ちょっと方向性違ったかな?と思いつつもまぁええかの精神で投稿
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「はぁ~~...」
どよんよりとした雰囲気を纏って、深いため息をつく彼女の名前はビーグル。通路上に置いてあるベンチに腰掛け、床を見つめている。
「...はぁ」
何か思い悩んでいるのか、またしてもため息をつく。手には強く握り締められ、シワシワになった紙が一枚存在していた。どうやら彼女の悩みの種の正体らしい。
何時からそうしていたのか、通り過ぎるスタッフは慣れてしまったのか誰も声を掛けない。そんな中、声を掛ける人物がいた。
「ビーグルちゃんじゃない。どうしたのかしら?」
「はぇ?」
ビーグルが顔を上げると、そこには行動予備隊A6の隊長オーキッドがいた。彼女は項垂れるビーグルを心配しており、身を屈めて覗き込んでいた。
オーキッドに気づいたビーグルは変な声を出すと、慌てだした。
「オオ、オーキッドさん!?」
「ええ私よ。それで何か悩み事かしら?」
「ああ、と。別にそんな対してことでは...」
オーキッドに優しく声を掛けられ宥められる。ただビーグルは何かを言おうか迷うものの、言葉が尻すぼみになって押し黙ってしまう。
オーキッドはうじうじするビーグルに、仕方がないと言う様に一つ息をつく。そして、ビーグルの頬を両手で挟みこんだ。
ビーグルは突然のことに驚くが、ムニムニと頬を遊ばれる。
「ほ、ほーきっどさぁん?」
「ほら、辛気臭い顔してないで行きましょ」
漸く顔を上げたビーグルに、頬を弄っていた手を放す。その際に、ちょっと名残惜しそうなのはご愛嬌。
オーキッドはビーグルの手を取り、立たせるとある場所へと向かって歩き出した。
「い、行くってどこにですか...?」
「落ち着けるところよ」
手を引かれて慌てるビーグルだが、オーキッドに引かれる手は振り解きはしなかった。
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ロドス内にある休養施設「療養庭院」にある一角、様々な植物が生え揃っている場所にビーグルは居た。温室となっているため、上部からは日の光が差し込み室内を暖かくしていた。
「あの、何で私は此処でお茶しているんでしょう」
「気分転換の為よ。通路で幾ら考えても仕方ないわ」
ティーカップ一式と色とりどりのお菓子が乗ったケーキスタンド、それを眺めるビーグル。
既にカップの中身は一度空にし、お菓子も幾つか頂いているのだが、今更になって疑問に思っているようである。対する連れて来た張本人であるオーキッドは、優雅にハーブティーを楽しんでいた。
漸く落ち着いて来たと判断したオーキッドは、話を切り出す。
「それで? どうしたのかしら、努力家の貴女がらしくもない」
「えっと、ですね...」
オーキッドに促されたビーグルは、ポツリポツリと話し始めた。
定期的にある予備隊のテストで、周りが順調に成績を伸ばしている中自分はテスト項目で何一つ前回と変わらなかったこと。
講評の時に、他の面子にはあった批評が自分だけはほとんど何もなかったこと。
ロドスに来た時に決意した事が揺らぎそうなことなどなど、今までの溜め込んでいた全てを吐き出した。
オーキッドは相槌を打ちながら、静かにビーグルの心の内を聞いていった。
「...以上です」
ビーグルは全てを話し終えると、どこかスッキリとした顔になっていた。先程までの、通路で醸し出していた陰鬱な雰囲気はもう無かった。
「ビーグル、貴女は本当に頑張り屋さんなのね」
「え...?」
聞き終えたオーキッドはそう言うと、席から離れビーグルに近づくと彼女の頭を優しく慈しむように愛おしそうに撫でた。その顔は直向に頑張る子を思いやる、母か姉のようであった。
「えっと、でも私結果を出せてないし...」
「いいのよそれでも」
「で、でも」
不安そうになっているビーグルをオーキッドはそっと抱きしめた。優しく語り掛ける。
「貴女はちゃんと成長しているわ。その証拠に、講評の時に悪い所を指摘されなかったのでしょう?」
「...はい」
「私達の教官はあのドーベルマンさんよ。あの人が何も指摘しなかったの、分かるでしょ? あのドーベルマンさんがよ?」
「あ...」
「だから大丈夫、貴女はちゃんと成長しているわ」
「オーキッドさん...。ありがとうございます...っ!」
成長していない訳ではない、指摘されて漸く気づいたビーグルはオーキッドを抱き締め返した。
「それにね、ここはその程度で見放すような所じゃないわ。勿論、貴女のお友達もね」
「ふぇ?」
オーキッドが指差した方向へ顔を向けると、そこには低木の陰から顔を出しているフェンとクルースの姿が会った。二人は心配そうにビーグルを見ていたのだろうが、気づかれたことを悟るとおずおずと近寄っていった。
「ごめんねビーグル、気づいてあげれなくて...」
「ビーグルちゃん、ごめんね...」
「ふ、二人とも顔上げてよ!? 二人が謝ることじゃないよ?」
「「でも...」」
付き合いが長い二人であったこそ、今回のビーグルの様子に気づいてやれなかったことに罪悪感を覚えている。しかしビーグルは己の未熟さのせいであると、二人に顔を上げさせようとする。
中々顔を上げようとしない二人に、そうではないと上げさせようとするビーグル。三人の絆を感じつつ、オーキッドは新たにテーカップを用意した。
「二人とも、それだと何時まで経っても平行線のまま。一緒にお茶会しましょ?」
「そう、それがいいよ! オーキッドさんが淹れてくれる紅茶美味しいんだよ?」
オーキッドとビーグル、二人に誘われればフェンとクルースは嫌とは言えずお茶会の席へと着いた。
その後、療養庭院からは楽しげな四人の声が響いていた。
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行動予備隊の面子、書きづらいよぉ...