遠山桜は正義の味方である   作:カフェイン中毒

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どうやって自然に脳無と戦わせようかと思って悩んでいたらめっちゃ時間たってた。
思えば最初の脳無って強すぎないですかね。
あんなん物理全振りなキンちゃんが勝てるとは思えないんだよなあ。
それを物理で何とかしちゃったオールマイトやばいって思える。


第6弾

 俺が雄英に入学して3日経った。訓練に座学と正直言えば詰め込むので手いっぱいだが、充実した日々になってる。

そんでもって今日も今日とてかなでを連れて雄英に向かってるわけだが・・・・なんだありゃ。校門に人だかりがあるぞ?

「お兄ちゃん様、なんだか今日は校門の前が騒がしいみたいですね?」

「あー・・・カメラ持ってるからマスコミか?オールマイトのことがばれたんじゃねーか?」

今をときめく平和の象徴、ナンバーワンヒーローオールマイトが教職に就いたなんて話はマスコミ関係者からしたらビックニュースもいいとこだしな。我先にとスクープを得たいのだろう。

近づくにつれて向こうもこっちが雄英の生徒だということが分かったのだろう、マスコミがインタビューしようと近づいてくるが・・・・かなでの姿を見た瞬間マイクのスイッチを切り、カメラに映らないようにし始めた。

 最低限わかってるマスコミのようでよかったな。

 

 一般の人には周知されてないが、雄英の附属小学校に入学した生徒はプロヒーローの保護が必要な生徒だというのが関係者の見解だ。前はマスコミも附属小学校の生徒をバシバシ撮影していたが、報道のせいで居場所がばれた生徒がヴィランにさらわれて実験体になり殺されるという凄惨な事件が起きてから、雄英の附属小の生徒を撮影できないというのがマスコミ間の暗黙の了解になっている。原因になった番組は被害生徒の両親から訴訟されて有責認定くらってたしな、二の舞はいやなんだろう。

 

 するっと報道陣の隙間を縫って玄関に入り、かなでを連れて3年生の教室にかなでを預けにいく、今日は3年生のヒーロー科の授業にお邪魔するらしい。

「すいませーん。3-Aの教室ってココですか?1-Aの遠山キンジです。遠山かなでを届けに来たのですが」

さっと挨拶してかなでを預けるが・・・・雰囲気だけでわかっちまう。全員、強い。流石雄英を生き抜いてきただけはある猛者たちだぜ・・・・

 

 かなでを預けて自分の教室へ、先に来てたやつとも挨拶を交わしてから自分の席に座るとすぐ相澤先生が入ってきた、遅刻ギリギリだったのか・・・・

「さて、ホームルームを始める。まず戦闘訓練の録画見せてもらった。爆豪、もうあんな子供じみた真似はするなよ、能力あるんだから」

「・・・・・わかってる」

早速痛いところついてくるなあ相澤先生。

「で、緑谷はまた腕ぶっ壊して解決か。個性の制御・・・できないからじゃ済まさねえぞ。俺は何度も同じことを言うのは嫌いだ。それさえクリアできればやれることは多い。焦れよ緑谷」

「・・っはい!」

まー昨日の見たら誰だってそう思うだろ。でも、俺たちはこれからだ。やれることを増やす段階に俺たちは今いる。

「さて、ホームルームの本題だ・・・君たちには・・・・学級委員長を決めてもらう」

 

「「「「学校っぽいやつきたぁ!!!」」」」

ここは学校だっつの。学級委員長かぁ・・・少なくとも俺は嫌だな。

「委員長!やりたいです俺!」

「リーダー!やるやる!」

「ウチもやりたいス」

「僕のためにあるやつ☆」

通常の学校なら雑務なんて嫌がられるが、ここはヒーロー科。「他を牽引するリーダー」という素地を磨くための絶好の立場なのだ。この人気ぶりも頷ける。

「静粛にしたまえ!」

お、なんだ?

「多を牽引する責任重大な仕事・・・・!やりたいものがやれるわけではない!民主主義に則り、ここは投票で決めるべき事案!」

そうだな、飯田。お前の手がまっすぐ上がってなければ素直に同意できたんだが。

「そびえたってんじゃねえか!なぜ発案した!?」

「出会って日も浅いのに信頼もクソもないわ飯田ちゃん」

「そんなん皆自分にいれらぁ!」

うわー混迷してきた。別に俺はなんでもいいんだが、相澤先生は時間内に決めりゃなんでもいいとさっさと寝袋に入って寝てしまった。えーーーー。

 

 結局投票ということになり、緑谷3票、八百万2票ということで緑谷が委員長ということになった。ちなみに俺は飯田に入れたがなぜか飯田は他に投票したらしく、1票だった。も一つおまけで言えばなぜか俺にも1票入ってた。誰だ入れたやつ。

 この後昼めし食ってるとき、警報が鳴ってパニックが起きたが、飯田がわざと派手に注目を浴びて説得することで鎮静化した。やるじゃねえか飯田。俺はかなでが潰されないように必死だったが、あのパニックの中で入ってきたものの正体をばらしつつ、インパクトを与えて一回冷静にさせるうまいやり方だった。

この後の時間で緑谷が飯田に委員長の座を譲ってこの騒動は一件落着となるのだった。

 

 

 

 それから数日後の午後、ヒーロー基礎学の時間だ。

「あー今日のヒーロー基礎学は、俺と13号、そんでオールマイトの3人体制で見ることになる」

13号先生ってことは救助訓練かな?ヒーローの大事な仕事の一つだ。

「ハーイ!何するんですか!?」

「災害水難なんでもござれのレスキュー訓練だ」

おーやっぱりそうか、俺の個性はどうしてもパワーにかけることがあるから、人命救助という点では役立てないことが多いだろう。しっかり訓練しないとやばい。

クラスのやつらもヒーローの代名詞のひとつだから興奮気味だ。

「おい、まだ途中」

相澤先生が注意するくらいには・・・・

「今回コスチュームの着用は任意だ。活動の邪魔になるものもあるだろうからな。演習場は離れた場所にあるからバスで移動する。以上、準備開始」

今回はコスチュームつけてくか。着た状態で実戦はやるわけだしな。パパっと着替えちまおう。

 

 

 着替えてバスのところへ向かうと、先についていたらしい麗日と緑谷がいた。緑谷は体操服か。この前爆豪にこっぴどく壊されたからなあ・・・まあ仕方ない。

「おう緑谷、体操服か?」

「戦闘訓練でボロボロになっちゃったから・・・修復会社が修理してくれるからそれ待ちなんだ。」

「もうちょい防御力高くしてもらったらどうなんだ?デザインそのままに布変えるとか」

「お母さんが作ってくれたものだから・・・僕のコスチュームはあれなんだよ」

「そりゃ野暮だったな。お、バス来たな。行こうぜ」

いいお母さんじゃねぇか。羨ましいぜ。まぁ緑谷が個性使いこなしゃ攻撃をよけるのだってうまくなるだろうからそのままでもいいかもだ。

「バスの席順でもめないよう席順で2列に並んで乗り込もう!」

「飯田君フルスロットル・・・・」

「輝いてるな、あいつ」

「そうだねー」

ちゃちゃっと乗り込むと・・・・ありゃ、市営バスの席の並びじゃねーか。飯田仕切り損だな。

「こういうタイプだった!くそう!」

「イミなかったなー」

まぁ誰だってよくあることだ、多分。

 緑谷の隣に腰掛け、全員揃ったところでバスが出発する。移動の時間は暇なのでクラスおのおの雑談などで時間を潰してるようだ。

「ねえ緑谷ちゃん。私思ったことは何でも言ってしまうの」

「え?アッ!ハイ!!蛙水さん!?」

「梅雨ちゃんと呼んで?あなたの個性ってオールマイトに似てるわね」

「そそそそうかな?!いやでも僕はその・・・・」

うっわ怪しいぞ緑谷。疑ってくださいって言ってるようなもんだ。なんかあると疑ってしまうのは俺の性格上の悪いとこだな。

「でもオールマイトはケガしねえぞ。似て非なるあれってやつだぜ。しかし増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来ることが多くてよ。俺の硬化は対人戦じゃ強いけどいかんせん地味なんだよなー」

「そんなことないと思うよ!プロでも十分通用する個性だと思うよ」

「切島、硬くて倒れないってことは重要なんだぜ?」

ちょっと口出して思ったことを言っちまおう。

「ん?どういう意味だ遠山?」

「最後まで立ってて、どんな攻撃も受け止められる個性だってことだよ。目の前でずっと攻撃を受け止めて守られてみろ、その安心感は相当なもんだろ?お前の個性はそういう使い方ができるんだよ。派手じゃなくてもな」

「そうかー、ありがとな!派手でつええといったら爆豪と轟と遠山だよな!」

少なくとも俺の個性は派手じゃねえぞ。目に見えてパワーが上がるわけじゃないしな。

「ヒーローって人気商売だから、派手なのはやっぱ大事だと思うぜ」

まぁそれは一理あるだろうな。俺は別に人気はいらねえけど。

「爆豪ちゃんはキレてばっかりだから人気でなさそ」

梅雨・・・・ストレートすぎねえか?

「んだとコラ!!だすわふざけんな!」

「ホラ」

案の定爆豪が爆発したじゃねーかどうすんだよ。

「この付き合いの短さですでにクソを下水で煮こんだような性格だって認識されてるってすげえな!」

上鳴のやつさらに煽りやがった!おい爆豪が物理的に爆発しだしたらどうすんだ。

「んだとコラなんだそのボキャブラリーは!殺すぞ!!」

あーどうすんだこれ。収集つかねえぞ。緑谷の顔が戦々恐々としだしたし、そのうちコイツ体調不良で倒れねえだろうな?

「もうつくぞ。いい加減にしとけよ・・・」

「「「「はい!!!」」」」

流石相澤先生、一瞬で鎮圧してくれた。もっと早くやってください・・・・・

 

 

 

「すっげー!USJかよ!」

確かに広いがそこはディズニーランドとかそんな感じじゃないのか?

バスが到着したのはとんでもなく広い演習場だ。船が浮いてたり土砂崩れが起きてたり、燃えてたりとありとあらゆる災害が同時に起こっている。予想以上にやばい演習場がでてきた。

「あらゆる事故を想定して僕が作った演習場になります。名前はUSJ(ウソの災害や事故)ルーム!」

ほんとにUSJなのかよ!?13号先生って案外茶目っ気あるんだなあ・・・あんな宇宙服みたいなかっこしてるけど女性だし。

俺が余計な事を考えていると相澤先生と少しだけ話した13号先生が

「ハイ注目!始める前に、お小言を2つ3つ・・4つ・・・」

増えてる増えてる。

「皆さんご存じだと思いますが、ボクの個性はブラックホール。どんなもので吸い込んで塵にしてしまいます。」

改めて聞くとすげえ危ない個性だな。人が簡単に死んじまう。13号というヒーローが単純戦闘に出ない理由がわかる。

「その個性でどんな災害からも人を救いあげるんですよね」

緑谷は肯定的だな。麗日にいたってはヘドバンみてーに頷いてるし。

「ええ、ですが簡単に人を殺せる力です。この社会は個性の仕様を資格制とすることで成り立っているように見えますが、1歩間違えば簡単に人を殺せる行きすぎた個性を持っている人がいるのも忘れないでください。相澤さんの体力テストで上限を、オールマイトの対人訓練でそれを人に向ける危うさがわかったはずです。」

これは銃にも言えることだ。俺のは実弾じゃねーが、個性よりよっぽど簡単に人を殺せることを忘れてはならない。

「この授業では心機一転して、人命救助のためどう個性を活用していくかを学んでいきましょう。皆さんの個性は人を傷つけるためでなく、人を救うためにあるのだと心得て帰ってくださいな」

かっこいい人だな13号先生。ガイダンスが終わるとみんな考える様子なのがよくわかる。

 

 

「さて、そんじゃあまずは・・・」

相澤先生が言いかけて止まる。その視線を追っていくと・・・・黒い、霧・・・・?

「一塊になって動くな!」

相澤先生の怒声とともに個性のスイッチをいれ、神経系を強化する。何か良くないものを感じる。感だけどな。

「13号!生徒を守れ!・・・あれはヴィランだ!」

黒い霧の中から大勢人間が出てきた!その中でもひときわやばそうなのが2人・・・・!大柄な黒ずくめ、脳をむき出しにした異形系だろう男と体中に手のような物体をつけた男だ。どっちかがリーダー格だろう。

 

 

「オールマイトはいませんか・・・先日いただいた教師側のカリキュラムではここにいるはずなのですが・・・・」

強化された聴力でヴィランの声を拾う。狙いはオールマイトか・・・?

「やはり先日のはクソどもの仕業だったか」

「どこだよ・・・せっかくこんなに大勢引き連れてきたのにさ・・・・オールマイト、平和の象徴がいないなんて・・・」

ぞくっと来た。兄さんやじいちゃん、死んだ父さんが本気で怒ったときと同じ、いやそれ以上に黒い・・・・殺意。

「子供を殺せば来るのかな?」

やばい、冗談じゃないぞ。あれは、あのタイプは笑いながら人が殺せる!自分の快楽のために他人を簡単に犠牲にできるタイプのやつだ!

 

 

「ヴィランだぁ!?バカだろ!ヒーローの学校に乗り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

違う、そうじゃねえ。あいつらは周到に計画したうえでここに乗り込んできてる。バカだけどアホじゃねえ。なんか勝算があるんだ。

「13号、避難開始しろ。上鳴は個性で連絡試せ。俺は下のをなんとかする」

「先生は一人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すっていったって・・・先生の戦闘スタイルは個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は・・・・」

詳しいな緑谷、こんな時だが感心しちまう。

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号、任せたぞ」

かるく頷いた13号先生を確認した相澤先生はヴィランの群れに飛び込んで次々となぎ倒していく。さすがプロ、強い。

どいつの個性を消したかわからないようして、同士討ちを誘発、なおかつ自身の体術と捕縛布で拘束しつつ打撃を行う。すさまじい手際だ。

「すごい・・・先生の得意分野は多対1だったんだ」

「急げ!分析してる場合じゃない!早く避難を!」

戦闘が得意じゃないやつが巻き込まれたらまずいので先に行かせつつ後ろを振り返ると、黒い霧のヴィランがいない?まずいこっちにくるぞ!?

 

 

「避難はさせませんよ」

目の前にいやがった!ワープかそれに類する個性か!

「初めまして、我々は(ヴィラン)連合。僭越ながら今回、雄英にお邪魔させていただいたのは・・・平和の象徴オールマイトに息絶えていただきたいと思いまして」

冗談みてぇなこと言いやがるなコイツ。少なくともあの程度ならオールマイトは物の数ともしないだろう。今ここにいないのは誤算だったらしいが。

何かまだはなそうとしたヴィランだが、爆豪と切島が前へ出て攻撃を行う。あいつら!

「馬鹿野郎!切島、爆豪!13号先生の射線上に入るんじゃねえ!」

はっとした顔でこっちを見る二人だがもう遅い。黒い霧が俺たちの周りを覆い、ワープが始まるとりあえず近くにいたやつらを霧の範囲の外へ突き飛ばすが、俺自身が逃げるのは間に合わない。

「散らして、嬲り殺す」

声とともに平衡感覚が消え、どこかへ放り出されると

 

 

 

ここは・・・さっきの大勢ヴィランがいた場所か!少し距離が開いてるが相澤先生がいるから間違いない!多分誰でもいいから相澤先生がかばう必要のある相手を入れたかったんだ!

「くそっ遠山!なんで来た!」

「さっきの黒いやつに飛ばされました!自力で撤退します!」

ここにこれ以上俺がいるのは邪魔だ!相澤先生をてこずらす前に前の位置へ、せめてリーダー格のやつらからはなれねぇと!

袖口から2丁とも拳銃を抜いて乱射する。目の前のやつらはまさか高校生のガキが拳銃を持ってるとは思わなかったらしい、対処が一瞬おくれてうまいこと当たってくれた。包囲網が若干崩れ、そのうちをすり抜けて脱出しようとすると

「せっかく来た生贄くんに出て行かれちゃ困るなぁ・・・脳無」

「っまず・・・・・ぐぁっ!!!」

手のついたヴィランに脳無と呼ばれた大男が一瞬で俺の前に現れ、右拳で俺を殴ってきた。とっさに後ろに飛んで衝撃を軽減したものの、俺はピンポン玉のように跳ね飛ばされてしまう。転がされた先で起き上がると、ヴィランのリーダー格であろう手のついた男の近くだった。

 

 

 やばい・・・・どうする?と思考を集中させていると俺は自分がヒステリアモードに突入しているのに気づく。ヒステリアモードにの基本トリガーは性的興奮だが、要はβエンドルフィンが出れば何でもいい。ヒステリアモードにはいくつか派生があり、こいつは死にかけた際の生殖本能を利用して発現するヒステリア・アゴニザンテ。通称死に際の(ダイイング)・ヒステリア。

 この状況でヒステリアモードになれたのは都合がいいが・・・ゾッとする。つまり俺はさっきの脳無とやらの攻撃で体が死にかけたという勘違いをするレベルの攻撃を受けたのだ。どこも折れてないのは奇跡に近い。

 

「君は俺が相手をしよう。嬲り殺しだけどな・・・」

「冗談じゃないぜ。さっさと家に帰してくれないか?」

「すまないけど君は生贄だっていったろ?オールマイトが来るまで遊んでやるよ」

いうが早いが男が突っ込んでくる。開手にした手を使ってこっちをつかむような攻撃を手に触ったらまずいかもしれないので手首をはじいてそらし、蹴りを入れるがつかまれそうになって途中でキャンセルする。個性が不明な以上ヘタに攻められないのが歯がゆい。

「脳無。イレイザーヘッドを嬲れ。俺はもうちょっと楽しむ」

「おい遠山!逃げることだけ考えてろ!絶対に付き合うんじゃねえ!」

んなことわかってるよ!とキレそうになるが目の前のコイツからは逃げられる気配がねえ。どうする・・・?とにらみ合っていると不意に男がニヤァ・・・と不気味な笑みを浮かべると同時に・・・ゴキン!と何かが折れるような音が後ろから響き、思わず振り返ると相澤先生が腕を握りつぶされた状態で脳無に押し倒されていた。

 

 一瞬思考が真っ白になるが、すぐさま思考を修正し、やることを決める。

「対、平和の象徴。改人、脳無」

御高説垂れてるとこ悪いが、1発殴らせろ!

ヒステリアモードの瞬発力で地面を蹴った俺は全身の関節を同時に連動、駆動させ足元から生み出した速度を次々にパスしていき

「桜花ぁ!!!!」

パァァァァァァァァァンと円錐状衝撃波(ヴェイパーコーン)をまとった超音速の拳で手だらけ男の胸を殴ってぶっ飛ばしてやる。

そのまま足の桜花で逆方向にロケットスタートを切った俺は相澤先生を倒した体勢から動かない脳無の相澤先生の腕をつかんでる手首に取り出したナイフを突き刺して健と神経を切断し、ナイフを刺したまま相澤先生に飛びついて離脱し、少し離れたところで止まった。俺のスピードじゃ相澤先生を保持したままあいつらから逃げ回れん。

 

「相澤先生、腕以外に損傷個所は?」

「両腕やられた。遠山、俺おいて逃げろ。お前の技量なら逃げられるだろ」

この人は自分が犠牲となって俺を逃がす気でいる。でもだめだ。今俺が逃げて助かったとしてもこの人を犠牲にしたっていう負い目は一生俺について回るだろう。クラスのやつらからも、そしてヒーローになったとしても俺自身がそれを許容できない。この人を見捨てた瞬間、ヒーローとしての、正義の味方としての俺は死ぬ。それが嫌ならどうする?覚悟を決めろ、遠山キンジ。

 

 

「申し訳ないですけど許容できません。それは俺の目指すヒーローじゃない」

「合理的にものを見ろ遠山!今お前が離脱しなきゃ俺もできん!足手まといなんだよ!」

今ヒステリアモードの聴覚で飯田がUSJの外に出たのが確認できた。なら俺がやることは一つ。助けが来るまでの時間稼ぎだ。

 

 

「いってえなあ・・・やるじゃないかコイツ・・・・」

コイツ桜花ぶち込んだのにぴんぴんしてやがる。何て耐久力だ。こいつが出てきたってことはあの脳無も動くぞ。

「死柄木弔」

「黒霧、13号はやったのか?」

「ええ、ですがちらし損ねた生徒が1名脱出、助けを呼ばれました」

「黒霧、お前がワープゲートじゃなかったら殺してたよ・・・・今回はゲームオーバーだ。帰ろっか」

帰るつったのか?これだけのことをしておいて目的も果たさずに?

「だけどその前に」

ちがうまずい!何かを探してる?近くにあるのは水難ゾーン・・・いた!緑谷、梅雨、峰田だ!

「平和の象徴の矜持をへし折って帰ろうか!」

「相澤先生!」

緑谷の近くに瞬時に移動した弔と言われた男が緑谷の顔面をつかもうとするが、俺が声をかける前に気づいていた相澤先生に個性を消され失敗する。

 

「はーほんとカッコイイなヒーロー」

来るぞ、絶対に後ろに通すな。この身を盾に、後ろを守れ。足を肩幅に開き、両手を広げる。通せんぼの姿勢で行われるこの技は遠山家が誇る防御技、伍絶がひとつ

この遠山桜、散らせるものなら散らしてみやがれ!

 

 

絶閂

 

「相澤先生、攻撃は引き受けます。どうか俺の前に出ないでください」

「脳無」

 

 命令を受けた脳無が突っ込んできて、そのすさまじい威力の拳を振り下ろしてくる。俺は両手をクロスさせて受けるが、今度は吹っ飛ばない。代わりに足がビシィ!と地面に少しめり込んだ。

絶閂とは、全身を釘のごとく固め、衝撃に備える「絶」という技の習得を前提とするこの技は受けた衝撃のベクトルを体内で無理やり捻じ曲げ、地面に流すというものだ。己の体を門とし、その後ろにあるものを守るこの技は、打ち込まれる衝撃が増えるごとに足が地面にめり込んでいき、使用者という門を動かさない閂となっていく。

もちろん強引にベクトルを変えるので体内は傷つき、1回ミスれば死ぬ、死を前提にした技なのだ。

幸い脳無は轟の氷結や爆豪の爆破といった、範囲が広くてどうにもならない攻撃はしてこない。ただの超威力のパンチだ。それならばまだなんとなる。

 

 

「おい、なんで脳無の攻撃を受けて無事なんだ?」

「さぁな・・・案外弱いじゃないか?」

軽口をたたくが実際きつい。次を予測して、当たる個所を前もって予測しないと受けきれない。まだ来るぞ。耐えろ。

左アッパー、両腕組んでの打ち下ろし、右ストレートなど脳無は連打をしてくるが隙が無い、それぞれを受けきるたびに足が地面にめり込み、体内が傷ついていく。

よく見ればさっき切った健や神経が再生してるのか、動きによどみがない。だが・・・・大降りになった脳無の隙をついて亜音速の桜花を秋水を込めて叩き込んでやるが・・・殴った時の感覚が違う。まるでクッションをたたいたような、衝撃が全部吸収されたような感覚。

 

「不思議だろ?ショック吸収の個性だ。そいつはオールマイト用に作られたサンドバック人間さ」

冗談だろ・・・?こっちの攻撃は効かないってことか・・・?いや、こういうタイプには許容上限が存在するのが普通だ。上限値を上回る攻撃をかませばいい・・・・俺の手札にはそれがあるが使ったら行動不能だ。

助けが着て逃げるときに使え。今は耐えろ、遠山キンジ。クラスのやつらの前にこいつを行かせるんじゃない。

離してる間にも攻撃は続く、足が甲まで地面に沈むがまだ問題ねえ。後ろの相澤先生が焦るのが見えるがもうちょっとだけ待っててほしい。

左拳を受け、すぐさま来た右フックも受ける。こらえきれない吐血が口から出てしまった。梅雨と緑谷、峰田が息をのむのが見える。

 

 

ドカァンと入り口のほうの扉が吹き飛んだ。やっと来てくれたか!

「もう大丈夫、私が来た!」

オールマイトだ。よかった。これであとくされなく、逃げに徹することができる。

 

 

「相澤先生、こいつ吹っ飛ばします。吹っ飛ばしたら離脱しましょう・・・ゴホッ」

「何する気だ!これ以上無茶するんじゃない!」

血を吐きながら告げた俺に相澤先生はこれ以上何やらかされるか分かったもんじゃない様子だ。すみませんねこんなびっくり人間な一族なんですよ。

 

 

今から使うのは体重を完璧に乗せた寸勁、ゼロ距離タックル技、秋水の習得が前提となる技だ。俺がいまだ完璧に扱えない技を無理やり使う。

脳無がもう一度打ち下ろしを打ってくるのを絶閂で受けきり・・・いまだ!

 

「大和っ!!!!」

 

ドォォォォォォォォンッッッ!!と脳無が吸収しきれなかった衝撃で吹っ飛んでいった。大和は体重を乗せ切る秋水を発展させ、ほかのものからも重さを借りて殴れるようにした技だ。一人じゃ押せない車でも、壁を背にして押すと案外簡単に押すことができる。これは押す際に壁の重さの一部を借りて押してるからだ。借りられる重さには本来上限がない。体が接触してればなんでもいいのだ。

けど俺は違う。まだ使いこなせない技を無理やり使ったせいで打った腕はバキバキだ。本来地球の重さで殴れる大和からしたら空砲に等しい威力しかでてない。

 

けど引き離すことはできた。あとは逃げるだけだ。これ以上何もできないことは悔しいけど、後は頼みます。オールマイト

 

 

 

 




そういえば日刊ランキングはいってて3度見しました。
こんなやりたい放題な小説を評価してくれてありがとうございます。
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