同期がどいつもこいつもヤバすぎる件について(仮題)   作:恋愛大好きおじさん(なお本人)

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しばらくは皆小学生。

遅れてしまって申し訳ない(土下座)


遥々 お客が やってきた

「ゴースト、"シャドーパンチ"!」

「落ち着いて・・・そこッ」

 

紫の拳と炎の塊が交錯し───あっさりと炎がかき消される。

それを見た紫のポケモン、ガスじょうポケモン『ゴースト』を従えたトレーナーはニヤリとした笑みを浮かべる。

 

「へっ、かわいい火遊びだな!畳み掛けろ、"シャドーボール"連射だ!」

 

ゴーストは周囲に複数個浮かべた紫の球体を、目の前の(ヒトカゲ)を押し潰さんと連続で解き放つも、ヒトカゲにはまるで当たらない。

 

ときに身を捻り。

 

ときには飛び越え。

 

ときには下を潜り抜け。

 

ときには触れないギリギリの所を猛スピードで駆け抜ける。

 

「こ、こいつ・・・ッ!」

「────!」

 

まるで自分達の攻撃を嘲笑うかの様なヒトカゲの動きに一人と一匹に焦りが募っていく。

 

「チィっ、当たらねぇなら直接殴るだけだ!ゴースト、"シャドーパンチ"!」

「迎え撃て、"メタルクロー"」

 

先程放たれた拳と鋼の様に硬質化した小さな爪が高速で激突した。

一瞬だけ互いに拮抗していたが、徐々にその形が崩れていく。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「な、何だと!?」

 

直後にゴーストの"シャドーパンチ"を押し切り、その勢いのままに吹き飛ばしたヒトカゲはまだ止まらない。

 

「・・・まさか、さっきのは"ひのこ"じゃなくて"おにび"!?」

 

(まぁいくら接近型(インファイター)じゃないとはいえ、明らかに自分のポケモンより腕力がなさそうな相手に押し負けてるからね、バレるのも無理もないネ)

 

誰に対しての言い訳なのか自分でも分からないままひっそりと呟いていた事は誰も知らない。多分その方がハッピーエンドのその先へと到れるだろう。・・・タブンネ(多分ね)

"メタルクロー"覚えさせておいて良かったよ。滅多に使わんけど。この辺に岩タイプとか生息してないし。ヒトカゲも絶対忘れかけてたし。見逃さなかったぞ一瞬『えっ、そんな技なんて覚えたっけ』って顔。ホントにごめん。

 

一方ゴーストとそのトレーナーは、明らかに格下であるはずの相手に押され始めたことに動揺が隠せず対応が追い付かない。恐らく彼らは徹底的に追い詰められた経験が少なかったのだろう。

 

「そのまま"メタルクロー"続行、張り付いて"りゅうのいぶき"」

「え、ちょ、ま、タン」

「タンマもタイガもタロウもモルモット君もないっての。叩き込め、"シャドークロー"」

「ウソぉ!?」

 

そして突如繰り出された影の鉤爪を真正面から喰らい、為す術なく吹き飛ばされていくゴースト。そこにトレーナーが降参を宣言しながら割り込む事で幕を下ろした。

 

「くっそぅ、子供に負けたぁ・・・」

「詰められた時の備えですよね、あの"シャドーパンチ"。距離を開けることに徹されてたら多分自分が負けてましたね」

「それってつまり『なにをわざわざ自分の弱い分野で挑んでんだ』って事だろ?でもコイツが格闘戦大好き(インファイター)だからなぁ・・・」

「えぇ・・・」

 

互いに何じゃそりゃ、という微妙な表情を浮かべつつもどちらからともなく握手を交わす。

 

「となると、中途半端に近中距離(クロスレンジ)型にするよりいっそ物理特化にするとかどうです?"かげぶんしん"やら"こうそくいどう"で撹乱しつつ一方的に殴るスタイルにしちゃうとか」

「あー、なるほど。確かに万能型にしようとしてたとこはあるし」

 

あ゙ーちくしょー、と頭を掻きながら空を仰ぐトレーナー。その傍でケラケラと笑うゴースト。苦労なさってたんですね分かります。

このあとめちゃくちゃヒトカゲを撫で回した。ヨ-シヨシヨクヤッタガンバッテクレテアリガトウネェヨ-シヨシャヨシャ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所で話は変わるが、ポケモンの戦い方には適正というものが存在する。

 

とは言っても、この場合はシュミレーターなどから機械的に導き出されるものではなく、()()()()()()()()の話である。

 

ポケモン(彼ら)は他の動物に比べ、人の言葉やテリトリーを理解し、その文明に素早く適応する程に知能が高く精神がとても発達した生物であり、それ故に性格の差異というのが大きく出てくる。

例えば、夜を好むはずの同種のポケモンの中で昼間が好きな個体がいたり。

例えば、本来は闘争を好むとされるポケモンが小型のポケモンや他の動物たちと穏やかに共生していたり。

そしてこの様な違いは当然、ポケモンバトルの中でも現れる。

 

今回の場合は、イタズラではなくバチバチの格闘戦を好むゴーストと言ったところだろうか。

そういったポケモン達にも一応は一定程度の技や戦術を教え込むのは可能だがその場合は彼らの気が乗らず不完全に終わったり、あるいは真面目にやっていても練度が下がったりする。

 

長々と話したが、簡単に言うと「ぶっちゃけ苦手な事より興味のある事の方が遥かに覚えやすいよね」というアレである。

 

とは言え、今回のケースは言う事を聞いてくれるだけまだマシな部類に入る。なんせ相手もまた賢い生き物ならばトレーナーを舐め切り制御が効かないなんて事もざらである。

 

「所でお兄さん、どうしてわざわざ真白町(こんな片田舎)に?」

「いや片田舎って・・・。大木戸博士にポケモンと図鑑貰ったからさ、メンテナンスのついでに評価とかアドバイス貰おうかなーと。いらっしゃらなかったけど」

「なるほど」

 

まぁあんな嵐の夜に夜遅くまで起こさせた上に子供に冷蔵庫の整理をさせるダメ人間だが、実際あの人は"ポケモン研究の権威"などと呼ばれる位にはその界隈においての有力者なのだ。

しかしそれはそれ、これはこれ。後者は勝手にやったが睡眠時間の怨みは忘れないのだ。将来ちんちくりんになったらどうしてくれよう。

 

「うーん、これでも()()()()()()()()()()2つは持ってるから自信あったんだけどなー・・・」

「まぁベテラントレーナーやってる身内に相棒(未定)共々扱かれてますんで」

「それ抜きにしても中々に情けない気が・・・」

 

当然こうして当たり前のようにバトルが行われいる以上、大規模な大会があるのは言うまでもないだろう。

()()()()()()()そのシステムは高校野球の甲子園大会に少し似通っている。

 

まず前提として"日本ポケモン協会"と呼ばれる組織が正式に認めたひとつの県につき8つ以上あるポケモンジムという施設で行われているいづれかの『認定試験』8種に勝利し、そこで進呈されるバッチを獲得しなければならない。

ただし公式バッチ8種を獲得すればいいために手持ちのポケモンに合わせて獲りやすいジムへわざわざ遠征するなんて事をするトレーナーも一定数はいるし戦術としてもあながち間違いではない。

・・・尤も手にしたバッヂの数だけ難易度は跳ね上がるし、試験内容にも関わるため徹底的に管理されてるため遠征したからと言って必ず勝てるとは限らないが。むしろそういう奴らの対策をこれでもかと行っているために場所によっては手も足も出ないなんて事もあるそう。

つまりこのお兄さんはそんじょそこらのトレーナーよりかなり凄いのだ。しかも自分とそんなに歳離れてなさそうだし将来有望ときた。羨ましい。グギギ

 

ではバッヂ8種類を獲得すれば終わりかといえば、決してそうではない。

そこから更に都道府県毎のチャンピオンを決めるべくリーグ戦を行ない、更に地方内での都道府県チャンピオンとその他推薦枠などとリーグ戦を行ない、地方チャンピオンを決める。

そしてそこを勝ち上がってようやく、各地方チャンピオンと大会出場者の中で総選挙によって選出された一名による全国大会が行われ、ようやく日本一が決まるのだ。

 

ちなみに「ベテラントレーナー」を名乗る条件は主に3つ。

・ポケモン協会公認のトレーナーを5年以上続ける

・ジムバッヂを6つ以上所持している

・ジムバッヂ6つ以上所持しているトレーナー相手に限定し半年間で勝率6割以上を維持する

 

ぶっちゃけバケモン連中である。同格あるいは格上相手に勝率6割、しかもポケモンバトルにおいて半年以上の空白があれば問答無用というのだから鬼畜仕様にも程がある。

因みに、ポケモン図鑑は()()()()()()()()()バッヂを1つ以上持っているトレーナーであれば申請すればすぐに貰える。

尤も、ポケモン図鑑(アレ)も安物ではないためトレーナーとして成果を挙げられなかったりレポートを一定以上サボると没収されるが。世の中そう上手くはいかないネ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーストのお兄さんは自分と少し話した後にたまたま隣を歩いていた博士について行ったので別れを告げ、やる事も特に無くなったので行く宛てもなくほっつき歩いている。なに、"その歳で浮浪者とか苦労してるんだね"だぁ?ちがわい!・・・将来どうなってるか分からんけど(震え声)

ほら、最近世の中不安定じゃん?勉強も得意じゃないし極度の怠け屋だし。多分呑気さならヤドン、動きだすまでのトロさならナマケロともタメ張れる自信あるぞ。なんの自慢だこれ泣きそう。

 

などとくだらない事考えながら見慣れた(飽きた)景色を横目に散歩を気のままに楽しんでたはずなのに。

 

『さぁ、バトルだ!』

 

目の前にいるのは、帽子の似合うムラサキライオンのヨーロッパ系の多分同年代(少年)と俺の友達とはまた別のヒトカゲ。しかも戦う気満々ときた。

 

あ、ありのままに起こった事を話すぜッ

ヒトカゲ(友達)と散歩してたらいつの間にかバトルフィールドにいてポケモンバトルする事になっていた

な、何を言ってるか分からねーと思うがおれもなにをされたのか分からなかった・・・

頭がどうにかなりそうだった・・・

"さいみんじゅつ"とか"こうそくいどう"とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ

もっと恐ろしいものの鱗片を味わったぜ・・・

 

いやマジでどうしてこうなった。いいよって言った覚えねぇぞ。コミュ障だからいきなり話しかけられても頭が真っ白になって困るんよ。

多分そんな「あっあっ」とか「その」とか「えっと」しか言えなくなってる内にあれよあれよと連れてかれたんだろうけど。

なぁんだミステリー解決じゃんやめてくれよなーもー!

 

じゃないんだが???

 

えっ、ナニナニ?自分と同じヒトカゲを連れててしかも強そうだったからつい?

自分のポケモンじゃないんすよ、友達ではあるけど。

結局は同じだろって?

全然違うっての。おバカ!(ゲンコツヘイロー) いや殴ってないけど。

口羽(クチバ)港はどこかって?そもそもどこから来たのさ。

山吹(ヤマブキ)空港から?迷うにしたって何をどうしたらこんなド田舎にたどり着くわけ???

 

とりあえず一緒に来たっていうお友達と保護者さんに連絡させた。迎えに行くから大人しくしてろって電話越しで可哀想になるくらいこっぴどく叱られてたぞ。まぁ残当。

山吹から真白って結構距離あるけど、大変だなぁ。なに、他人事みたい?まぁ他人事だからね。チーズうま・・・うま・・・。

 

で、今に至ると

 

??????????




ワイもこんな友達が欲しかったなぁ!(遥か遠き幻想)

まぁそれはそれとしてFR・LGにおいてヒトカゲ使いにとってメタルクローは必修ってそれ一番言われてるから。(多分)
にどげりニドランやマンキーがいればなお最高。というかニドキングやらオコリザルやらが好きなだけダケド。いやどのポケモンも魅力的だけどね?
でも結局リザードンがスッキ。

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