書いてる間にも日刊ランキングが上がって思わず4度見しました。
これからもよろしくお願いします。
オールマイトが来てくれた。なぜ最初からいなかったのかなど疑問が尽きないがそれは置いておき、大和で吹っ飛ばした脳無が戻ってくる前にここを離脱しないとまずい。
大和を打って絶閂で脳無の攻撃を防ぎ続けた俺の体はボロボロだ。ぶっちゃけたっているだけでもしんどい。
「遠山、いろいろ言いたいことはあるが離脱するぞ。動けるか」
「動けます。13号先生のところまでなら問題なくいけます」
距離的に緑谷や梅雨、峰田を助けられないのが歯がゆい。相澤先生も苦虫を嚙み潰したような顔をしている。
「待ったよヒーロー。社会のごみめ」
どの口が言ってやがる。お前人のこと言えねえだろ。
「アレがオールマイト・・・すげえ迫力だ」
「おびえてる場合かよ!アレやっておれたちが・・・・」
まだ残っていたらしいヴィラン連中が騒ぎ立てるがオールマイトは一瞥すると階段の上から飛び
スカカカカンとすべてのヴイランに一撃いれて戦闘不能にしてしまった。すげえ、ヒステリアモードだから見れたけど音速で動いてたぞ。しかも衝撃波を一切出すことなく。どうなってるんだ・・・?
ヴィランを一蹴してこっちに来たオールマイトは
「相澤君、すまない。腕が・・・・」
「俺のことはいいです。オールマイト、それよりも緑谷たちを」
「遠山少年は大丈夫なのか?」
「見た目より中はひどくないっすよ。すぐどくんであとは、お願いします」
嘘だ。中身のほうが重傷だが、オールマイトに余計なこと言って焦らせたくない。せりあがる血を飲み込んで急かす。
「わかった。遠山少年、あとは任せたまえ」
ギロッと死柄木のほうを睨んだオールマイトがそのまま地を蹴り、死柄木に1発入れて、緑谷、梅雨、峰田を救出して戻ってきた。流石ナンバーワンヒーローだ。俺がやれなかったことをこんなにもあっさりやりやがる。
少し、羨ましさを感じるぜ。
「3人とも、相澤君と遠山少年を頼む。見てわかるが重傷だ、速やかに入り口まで行ってくれ」
「相澤先生、遠山君!大丈夫ですか!?」
「よお緑谷。指折れてるみてぇだけど元気そうでよかったぜ」
はぁこいつまた個性そのまんまぶっぱしやがったな?
「遠山ちゃん、そんなボロボロの姿で言われても困るわ。でも、無事でよかった・・・・」
「そうだぜ遠山!お前あのでっかいヴィランの攻撃全部受けて・・・・すごかったぜ!」
うっせ。軽口でも言ってねえとどうにかなりそうなんだよ。
「よし、3人そろったな。このままいくぞ」
「助けるついでに殴られた・・・・国家公認の暴力だ・・・・。でも思ったほどにいたくないし速くない・・・もしかして本当だったのか・・・・?弱ってるって話」
弱ってる・・・?オールマイトが?どういうことだ?
「脳無」
呼ばれた脳無がすぐに現れた。やっぱ再生の個性があるな?不完全とはいえ30階建てのビル一棟分くらいの重さの大和で殴ったのにダメージが見当たらない。
「オールマイト!手短に説明します!その黒いやつは複数の個性もちです!確認できたのはショック吸収と再生!再生のほうはともかくショック吸収のほうは上限があります。それと個性とは別かどうかわからないですがあなた並みのパワーとスピードがあります!」
「ありがとう遠山少年!だが大丈夫!」
俺を安心させるためなのかニッカリと笑ったオールマイトが脳無に向かって突撃し、クロスチョップとボディブローを叩き込んでるが、効いてねえ。ショック吸収と再生がうまくかみ合って相互補完してるんだ。
「まじで全然効いてない・・なっ!」
ドガァンとそのままバックドロップを決めたオールマイトだが・・・違う。防がれたんだ!
ワープゲートに上半身を突き出した脳無がオールマイトの脇腹をつかんで拘束している。だがただ強く握りしめてるだけじゃねえ、出血してやがる。いくらなんでもつかまれただけで出血するとは考えにくい。あの位置に古傷かまだ完治してない怪我でもあるのか・・・?
「脳無の役目は、あなたを拘束すること。そして私の役目は、半端に引きずり込まれたあなたをワープゲートを閉じることで引きちぎること・・・」
まずい、そういうことか!脳無がオールマイトを殺すんじゃない!脳無ごとあの黒い霧のやつがオールマイトを殺すんだ!
「・・・っオールマイトォ!!!」
「馬鹿野郎!戻れ緑谷!」
緑谷が反転して戻って行っちまう。相澤先生も俺も強制的に止める手段を有してないため、そのまま走って向かっていっちまった。
「浅はか」
ワープゲートが緑谷の前に現れ、ワープされると思いきやBOOOM!!!と爆発が起こって黒い霧のヴィランが抑え込まれ、パキパキパキと脳無の半身が凍り付いた。爆豪と轟か!今この状態にしては悪くない援軍だ。おそらく退かないであろうことを除いてはだが。
「すかしてんじゃねえぞこのモヤモブがぁ!」
「てめぇらがオールマイト殺しを実行する役だって聞いた。平和の象徴はてめぇらごときには殺せねえよ」
「だぁくっそ外した!いいとこねえ!」
切島もいたのか!脳無と全員位置が近い!誰が攻撃されても不思議じゃないぞ!
「ワープゲートの奪還だ。脳無、爆発のガキを殺せ」
そう来るだろうと見越してたオールマイトが爆豪をかばって攻撃を受けた。やっぱり足手まといになってやがる・・・!
「爆豪!緑谷!轟!切島!今すぐその位置からこっちにもどれ!」
相澤先生が叫び、全員がそこからの離脱を開始する。そう、オールマイトが心置きなく全力を出せるように、待避しなくてはならない。
「ありがとう少年たち!ここからは!プロの本気を見てなさい!」
そのまま全力で突撃したオールマイトが脳無との壮絶なラッシュを繰り広げる。一撃一撃が衝撃波を生じさせ、大地が盛大に揺れやがる。
「私対策だって!?遠山少年から聞いた上限があるというなら!その対策ごと上からねじ伏せよう!」
オールマイトのラッシュの速度が上がる、と同時に口元から吐血が見える。なんだ?という疑問をよそに
「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!ヴィランよ!こんな言葉を知ってるか!?」
脳無のラッシュが追いつかなくなり、ただ打たれるだけになっていく。すげえ、俺がやっと吹っ飛ばした脳無がああもあっさり・・・
「さらに向こうへ! Plus Ultra!!!!」
オールマイトの気合の声とともに、脳無はUSJの天井から外へ吹き飛んでいった。
「コミックかよ」
「ショック吸収をないことにしちまった・・・究極の脳筋だぜ」
それ大和であれ吹っ飛ばした俺にもささるんだが切島さん。
「デタラメだ・・・再生の間に合わない超ラッシュってことか・・・」
「やはり衰えた・・・全盛期なら5発も打てば十分だったろうに、300発以上も打ってしまった」
衰えた・・・?死柄木がつぶやいてた弱ってるって話と重なる部分があるな。
「チートが・・・!」
「さてとヴィラン。お互いはやめに決着をつけたいね」
「嘘だろ気圧されたよ・・・・あいつ、間違った情報を俺に伝えたのか・・・?」
あいつ?
「ゲームだのクリアだのと言っていたが・・・やれるものならやってみろよ!」
ぎろりと相手を見るオールマイトだが・・・あれは虚勢だ。ヒステリアモードの俺にはわかっちまう。何かに耐えるように全身に力を入れてるオールマイトの様子からして、何か不都合なことがあるんだ。
戻ってくる4人だけど・・・緑谷だけが振り向いて何かに気づいてるような心配そうな顔をしてる。
「さぁ、どうした!?」
脅すように大声を上げるオールマイト。やっぱり何かがおかしい。
「落ち着きなさい死柄木弔、脳無が与えたダメージは如実に表れている・・・脳無の仇です」
クソッまだやるつもりだってのか!?
ぶわっとモヤを広げて襲い掛かったヴィランに
「オールマイトから離れろぉ!」
一瞬でそこにとんだ緑谷が特攻をかける。あいつ・・・また・・・!!
「2度目も浅はかです。」
ワープゲートでどこかに飛ばそうとしたらしいヴィランだが・・・
「SMASH!!!!」
緑谷の気合の掛け声とともにモヤが吹き飛ばされる。しかも打った緑谷の腕は折れてない。あいつ土壇場で制御しやがった!
だがそれだけだ。今助けてもあとのことをあいつは考えてない。どちゃっと地面に落ちた緑谷に死柄木の手が迫る!
ドォン!とその手と体に次々と銃弾が着弾し、緑谷が間一髪助かった。飯田!間に合わせてくれたんだな!
「遅くなって申し訳ありません!1-Aクラス委員長飯田天哉!ただいま戻りました!」
その背には雄英にいるヒーローたちが全員集合してる。さすがに壮観だぜ。スナイプ先生が銃弾を見舞っているのが見える。
「あーあ・・・ゲームオーバーだ・・・」
「逃げます。死柄木弔、こちらへ」
まずいまたワープするつもりだぞ!この距離で捕獲可能なヒーローは・・・!?
「にがすもんか・・!」
13号先生だ!コスチュームの後ろが破壊された状態で個性を使用しながら黒い靄を吸い込んでいるが・・・間に合わない、逃げられる!
「今回は失敗だったけど・・・次は殺すぞ、オールマイト」
手短に言い終えてヴイランは去って行ってしまった。やっと終わったか・・・・
正直柄にもなく安心している。こんなのを相手にしてるのかプロは・・・改めて考えるとやべえな。
土煙に紛れているオールマイトだがヒステリアモードの超視力が、その姿をとらえた。だんだんとやせ衰え、小さく、細くなっていくオールマイトを・・・・
その姿をとらえると同時にこらえきれず盛大に吐血してしまった。しまった意識が緩んだ・・・!
「!おい遠山!しっかりしろ!」
「遠山ちゃん!」
近くにいた相澤先生と梅雨の声を聴きながら俺は気を失ってしまったのだった。
「・・・ゃん様!・・・お兄ちゃん様!」
何かの呼ぶ声が耳をに聞こえ、意識が目覚めていく・・・ぼんやりと映った白い天井は・・・保健室か。
隣で必死に呼びかけてくれているのは・・・かなでか。よかった、生きてたんだな俺。
「かなで・・・っ痛ぅ・・・」
「おや起きたのかい。2日は起きないと思ってたんだけどね。よかったねぇ」
「リカバリーガール・・・・クラスのやつらは・・・?」
「全員無事だよ。というかあんたが一番の重症さぁ!どこをどうしたら全身くまなくこんなにボロボロにできるんだいまったく・・・・」
絶閂の後遺症だな。まぁ生き残れたようでよかった。クラスのやつらもな。
「ところであんた・・・クラスのやつらの心配もいいけど。隣でずっと待ってた家族にも目を向けてやりな」
そうだ・・・かなでがいるんだった。
「かなで、心配かけてすまなかったな。もう起きたから心配すんな」
体を起こしてニッと笑いかけてやる。痛むがそんなもんは無視だ無視。
「はいっ!よかったですお兄ちゃん様・・・・!」
あーあーこんな小さな妹を泣かすなんて兄貴失格だなこりゃ。兄さんになんていわれるかわかったもんじゃねえ。
「起きたならわたしゃは職員室に知らせてくるよ。今日はここで泊まっていきなさい。明日明後日は臨時休校になったからね」
がらりとリカバリガールが出て行ったと同時に俺はUSJのオールマイトの最後の姿を思い出す。そして死柄木とオールマイトの発言も。
弱ってる、衰えた、といったやり取り、脇腹の不自然な出血、脳無戦の後の虚勢、そして・・・最後のやせ細った姿・・・・。
こんだけ状況証拠がありゃヒステリアモードじゃなくてもわかっちまう。オールマイトは「弱体化してる」・・・それも戦闘可能時間があるほどに・・だ。
おそらく個性の力であのマッチョな体を維持していて、制限時間が来るとあのやせた姿になっちまうのだろう。そして、平和の象徴のそんな姿が公になればヴィランは一気に活性化するがゆえに、それを必死で隠してるのだ。
そして、これは完全な憶測だが・・・・これには緑谷が関係してる。いままでのオールマイト関連の不自然な言動、虚勢を張ってた時にいち早く動いたのはオールマイトの状態をあらかじめ知っていたと考えればつじつまが合う。
けど、これはすべて憶測だ。だから・・・俺よりもそういったことに敏感なやつに聞けばいい。
「なあかなで」
「はいお兄ちゃん様、なんですか?」
「オールマイト、
「それは・・・ほんとのことを言えばいいのですか?」
やっぱり・・・・気づいてたんだな。かなではその事情から、個性や、それに近い事柄のことに対してほぼ正解に近い答えを導き出せる。
「全身を個性で覆っています・・・本当の姿は細く・・・痩せています。」
ビンゴだ。やっぱりオールマイトは弱っている。どうにかしたいが・・・・それにはかなでの力が必要だ。俺みたいな物理全振り人間じゃどうしようもない。
「なぁかなで。オールマイトを助けたいって言ったら・・・協力してくれるか?」
「・・・はい」
「お前の正体を話すことになるが、それでもか?」
「っ・・・はい」
「・・・ありがとう」
大和を打った右腕は動かないが、残った左腕でかなでを抱きしめてやる。俺のわがままに協力してくれるかわいい妹だ。絶対に守るためにも失敗しちゃいけない。
協力は得た。覚悟も決めた。あとは・・・・実行するだけだ。
次回でかなでを出した理由が明らかになります。
ただのにぎやかし目的ではないのでご安心ください。
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