたのだが…遂にバレたか。

 

「…こんな嬉しい感情が溢れていたらバレバレですよ」

 

でも暫く大人しくしていたということは、ティアも満更では無かったのでは……

 

「今すぐ離して下さいっ!!」

「ツンデレご馳走様です」

 

思わずティアを拝んでしまう。ティア尊い。かわいい。女神。

 

「うるさいですっ!それよりモンスターは…」

 

俺は既にティアを撫でている途中に確認していたが、モンスターがいた辺りを振り替えると……そこにはクレーターが出来上がっていた。

 

「倒せ…ましたよね?」

「跡形もなく。追尾してたし間違いないだろ」

 

でも、もう少し規模は抑えて欲しい。じゃないと、俺たちまでこうなるだろうし。

 

「…すみません」

 

でもまぁ、ティアがいればモンスターと会っても余裕で倒せそうだな。神の力とか正しくチートだし。

 

「…………」

「どうしたティア?」

「それなんですが……」

 

 

 

──その後、ティアから驚愕の事実が伝えられた。

 

ティアの力は女神らしく強力だが、その行使には神力を消費するとのこと。しかし、それは神の空間でのみ補充できるもので、地上では回復しないらしい。

幸いなのは、自然減少はせず、神力自体はなくても問題ないこと。あと思考を読み取るのはティア固有の力で、神力は要らないらしい。

 

という事は……纏めるとティアの力は強力だが、リロードができないフュージョンブラスターみたいなものか。

 

「あとどのくらい残ってる?」

「残りは…半分くらいです」

「…あんま悠長にはしていれらないな」

 

またモンスターが現れるかもしれない。ならずっと此処に居ても仕方ないだろう。

 

「よし、先ずは森を出て人が居そうな場所に向かおう」

「は、はいっ!」

 

だが無闇に森を彷徨うわけにもいかない。

 

「ティア、周囲を探る能力とかある?」

「神力を使えば…できると思います」

 

消費もそんなしないようなので、早速使ってもらう。リロードできなくとも、出し惜しみしている状況でもないからな。

 

「…………ここから右前の方向に人の気配を感じました」

「モンスターの気配は?」

「周囲にはありませんでした」

 

元々生き物の気配がしない森だが、もしかするとさっきのメテオで逃げたのかもな。

 

「どちらにせよラッキーだ。移動しよう」

 

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