遠山桜は正義の味方である   作:カフェイン中毒

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再・第十一弾

 順番にノックスに跨るクラスのやつらを眺めながら、説明書を読みこんでく。えーと充電は・・・は?コンセントにつなげばいい?普段の手入れは・・・普通のバイクと同じ。耐荷重は結構あるな・・・メンテは平賀さんか発目にお願いすればいいのか。楽なもんだな。まあ武装は一切してないしな。ただ硬くて速いスーパーバイクだからまあそんなもんか。

 

 めっちゃスマホで写真撮ってるけどお前らイマドキなやつらだな。あ、麗日が間違えて重さゼロにしたノックスを浮かせてる。慌てて解除してガチャンと落ちたノックスを見たクラスのやつらが顔を青くしてるが別にそのくらいなら壊れないし傷つかないから安心しろ。爆豪が爆破しても大丈夫なくらいだぞ。さすがに最大威力では知らんけどな。

 

 「そんくらいなら問題ないぞー。まあ新車だし気を付けてくれよ」

 

 「ごごごめんなさい遠山君!めっちゃ高いやろこれ・・・」

 

 「詳しい値段は知らんがI・アイランドの最新技術だからな、真面目にクソ高いじゃねえのか。知らんけど」

 

 「ひぇ・・・・・」

 

 そう言えば麗日の実家は結構貧乏だったっけか。お金の大切さが身に染みてるからこそできる表情だな。とかく俺は怒ってないから心配すんな。それよりもそろそろ後ろみろー?

 

 「君たち、今は何の時間だったっけ?」

 

 「「「「「ごめんなさい!相澤先生!!」」」」」

 

 さすがにしびれを切らした相澤先生の雷が落ちて俺たちはそれぞれの自主練に戻るのだった。

 

 

 

 そんなことがあり、今は週末。あの後相澤先生に改めてお願いしてインターン用の書類をもらって、かなでのことをお願いした。インターンは基本学校の休日、もしくは公欠とっていくものらしく学校の授業との両立をしなければならないハードなものだ。さすがは校外活動と称されるだけはある。

 

 「緑谷、おはよう」

 

 「おはよう!ごめん急いでるから!」

 

 共用リビングで朝食をとってた俺が挨拶をするとどたばたやってる緑谷がフルカウルで走って玄関を出ていった。大変だな・・・まあ俺も今日インターンするんだけどな。緑谷が何の用事か知らんが、忙しそうだ。一緒に飯食ってる切島と常闇もびっくりしてるわ。

 

 「おはよ、休みだね」

 

 「爆豪も轟も週末は講習かー。そういや今日俺らヤオモモの予習会参加するけどお前らどう?」

 

 「ワリィ、俺も遠山も常闇も今日用事あるんだわ」

 

 「誘いには感謝する」

 

 「ありがとよ上鳴。すまん切島、常闇。先行くわ」

 

 「そういやお前バイクだったな。ガソリン代でんの?」

 

 「全部電気だぜノックスは。というかお前らだって電車代出るだろ?そういうことだよ」

 

 「なるほどなー」

 

 話しながら席を立ち、洗い物を食洗器にいれてヒーロースーツとヘルメットをひっつかんで玄関へ行く。ハイツアライアンスの駐輪場には俺のノックスがその威容をさらし・・・クッソめだってるわ。当然だけど。上級生ですらしげしげとみてるもんな。すでに予備の弾帯、医療キット、その他もろもろをコンテナに収納したノックスにヒーロースーツを積み込み、起動する。

 

 明るく光るタッチパネルにテラナを連動させてかけて、ヘルメットをかぶる。そのまま駐輪場から引いて雄英の校門まで行き、運転を始める。制限してるから普通のバイクと同じ速度で動き出すノックスのタッチパネルにテラナの視線操作で行先であるリューキュウ事務所を打ち込んでマップを起動、案内に従って運転を開始する。

 

 行きかう人々の目線がノックスを見てるのがわかる。見たい気持ちはわかるよ、かっこいいもんな。色も黒と黄色で目立つし。ナビの案内に従って運転すること1時間、この前と同じでっかいでっかいリューキュウ事務所についた俺は駐車場の隅っこにあるバイクの駐輪場を借りてノックスを停め、そのまま事務所内へ入る。すぐ事務員さんに気づかれて挨拶する前にリューキュウの所に行くように言われた。とりあえずお礼を言って案内図を確認しリューキュウの事務室へ向かう。

 

 コンコンコンと扉をノックすると「どうぞ」とハスキーながら聞き取りやすいリューキュウの声が帰ってきたのでドアを開ける。

 

 「失礼します!本日からお世話になります。雄英高校1-A組、エネイブルです!よろしくお願いします!」

 

 「はい、よろしくね。バイクで来たんだってー?ネットでもう画像上がってるわよ。いいもの持ってるじゃない。期待してるわ・・・早速、といいたいところなのだけど・・・暫く待ってて頂戴ね」

 

 「待機、ですか。どこで待ってればいいでしょう?」

 

 「ここでいいわよ。ねじれがね、あと2人紹介したい子がいるっていうから・・・今日来る予定なの。だから、その子たちを見定めるまでは待ってて。まあ私は受け入れるつもりなんだけど・・・どんな子かは会ってみないとわからないでしょう?あ、この椅子座っててね」

 

 「了解です。失礼します。あ、これ書類っす」

 

 「はいありがとう。じゃあこの書類を学校へ持って帰ってね」

 

 なんでももう二人インターン希望のやつらが来るらしい。なるほど人気だなリューキュウ。受け入れ実績が多いこともあるし1年生からの人気が高いのだろうか?ってことは同じクラスかB組のやつらかもしれないんだよな?誰が来るかちょっと楽しみではあるな。

 

 「あっそうだわ!遠山君今乗ってきたバイクってスペックどうなのかしら?特殊車両よね?乗って出てもらうだろうからそこらへん聞かせてもらえないかしら?」

 

 「はい、えーっとですね・・・」

 

 まさかのネットの拡散力を恐ろしく思いながらリューキュウが手ずから入れてくれたコーヒーを飲みつつノックスのことを話していく。どうやらリューキュウはもうすでに俺のバイクによるパトロールを思いついていたらしくふむふむ頷きながら俺にできることできないことを聞いてくるので隠すことなく答えながら雑談交じりに談笑する。しばらくするとどたばたと騒がしくなりドンドンドン!バァン!とドアが開いた。

 

 「リューキュウ!お待たせ!連れてきたよ1年生!なんと遠山と同じA組の、麗日お茶子ちゃんに蛙水梅雨ちゃん!二人ともすっごい熱心だったから負けちゃった!」

 

 「こんにちは!麗日お茶子です!よろしくお願いします!」

 

 「蛙水梅雨です。今日はよろしくお願いします」

 

 「はいよろしくね。リューキュウよ。みんなA組なのね。遠山君は知ってたの?」

 

 「いえ全く。インターンするのかどうかも知りませんでした」

 

 「わ!やっぱり遠山君や!駐輪場にバイクあったもん!ね、梅雨ちゃん!」

 

 「ケロケロ、遠山ちゃんがリューキュウの所に来てるなんて意外だわ。どうしてかしら?」

 

 「ま、それについてはおいおいな。お前らが集中するのは俺じゃなくてリューキュウ、だろ?」

 

 「ふふふ、仲がいいのね。じゃあ面接を始めます。遠山君とねじれは先にスーツに着替えてきてね。ねじれは遠山君を案内してあげて」

 

 「はーい!行こ、遠山!このねじれちゃんがリューキュウ事務所を隅々まで案内してあげる!」

 

 「よろしくお願いします」

 

 というわけであっちこっちに話題が飛ぶ波動先輩に案内されて更衣室へ。なんでもサイドキックも含めこの事務所は男のヒーローがいないらしい。えぇ・・・肩身が狭いなんてレベルじゃないぞ!?一応男子更衣室はあるみたいだけどな、俺みたいなインターンする奴用の・・・というわけで女の花園リューキュウ事務所の知りたくなかった事実を知った俺が諦めて着替え終わり更衣室前で待ってると・・・とんでもなく扇情的なボディラインを惜しげもなくさらしたパッツンスーツに身を包んだ波動先輩がひょこっと現れた。うっげえ・・・ヒス的に非常によろしくない。

 

 最近知ったことだが俺のヒステリアモードは自分の個性でなるのと女で自然になるのとで大分性質が違うのだ。具体的には自然になる方が気障度マシマシになる。つまり黒歴史を製造しやすいのだ。猴に呼蕩やらかしたときみたいにな。というわけで年上にちょっと弱い俺としては波動先輩とかリューキュウみたいなヒーロースーツは鬼門なのである。目をそらせ!視線逸らし(スラッシュ)だ。今適当に考えた。

 

 「ん?遠山視線ずれてない?どーしたのー?ひょっとして天喰の真似!?あはは雰囲気ソックリ―!お!?ねえこのサングラスなにー?おしゃれー!?かっこいいー!」

 

 「そういうわけじゃないんすけど・・・それはテラナっていうサポートメカです。軍用無線と携帯と、パソコンをまとめたようなもんですね。かけると画面が映るはずです」

 

 「んーと・・・こう?わ!すごい視線操作なんだ!?えーっと・・・今日のニュースは・・・」

 

 「使いこなすの早いっすね・・・」

 

 以外にもテラナをかけた顔が似合ってる順応性が高い波動先輩が歩きながらいろいろやってると・・・歩きスマホみたいだからやめてって言おうとした途端波動先輩がこけかけたので咄嗟に肩を持って支える。柔らかい感触にドキッとしたがさすがにこの程度なら大丈夫だ。

 

 「すんません、さすがに危ないっすわ。返してもらいますね」

 

 「えー面白かったのにー・・・はい!どうぞ。そろそろ事務室にもどろーねー」

 

 何を思ったか波動先輩は自分のかけてたテラナを俺の顔に直接戻した。覗き込まれるように波動先輩の美人顔がドアップになった俺は数瞬言葉を失ったが気にせず先に行ってしまった波動先輩をみてかぶりを振り、とりあえずテラナの電源を切って胸ポケにしまって追いかけることにした。インターンいろんな意味で大丈夫かな・・・

 

 

 

 

 「りゅ~きゅ~!二人はどうだった!?合格だよね、ね!二人とも一生懸命だから一緒にヒーロー活動したいなー!」

 

 「あら、おかえり。遠山君も似合ってるわね、素敵よ。面接の結果は・・・合格です。二人とも書類を出して着替えてきてね。ねじれ、悪いけどもう一回行ってもらっていいかしら?」

 

 「梅雨ちゃん!やったぁ!」

 

 「ええお茶子ちゃん、やったわね。これからよろしくお願いします」

 

 「いいよ~!おめでとう二人とも!じゃあこっちに来て、ねじれちゃんが更衣室まで連れてってあげる!」

 

 そんな感じで波動先輩に話しかけられながら麗日と梅雨が出ていったので俺は手持無沙汰になる。と思いきやどうやらこのあとやることが決まってるらしくてリューキュウが俺のところに何かを持ってきた・・・無線機か?耳につけるタイプの・・・俺には骨伝導のヘッドセットがあるんだけど・・・

 

 「もう二人には説明してるからあなたにも説明しておくわね。今日やってもらうことはパトロール。といってもファットガムやほかの所とは違うわよ。私の担当区域がなぜ広いかわかるかしら?」

 

 「・・・空が飛べるから、ですか?」

 

 「正解よ。私は飛行可能なの。だから飛べない他のヒーローよりも担当区域は広いし、機動力の高い人を中心に雇ってるわ。それで、今日は私とねじれ、麗日さんが空から、君と蛙水さんがバイクで同じルートをたどりつつやってもらうことになるわ。女の子と2人乗りなんてドキドキね?君の運転技術次第だけど、期待しておいてあげるわ。その無線機は空にいる私と直接話すための物よ。通信範囲が広く作られてるわ」

 

 「えーとこのメンツわけの理由はなんですか?」

 

 「上空の私たちは浮ける個性だけよ。落ちちゃっても助けられるとは思うけど今日が初めてだからさすがにね。といっても君は基本上まで行くことはないわ。せっかくあんないいマシンがあるんだもの、役立てないとね?今日はゆっくり行くからそんなに心配する必要はないわ」

 

 「了解です。ヘルメットって予備あります?」

 

 「あるわよ~って言っても無しでお願いするわ。視界が狭くなっちゃうから・・・ヒーローたちはみんなヘルメット被ってないでしょ?あると真後ろが見えにくかったりするから基本的にかぶらないのよね。もちろん危険なのは百も承知よ?でもそれ以上に異変を見逃す方が怖いわ。とにかくそれでお願いね」

 

 えーヘルメットなしなの?と思ったけどそういやトクメンの試験でもヘルメットは支給されなかったな・・・クラッシュしたら自分でどうにかしろってことか・・・過激だなあ。というか梅雨とニケツすんのか・・・というか梅雨は納得したのか?俺はヒス的なことに目をつぶれば大丈夫だけど・・・

 

 俺はとりあえず返事をして通信機を受け取りヘッドセットを外して付け替える。外したヘッドセットは装甲の余ってるスペースに入れとこう。そうして俺が耳の通信機の調子を確かめるためにリューキュウと試験通話をしてると波動先輩に麗日、梅雨が戻ってきた。うわー女子女子してる空間になってきた。いろんなスメルがしてヒス的にも悪いなあ。

 

 「おまたせ~ウラヴィティとフロッピー、それにネジレチャン!準備完了だよ!」

 

 「はい、ありがとうねネジレチャン。じゃ、今からパトロールに行くわよ。話した通り私とウラヴィティ、ネジレチャンが屋上。エネイブルとフロッピーは駐車場に行って準備すること。通信はつないだままよ。エネイブル、いいわね?」

 

 「はい!」

 

 「よろしい!じゃあ行くわよ!」

 

 「「「「はい!」」」」

 

 というわけでエレベーターで屋上に行く3人と別れて梅雨と共に、事務所玄関からでてノックスを起動する。コンテナを動かしてサブシートを広げ、乗りやすいようにし引っ張っていく。

 

 「エネイブルちゃん、よろしく頼むわね。ケロ・・・普通に後ろに乗ればいいのかしら?」

 

 「おう、普通にあぶねえから俺の腹に手を回すようにして抱き着いてくれ。こけるかんな・・・大丈夫か?」

 

 乗り方をそう伝えるとちょっと赤くなった梅雨はノックスに跨った俺の後ろのサブシートに腰かけて俺に抱き着いた。ちょっとヒス的な血流が来たがなんとか押さえつけて指示を待つ。

 

 「・・・ちょっと恥ずかしいわ。遠山ちゃんは気にしてないのね・・・さすがだわ」

 

 「んなわけねえだろ・・・クラスの美少女が後ろで抱き着いてんだぜ?意識しない方が無理だっつーの・・・とにかく離すなよ、危ないからな」

 

 「ケロォ・・・わ、わかったわ」

 

 真っ赤になった梅雨が黙りこくってしまったので気まずい沈黙が流れるがリューキュウの通信がそれを破ってくれた。ありがたや・・・

 

 『こちらリューキュウ、聞こえるかしら?準備が出来たならそこから北進して3番目の信号を左に曲がってちょうだい。もちろんおかしなものがあったらすぐ報告、いいわね?』

 

 「こちらエネイブル、了解です。今から発車します・・・行くぞ、梅雨。俺は運転しながらだからお前がパトロールのメインだぜ。頑張ろうな」

 

 「ええ、わかったわエネイブルちゃん。運転よろしくお願いするわ」

 

 「任せとけ、世界一の安全運転だぜ?」

 

 「ケロケロ・・・頼もしいわ」

 

 そう言ってしっかり俺の背に抱き着いた梅雨を確認して俺はノックスを発進させた。さあて初のインターン仕事一発目、気合入れていくか!




 次回、ドキドキ!梅雨ちゃんとツーリング!事件もあるかも?をお送りします。



  作者のネタの泉が枯れなければ・・・・
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