遠山桜は正義の味方である   作:カフェイン中毒

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ひゃーやっぱり戦闘シーン書くのは楽しいなあ!(表現がアレなのは別として)


第24弾

 その後何回かメンバーそのままで勉強会をし、テストに臨んだ。途中、演習試験が対ロボットの実践演習だという情報が緑谷からもたらされたが、あの教師陣のことだし絶対違う試験をしてくるだろうと予想をたてて座学にも手を抜かないようにみんなで勉強した。

 

 

 緑谷と飯田の教え方がうまかったせいか俺がやったテストとは思えないくらいに手ごたえがあった。いつもこうなら苦労はないんだけどな・・・・

 

 んで今日が演習試験の当日だ。バスストップ(雄英専用)に集められたが・・・ズラーッとならぶ先生方に俺たちはなんとなく引き気味だ。だってこれ絶対ロボ演習とは別のことするって物語ってるじゃねえか。やっぱり当てが外れたなあ。

 

 「それじゃあ演習試験を始めていく。赤点あるから林間学校行きたきゃヘマすんなよ。で何をするかだが・・・・」

 

 「入試みたいなロボ無双だろ!!」

 

 

 「花火!カレー!肝試し!」

 

 「残念!今年から諸事情で試験内容を変更しちゃうのさ!」

 

 

 相澤先生の捕縛武器から顔を出した校長が今年から変更と言った・・・・ってことはあれか。俺らは貧乏くじ引いたわけだな?絶対ヴィラン連合とかヒーロー殺しのせいだろふざけんな!・・・・はあ・・・もう上鳴と芦戸がお通夜な空気だし・・・だいじょうぶかね?

 

 「職員会議で対ロボは実戦的ではないという判断がされたのさ!それに伴って・・・これから諸君には「二人一組」でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう!」

 

 貧乏くじは貧乏くじでも特大だったか・・・・弱ったなあ。確実に弱点を突かれてくるだろ。俺だったらマイク先生かセメントス先生だな・・・相性が悪すぎる。ついでにオールマイトはただの無理ゲーだ。頼むから別であってくれ・・・・

 

 「尚、ペアと対戦相手はこっちで勝手に決めた。まず・・・八百万と轟でペア、相手は・・・俺だ。そして緑谷と爆豪。相手は・・・」

 

 「私がする!全力でかかって来いよ!協力して勝ちに来たまえ!」

 

 オールマイトは緑谷か・・・んで爆豪?絶対仲の悪さ・・・あるいは爆豪のとがりすぎたコミュ能力が関係してるだろ。ここまで恣意的だと逆に怖いわ。

 

 

 「で、切島と遠山ペアな。相手はセメントス先生。バスのとこまで行け」

 

 「「はい!」」

 

 ほらーセメントス先生だー・・・んで切島か。これは俺たち共通の弱点である物量戦、消耗戦に弱いことでペアを組まされたな?対人戦じゃ強いのも似通ってるし、防御してカウンターという戦闘スタイルも一緒だ。

 

 「よろしくね二人とも。バスの中で説明するから乗っちゃおうか」

 

 セメントス先生に促されバスに乗るとすぐにバスが発車した。俺たちだけでバスが使えるとは贅沢だなあ・・・勝てるかね・・・

 

 

 「じゃあ説明を始めるよ。制限時間は30分。勝利条件はどちらかが既定のゲートから逃げるか私にこのハンドカフスをかけること。僕らみたいな格上の相手との戦闘を想定し、逃げて応援を呼ぶか、戦って勝つかの判断を見たいんだ。」

 

 「判断能力の試験ってことっすか?」

 

 「そうだね。逃げることも立派な戦術。ただ戦って無意味に負けては意味がない。ときには勇気ある撤退も大事さ。けど、戦闘を視野に入れるため僕ら教師は体重の半分の重りを身に着けることになってる」

 

 「禁止事項はありますか?」

 

 「基本的にないけど、君の場合は広範囲に破壊を及ぼす技や、殺しかねない技を使うのは避けたほうがいいね。あくまでヒーローとしての行動を、いいね?」

 

 

 その言葉とともに、バスが泊まって俺たちは演習場に足を踏み入れるのだった。

 

 

 

 

 「さて、切島。こういう場合セメントス先生はどこにいるとおもう?」

 

 俺たちの演習場はいわゆるビル街、大きな一本道が街を縦断する大型道路を模した演習場だ。そして、ゲートは俺たちから見て正面の端に設置されてると渡されたマップで確認した。

 

 「そりゃ、ゲート前だろ。逃げようと思っても戦闘するしかねえわけだ!燃えるな!」

 

 ガツン!と拳を打ち付けて熱くなってる切島だが・・・まず間違いなくただ特攻するだけじゃ勝てん。こいつほっといたら正面突破しそうだし釘刺しとくか。

 

 「あー正面突破はなしだぞ?セメントス先生相手には愚策すぎる。ちょっとセメントス先生の場所確認するから5分待っててくれ」

 

 「じゃあ俺も!」

 

 「いや、やってもらいたいことがある」

 

 「なんだ?」

 

 「木造の建物、見つけといてくれ。セメントス先生が追いかけてきたときに逃げ込める場所が欲しい」

 

 「わかった!任せたぜ遠山!」

 

 「5分後にこの位置に集合で頼むぜ。こっちこそ任せたぞ切島」

 

 

 

 切島と別れ、俺は堀蜥蜴でビルの上まで登り、そこからゲート方面までパルクールでビルの上を跳躍して移動する。そして、ゲートに続く一本道の途中からコンクリの壁がいくつも突き立ってるのを確認した。その先を追っていくと・・・セメントス先生だ。ゲートより少し前で片膝をついて待っている。

 

 意地の悪いことにゲートまでは一本道だ。横道など存在しない。ビルとビルの間の路地裏は存在するがどこも行き止まりだ。ってことはやることは一つだな。・・・奇襲、それも一発勝負の。思いついた作戦を切島が呑んでくれりゃいいんだけど。

 

 

 3分ほどセメントス先生を観察し動きがないことを確認する。ついでに一本道のコンクリの壁を全部覚えて目印にしておく。ここで動くようであれば速攻が必要だが・・・そういうわけじゃなさそうだ。切島のところまで戻ろう。

 

 

 「切島!見つかったか!?」

 

 「遠山!あったぜ木造の家!」

 

 「じゃあそこで作戦会議だ。案内頼むぜ」

  

 「おう!」

 

 案内された外れた場所にある木造住宅に入り、設置されてたソファに切島とかけて現状について話す。

 

 「まずセメントス先生はゲート前で陣取ってる。仕込みは全部終わって俺たちを待ってる状態だ。で、横道とかはねえからゲート前まで一本道になってる」

 

 「なるほど!じゃあ漢らしく正面突破だな!」

 

 「それじゃ勝てん。多分セメントス先生はお前が俺を巻き込んで正面突破してくると踏んであの布陣を敷いたんだ。作戦があるんだが聞くか?」

 

 「そうか・・・まあ頭の回転の良さはお前のほうがいいから乗るぜ!聞かせてくれ」

 

 「まず、俺が壁に張り付いて上に登れるのは知ってるよな?」

 

 「ああ、確か家の技だっけ?」

 

 「そうだな、まずセメントス先生の想定を逆手にとって、正面突破を始める。で、途中から俺が離脱してビル上から直接セメントス先生に奇襲をかけるから、俺が足止めしてるうちにお前は壁を破るなりなんなりして俺のとこまで来てくれ」

 

 「足止めの合図とかはあるか?」

 

 「多分俺たちが正面突破を始めたらセメントス先生が壁を増やしてくるはずだ。セメントス先生は止まってないとコンクリを操れない。壁が増えなくなったらペース上げろ。お前が来なかったら俺も負けるからな。よろしく頼むぜ、切島」

 

 「ああ!任せたぜ、遠山!」

 

 「じゃあ15分で作戦を始める。チャンスは一度、賭けもいいとこだ」

 

 「そういうのが一番燃えるぜ!やろうぜ!遠山!」

 

 

 きっかり15分後、緊張をほぐすために雑談をはさんでセメントス先生が陣取る一本道の前の最初の壁に陣取った俺たちは頷きあってガツン!と硬化した拳とガントレットをぶつけてから作戦に移る。

 

 「切島、最初は俺からだ。お前には体力を温存してもらう必要があるから離脱するまでは俺が壁を壊す」

 

 「でもお前、ビル登って直接戦うってのに大丈夫なのか?」

 

 「問題ねえ。壁のぼりなんて休憩もいいとこだ。離脱ポイントは3分の2進んだところ、そっからはおそらく物量も何もかもが倍になる。お前が一番頑張ってくれなきゃ困るとこなんだよ」

 

 「わかった!背中は任せろ!」

 

 「任した。じゃあ!いくぞ!」

 

 

 俺は最初の壁に向かって大和と鷹捲を同時に使って拳をぶち込む。借りる重さは俺の上限ギリギリ、けど体育祭で鷹爪狼牙を使って分かったが「大和と鷹捲を合わせて撃つと衝撃が貫通して遠くまで届く」のだ。

 

 コンクリの壁は衝撃に押し倒されるようにその後ろ十数枚を巻き込んで一気に吹き飛んだ。もちろん気づいたセメントス先生が再生させようとコンクリを動かしてくる。

 

 

 「走れ!切島!」

 

 「おう!」

 

 俺たちは再生しきる前にコンクリの惨害を乗り越えて先に進む、すぐに新しい壁についたので今度は桜花と秋水の蹴りで蹴り壊し、前へ進む。予想通り、近づくにつれ再生速度がどんどん早くなっていく。ついでに横もコンクリが動いて俺たちを閉じ込めだした。

 

 あと15枚・・・なら一気に全部壊す!  

 

 

 「鷹爪狼牙っ!!」

 

 ズドォォォン!!という音とともに横を覆いつつあったコンクリや目の前の壁がすべて吹き飛んで離脱ポイントまでがら空きになった。コンクリの煙が立ち込めてる今がチャンスだ!

 

 

 「切島!離脱する。あとは頼んだ!」

 

 「頼まれた!行ってこい!」

 

 

 俺は離脱し煙が立ち込める中行き止まりの路地裏に入り堀蜥蜴を使ってビルの壁を上り始める。すぐにビルを上り切った俺はセメントス先生の位置を確認する。両手をついて目の前のコンクリを操ることに集中してるな、よし!

 

 パルクールでビルを音もなく飛び移る。移動は速く、手早く、そして静かに。セメントス先生の近くまで移動できたのでビル屋上から一気に飛び降りる。個性とヒステリアモードを併用してる今、10階建てビルからパラシュートなしで降りたって無傷で降りられる。

 

 俺はセメントス先生のすぐ後ろにほぼ無音で5点接地回転法で着地する。着地の瞬間橘花で引いて衝撃をやわらげりゃ怪我なんてしねえ。

 

 

 「二人とも、戦闘の基本はいかに自分の得意を押し付けることだよ」

 

 「勉強になります。セメントス先生」

 

 「っ!?」

 

 

 俺が後ろにいるとは気づいてなかったセメントス先生がバッと後ろを振り向いて俺を見るが、俺は中段前蹴りを既に打っている。かろうじて腕を差し込んで防御したセメントス先生が少し飛びずさり、距離ができる。

 

 

 「驚いたよ遠山君。どうして背後のゲートをくぐらなかったんだい?それだけで合格だったのに」

 

 「セメントス先生、それはこの演習の合格であって期末テストの合格じゃない。仮に俺がゲートをくぐったところで俺は合格できても切島は落ちるかもしれない。俺はそれを許容できません」

 

 「じゃあ、どうする?」

 

 「あんたにカフスをかける。今、あんたがコンクリを操れていないということは、あんたは個性を使いながらの近接戦が得意じゃないってことだ。俺たちが目指すのは・・・」

 

 

  ボゴォン!!という音がして背後のコンクリの壁がぶち破られる。

 

 「「二人揃っての合格だ!」」

 

 来たか、切島。信じてたぜ。

 

 

 「遠山、待たせたな!」

 

 「ナイスタイミングだぜ、切島」

 

 「応ともよ!」

 

 「いいね、二人とも。そう来なくては」

 

 「覚悟してください。セメントス先生!」

 

 

 二人してセメントス先生に突っ込む。セメントス先生は巨大なコンクリの拳を作ってこっちに突っ込ませてくる。迎撃しようと拳を構えると・・・

 

 「遠山!任せろ!ウラァァァァ!!!」

 

 切島が全身を硬化させ拳を受け止めた!しかも一歩も下がらず拮抗してやがる。やるじゃねえか切島!

 

 「切島!そんまま受け止めてろ!」

 

 俺は切島の硬化した背中に跳鷹を打ち込む。切島の体を伝ったパルスは正確にコンクリの拳に伝導し、粉々に砕いた。

 

 「邪魔ですね、少し飛んでいてください」  

 

 セメントス先生がつぶやくとともに俺のしたのコンクリが爆発するように跳ね上がり、反応できなかった俺は空中に飛ばされてしまう。即座にデザートイーグルを抜いた俺だが・・・クソッ!コンクリの壁が上を覆ってて射角がねえ!どうする・・・?そうだ!

 

 「切島!右腕を真横に伸ばせ!」

 

 「わかった!」

 

 切島真横に硬化した腕を伸ばすと同時にドンドンドン!と3発発砲する。正確に計算して放たれた弾丸は、切島の腕を跳弾し、横の壁、セメントス先生の背後の壁を正確に跳弾、背中、胸、みぞおちにほぼ同時に着弾した。

 

 「ぐぉっ・・・」

 

 飛ばされた穴から正確に着地した俺は切島と同時にダッシュ、セメントス先生に肉薄する。セメントス先生はダメージによろめきながらも壁を張って防御しようとするが、今更一枚の壁で止められるかよ!

 

 「夜鷹っ!」

 

 ギィィィィン!というグラインダーで削ったような音を立て、コンクリの壁が切り裂かれる。俺は一足跳びにセメントス先生の手を取り、合気の要領で片手を封じ、もう片手を首にかけ、拘束する。

 

 「切島っ!」

 

 「おうっ!コイツで終わりだぁ!」

 

 カシャン、と音を立てセメントス先生の片手にカフスがかけられる。よし!合格だ!

 

 「やれやれまいったね・・・合格だよ切島くん、遠山くん」

 

 「よっし!やったな遠山!」

 

 「ああ、協力してくれてありがとな、切島」

 

 「お前のおかげだぜ!ありがとな!」

 

 

 作戦開始前にしたように、ゴツン!と拳とガントレットを打ち合わせて、俺と切島の演習試験は終わりを告げたのだった。

 

 これで不合格だったらさすがに泣くぞマジで・・・・




 さーてこれからはヒロアカの話の中でも激動と言っても過言ではない林間学校編です。頑張るので見捨てないでください(土下座
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