遠山桜は正義の味方である   作:カフェイン中毒

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なんかキンちゃんが完全にヴィランになっちゃった・・・・
でも轟くんと戦うならこれくらいしないと絶対勝てないと思う。
才能マンだし。


第4弾

 午後授業はすべてヒーロー関係の座学や演習で構成されている。今日はその1回目、ヒーロー基礎学だ。

 

 

 

「わ~た~し~が~~~~普通にドアから来た!!」

ガラッとドアを開けて独特なポーズで入ってきたオールマイトにクラスは大興奮だ。

「すっげえ、ほんとに雄英に勤めてたんだな!」

「廊下とかで見なかったからほんとにいるのかわかんなかったけど、オールマイトに教われるなんて最高だな!」

「画風が違いすぎて鳥肌が・・・・」

 

確かに俺たちよりいろいろ濃い顔してるけど。というか画風ってなんだ?

 

「いい反応ありがとう!さて早速だが今日はヒーロ基礎学!ヒーローの素地を作るため様々なことを学ぶ科目だ!単位数も最も多いぞ!」

否応にもわくわくしてくるな、俺らしくもない。

 

 

「そして今日は・・・・戦闘訓練!」

しょっぱなからそんなことして大丈夫なのか?

クラス中がざわめいている・・・・後ろ姿しか見えないけど爆豪がなんか凶悪な面してそうだ。

「そしてそれに伴って・・・・こちら!」

ガコンと壁からロッカーのようなものがせり出した。中には番号が振ってある箱がはいってるな・・・もしかして戦闘服か?

戦闘服(コスチューム)だ!個性届と要望書に沿って作られている!これに着替え次第順次グラウンドβに集合だぞ。自覚しろよ少年少女!これをまとった瞬間自分たちは・・・ヒーローなんだと!」

 

 

 

 

 

 

 チャチャッとコスチュームに着替えてグラウンドで待ってると、先に着替えてたらしい切島が寄ってきた。ほとんど半裸だがヘッドギア、一部を覆う装甲できっちりガードしてる。切島のしっかり鍛えられた肉体と合わさってなかなか頼れそうな雰囲気を醸しだしてるな。

「よぉ遠山!お前のコスチュームスーツなのか!なんかヒーローよりもスパイって感じだな!」

「お前のはなんかいかにも肉体勝負って感じだな。似合ってるぜ」

「おおサンキュー!お前のもなんかかっけえな!アメリカのサイバーヒーロー、ジーサードみてえだ!」

そう、これは被服控除の一環で断ることもできるのだ。雄英の被服控除で要望は大体通るがデザインは製作者の個性が大爆発する。ヒーローっぽい恰好(全身スーツとかマントとか)は不要なのでジーサードと相談して俺の要望に沿ったものを制作してもらった。こういうところはコネ様様だな。

 

 俺のコスチュームはまず上下に分かれるアンダースーツの上にところどころ部分的に鎧を着ている。被服の下にも着込めるようになったそれは体の動きを邪魔しないようにうごき、なおかつ着ていることがばれないようになっている。見えてるのは脚甲、ガントレット、そんで腰の装甲だな。腕や足のはところどころ音速を超える技を撃つ俺に合わせて頑強にできている。銃を握りやすいように指の装甲は薄めだ。腰の装甲の中には左にベレッタ、右にデザートイーグルが入っている。ナイフは左手の装甲の中で、右手の装甲の中にはデザートイーグルで使う特殊弾が内蔵されている。ほかにも全身の装甲の中にはマガジンが大量に仕込まれている。

で、上に着てるジャケットは電磁誘導を利用して袖の中に銃やマガジン、ナイフを通せるつくりになっている。服の内ポケットにもマガジンを入れる部分が結構仕込まれてるな。ベルト、ガントレットの手首にはワイヤーが内蔵され、最大で20mまで伸び、袖口を通ってきた銃に接続すれば取り落とし防止にもなるようになっている。

耳には骨伝導ヘッドセットがあり、今は胸にさしているがサングラス型のディスプレイと視線操作を内蔵した操作機器・・・ジーサードが使うテラナと同じものがある。もちろん全身防刃防弾難燃だ。素材の都合上電気は通るので気を付けなければならない。

他の装備品は潜入を想定した盗聴録音再生機が8つ、腰の装甲にくっつく形でついている。機構の操作は指と手の動き、テラナでの操作だ。

 

切島と話しつつ装備の動作確認をしていると(スリーブガンを見せると切島は大喜びだった。やっぱ銃はかっこよく見えるらしい)全員そろってるな。一応何するかわからないし録音機をオンにしておく。

 

「いいね!カッコイイぜ少年少女!さて、今からやるのは屋内での戦闘演習だ!2vs2のペアを組んでヒーローとヴィランとしてことに当たってもらうぞ!」

屋内戦か。屋外での派手な個性戦が人気でよく報道されているがそんなもん突発的で大体自信過剰なアホがヒーローに突っかかっただけだ。ある程度頭が使えるやつなら閉所で、なおかつ自分の個性を利用する環境を整えやすい屋内でのヴィラン犯罪のほうが統計的には多いと兄さんが言っていた。オールマイトも同じようなことを言っている。というかカンペガン見じゃねーか、大丈夫か?

 

 

めいめい質問を一気に飛ばしてるせいでオールマイトが「んんん~~~聖徳太子ィィ!!!」と震えてる。落ち着けお前ら、せめて説明が終わるまで待ってからにしろ。

 

「いいかな!?状況はヴィランがアジトに核兵器を隠しており、ヒーローはそれを回収ないし処理しようとしてる。ヒーローは制限時間内にヴィランを全員捕縛するか核兵器を回収すること、ヴィランは制限時間内に核兵器を守り抜くかヒーローを捕まえること。コンビと対戦相手はくじで決める!」

設定がえらいアメリカンだな。というかアメリカでも核なんて持ってるヴィランなんかなかなか・・・・いるか。この前ジーサードが捕まえたって言ってたわ。

 

 つまりヴィラン側は核を隠して最悪逃げ回ればいいのに対し、ヒーロー側は制限時間がある中、核かヴィランを捕まえると。ヒーロー側がだいぶ不利じゃないか?

 

「それでは早速くじだがチームアップだ!おのおのコミュケーションを取っておくんだぞ!」

とオールマイトがくじを引いていき、AからJのグループが決まった。俺はIチームだな。

 

「遠山くん!また一緒なんて縁があるね~!」

「受験のことか?確かにな。とりあえずよろしくな」

「遠山くんヒーローとヴィランどっちがいいの?」

「そりゃヒーローだろ。何たってヒーローになりに来たんだからな。まあヴィランでもいいっちゃいいけど」

「え~私はやっぱりヒーローがいいなあ」

俺は葉隠と一緒だった。全員がチームに分かれたところでオールマイトがまたくじを引き、対戦チームを発表する。

 

「最初は・・・・Aチームがヒーロー!Dチームがヴィランだ!」

ほー麗日緑谷と飯田爆豪か。初戦からまたすごい組み合わせだな。緑谷がまた怪我しねーといいんだが。

「ヴィランチームは先に入ってセッティングを!5分後にヒーローチームが突入する。ほかのみんなはモニターで観戦して自分の時の参考にするんだぞ!」

とりあえずモニタールームで観戦か・・・・なにか参考になるといいんだが・・・爆豪と緑谷の間に妙な緊張感があるのが少し気にかかる。

 

 

 

 終わった・・・・が正直な感想としては訓練というか私怨での喧嘩といった感じだ。爆豪は終始緑谷に対して攻撃を仕掛けていた。しかも核兵器のことを念頭に置いてない大規模攻撃をかました。ぎりぎり訓練ということを意識していたらしい緑谷がパンチで核の部屋まで床をぶち抜き、それを麗日ががれきを柱で打って牽制して核を回収して終了した。というかどれもこれも核兵器だってわかってんのか?これが核ミサイルとかで信管によっちゃ爆発してるぞこれ。何の参考にもならん。

「それじゃ講評だ。今回のベストは飯田少年だな!なぜだがわかる人―!?」

「はい!」

「はい」

 

「それじゃ八百万少女!遠山少年はそのあとな!」

八百万のほうが早かったな。まあ全部言っちまうだろう。推薦入学者だって言ってたし。

「それは飯田さんが一番状況設定に順応していたこと。緑谷さん爆豪さんは屋内での大規模攻撃と私怨丸出しの戦闘・・・・麗日さんは中盤で完全に気を緩ませていたことと核兵器を巻き込む攻撃・・・総合して核を核として扱った飯田さんが一番ですわ」

うわ、オールマイトの顔に「思ったより言われた」と書いてある。

「そ・・・そうだな。それでは遠山少年」

「はい。おおむね八百万と同意見ですが・・・・個人的なダメ出しとして、ヒーロー側は「アジトへの潜入である」という意識が欠如していました。核があり、それがヴィランのアジトにあるということまでわかってるならできる限り慎重な行動を求められるでしょう。気づかれないように静かに走る、曲がり角で一度立ち止まって角の向こうを確認するといった行動が一切見られませんでした。全力で走って、音が大きい戦闘をする・・・・自分の居場所と目的を伝えてるようなもんです」

あ、オールマイトの顔に「そこまで求めてない」って書いてある。兄さんとジーサードの受け売りなんだけどな・・・・

「まぁ・・・・二人とも正解だよ・・・ぐぅ」

ホントにぐぅの音を出す人は初めて見たな。

 

 

 だが緑谷のヒーローっぽい肉を切らせて骨を断った様子はクラスに火をつけたようだ。本人は保健室にいるけどな。

その後も何回か使用するビルを変えて訓練が行われ、ついに俺たちの番になった。

 

オールマイトがくじを引き、俺と葉隠のチームがヴィラン、轟と障子がヒーローだ。

 

障子は朝かるく自己紹介したときに個性も教えてくれたな。腕に生えてる触手に体のさまざまな部位を複製し、操ることができる個性らしい。索敵にも攻撃にも活かせそうな万能な個性だな。轟は教室でも我関せずといった様子で誰かと交流を持ってる様子がない。従って個性もわからないが・・・個性把握テストの様子を見る限り氷を生成していた。情報は断片的だがとりあえずそれを前提に作戦を組んでやる。「ヴィラン」らしくな。

 

 先にビルに入り、準備を始める。パパっとしねえと時間なくなるな。

「ねー遠山くん。核の場所とかどうしよっか?」

「そうだな・・・作戦があるんだがのるか?」

「お、やるやる!どんなの?」

「時間ねえから手短に言うぞ。この作戦の要はお前だ(・・・)

「私?」

「そうだ。まず核を1階に設置し、これをビルのどこかの部屋へランダムに仕掛けてもらう」

説明しながら7つの録音再生機を葉隠に渡す。さっき音録音しといてよかったぜ。

「で、相手が入ってきたら葉隠、ワザと声出して見つかってくれ。できるだけ焦った様子で、俺に通信するふりをしてだ。その時に俺のところに逃げるようなことを言ってこいつを落としてけ」

そういってガントレットの中から2つの銃弾を取り出す。

「片方が閃光弾、もう片方が煙幕弾だ。最初に見つかった時には煙幕弾・・・黒いやつだ、それを落とせ。使い方は銃弾の後ろのボタンを思いっきり押せそうしたら1秒後に煙が出てくる。閃光弾も同じだ。で、おそらく索敵手段が少ない轟が追ってくるはずだから俺が合図するまで上に上に逃げ回れ、俺はおそらく残るであろう障子のほうを手早く何とかする。」

轟は八百万と同じ推薦入学者だ。状況判断、と地頭の良さを考えるにそのくらいはやるだろう。そして轟はコミュケーションが苦手そうだ。協力するより個人主義に傾く可能性が高い。

「合図したらもう一回見つかって閃光弾で轟の視界を潰せ。もし俺が障子を捕縛する前につかまりそうになったら閃光弾使って逃げていい。俺と障子からできるだけ轟を離してくれ。」

「はぇーそこまで考えてるんだ・・・わかった!」

「あと・・・・俺が何言っても肯定しろ。じゃねえと失敗するかもしれん」

「え?なにするの?それも教えてよ~」

「いくつかパターンがあるから全部説明できん。じゃあ頼むぜ」

「わかったよー!本気モードで全部脱ごうかと思ったけどやめておいたほうがよさそうだね~」

「何してくるかわからん相手にただでさえ少ない防御力を0にするんじゃねえ、ほらいいから頼むぞ」

ちなみに葉隠のコスチュームは受験とほぼ変わってねえ。いろいろやばくねえか?主に倫理観と羞恥心。

 

録音再生機を仕掛けに行った葉隠を見送り、俺は残った一つにとある言葉を録音しておく。核は奥の部屋に入れて俺はその反対側の奥に入り、その2つ前の部屋にのこった録音機を仕掛ける。うまくいってくれるといいんだけど。

ちなみに核は階段の反対側だ。録音再生機の再生モードをオンにしてクラスの喧騒をリピート状態にしておき、階段側の部屋に戻ってきた葉隠と待機していると・・・・・

 

「準備はいいかな?では、スタート!」

 

 合図がなったと同時に俺は個性を使って神経を強化する。・・・入ってこないな・・・・?いや待てよ、この想像が現実になったらまずい!

 

「葉隠!跳べっ!!!!」

「へっ?いやうん!」

 出来るだけ高く飛んだらしい葉隠をキャッチして俺も飛び、ワイヤーとナイフをつないで天井にさしてぶら下がったと同時に・・・・パキパキパキ・・・と壁が凍りだした。

轟の野郎「ビルごと凍らせて」制圧しにかかりやがった!

だが狙い通りにはいってない、俺たちは回避してる。ひとまず凍結現象が落ち着いたあたりでおりる。ナイフは凍っちまって抜けねえな。葉隠が靴脱いでなくてよかった。これで素足なら逃げるなんて話じゃないだろう。

ゆっくりと玄関が開き、轟と障子が入ってた。障子の触手から耳が出てるのをビル内に落ちていたミラ―で確認し、作戦の開始を葉隠にアイコンタクトする。

おそらく上の回に設置した再生機のせいで探知ができないであろう障子と轟が会話をしてるのを1回にしかけた盗聴器で拾う。

 

 

「すまない、クラス全員の声がして探知ができない。遠山に朝説明したせいで俺の個性に対策を取られたようだ」

「そうか。だがどうせ動けねえから関係ねぇな」

上手いことはまってくれたらしい。頼むぞ、葉隠!

 

 

「よくもやってくれたなヒーロー!だが残念だったな!私たちは無事だ!」

葉隠が階段前でワザと声をだして轟と障子の視線を集めた。俺はこの隙に開けておいた窓から外に出て遠山家に伝わる壁などに無音で張り付いて移動する技「堀蜥蜴」で盗聴器を仕掛けた部屋の隣に移動する。

 

「なに・・・?」

「アレを避けたのか!?」

「捕まえられるものなら捕まえてみろー!遠山君!そっちいくね!」

最後だけ小声で通信機に言って煙幕弾を起動し逃げる葉隠。さあどうする轟?

「煙幕か・・・・」

「轟、遠山のところに向かうと言っていたが・・・・どうする」

ココが分水嶺だ。煙幕の中階段を上る葉隠が風の動きで視認できるのを確認した轟は

「俺が追う、お前は1階からしらみつぶしに核を探してくれ」

「わかった」

よし、賭けに勝った!

 

 轟が階段を走って上っていき、姿が見えなくなる。障子も順に扉を開けて行って確認していくのがミラー越しに見える。少しづつ近づいてくる障子に合わせて隣の部屋の録音機を再生モードに切り替えさっき録音した俺の声を再生する。

 

『葉隠、うまくいってるな?そのまま2人を引き付けておいてくれ・・・・ああ・・あとで』

「・・・!」

反応した障子が走ってこっちに来てドアを開けて入ったと同時に俺も隣の扉を同時に開けて音をかぶせて消し、外に出る。

入った部屋にあるのは黒い色の録音再生機だ。

「・・・・囮!?

「かかったなヒーロー」

 

障子が気づいた瞬間その無防備な背中にドカァ!!と飛び膝蹴りを叩き込んで吹っ飛ばす。「ガッ・・・!?」という声を上げて吹っ飛んだ先で体勢を立て直した。流石に気絶までは持っていけなかったらしい。

俺が1階にいることを轟に伝えようと耳の無線機に片手と触手で作った口を近づけた障子が「!?無線機が・・・」と驚いてる。

 

「お探しのものはこれか?」

と片手の指につまんだ無線機を見せてやる。遠山家の技の一つ、相手の携行品をすり取る「井筒捕り」だ。さっきの膝蹴りの時に盗んでおいた。

「分断されたか・・・・」

「ビルごと凍らされるとは思わなかったけどな」

 

 障子が触手に腕を複製して構える。手数の多さは俺より多いだろうがどっちかっていうとパワーよりなタイプの障子だ。いなしてテープ巻いてやる。

「いくぞ・・・!」

「こい!」

 

 突進してきた障子がラッシュを叩き込んでくる。1撃4発以上別々の場所に打ってくるが着弾のタイミングや体さばきを駆使していなし、躱し、迎撃する。障子は分断された焦りと、攻撃をいなし続け、当たらない俺への焦りが合わさり、だんだん大降りになってきた。

「オオオオオッ」

完全に焦った障子が右手と触手の複製腕全てて右ストレートを打ってくる。今だっ!

 

「すまんな、息、苦しくなるぞ」

右ひじで跳ね上げてそらし、無防備になった障子の胸にドムンッと掌底を入れてやると・・・

「コ・・・ガ・・・・ハッ・・・」

呼吸が一気に制限された障子が前のめりに倒れこんだ。すぐ確保テープを巻き、胸をもう一度叩いて戻してやる。

 

 

 

 今のは遠山家の奥義の一つ「羅刹」。一定の角度と威力で相手の胸を掌底で撃ち、心臓、肺などの呼吸器官を細動させて止めるというなかなかにえぐい技だ。今回障子に使ったのは劣化版で片肺だけ止めるように改悪したものだ。音の分のエネルギーすら打撃力に回すほぼ無音の「羅刹」と違って音も盛大に出ちまうからな。

 

「葉隠!今終わったから閃光弾つかって一番上までにげろ!」

「いま4階!とりあえず今からやるから!」

 

障子を1階エントランスロビーまで引きずっていき(文句言われたけど無視した)葉隠の通信を待つ。

 

 

「おっけー!成功したよ遠山くん!いま屋上の貯水タンクの影にいる!」

「サンキューな。終わりまでそこで隠れててくれ」

よし、今轟は1次的に視力喪失にある。あの閃光弾はほんとに目眩まし用で30秒ありゃ回復しちまうから、今混乱してるうちに畳みかけてやる。

 

「ようヒーロー。やってくれたな。とりあえずそのまま聞くことをお勧めするぜ」

「・・・??それは障子の無線のはずだ。なぜお前がもっている?」

「さっき来たやつならノシちまったよ。率直に言えば人質ってやつだ」

「・・・・要求はなんだ」

「察しがいいな。1階に降りてこい、そこで面と向かって話し合おう」

「・・・おう」

 

1回に設置した録音再生機を拾って障子の横に設置し、テラナからの操作で葉隠の無線とつなぐ。

障子にはデザートイーグルを突き付けておく。鈍く黒光りするでっかい拳銃にわかりやすく青ざめた障子が何か言いたそうにしてるが「撃たねえとは言えないがあてないから安心しろ」と言っておく。

そして階段を走っておりてきたのは・・・轟だ。

この時点で残り4分だ。葉隠が必死になって逃げきってくれたんだ、耐え抜かなきゃな。

 

 

「うっし来たなヒーロー。状況は見ての通りだ。お仲間の命が惜しけりゃそのまま出て行ってくれ。」

「・・・拒否したら」

「お仲間の脳みそが地面にぶちまけられると同時にここごと核で吹っ飛ぶぜ。核の起爆スイッチは俺ともう一人で持ってる。どっちかがおしゃ爆発する仕掛けだ。まぁどうなるかはそっちの想像力次第って感じだ」

『賢明な選択を期待してるよ!』

残り3分。ここで状況設定にないものに轟がどう反応してくるか・・・・!!

 

「じゃあ簡単だ・・・全部もう一回凍らせちまえばいい!」

そうきたか!おそらく加減した最初より規模が大きい氷結でビルの上まで空間ごと凍らすつもりなんだ!

「くっそ!」

時間がないぞ!温度が下がり切ったらまず間違いなくこちらが負ける!あと2分45秒!

 

パァンとベレッタの抜き打ちで轟の背後の壁を撃つ。前面にできだした氷を避けて撃ったそれは背後の壁で跳弾し、轟の背中にビシィ!!!と着弾する。兄さんから教わった跳弾射撃(エル)

衝撃で個性の制御が緩んだ轟の全面の氷ごと秋草の蹴りでぶっ飛ばす。空中で再度個性を発動させた轟の氷が迫ってくるので桜花気味に腕を振り体のバランスをとってバク転して回避する。残り2分!

とりあえず俺を優先することにしたらしい轟は何度も氷を出して面で制圧しようとしてくるのを銃で牽制して拳や蹴りで氷を砕いて対応するが、周囲の温度が下がってきた。残り1分!

 

「これで・・・おわりだ!」

パキィィンと轟を中心に氷が突き出してもう一度ビルごと凍結する。俺も足が完全に凍って身動きが取れなくなる。残り50秒!

確保テープを持った轟が走ってくる。おそらく葉隠も俺と同じ状況だろうしここで俺が確保されたらいま上にいる葉隠の確保も間に合うかもしれない、どうする!?

バリバリバリバリィ!!とデザートイーグルとベレッタで銃撃を加える。できるだけ遠回りするように射線を取って時間稼ぎに入るが・・・両方ともスライドオープンした。

 

轟が個性で滑るように近づいて俺に確保テープを巻いた瞬間。

 

 

「終~~~了~~~~!!!ヴィランチーム、WIIIIIIN!!!!」

オールマイトの宣言が響いた・・・・よかった。何とか勝てたんだな。

 

「と~やまく~~ん!」

葉隠だ。降りてきたんだな

「よう、やったな葉隠。お前のおかげでうまくいった。まぁ俺は最後やられちまったけどな」

「ん~ん!そんなことないよー!かっこよかったよ!遠山くん!」

「そっか」

片手をあげると察してくれたらしい葉隠が手袋に包まれた手を挙げてパァンとハイタッチして俺たちの戦闘訓練はおわった。足が凍ったままでかっこつかないけどな。

 

 

 




 キンちゃんのコスチュームは原作とほぼ一緒ですがオリジナルとしてメタルストームのマガジン機能は弾を弾帯でつないでカッターマガジンで切るものから、マガジンそのものを大量に持ち歩く形になりました。原作のほうが装弾数は多いです。
 あと録音再生機は証拠トリとかで使うかなーと思って付けました。死穢八斎會編を見る限り、ヒーローには潜入等があることが判明したので。
 テラナがある理由についてはベレッタ・ベレッタがいないので完全に指や腕の動きだけで制御することが難しくなったためです。
つまり技術力不足なわけですね。
 次回もよろしくお願いします
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