「騎馬戦・・・スタートよ!」
ミッドナイト先生の合図とともに俺は個性を使ってヒスる。アートフィシャル使うのも慣れてきたなと思うと同時に各騎馬が一斉に動き出した。そのほとんどは緑谷の騎馬に向かっていく。
このルールだと手っ取り早く予選突破するにゃ1位の1000万を狙うのが最も手っ取り早いからな。俺たちの持ちポイントは全員足して710ポイントだから正直じっとして防御するだけでもおそらく予選突破はできるだろうが・・・全員そんな甘い考えでいるわけじゃない。
俺は左後ろの騎馬担当だ。始まる前に使う技をちょっとだけ説明して八百万にパチンコ玉を何発か創造してもらい、ポケットと手の中に握りこんである。飯田には俺の手首を握ってもらい、手はフリーになるようにした。
俺以外の二人は八百万が想像した靴を履いて普通に騎馬を組んでいる。騎手は轟だな、騎馬やってると個性使うときに巻き込んじまうらしいから適任だろう。
「とりえず1000万は無視するぞ。ラストのほうで捕りに行く。今は1000万に夢中なやつらのハチマキを後ろからとっていく」
「了解した!いくぞ八百万君!遠山君!」
「ええ!」
「おう!」
飯田を起点にしたダッシュでおそらくB組のやつらの騎馬に近づいていく。
「A組!?させないよ!」
「もらうぞ」
体がばらばらに分離する個性か。手がばらけて別の動きしながらこっちに迫ってくる。
「轟!一回アレの動きとめるからその隙に取れ!飯田!加速頼む!」
「わかった!」「おう」
飯田が加速したのと同時に俺は握りこんだ手の中心を秋水で圧迫しつつ親指を亜音速の桜花ではじいた。すると相手の顔にボフン!と空気がぶつかって相手の腕の動きが止まる。その隙に加速した俺たちはわきをすり抜けるのと同時にハチマキを取って安全圏まで離脱する。
いまやった技は「
「やるな遠山。とりやすかった」
「ええ、さすがですわ」
「気にすんな。それより次行くぞ」
他は大混戦だ。特に爆豪が空飛んで緑谷のハチマキ取ろうとした点はやばかったな。アレに取られたら1000万捕り返すのなんて並大抵のことじゃできん。今は緑谷に持っててもらわねえと困る。
あ、爆豪がB組のやつにハチマキ取られた。ヒステリアモードの聴覚で拾うと・・・うわすげえ挑発してんな、爆豪がどす黒いオーラ纏いだしたしキレたの確定だ。とりあえず緑谷を今狙うやつが減ったな。
『さあ残り時間半分をきったぜ!』
もう半分か!?そろそろ緑谷を狙わねえと時間が切れるな。頃合いだ。
「遠山、さっき言ってた範囲攻撃、準備してくれ。そろそろ・・・捕るぞ」
「おう」
『さあここで轟チーム!1000万めがけて相対だぁぁ!!』
トン、トトン、トントトトン・・と秋水の蹴りをいつもの陸奥とは違うリズムでランダムに地面に打ち込んでいく。今回この混戦のなか通常の陸奥は調律に時間がかかって使うのは難しいが地中分子をすり合わす必要のある陸奥雷土は別だ。ほかのやつらの起こした振動も合わさっていつもより早いリズムで蓄電が完了していく。
「八百万、氷結用の伝導を準備」
「ええ、了解ですわ」
「飯田、前進」
「ああ」
「行くぞ、3・・2・・1・・陸奥雷土!」
最後に陸奥雷土のトリガーである強めのショックを撃つため桜花と秋水を併用してガスン!と地面を踏みしめるとバリバリバリバリ!!!という音とともに電光が走り俺たちを追っていた周りの騎馬と前にいた緑谷の騎馬がまとめてしびれた。
「これ・・・!?かみ・・なり・・・くん!?」
「うぇ?!おれじゃないぜ!誰だ!?俺も個性ダダ被りなやつがいるのか!?」
この電撃でぴんぴんしてる上鳴は流石電気系個性だな。あと起こしたの俺だから今んとこお前は被ってないぞ。
「残り6分だ。あとは引かねえ。悪いが・・・他は我慢しろ」
と轟が八百万の作った伝導を利用して他を一気に凍らせた。ついでに凍っちまったやつらのハチマキを取ってから氷結で閉じ込めサシで捕りに行けるようにした。
「よう緑谷。カッコイイアイテムだな?とらせてもらうぜ」
「遠山君・・・!?」
いうが早いが俺は握ってたパチンコ玉を矢指で飛ばして背後の氷壁で跳弾、バックパックに着弾させた。バゴン!という音とともに緑谷が背負ってたバックパックは電撃と衝撃で完全に破損し、機動力をそぐことに成功した。
「ああ!私のベイビー!なんてことするんですかあなた!」
「発目さん・・・」
「牽制する!ダークシャドウ!」「アイヨ!」
常闇のダークシャドウが正面から手を伸ばして左右同時にかかってくる。範囲が広いな、スピードもなかなかだ。
「八百万!遠山!」
「はい!」「おう」
八百万は腕から装甲をだし、俺は同じように矢指で迎撃する。はじくためにさっきより強めに撃つとバチィ!という音とともに「イッテェ!」というダークシャドウの声が聞こえた。痛覚あったんか、それはすまん。
「常闇が面倒だ・・・八百万、防御は遠山に任せて移動に専念してくれ。飯田、加速」
「ええ!」
「わかった!遅れるなよと八百万君!遠山君!」
そのままダッシュで接近し、追いかけっこになるが予想以上にダークシャドウが厄介だ。伸びるしこっちの牽制は防ぎやがる。陸奥雷土は足を止めねえと使えないからだめだ。時間だけが過ぎていく。
『おおっと意外な展開!すぐに轟チームが1000万捕ると思われていたが・・・緑谷チーム!5分耐えてるぞ!』
くっそまずいな・・・氷壁で閉じ込めたのが裏目に出て緑谷が俺たちだけに集中できる環境が整えられた。後ろを気にする必要がないから予想以上に厄介だぞ・・・
「皆・・・聞いてくれ」
「飯田?どうした」
「裏技を使う。残り1分間俺は使えなくなる。チャンスは1度だ。しっかりつかまっててくれ」
飯田が何か策を考え付いたらしい。賭けてみるか。
「轟君、捕れよ!・・・・トルクオーバー!」
飯田のふくらはぎのエンジンが爆発的な音を立て始めた。なるほど・・・加速か、それも今までの非じゃない感じの。
「レシプロバースト!!!」
と飯田が叫ぶと同時にすさまじい加速を見せて緑谷に突進していく。俺や八百万はほとんど浮いてるレベルだ。轟は何とか反応できたようで緑谷のハチマキをかすめ取っていくことに成功した。よし!捕ったぞ!
『おお飯田ーーー!!ここにきて超々加速だぁーーー!逆転!轟チームが1000万を奪取!」
「飯田、今のは?」
「トルクの回転を無理やり上げて爆発力を生んだんだ。反動でしばらくするとエンストしてしまうがな」
なるほどな。ギアを一気に最大値まで上げたのか。
「緑谷君!君に挑戦するといったはずだ!」
「飯田君・・・!」
そうあと30秒ほど俺たちは耐えればいい・・・が緑谷が失うものをなくした以上、死に物狂いで捕りに来るだろうな。
いったん飯田に轟を支えてもらいポケットからパチンコ玉を取り出して握っておく。
組みなおした矢先に緑谷が突っ込んできた。しかも左手に個性を発動させながら・・・こっちの手は弾けないな、パワー不足だ。
轟が左手でガードするが動揺してるのか炎が漏れてる・・・まずいな。
そのまま左手を振った緑谷の個性のパワーで腕ごとガードを取られるが・・・右手でハチマキをつかもうとしたのを矢指でつぶすと、後ろからダークシャドウが轟の頭のハチマキに手をかけた!くっそこっちはつぶせないぞ!持ち点とられた・・・!!
『カウントダウン!5!』
ハチマキを取るのを失敗した緑谷が再度突っ込もうとするが下の騎馬の反応が間に合ってない!その隙に俺たちは後退していく。
『4・・・3・・・2』
追いつかれた!しまった飯田の加速力がない以上小回りはあっちのほうがきく・・・!
『1』
緑谷が騎馬から飛び出してくる。一か八か両足の桜花でバックステップをきめ飯田と八百万ごと後ろに飛んで回避する。
『タイムアップだ!』
あぶねえ・・・ぎりぎり成功した。とりあえず1000万確保できたしとりあえずは1位通過だな
『そいじゃあ予選通過の上位4チームみてみようか!』
『1位!轟チーム!」
そりゃそうだ。今回は1位通過だな。
『2位!爆豪チーム!』
爆豪あいつ0Pから全部取り返したのかよ。さすが才能マンだな。
「3位鉄て・・・あれぇ!?いつの間のか心操チーム!』
は?あいつって普通科のやつだよな?どうやったんだ?騎馬の3人は見た感じ前後不覚状態だな・・・どんな個性だ?
「4位!緑谷チームだ!残りの競技は1時間ほど休憩挟んで午後にやるぜ!以上のチームは最終種目の準備をしてくるように!』
あー俺たちって700P超えるからそれだけとっちまえば入れるってわけか。よかったじゃねえか緑谷。というか涙が噴水みたいにでてくるな?一種の個性だろそれ。
「1位通過だな。轟、飯田、八百万、感謝するぜ」
「いや!こちらこそだ遠山君!最後のバックステップがなければ危うかった!」
「そうですわ!緑谷さんの攻撃を潰したのもそうですし、助けられてばかりでしたわ」
「ああ・・・」
ん?轟の様子がおかしいな・・・左手を見つめてるし・・・うん、わからん。あ、そのまま歩いて緑谷のとこに行っちまった。いつの間に仲良くなったんだあいつら。
まぁそれは後だ。とりあえずかなで拾ってメシ食いにいかねえとな。食堂が混んでえらい目にあっちまう。
「遠山ちゃん」
今日はよく声をかけられる日だな。この声は梅雨か?
「おう、どうした?」
「そっちは職員待機所よね?かなでちゃんを迎えに行くのかしら?」
「ああ、そうだが・・・・一緒に来るか?」
「ええ、ついていかせてもらうわ。それにしてもすごかったわね、電気を発生させたのって遠山ちゃんでしょう?」
ほー梅雨は洞察力あるな。あの混戦の中で的確に攻撃の発生源を見極めるなんてな。
「ああ、そうだ。梅雨は峰田と障子と組んでたんだったな?」
「ええ、そうよ。でも峰田ちゃんがいつの間にかハチマキとられて負けてしまったの。悔しいわ」
ポーカーフェイスはそのまんまだがプンプンと怒っているのが伝わってくる。んーよくわかんない感情表現の仕方だな。カエル特有か?
そうこう話してるうちに職員待機所についた。ミッドナイト先生に相手をしてもらってるかなでがこっちに気づいて駆け寄ってくる。
「お兄ちゃん様!1位通過おめでとうございます!かっこよかったです!」
「おーありがとな。いい子にしてたか?」
「いい子もいい子よ。そんなできた子が妹なんていいわね?遠山君」
ミッドナイト先生が話しかけてきた。改めて近くで見るとすさまじい格好だな。心臓に悪い。
「そうでしたか。こちらの事情とはいえ面倒をかけます。すいません」
「気にしないでいいわよ。もともとそれが仕事なんだからね。午後からは応援席に連れてってあげなさい?」
「ええ、ありがとうございました。」
かなでを連れて梅雨の元へもどると
「やっほーかなでちゃん!元気?」
「こんにちは、かなでちゃん。午後からよろしくね?」
芦戸が増えてた。どこからわいたんだ?だがかなではうれしかったらしく
「三奈お姉さん!梅雨お姉さん!騎馬戦かっこよかったですよ!」
「あら、ありがとう」「ありがとー!」
「お前ら混む前の食堂行くぞー」
「「「はーい」」」
妙なとこで息ぴったりになるんじゃない。
そのまま食堂で食事を済ませると八百万が芦戸と梅雨を持っていっちまった。というか行先に上鳴と峰田がいるのが気にかかるというか・・・絶対ろくなことが起こらんのはこの短い付き合いでわかり切ってるので女子連中の無事を祈っておこう。
『ヘイ!1-A女子ィ!なんだそのサービスは!?』
嫌な予感が当たった・・・峰田と上鳴に乗せられたらしい女子は応援合戦と勘違いしてチアガール姿で登場したのだ。ちなみに会場は騎馬戦の3倍くらい盛り上がってる。えぇ・・・
「わたくしとしたことが・・・・」
そうか、お前が創造で作ったんだな八百万?
結局紆余曲折あって体育祭を楽しむことと峰田と上鳴を制裁することで女子連中の会議は終了した。自業自得だが同情はせん。
『まぁいいや!ミッドナイト!トーナメント表をチェケラ!」
「ハイ注目!」
ピシィとムチをならしてミッドナイト先生が説明に移る。
「まず本戦は1対1のガチンコバトルよ!ルールは気絶か場外で勝敗が決まるわ!ほかは何でもありだけど、死に至るような攻撃、腕や足といった部位を欠損させるような攻撃は禁止ね!質問がなかったらトーナメント表の発表に移るわ!」
殴り合いなのか。去年はたしかスポーツチャンバラだったな。
「あの」
「ん?はい尾白君!」
「俺、棄権します」
・・・は?棄権するっつったのか尾白は?あぁでも普通科の心操とチームを組んでた時様子がおかしかったな。プライドの問題か?
「それなら俺も・・・」
と手を挙げたのはB組のやつだ。こいつも確か心操とチーム組んでたやつだな・・・ふむ、体を操る、あるいは洗脳といった精神系の個性かな?
『判断は主審!頼むぜ!』
「二人とも、理由があるなら聞いておくわ」
「はい、俺は騎馬戦の後半からしか記憶がありません。みんなが力を振り絞ってつかんだ順位なのに・・・そこに訳が分からないまま並ぶことなんて・・・俺にはできない・・・」
「僕も同様です。何もしてないものが、上がるのは体育祭の趣旨と違うと思います!」
なるほどな・・・わからない話じゃない。ミッドナイト先生がどう判断するか・・・
「そういう青臭い話はねぇ・・・・好きよ!2人の棄権を認めます!」
好みで決めやがった!と俺が驚いてるとB組で話し合いがあったのか5位ではなく6位のチームから繰り上がりが出ることになったらしい。
「それじゃあトーナメント表の発表よ!」
と同時についたモニターを見てみると・・・
轟vs瀬呂
塩崎vs切島
飯田vs発目
鉄哲vs遠山
常闇vs八百万
芦戸vs青山
麗日vs爆豪
と表示されていた。
5試合目か。レクリエーションは出ずにかなでの面倒を見る予定だし体力回復にちょうどいいかもな。麗日がすごい恐怖に染まった顔をしてるが爆豪相手ならしょうがない。
じゃあ、かなでのとこまで戻るか。
またしばらく投稿できなくなると思いますがきちんと投稿するので見捨てないでくださいお願いします何でもしますから・・・・!!!