遠山桜は正義の味方である   作:カフェイン中毒

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 お待たせしました。もっと投稿頻度早くしたいんですけど仕事で忙しいもんで・・・職種的にコロナの影響だろうが休めないのがつらいですね。

 皆さんは手洗いうがい等しっかりして自分で予防できるようにしましょう。なってからでは遅いと思うので


第27弾

 露天風呂を堪能した俺たちは、さっさと部屋に帰り泥のように眠ったのだったが・・・起床時間5時とか頭沸いてんじゃねえかと勘繰るわ。疲労がとれるわけねえって・・・・

 

 そんな愚痴を吐いても起床時間は変わらないので素直に起きた俺たちは(B組は起床時間が30分遅いらしい、ちくしょう)5時半に相澤先生監督の元森の中を進んでいた。

 

 「えーそんなわけで、本日から本格的に合宿を始めるわけだが、こいつの目的は全員の強化及びそれによる仮免の取得となる」

 

 仮免・・・ヒーロー仮免とは文字通り有事における個性使用が限定的に許可される免許、つまり自分の判断で個性の使用ができるようになる免許だ。これをとっておくだけでヒーローとして一歩どころか十歩以上進んだといっても過言ではないもんだ。

 

 「今年は嫌に騒がしい。具体的になってくる悪意に対抗するための準備みたいなもんだ。というわけで爆豪、これ投げろ」

 

 爆豪に手渡されたのは体力テストの時のボールだ。なるほど、個性の成長具合の確認か?

 

 「これ・・・んじゃあまあ・・・・くたばれ!!!

 

 くたばれってまた爆豪・・・・爆音とともに放物線を描いて落ちたボールの飛距離は・・・・

 

 「709mだ。入学から約三か月、君たちは確かに成長した。が、それはあくまで精神面や技術面・・・個性そのものはそこまで成長してない」

 

 個性を伸ばす・・・ねえ・・・それって生半可なことじゃ成長しないんじゃ・・・?俺の個性の倍率だって上がったことないし・・・・

 

 「今日から君らの個性を成長させる。死ぬほどきついが・・・まあ死なないようにな」

 

 そういった相澤先生の凶悪な笑みに俺たちの背筋は凍るのだった。・・・大丈夫だよな?

 

 

 

 

 

 

 大丈夫ではなかった。見る限り地獄絵図だ。熱湯に手を突っ込み爆破し続ける爆豪、ボールの中に入り転がり続ける麗日、ひたすら食べてマトリョーシカ(なんで?)を作り続ける八百万、血を流しながらもぎもぎをもぎる峰田と近くにいるやつらだけでも近づきたくない絵面が広がっている。

 

 で、そんな中俺は何をしてるかというと・・・特に何もしてない。相澤先生に待機を申し付けられたんだが・・・

 

 「遠山、準備ができた。こっちこい」

 

 お、なんだろうな。ちょっと楽しみですらある・・・と相澤先生についていくと・・・・げぇっ!俺の目の前に鎮座する黒い6本の銃身を持った物体、ガトリング砲ことM134ミニガンがいらっしゃった。待ってください・・・まさかとは思いますけど・・・・

 

 「遠山・・・お前には今から俺がマンツーマンでやってやる。やってもらうのは単純、俺がこれ撃つからお前は当たるんじゃねえ。避けようが相殺しようが自由だ。もちろん非殺傷弾だがあたれば死ぬほど痛いぞ」

 

 「相澤先生、冗談ですよね?」

 

 「俺は非合理的な虚偽は嫌いだ」

 

 「・・・・はい」

 

 なんか俺だけやってることに危険度嫌に高くないか?それとも相澤先生が俺を追い込むのに必要だったのがこれなのか?銃倹だっておりないだろうによくやったもんだ。

 

 「始めるぞ。そっち行って構えろ」

 

 俺が素直に従い、個性を発動して構えると

 

 「最初は10秒だ。いくぞ」

 

 相澤先生が合図とともにトリガーを引く、ドガガガガガガ!!とすさまじい音ともに赤熱した非殺傷弾が次々と迫ってくる、撃たれる前に銃口から身をそらしてた俺が走りながらよけるが相澤先生が銃口を向けるほうが早い、ので  

 

 ガスン!と桜花の踏み込みで地面の小石を正確に巻き上げ、弾道上に配置し、盾にする。弾けた小石が弾をはじきあい小石も弾も俺に当たることなく通過した。

 

 「・・・10秒だ」

 

 よし、まずは生き残ったぞ・・・あとはこれを繰り返すだけ・・・だといいなあ。

 

 

 

 

 「キンジくーん。だいじょうぶー?」

 

 「透・・・すまんがきついかもしれん」

 

 「わー・・・すごい音してたけど何やってたの?」

 

 「銃弾ひたすら避けてた・・・・」

 

 「え!?当たってない!?大丈夫ほんとに!?」

 

 「3発当たったけど一応無事だよ・・・」

 

 結局あの後40秒まで伸びたが集中力が切れかけたところで銃弾をもらい、俺は疲労困憊のまま地面にうつぶせに寝転んで透につつかれている。予想以上にきついんだけど・・・・反射速度だけじゃなくて思考速度とかその他もろもろ総合的にいるからただ撃ち合うよりきついぞこれ。銃持ってくりゃよかった・・・いや、持ってきても使わせてくれないか。

 

起き上がって合宿所に帰る。そこで待っていたのは飯盒炊飯のセットだ。・・・・自分で作れって?まじか・・・・

 

 「みんな!世界一おいしいカレーを作ろう!」

 

 飯田のやつ元気だな・・・・俺は適当に包丁を握って玉ねぎをくし切りにしていく。うしろで

 

 「爆豪、爆発で火ぃつけれね?」「つけれるわクソが!」

 

 BOM!という音が響き、火はついたがかまどが吹き飛ぶという残念な結果を眺めながら轟に頼んで火を別のかまどに着けてもらい、玉ねぎを炒めていく。薪は火力調整がうまくできないから焦げやすい、透明になったところでほかのやつが切った肉を入れ、焦がさないように火を通してく。

 

 「キンジくん料理できるんだねー!なんでもできるね!」

 

 「一人暮らしだからな。つーか何でもは出来ねえよ。」

 

 「私こっち食べたいなー、爆豪くんが作ってるのなぜか真っ赤でさー」

 

 「材料一緒だったよな・・・?」

 

 なんか刺激臭がすると思ったら爆豪の鍋かよ。水を定量ぶちこみ、ニンジン、ジャガイモを入れ煮こんでく、アクを丁寧に取り除いていき、ローリエの葉を数枚入れて煮込み終わるまで待機する。ぐつぐつなってる鍋を前に座ってまってると

 

 「あら、いい匂いね」

  

 「おいしそうだなー!」

 

 「お前ら別の鍋じゃなかったか?」

 

 「今は緑谷ちゃんが鍋見てるわ」

 

 「梅雨ちゃんがねー!すごい料理上手で私たちやることなくなっちゃった!」

 

 「へーそうなのか、そりゃすごいな」

 

 「あら、見てたけど遠山ちゃんも私と同じくらいでしょう?あとで食べくらべでもしてみる?」

 

 「いいねー!でも爆豪くんのカレーは食べたくないな・・・・」

 

 ルーを入れながら爆豪の鍋を覗き込むと・・・唐辛子が浮かんでた。どこから持ってきたんだよ。そして爆豪班の瀬呂、上鳴、切島の目が死んでる。せめて食える辛さで作ってやれよ・・・手際からして料理できるんだろ爆豪さんよ。

 

 

 「食う前は心配だったけど辛いけどうめー!」

 

 「どうなってんだ・・・辛いのにすごくうまいんだけど」

 

 「当然だわ!何考えてんだクソが!」

 

 うまいらしい、よかったな3人とも。で、俺の班のカレーはというと・・・

 

 「おいしー!」

 

 「・・・うまい」

 

 「美味しいですわ!」

 

 ということらしい。そりゃよかった。というか八百万結構食べるんだな、男子に肉薄する勢いだ。そして静かに食べている轟もだが結構食べるらしい、カレー大目に材料あってよかったわ。

 

 「ヤオモモちゃんたくさん食べるんだねー!」

 

 「ええ、わたくしの個性は脂質からものを作るので、たくさん蓄えるほどたくさん作れるのです」

 

 「うんこみてえ」

 

 瀬呂ォ!冗談でも言っちゃいけねえことがあるだろ!八百万がすさまじいレベルで落ち込んじまった・・・かける言葉が見つからねえ・・・とりあえず耳郎に殴られてる瀬呂の顔面に一発矢指で空気弾をぶち込んでやって食事に戻る。

 

 

 そのあと結局食べ比べをして(梅雨のほうが好評だった、地味に悔しい)枕投げをしようとした奴らが相澤先生に怒られるのを横目に眠った。

 

 

 3日目・・・昨日と同じ訓練をすると思いきやさすがに俺にかかりきりになるのはまずいとのことで、相澤先生は別のところまで行っちまった。で、代わりに組まされたのが・・・・

 

 

 「よろしくねー!キンジくん!」

 

 透だ。透を見て顔の似顔絵を書けっていう訓練らしい。つまり、見えないものを風の当たり具合、音の反射具合等で見えるようにしろとのことだ。透は出来るだけ俺に気付かれないようにするっていうのも入ってるらしい。

 

 「おう、早速やるか」

 

 ちなみに土下座して服は着てもらった。もし見えちまったら切腹もんだしな。透もさすがにくっきりみられるのは嫌だったらしく素直に従ってくれたよ

 

 深く集中する。ヒステリアモードを使えばできるんだろうが今回は個性だけだ。透をじっと見つめ、ふく風の形をイメージする。手を動かしてわかった個所から似顔絵を描いていく。というか透えらい美人なんだな、透明だから気づけなかったけどクラスの誰よりも美形じゃないの。

 

 

 「透・・・お前、すごい可愛かったんだな」

 

 「ふぇっ!?・・・みみみえたの?」

 

 「見えた。人生で初めて見るくらい美人で内心すごい驚いてる」

 

 「あうあう・・・」

 

 なんてやり取りをしつつ(峰田が頭皮どころか穴という穴から血を流しながらこちらを睨んでいた)夕飯の飯盒炊飯の時・・・

 

 「ねえ、遠山君」

 

 「なんだ緑谷」

 

 「洸太君のことなんだけどさ」

 

 「何とかしたいってか?」

 

 「・・・うん」

 

 さっき轟とも話してるのを聞いたが・・・難しい問題だ。ヒーローの子供、それも殉職しちまったんだ。あんだけヒーローに対し攻撃的、あるいは自分から一人になるようになるんだから相当の心の傷だろう。ぽっと出の俺たちが如何こうできるとは思えんが

 

 「俺からいわせりゃあの子の意見はもっともだと思うけどな。他人のために命張る、それも率先して行う俺たちは他人から見りゃそりゃおかしく見えるさ。・・・まあお前がどうしてもあの子をヒーローに対して肯定的にしたいってんなら止めはしねえけど、それは価値観の押し付けだってことも理解しとけよ」

 

 俺もヒーローだった父が死んでる。けどその背中に憧れた。きっとあの子もそうだったのかもしれない。けどそれを理解するにはあの子はまだ幼い。もっと広く視野が持てる年齢になれば多少は軟化するだろうさ。俺の経験上だがな。

 

 「わかったよ」

 

 作った肉じゃがはなんだかしょっぱかった。

 

 

 

 夕食後、風呂に入った後眠れると思ったら肝試しをするらしい。えーめんどくっさ・・・・なになにルールは・・・・A組とB組で別れ、二人一組で森の中を進み、片方が驚かせる、そんで創意工夫でより多くのものを失禁させた方が勝ち・・・後半は冗談だろうがまあそんなとこか。

 

 「盛り上がってるところ悪いが、補修組は今から俺と補習授業だ。」

 

 「ウソだろ!!!!」

 

 「すまんが日中の訓練が思ったよりおろそかになっててな、すまんがこっちを削る」

 

 「うわああああ堪忍してくれえええ試させてよぉぉ~~~!!!」

 

 あー・・・芦戸、合掌。クラスのやつらも各々の方法で祈りをささげてる。んで組み分けなんだけど・・・一人余るな。一人だとさぼりやすいから一人が楽かなあ

 

 「・・・余った」

 

 緑谷・・・お前持ってるのか持ってねえのかわかんねえ奴だな相変わらず・・・なんだその深淵を覗き見て悟りを開いたような顔は。んで俺は・・・

 

 「わ~!キンジくん!ここまでくると運命だね!ね!」

 

 「運命かどうかは知らんが縁があるのは事実だな。まあ脅かす側が決まってるからそう驚かんだろうがな」

 

 「え~!ノリ悪いよ~!楽しむのが一番だよ!」

 

 「咄嗟に技がでたら怖えだろうがよ・・・・」

 

 矢指とか秋草くらいなら咄嗟にでちまうかもしれん。常に身構えとかねえと・・・なんで楽しむはずのもんでこんな緊張する必要があるんだか・・・・

 

 

 俺たちの前ですでに3組スタートしてる。透風に言うならノリのいい悲鳴がこだましてるあたりB組も本気なんだろうな。俺らが驚かせるときも気合入れていこうかね・・・・

 

 「次、葉隠ちゃんと遠山君ペア!いってらっしゃい!」

 

 「うす」「はーい!」

 

 

 おれは正直驚かんかったが、B組のやつらも流石ヒーロー科、個性の使い方がすごくうまかった。いきなり柔らかくなる地面、見えない壁、突然生えるキノコ・・・どれもこれも驚かすには十分だ。

 

 ・・・その証拠といったらあれだが・・・

 

 「ひゃ~!」

 

 「うにゃ~!!!」

 

 「ぴぃっ!」

 

 なんて感じで透はすべてに対していいリアクションを取りながら驚いてる。たしかコイツドッキリ番組が好きなんじゃなかったか?なのにここまで驚けるのはある意味才能かもしれん。・・・別に驚くのは構わないんだが、一つ問題がある。

 

 (腕に2つの柔らかい肉毬が・・・!!)

 

 「B組の人たちすごいね~!私驚いてばっかりだよ!」

 

 「そりゃよかったな。俺に抱き着きながらじゃなけりゃもっとよかったが」

 

 「えーいいじゃ~ん!せっかく女の子と二人なんだぞー!もっと楽しめよーこのー!」

 

 なんて肘かどっかでうりうりやってくるが・・・なんか体育祭以降、透のスキンシップが増えた気がする。もともとうちのクラスの女子は割とパーソナルスペースが狭い。フレンドリーなやつらだが、その中でも透は芦戸と並んで距離が近いのだ。男女分け隔てなく仲良くする透だが、スキンシップをしてるのは女子のほうが多い。男子の中じゃまあ俺とよく話してるが前はこんなんじゃなかったんだがな。

 

 で、こんな深く考えるのには理由があって・・・そろそろヒスりそうなのだ。というかもう軽くヒスって感覚が鋭敏になってきてる。こんな人気のないところでヒスったら何をするかわからんぞ・・・なんかやらかしたら持ってるナイフで切腹せねば。

 

 

 

 危険な考えで頭がいっぱいになりかけたその時、甘くヒスった俺の嗅覚が異臭をとらえた。焦げ臭いのと科学の実験で使う薬品っぽい匂いだ。そしてかるく口の中に入れると刺激がある・・・ってことはこれ毒ガスか!?まずい!

 

 「透!異臭がする!ハンカチで口を押さえて呼吸を控えろ!」

 

 「へっ!?なになに?これもドッキリ?」

 

 緊急事態だっていうのをいまいち理解できてない透の口を取り出したハンカチで塞ぎ、片手の扇覇で周りの空気をすべて拡散させる。遅れて進行方向から漂ってきたピンク色の煙に透が背筋をビン!と伸ばして驚く気配が伝わってくる。

 

 「透、落ち着いて聞け。なんだかわからんがこれは訓練じゃねえ。これ多分個性由来だろうが、うちのクラスでもB組でもこんなことできる個性もちはいないはずだ。ってことはこれは」

 

 「外部の人間・・・」

 

 「そういうことだ。とりあえずスタート位置まで戻るぞ。そのまま呼吸を押さえて俺の手を離すな。いいな?」

 

 コクコクと透が頷くのがわかる。俺たちはそのまま反転し、だいぶ進んじまったがスタート位置まで移動する。片手で扇覇を連打し、ガスをこちらに来させないようしながら進むが・・・歩きですでに片道20分は歩いた。この途中で何かあるとも限らんぞ・・・・クッソ、どうなってるんだ!

 

 

 




 またいつになるかわかりませんがこれからもよろしくお願いします。
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