僕のヨーローアカデミア   作:far

3 / 16
ネタはあるけど整合性とか考えると、逆に調整しなきゃいけないネタの量が多すぎて困る。

最近見つけたヒロアカ二次推し
新梁氏の 無免ヒーローの日常 を推すぜ!

無個性でも、ヒーローに。無個性と診断された幼いデクが、そう決意して、何が必要なのか、どうすれば強くなれるのか。ヒーローとして活動するとは。
主に中学時代の活動が語られる、彼と、彼に影響された人々の物語。
テンポのいい会話と、勢いのある読ませる、読みやすい文章なんだけど量があるから、しおりを使ってゆっくりと読み進めるのじゃ……
ヒロイン発目明。相棒一号かっちゃんと二号の心操。かっちゃんはちゃんとかっちゃんなので、そこは安心。
ちょっとガンガンでやってたソウルイーターのキャラとネタ入ってるけど、ヒロアカ本体へのmodみたいなものだからそこも安心


オールマイト「私にいい考えがある」

 僕のヒーローアカデミア

 

 

 僕の(ピッ)-ローアカデミア

 

 

 僕の(クルッ)ーローアカデミア

 

 

 僕の(ビシィ!)ーローアカデミア

 

 

 

 ワン・フォー・オール!

 

 それは聖火のように、人から人へと代々受け継がれてきた、受け継がれる“個性”!

 

 鍛えた身体能力を、その“個性”に込めて、次の走者へ。

 そしてまた次の走者へと、継がれてゆく度に強大になる成長する“個性”!

 

 ただし、この“個性”

 

 その反動に対する、耐性までは適用の範囲外だったりする…!

 

 つまり。いきなり全開で動かすと、身体が耐えられずに骨折――で済んだらいいですね。

 などという、いきなり再起不能な状態にすらなりかねない。そんな恐ろしい“個性”なのである!

 

 ワン・フォー・オール九代目 緑谷出久。彼は苦悩していた。

 ただでさえ八代重ねて強化されていたというのに、偉大なる先代が鍛えすぎたがゆえに、反動がもう、シャレにならない程大きくなってしまったのだ。

 

 正直。今(60歳)から鍛えても、受け継ぐ体が出来る前に、オールマイト(90歳。未公表)の寿命が来てしまう。

 

 六十歳になって、何か都合の良い個性が出てくれたなら。

 そう祈っていたのだが、そんな都合のいい奇跡はどこにも無かった。

 

 

「キミは ヒーローになれる」

 

 

 オールマイトが見込んでくれて。

 後継者候補として、鍛えてきた。

 だがそれも、ここまでなんだろうか。

 

 うずくまる緑谷さんを救ったのは、やはりオールマイトの言葉だ。

 

 

「私もかつては無個性だった。個性が出なかったんだよ、私も」

 

 

 同じだった。

 後継者と見込まれて、身体を鍛えて。そして個性が出なくて。

 しかし受け継ぐことが出来たんだよ。

 

 優しくそう諭したオールマイトは、語りだした。

 

 

「緑谷くん。私も衰えた。筋肉が減って筋力も落ちたし、心肺能力などかつての半分だ。五年前にガンになって胃を摘出して以来、マトモにメシも食えない」

 

 

 最近は白内障が進んだのか目も霞むし、関節炎が慢性化してヒザや腰が痛い。

 などなどの、年寄りあるあるトークに、話を戻したいのだがキッカケがわからない緑谷さんは、オロオロとしながらもただ話を聞くしか無かった。

 

 だが年寄りの話は長かった。

 しかもグチだと更に長かった。

 

「将来ヒーローになるんだからって、結婚もしなかったのはやっぱりやりすぎだったのかなって、最近になって思うんだよ」

 

 しかし内容がどんどんツッコミづらい領域に入ってきてしまったので、緑谷さんは勇気を出して割り込んだ。

 

 

「あのっ! オールマイト! それで、私は結局どうしたら…?」

 

「ああ! そうだった。ゴメンゴメン。こんなグチを言える相手とか、居なかったから、つい、ね?」

 

 

 そんな寂しい事を言うオールマイトに、ヒーローへの夢や憧れがちょっとばかり削られながらも。

 まあ、現実ってそんなもんだよね。

 社会で四十年以上やってきた緑谷さんは、即座にそう受け入れた。

 

 ヒーローになれないのはショックだけれども。

 まあ、やるだけやってダメだったんだから、しょうがないか。

 

 続けて、そうやって夢を諦めてしまう、その寸前に。オールマイトが彼の勘違いを正す。

 

 

「要は、体が耐えられないなら、耐えられるガワを作ればいいんだよ。それがマッスルフォームさ」

 

 

 歳を取ると、骨がもろくなっていく。

 これは、そういうものなのだ。骨の原料であるカルシウムを吸収する腸の働きは衰え、吸収を助けるビタミンDなどの精製能力も下がる。

 結果として骨密度は下がり、骨は細く、もろくなる。

 

 そんな体でも全開で動き続けるために。才能マンであるオールマイトの体は、耐えられるような“個性”の使い方を自然と編み出していたのだ。無意識に。

 自然かつ無意識であったために、実は最近まで気付いていなかったのだが。

 弟子の緑谷さんのために、彼が“個性”を受け継ぐ方法は? と考えに考えて、ようやく気が付いたのだ!

 

 だがしかし。

 

 運動とはろくに縁が無く、この歳まで来てしまった緑谷さんに、そういう方面の才能は無かったわけで。

 これがまだ十代二十代であったなら、リカバリーや無理もきいたかもしれないが。

 これは車の運転に例えて言うならば。

 

 免許はおろか、運転した経験も無いけど、これからレーサーになります! 六十歳で!

 

 こんな感じになる。

 だがこの師弟。無理や無茶をやり通してしまう、狂気染みたナニカを双方持ち合わせていた。

 

 そして、今。その成果が、ひとりの中年女性を救う。

 

 

「デトロイト… SMASH!!!」

 

 

 雄英学園入試、体力試験、第三部。

 原作でいう、ロボを使ったあの試験だ。

 

 なお体力試験第一部は、100mを三十秒以内で走るか、20kgのダンベルを持ち上げるかでクリア。

 第二部は、砲丸投げ、走り幅跳び、1kmのマラソン、垂直跳び、パンチングマシーンの総合点で上位が勝ち抜けという形だった。

 

 第一部で転倒による骨折、重い物を持ち上げようとしてのギックリ腰など故障者が出たが、例年の事なので待機していたリカバリーガールが即座に治療した。

 

 この世界だと、六十歳を越えてから ガール と名乗る事を決めた、すごい根性をした女性になってしまうのだが。

 原作でも、あのお歳になるまで名乗り続けていた方なので。まあ、いいかなって。

 

 同様に。六十歳越えてから十八禁ヒーローを名乗ろうとしたあの人も、かなりアレな事になってしまうが。

 由美か○るという、実例もいた事であるし。

 まあ、セーフでいいかなって。

 

 ほら。ヒーローってマスクで顔を隠すし。スタイルさえ保っていられれば、イケるかなって。

 

 

 話を、試験へと戻す。

 

 

 試験が開始してから、緑谷さんは走りながらきょろきょろと辺りを見回し、まずは1点のロボを探して殴りかかった。

 硬いものを殴って拳をいためないようにと、掌底で殴られたロボは、それでは壊れなかった。

 そこで緑谷さんは、ロボを強く押して、コカして踏んだ。

 首やら胴体やらの、関節の細い部分を狙って、とにかく体重をかけて踏んづけた。

 

 

「よし! イケるぞ。あとは数をこなすだけだ」

 

 

 先日。某幼馴染をキャバクラにて接待。

 これまでの雄英の入試から予想した試験内容を教えて、その対策を考えて、教えてもらった成果である。

 

 そうやってコツコツと点数を稼ぎ、倒したロボをぶつけて壊すなどして2点や3点のロボにも手を出して。

 

 そして、あの0点のロボが現れた。

 

 

「ヤバいぞ! 逃げろ!」

「あんなん倒せるわけあるかぁ!」

 

 

 ビルのように大きなロボの出現に、パニックが起きる。

 受験者たちは皆、我先にと逃げてゆくが、時折、取り残されてしまう者もいた。

 

 麗日お茶子(バツイチ)

 

 運悪く、落ちてきたガレキに足を挟まれてしまった彼女も、その一人だ。

 

 ヤバい。

 何とか足を抜き出そうとするが、うまくいかない。

 ゆっくりとだが、地響きを立てて近付いてくる0点ロボから、恐怖を感じながらも目が離せない。

 

「くっ、こんなところで…」

 

 そう、声に出した時だ。

 そうだ。ガレキを個性で浮かせればいいんだ。

 触れたものを無重力状態にする個性。それを使えばいいのだと、ようやく彼女は気が付いた。

 

 離婚して実家に帰ったものの、会社の経営が思わしくなくて生活が苦しく。

 個性に目覚めてすぐに、ヒーローになろうと受験に来たのだ。

 そしてこの状況になり。しかしまだ個性に頼る、個性を使うという発想が身に付いていなかったがゆえに、この解決策をなかなか思いつかなかったのだ。

 

 だが彼女がガレキをどかそうとした時、ガレキは誰かによって持ち上げられた。

 

 

「久しぶりだね」

 

「デクくん……」

 

 

 思わず、昔の呼び方が口から出ていた。

 別れた時から、少しシワが増えた元夫の顔が、そこにあった。

 

 ちょっと待ってて。

 

 そう言って、0点ロボへと向かって行った彼は、左手だけを大きくしてロボを殴り飛ばして壊してしまった。

 

 

「うわぁ…… 大丈夫なんかな。あんなおっきいの壊してもうて」

 

 

 ヒーローに憧れていた彼のことだから、もしかしたらと思ってはいたが、本当に再会してしまった事と。

 その彼が、自分のピンチにタイミング良く駆けつけてくれて、しかもあの巨大なロボを吹き飛ばしてしまった事と。

 それらの衝撃が大きすぎて、逆に素になってしまった彼女は、0点ロボの修理費用とか、いくらなんやろう。そう思いながら走った。

 どうやら、着地の事までは考えていなかったらしい彼を助けるために。

 

 

「ウジウジした所はマシになったみたいだけど、ツメが甘いとこは直ってへんねえ」

 

 

 クスクスと。彼女は、久しぶりに笑えていた。

 少女時代のように、無邪気に。

 

 

 

 <もうこれでエンドでいいんじゃないかな>

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。