次の日の朝、ボクは朝ごはんをあんまり食べさせてもらえなかった……。
王様は「国の食料がなくなる!」って言ってた。
そしてその後、しばらくしてボクたちは呼ばれた。
待ってましたと言わんばかりの表情をナオフミたちはしてた。
「勇者様のご来場」
「前日の件で勇者の同行者として共に進もうという者を募った。どうやら皆の者も、同行したい勇者が居るようじゃ」
全部で12人いた。
「さあ、未来の英雄達よ。仕えたい勇者と共に旅立つのだ」
錬、5人
元康、4人
樹、3人
ナオフミ、0人+ボク
「ちょっと王様!カービィがいるからまだマシだけどさ……。」
「う、うぬ。さすがにワシもこのような事態が起こるとは思いもせんかった」
「人望がありませんな」
そこへローブを着た人間が王様にヒソヒソと話をする。
「ふむ、そんな噂が広まっておるのか……」
「何かあったのですか?」
「ふむ、実はの……勇者殿の中で盾の勇者はこの世界の理に疎いという噂が城内で囁かれているのだそうだ。」
「はぁ!?だったらカービィは!?」
「ボク!?」
「伝承で、勇者とはこの世界の理を理解していると記されている。その条件を満たしていないのではないかとな。カービィは勇者でないためこの世界に疎いのも当然だ。」
モトヤスがナオフミの脇を肘で小突く。
「昨日の雑談、盗み聞きされていたんじゃないか?」
「つーか錬! お前5人も居るなら分けてくれよ」
「元康、どう思うよ! これって酷くないか」
「まあ……」
「偏るとは……なんとも」
「均等に3人ずつ分けたほうが良いのでしょうけど……無理矢理では士気に関わりそうですね。それにカービィさんが居てよかったじゃないですか。」
「だからって、俺たち二人で旅立てってか!?カービィなんてどうやって戦うんだ!?」
酷くない!?
「あ、勇者様、私は盾の勇者様の下へ行っても良いですよ」
赤い髪の人間が手を挙げた。
「お? 良いのか?」
「はい」
「他にナオフミ殿の下に行っても良い者はおらんのか?」
「「「「「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」」」」」
「しょうがあるまい。ナオフミ殿はこれから自身で気に入った仲間をスカウトして人員を補充せよ、月々の援助金を配布するが代価として他の勇者よりも今回の援助金を増やすとしよう」
「は、はい!」
「それでは支度金である。勇者達よ、しっかりと受け取るのだ。それとカービィにも用意してある。勇者でないとはいえ召喚してしまったのだからな。」
「ナオフミ殿とカービィには銀貨800枚、他の勇者殿には600枚用意した。これで装備を整え、旅立つが良い」
「「「「は!」」」」「うん!」
「えっと盾の勇者様、私の名前はマイン=スフィアと申します。これからよろしくね」
「よ、よろしく」
「ボクはカービィだよ!」
「よろしくね。カービィさん。」
「じゃあ行こうか、カービィ、マインさん」
「「はーい」」
ボクとマインはナオフミの後に続いて行った。
◆ピンクボールと男女移動中
「これからどうします?」
「まずは武器とか防具が売ってる店に行きたいな、これだけの金があるのなら良い装備とか買えるだろうし」
「じゃあ私が知ってる良い店に案内しますね」
「お願いできる?」
「ボクも!」
「ええ、任せて。」
「ここがオススメの店ですよ」
「おお……」
中にはたくさんの武器があった。
「いらっしゃい」
店に入ると店主に元気良く話しかけられる。
「へー……これが武器屋かぁ……」
「お、お客さん初めてだね。当店に入るたぁ目の付け所が違うね」
「ええ、彼女に紹介されて」
「うん。」
「ありがとうよお嬢ちゃん」
「いえいえ~この辺りじゃ親父さんの店って有名だし」
「嬉しいこと言ってくれるねぇ。所でその変わった服装の彼氏とピンクボールは何者だい?」
「親父さんも分かるでしょ?」
「となるとアンタは勇者様か! へー!だったらピンクボールは?」
「ピンクボールじゃないよ、ボクはカービィ!よろしくね。」
ナオフミとボクをマジマジと見る。
「2人ともあんまり頼りになりそうに無いな……」
「はっきり言いますねぇ」
「だいじょーぶ!ボク戦ったことあるから!」
「だが、良いものを装備しなきゃ舐められるぜ」
「でしょうね……」
「見たところ……はずれ?」
「盾の勇者である岩谷尚文と申します。今後も厄介になるかもしれないのでよろしくお願いしますね」
「ナオフミねえ。まあお得意様になってくれるなら良い話しだ。よろしく!」
「ねえ親父さん。何か良い装備無い?」
「そうだなぁ……予算はどのくらいだ?」
「そうねぇ……」
「銀貨250枚の範囲かしら」
「お? それくらいとなると、この辺りか」
「あんちゃんとカービィ。得意な武器はあるかい?」
「いえ、今のところ無いんですよ」
「ボクはだいたいのモノは使えるよ!」
「「「!?」」」
「となると初心者でも扱いやすい剣辺りがオススメだね。カービィは安いのでも種類を持っていた方が良さそうだ。」
数本の剣と一本づつ安そうな剣と弓と槍と杖をカウンターに並べた。
「どれもブラッドクリーンコーティングが掛かってるからこの辺りがオススメかな。」
「「ブラッドクリーン?」」
「血糊で切れ味が落ちないコーティングが掛かってるのよ」
「へぇ……」
「左から鉄、魔法鉄、魔法鋼鉄、銀鉄と高価になっていくが性能はお墨付きだよ」
「まだまだ上の武器があるけど総予算銀貨250枚だとこの辺りだ」
「鉄の剣かぁ……」
そう言いながらナオフミが剣に触れたら……。
バチン!
「イッ!」
突然鉄の剣が弾かれて飛んだ。
「お?」
「なんだ?」
ナオフミは落としてしまった剣を拾おうとしたけど…。
バチ!
「イッテ!」
「突然弾かれたように見えたわよ?」
「ボクは触れても問題ないよ。」
「えっと、どうも俺はこの盾の所為で武器が持てないらしい」
「どんな原理なんだ? 少し見せてくれないか?」
「ふむ、一見するとスモールシールドだが、何かおかしいな……」
「あ、分かります?」
「真ん中に核となる宝石が付いているだろ? ここに何か強力な力を感じる。鑑定の魔法で見てみたが……うまく見ることが出来なかった。呪いの類なら一発で分かるんだがな」
「面白いものを見せてもらったぜ、じゃあ防具でも買うかい?」
「お願いします」
「銀貨250枚の範囲で武器防具を揃えさせるつもりだったが、それなら鎧だな」
「フルプレートは動きが鈍くなるから冒険向きじゃねえな、精々くさりかたびらが入門者向けだろう」
「あれの値段はどれくらいなんですか?」
マインが店主に尋ねた。
「おまけして銀貨120枚だな」
「買取だと?」
「ん? そうだなぁ……新古品なら銀貨100枚で買う所だ」
「どうしたの?」
「盾の勇者様が成長して不必要になった場合の買取額を聞いていたのですよ」
「じゃあこれをください」
「まいど! ついでに中着をオマケしておくぜ!」
「ここで着ていくかい?」
「はい」
「じゃあ、こっちだ」
「お、少しは見えるカッコになったじゃねえか」
「ありがとうございます」
ボクも武器を口の奥にしまっておく。
「カービィの腹の中ってどうなってんだ……。」
「それじゃあそろそろ戦いに行きましょうか勇者様、カービィさん。」
「おう!」
「うん!」