というか六十歳にすると、人生の履歴を考えないといけないんだなあ。
原作者さんすらよくわからないキャラという青山くんを消したのは、正解だった…?
僕のヒーローアカデミア
僕の
僕の
僕の
個性婚!
それはお見合い結婚の一種ではあるが、この超常社会で問題視されている形式の結婚である!
個性は遺伝する! そして受け継がれていくたびに、強く複雑になっていく!
そしてやがて、誰にもコントロールができない領域へと行ってしまうのではないか?
強大になりすぎた個性により、訪れる終末。個性終末論。
そんな論文も存在するが。
そんな先のことは知った事か、と個性が強化されるような組み合わせで結婚して、子供を作る。
それが個性婚である!
なお。この世界では結婚、子作りする段階では、普通は六十歳より前なので。
この世界では、お互いの個性がまだ出ていない段階でのハナシになって。
つまりは、かなりのバクチになるので。あまり流行ってはいない。
こういう個性が出るはずなので、こういう個性が出ると思われるそちらの相手と…… という形での、まあ、お見合いの釣書とか推薦の要素の一つになる程度である。
普通なら。
だが男性であるならば、女性とは違い、六十歳を過ぎても子作りは可能であり。
財力と地位に物を言わせて、将来目当ての個性が出るだろう愛人らを集めて、アタリが出るのを期待して、子供を作りまくったハーレム野郎が実在する!
「それで本当に出ちまった、アタリが俺ってわけだ」
笑えよ。
そう言ってグラスを傾ける、左右で紅白に別れた髪の色をした二枚目の男に、笑える人間は誰もいなかった。
轟 焦凍(20)
ようやく酒が飲める年齢になったばかりのはずなのに、やけに慣れを感じる飲みっぷりだったが、それを責める人間も誰もいなかった。
なお彼は当然、個性はまだ発現していない。しかし髪の色分けと、何より個性因子の濃さから成功例と判断されていた。
大学の飲み会で家族の話になって、ちょっと話を振ってみたら特大の地雷が飛び出してきてしまった件について。
周りの大学生たちに、この話題に対するフォローを要求するのは、レベルが高すぎる。
だが恋愛脳な女生徒がいたらしく、ひとりがこの話題にさらに踏み込んでしまった。
「そのおかげでショートくんに会えたから、私には悪くないけど。ショートくんのお父さんは、なんでそんな事したの?」
見えている、あらわになった地雷に、なんでここに地雷があるの? ねえねえ。とぶったたくような暴挙である。
しかしそんな暴威ですら、その地雷に火をつける事は無かった。
その地雷は、すでに冷えて、シケって、硬くなってしまっている。
よほどの事がなければ、爆発する事も、取り除く事もできないだろう。
「オールマイトを超えるため、だとよ。まったく、俺がヒーローになれる歳まで何年あると思ってんだ」
「40年先? うわー、想像つかなーい」
どこまでも軽い女生徒のノリに、焦凍は苦笑ではあるが、表情をゆるめながら同意する。
「だよなあ。いなくなってる奴を超えろって言っても、なあ。オマケに、その時にはもうクソオヤジも確実に寿命が来てて、いないんだ」
いないんだよなあ。
少し寂しそうに、空いてしまったグラスを見つめながらそうつぶやく姿は、絵になった。
そんなイケメンの寂しそうな姿というのは、母性本能を刺激したらしい。
元から高かった、彼の争奪戦の倍率が上がった瞬間である。
轟 焦凍(20)
オールマイトはわからないが、なんだかんだで、子供を作った後もハーレムを維持できている父親の方なら。
彼はある意味で、超えられそうだった。
一方。
「あのね、あなた。わたし、雄英はゆっくり卒業しようと思うの。その、子供をね、産もうかと思うのよ」
「えっ。でも…… えっ。あっ! もしかして個性!?」
「ケロッ。知ってるかしら? カエルはね。春になると産卵するの」
目の前で、そんな家族計画を見せ付けられる、独身女性もいた。
焦凍くんの場合は家族計画(過去)であるが、この場合は家族計画(未来)になる。
そこには希望があった。喜びがあった。
お互いが四十後半の晩婚であったために、子供が望めなかった夫婦にもたらされた、思いがけない天からの贈り物だった。
なお。それを見ている独身女性にも子供はいない。
三十歳の大台を目前にして、相手に家族と周囲ぐるみでプレッシャーをかけて結婚したものの。
それから八年。子供が出来ず、生活のすれ違いやら、一緒に住み始めたら見えてきたものやら、溜まっていく日々のストレスやら。
別居を決めて、その解放感から離婚へと踏み切ったわけではあるが。
実家の三重へと帰ってみれば、あいかわらず経営が苦しい家族経営の土建屋の手伝いばかりで、新しい出会いも何も無く。
元夫との日々は、思えば今のそれよりは悪くは無かった。
そう、思ってはみても。今更であり。
無重力という個性に目覚めて、収入と今の生活からの脱却を求めてここへと来たわけだが。
「私、なにやってんやろなあー……」
無くしたものを、見せ付けられているように感じてしまって。
麗日 お茶子は、大変に落ち込んだ。
やべぇ。ほっとくのは良心がとがめるけど、これ
外見からは、緑谷夫婦(現在)をニコニコと眺めているように見えるお茶子だったが、緑谷夫婦(過去)とは学生時代から付き合いのある切島さんにはわかってしまった。
お茶子さんがヘコんでいる事も。それでいて、慰めるとか労わるとかしても、えー、私落ち込んでへんよー。なんとも思ってへんよー。と無理に何でもないフリをして、こじらせる事も。
しかしヘコんでいるのも、その事情もある程度は察してしまった以上、何もしないというのは、男としてどうなんだ。
苦悩する切島さんが、心の中で自分の奥さんに助けを求めるも、彼女は今現在は雄英の試験中。
いくつかの組に分けてもまだ人数が多いので、時間をズラして複数回会場を使いまわしていて、彼女は遅い組に入ってしまったのだ。
(ミナァァ! 早く来てくれー!!)
心の中でそう叫ぶ切島さん。
頑張れ、切島さん。一足先に帰ったと見せかけて、離れた席から隠れて見守っている、耳朗夫婦も切島さんを応援しているぞ。
修羅場とか、他人事だと面白そうだからね。響香さんの方の耳朗さんが興味を引かれて残ったのも、仕方ないね。
本来フォローを入れるべき、出久の方の緑谷さんは、現在の嫁の方に気を取られて役に立たないぞ。そういうところだぞ緑谷さん。
そういうわけで君は孤立無援だけれども。君しかいないんだ。
さあ、切島さん。
がんばれ。
このあと、切島さんの取るべき言動が思いついた方は教えてください。
わりとマジで。