遠山桜は正義の味方である   作:カフェイン中毒

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なんか最近キンジ物の小説増えてきてイイゾーこれ
もっとみんな書こう!


第15弾

 常闇との試合を終えた俺は控室に戻り、次の試合に備える。この控室誰もいないのはいいんだがモニターとかがねえのがあれだな。芦戸には申し訳ねえけど爆豪が勝つだろうから対策たてたいんだけどな・・・

 

 まず爆豪は個性の威力、スタミナ、反応速度、センスもろもろが突出してる。そして俺と違って攻撃範囲もとても広いうえ個性の応用力も高いな。うん、弱点どこだよ。

 

 今までの俺の試合を観察している爆豪からすれば、俺との接近戦は避けるはずだ。つまり、遠距離からの最大威力のぶっぱで俺を場外にたたき出そうとするはず・・・・あいつなんだかんだ細かいところみてるしマメなんだよなぁ・・・・

 

 幸い遠山家には衝撃波等への防御技がある。俺自身のオリジナル技にも有効半径は小さいが衝撃波で攻撃する技も開発済みだ。遠距離戦なら千日手に持ち込める。

 

 「俺には遠距離での決定力がないんだよなぁ・・・・」

 

 機動力と並ぶ俺の最大の課題の一つだ。俺は馬戦駆があるとはいえ飯田のほうが純粋な足の速さでは早い。爆豪のように空を飛べるわけでも、轟のように道を作れるわけでもない。反応速度とかだったら誰にも負ける気がしないんだけどなあ。

 

 まあ、当たって砕けろだな!もちろん砕くのは爆豪だ。あいつなら今までの技くらいだったら普通に対応してくるだろうし初見技で攻めていこう。

 

 

 

 『さあ行ってみようぜ準々決勝!もう紹介はいいよな!爆豪勝己vs遠山キンジだ!』

 

 控室からステージに上がっていくと、それはとても素晴らしく凶悪な顔をした爆豪がいらっしゃった。うっわ帰りたくなってきた・・・・。

 

 「よぉ根暗野郎ォ・・・てめえとは1度はっきり白黒つけたかったんだよ」

 

 「誰が根暗だ爆発さん太郎。「ア"ア"ァ"!?」もう少し心にゆとりもてよ。いちいちキレてたら血管もたねえぞ?小魚でも食っとけ」

 

 「余計なお世話だこのクソカス!てめえぶち殺して、俺は半分野郎殺しに行くんだよ!せいぜいあがくことだな」

 

 首を切るジェスチャーをして爆豪は所定の位置まで下がっていった。俺もそれに合わせて下がり、個性とヒステリアモードに入ってから所定の位置につく。爆豪と話してわかったが若干汗かいてたな。つまりウォーミングアップで個性をフルスロットルで使えるよう調整してきたってことか。

 

 『スタートォォ!!!』

 

 合図と同時に爆豪が両手をこちらに向けて「死ねぇ!!!」という物騒な声とともに麗日の時に見せた最大爆破を両手でかましてきた。

 

 俺は瞬時に集中をし、ヒステリアモードが見せるウルトラスローの中で最も自分に接触するのが早い衝撃波の末端部分に右手を掠るような軌道で亜音速で振るい、衝撃波に接触した瞬間加速させ、超音速にする。その際発生した衝撃波が爆破の衝撃波を相殺し、俺一人だけくぐれるような安全圏が発生、そこに潜り込んで難を逃れた。

 

 こいつは遠山家の防御技「扇覇(せんぱ)」だ。鉄はう等の爆発物が爆発した際の衝撃波から体を守るために作られたそうだ。タイミングミスると防御するはずの衝撃波と音速の衝撃波を両方もろに食らう繊細な技でもあるんだけどな。

  

 

 『爆豪開幕の爆破ァァァ!おいおいもしかしてこれ終わっちまったんじゃねえのか?ジャッジ、どうなってる?』

 『どこ見てんだよマイク。まだそこで立ってるぞ』

 

 

 「・・・てめえ何しやがった根暗野郎」

 「さあな。遠すぎて威力減ってたんじゃないか?」

 

 その場から少しずれた位置で無傷で立つ俺に爆豪が問いかけてくる。それに軽口で返しておきながらどう接近戦に持ち込むかをヒステリアモードの脳みそをフル回転させて考える。俺から近づいたら爆豪は警戒して距離を詰めない、近づいてもらうしかないな。

 

 『遠山生還!何しやがったお前!もはや何でもありか!?』

 

 何でもは出来ねえよ。人間に可能な動きなら大概できる自信はあるけどな。

 

 「・・・・上等だオラァ!」

 

 さっきと同じように爆破を放ってくるが連打だ。威力はさっきより劣るため、防御するのは簡単だ。タイミングだけ集中すりゃいい。

 

 俺は扇覇を連打で用い、防御していく。控室で予想した通り千日手だ。そして俺がカウンター戦法を好む最大の理由が爆豪に現れだした。

 

 「・・・チッてめえバケモンかよ」

 「お前にゃ言われたくないよ。攻撃の威力だけならよっぽど俺より高いくせに」

 

 「攻め疲れ」だ。爆豪はいったん爆破をやめ、息を整えだした。守るよりも攻めるほうが3倍くらい疲れるからな。こっからだ。意表をついてイニシアチブをとる!

 

 俺は右手で矢指、左手で扇覇、さらに体幹をつかって桜花を同時に使う。体幹の桜花を右腕にパスし、扇覇で防御できる最大速、マッハ1.5を作り、さらに腕をひねり円錐型衝撃波の頂角を絞ると同時に指の桜花で亜音速で射出した矢指の威力を上げる。発生した衝撃波は扇覇で防御し、俺自身は無傷となる。こいつは「扇貫(せんがん)」と呼ばれる遠山家の遠距離技だ。本来なら片手ですべてやるのだが俺は技量不足で両手を使わないとできない。

 

 爆豪は反応自体は出来たようだがさすがにマッハで迫る衝撃波を見てよけることはできなかったようだ。ドォン!!!という音とともに胸に炸裂した扇貫に吹っ飛ばされていったがやはりダメージが浅く空中で両手の爆破による制動を活かしてとどまった。ケッどっちがバケモンだか。

 

 『なんだ今のは!?爆豪が吹っ飛んでいったぞ!?』

 『爆豪の爆破の煙で軌跡が見えたが衝撃波だ。しかも半円形で飛ばすんじゃなくて一直線に飛ばしやがった。その分威力は高いぞ』

 『俺のサポートアイテムみたいなことを素でやったってのか!コイツ技量だけならほんとプロ級だな!』

 

 

 「・・ハッ効いてねえよ!」

 

 だろうな。当たる瞬間に後ろに飛んで衝撃波に押されるように避けやがった。威力は半減してる。でもこれで爆豪には俺には爆破を避けて遠距離に攻撃を当てる手段があることが刷り込まれた。爆豪の性格上チマチマした遠距離戦よりも近距離での殴りあいが好みだろう。俺から仕掛けてやる。

 

 爆豪に向かってヒステリアモードのロケットスタートを決めて真っすぐ突っ込む、勿論爆豪は反応して片手をこっちに向けて迎撃の構えをとる。俺は爆豪の手のひらを観察し、爆破の予備動作を見極める。さっきの連続爆破の際に見たそれは、開いた手のひらに若干力を込めるのがそうだ。分泌した爆発する汗に若干の衝撃を与えて起爆するってことだな。

 

 爆豪が爆破の予備動作に入った瞬間に、足の桜花で斜めに跳んで予想されるであろう爆発半径から逃れる。キャンセルが効かなかった爆豪の爆破が俺の左すれすれを通っていくが、俺はさらに桜花を用い加速して爆豪の後頭部に対して跳び上段蹴りを叩き込んでやった。瞬間、跳んだ俺の下から爆発が起き、空中にいたせいで踏ん張りがきかなかった俺に直撃し、俺も吹っ飛んでしまった。

 

空中で爆豪のほうを見ると蹴られたままの体勢で迎撃に使った手とは別の手を後ろ手に回して爆破したようだ。なるほど防御するんじゃなくて攻撃を取ったのか。

 

 

 「・・・クソが・・・てめえ遠慮なく蹴りやがって」

 「人のこと言えるかよ。背中がめちゃくちゃ痛えわ」

 「ハッざまあみやがれ」

 

 受け身をとって着地した俺を睨んで文句を言ってくるがお互い様なので言い返してやると中指を立てるジェスチャー付きで返された。ほんとコイツヒーロー志望かよ。

 

 

 「そろそろ死んどけや!」

 

 爆豪が爆破で空を飛んで突っ込んでくる。おそらく扇覇で防がれるのを警戒してなのか至近距離での爆破を連打してくる。俺は体や頭といった致命的な部位への直撃を防ぐため腕を差し込むが衝撃を殺しきれない。

 

 

 

 どうすると考えた瞬間、俺によぎったのは先ほどの扇貫を避けた爆豪の動きだ。直撃の瞬間に衝撃波と同じ速度で腕を引いて減速防御する。つまり攻撃のための桜花を逆方向に放つとうまいこと防御に成功し始めた。便利だなこれ・・・そうだな「橘花」と名付けよう。

 

 

 

 

 

 「っ!?テメェ・・・!」

 

 「どうした?攻めの手が落ちてるぞ?」

 

 

 

 俺が対応しつつあるのに気づいた爆豪が焦りからか攻め手が大降りになってきた。そうすると爆豪は両手を俺の目の前にかざして爆破の準備をし始める。パチパチと火花が散り始め、爆豪が予備動作に入る

 

 「閃光(スタン)・・・グレネーっ!!??」

 「おせぇ!」

 

 予備動作に入った瞬間俺はその両手を掴み外側に逸らす。そうすると両手が必要な技だったのか微妙な威力の爆発がおき、技が不発に終わった。そのまま俺は拘束した腕を引っ張り、両手がふさがっているので遠山家の最終兵器「頭突き」をかましてやる。ゴツッという音が響き、爆豪が痛みに一瞬目をつぶった瞬間ーー!

 

 「羅刹っ!!!」

 

 ドムンッ!と胸に向かって羅刹を打ち込んでやる。今回は心臓は止めないが両肺とも止めてやった。勝負ありだ。

 

 

 

 

 

 前に倒れこんだ爆豪を場外に出そうと爆豪に手をかけるとBOOOOOM!!!という爆音が響き爆豪の呼吸が戻った。おいおい冗談だろ?こいつ・・・・爆発で除細動しやがった!

 

 

 「やってくれたなぁ遠山ァ!死ぬかと思ったわこのクソカス!」

 

 「やっと名前覚えたか爆豪!それを簡単に抜け出しやがって!」

 

 「うるせえ!コイツで決着だ!」

 

 

 爆豪が爆発で天高く舞い上がり、両手の爆発で高速回転し始めた。必殺技ってやつか、じゃあ俺もオリジナル技で対抗してやる。こいつは扇貫からヒントを得た技で、あえて円錐型衝撃波の頂角を絞らず、広範囲攻撃に転用した技だ。もちろんあの爆豪の様子を見る限り通常の威力じゃダメだ。常闇戦で成功したマッハ2の桜花、それを全身で行い、威力に転用する。この際防御できずに若干自損しても問題ねえ。とりあえずは威力を求めろ!あとのことは起こってから何とかするんだ!

 

 

 片足でマッハ1づつ、腰、背中、脊椎、胸骨肋骨の不随意筋まで動かしてマッハ4、片手づつでマッハ1、総計マッハ8の衝撃波だ!それを全部相殺に使う!タイミングを見逃すな!全身の感覚を研ぎ澄ませ!

 

 

 「榴弾砲(ハウザー)・・・・着弾(インパクト)ォ!!!」

 

 

 「炸覇(さくは)ァッ!!!」

 

 

 爆豪が放つ今までの数倍規模の爆発の衝撃波をウルトラスローの中でタイミングを見計らって迎撃する。放ったマッハ8の衝撃波が威力を相殺するのと同時に俺の両手に無数の亀裂が走った。自損だ。そこから血が噴き出すが無視し、ヒステリアモードの視覚で爆豪を見つけ、その着地点に向かって足の桜花で駆け寄る。

 

 爆豪の爆発の煙で視界が悪い中、着地を決めようという爆豪と目が合う。慌てて迎撃に入る爆豪だがもう俺の攻撃の準備は終わっている。

 

 

 「クソがぁ!!」

 

 

 破れかぶれになった爆豪がギリギリ動かせた手で爆破をしてくるがそれに突っ込み、傷つきながらも全身の筋骨をつかって右拳に速度を集める。パァァァァァンという音とともに円錐型衝撃波の尾と腕から噴き出す血桜を飛ばしながら拳を爆豪に向かって振りぬき、殴り飛ばす。

 

 

 さすがの爆豪でもあの大技の後に空を飛ぶ規模の細やかな調整をした爆破は使えなかったらしい。ふっとんでそのまま場外に落ちた。・・・・なんとか、勝てたな。ボロボロだけど。

 

 

 「爆豪君場外!よって遠山君決勝戦進出!」

 

 『血まみれの死闘を制したのは遠山だぁ!この大会1番熱かったぜ!二人のヒーローの卵に惜しみない拍手を頼む!』

 

 歓声と拍手が降り注ぐ中、俺はリカバリーガールの保健室まで足を進めるのだった。クソいてえからさっさと治したい。

 

 

 

 「とーやまくーーん!」

 保健室に行くかたわら聞き覚えのある声が聞こえたのでそっちを振り向くと、葉隠だ。なんだわざわざ来たのか?

 

 「よう葉隠。何とか勝てたぜ」

 

 「うん!おめでとう!って言いたいんだけど・・・ボロボロすぎだよぉ!かなでちゃんなんか気絶しちゃったんだよ!?今ヤオモモとみんなで介抱してるから私だけ抜けてきちゃった!」

 

 やっべーかなでが見てること忘れてた・・・あとでご機嫌とっとかねえと

 

 「あーそりゃ悪いことしたな。そいでなんか用か?とりあえず保健室にいきたいんだが」

 

 「あ、ごめんごめん!そんなボロボロだから付き添いに来たんだよー!一緒に行こ!」

 

 「おーそうか。わざわざ悪いな」

 

 そのまま保健室に行き、リカバリーガールの診察を受ける。なんでも治癒自体はできるが相当体力を持っていかれるそうだ。とりあえず俺は腕の自損の部分だけ治癒を頼み、爆豪の爆破を受けたりした全身のやけどと擦り傷はそのままにすることにした。

 

 保健室をあとにした俺は、控室に向かうが葉隠がギリギリまで付き添うといったのでまぁいいかと許可を出した。葉隠は話してて飽きない。コロコロと変わる感情や話し好きな性格、あと話がうまいのもあるかもしれないな。

 

 

 「ねー遠山君!次って轟君とだよね?なにか作戦とかあるの?」

 

 「あるっちゃあるが・・・秘密だ」

 

 轟かぁ・・・氷だったらまだ何とかできるけど炎とかだったら炸覇を連発するとかしか思いつかん。とりあえず出たとこ勝負だ。

 

 「ぶー・・・遠山君っていつもそればっかりじゃん!もうちょっと素直じゃないとモテないぞー!」

 

 「そりゃあ悪かったな。何分秘密の多い身でね、もっと仲良くなったら明かしてやるかもな?」

 

 すくなくともモテたいとは今のとこ思ってないな。このヒステリアモードという便利だが困った体質を打ち明けられる女子なんてそうそういないだろうしな。

 

 そうしてとりとめのない会話を続けていると合図が入った。決勝戦だ。

 

 「合図入ったしいくわ。付き添いありがとな、葉隠」

 

 「ううん。いいよいいよー!あ、その前にちょっとこっち向いて?」

 

 「なんだ?」

 

 振り向いた瞬間葉隠が近づいて抱き着いてきた。むんにゅりとした女子特有の感触に泡吹いていると

 

 「お、おまじない!」

 

 といった葉隠がチュッ・・・と俺の頬にキスをしてきた。余計に訳が分からなくて慌ててる俺に

 

 「頑張ってね!」

 と若干裏返った声で言った葉隠が手で顔を隠しながら走り去っていってしまった。

 

 今日何度も個性でヒスってたせいか若干タガが緩んできたらしい俺の血流が、熱く熱く体中に回っていくのを感じながら俺は葉隠が消えていったほうを見つめるのだった。

 

 

 




1話からうすうす感づいてる方が多いと思いますが私はヒロアカの女子キャラで葉隠ちゃんが一番好きです。

つまりそういうことだ!!!


これからもよろしくお願いします。
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