僕のヨーローアカデミア   作:far

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そろそろストーリーを進めるべきか…
いや、今回はまだ進んでないんですが


お茶子「私の話も聞いてくれる」

 

 

 僕のヒーローアカデミア

 

 

 僕の(ピッ)-ローアカデミア

 

 

 僕の(クルッ)ーローアカデミア

 

 

 僕の(ビシィ!)ーローアカデミア

 

 

 

 六十歳!

 

 それはこの世界では個性が発現する年齢である!

 

 平均ではなく、なぜかこの年齢で発現するのだ。

 詳しいことは解っていない。

 それまで眠っていた個性因子が、スイッチが入ったかのように急に働き出すのだ。

 

 誰かに、まるでそう設計されているかのように。

 

 質量保存の法則をはじめ、様々な物理法則を超える点と合わせて、神の仕業とも悪魔の贈り物とも言われている。

 

 だがそんなよくわからないものであっても、使えるならば有効に活用してしまうのが人間というもの。

 個性はもう、当たり前のものとして社会に溶け込み、超人社会、もとい超老人社会へと世界は変化してしまった。

 

 しかしながらだ。

 

 個性への目覚め、覚醒は。決していい物ばかりではない。

 

 突如、巨大化の個性に目覚めたがゆえに、自分の家を両隣ごと押しつぶしてしまった人もいた。

 さいわいにも人的被害は出なかったが、彼女は今も借金の返済に苦しんでいる。

 

 若年性の認知症になってしまっていた所に、樹木の異形系に覚醒。弱っていた脳が変化に耐えられずに植物状態に陥ってしまった人もいた。

 彼は今も、腐葉土などが敷かれた特製のベッドに根を張り、その上で眠り続けている。

 

 そして頭部がカラスのような異形系になり、己の闇が実体化して意思を持ってしまった人もいる。

 彼は邪気眼や怪我をしていないのに巻かれた包帯やら、ナイフなど武器系アクセサリや、特定の洋楽やら、ブラックコーヒーを好み、根拠無く無駄に無敵な自信を持った影に苦しんでいる。

 かつての自分が憎い。

 フサフサになった事だけはうれしい、黒々とした鳥頭を、今日も彼は両手で抱える。

 

 

「フミカゲ! 今日は魔法の研究をしよう! 正しい詠唱を見つけられれば、きっと出来る! さあ一緒に唱えようか! ほら昔、お前が考えた…

 

 「やめろぉぉぉぉぉおおおーーーー!!!」

 

 

 彼には、力強く生きていただきたい。そう、思う。ジ・エーフ・キース! シンレー ト…

 

 

 逆に重度の糖尿病で、足を切断するところまで症状が悪化していたのが、治癒したケースもある。

 砂糖を摂取する事で、何倍ものパワーを発揮する個性に目覚めた副産物であるらしい。

 

 このようなケースから生まれた新技術や、新発見も数多い。

 彼も糖尿病の特効薬開発のため、現在は医療機関に検体として入院中だ。

 元々糖尿で入院していたのを、そのまま確保されたとも言う。治療薬が莫大な利権になりそうなので、保護下に置かれたのだ。

 

 日本人には糖尿病が多いので、仕方が無い。

 なおアメリカ人には糖尿病は、実はほぼいないらしい。

 糖尿病になるような人間は、すでになって死に絶えたので、糖尿にならない人間しかいないからだそうな。

 そんな社会にならないように、彼には期待したいところである。

 

 

 期待と言えば。

 お茶子さんも雄英にて、ようやく期待していた人材に巡りあえていた。

 

 

「八百万 百。バツイチです」

 

「麗日 お茶子。バツイチや」

 

 

 入学初日という事もあって、上品な着物姿の婦人と。

 入学初日だというのに学校指定のジャージ姿の、ある意味やる気に満ちて見えるオバちゃん。

 社会的地位も財産も育ちも。何もかもが違う二人だったが、そこには確かな情があった。

 

 友情かどうかは、まだわからないが。

 

 とりあえず、交わされた握手は固かった。

 

 

「私は元旦那の煮え切らんとこがダメやってんけど、そっちは?」

 

「……正直、今でもどうして結婚したのか分かりませんの。気が付いたら結婚する事になっていて……」

 

「ええ…?」

 

 

 とりあえずは、別れた夫のグチトークから入ろうとしたお茶子さん。

 しかし何だか、思ったんと違う… そんな話が出てきて困惑する。

 

 

「えーっと、おうちの事情とか? 婚約者が用意されてて、とか?」

 

「いえ、そういうのでもなく。ただの知り合いだったはずなのですが、どういうわけかそういった話が勝手に進んでいまして」

 

 

 え。なに。財産目当ての詐欺かなんか?

 これ、くわしく聞いてもええんかな。

 

 お茶子さんはそう思いつつも、気にはなるのでもう少し聞いてみた。

 

 

「よ、よくそれで結婚したね…?」

 

「ええ、まあ…… 流されてしまいまして。結局は別れる事になったのですけれど、子供は出来たのでそれだけは良かったですわ」

 

 

 今はどうされているのでしょう、峰田さん。

 

 

 あ、これもう元旦那に未練もなんもないわ。

 

 名前を口にしたのに、そこに何の(特殊タグ)も込められていないのを感じ取って、お茶子さんはこっそり落ち込んだ。

 仲間と思ったけど、仲間じゃなかった。軽くだが失望してしまったのだ。

 

 なんか子供もいるらしいし。

 こじらせているのは、自分だけだし。

 いや、別にー。デクくんがもう再婚してるっていうなら別にいいんだけどー。

 でも私に一言もないとか、気遣いがない… 無くなく無い?

 別れる時だって、こー、必死に引き止めるとか無かったしさー。そういうんがあったら私も考えたんよー?

 

 そんなこんなが、心の中で降り積もっていきながらも、表面上は八百万さんとおしゃべりを続けられるあたり。

 お茶子さんも伊達に長年、女性として生きていないらしい。

 

 しかしそのへんを、いっぺん緑谷さんに直接グチればいいと思うのだが。

 それができないのが、人としての見栄というものか。

 

 

「ところで私の個性は、素肌から物を創りだす創造なんですけれど…… その、この歳で素肌をさらすのはさすがに、はしたなくて……」

 

「マントでも羽織っとけばええんちゃう? もしくはセンセーの誰か、ミッドナイトとかに相談やな」

 

 

 できたばかりの友人の扱いが、急に雑になったりはしたが。

 それもまた友情の形の一つ、ということでいいんだろう、きっと。

 彼女の人生が、豊かになりますように。

 

 

 

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