徒然なる方舟のままに   作:玖神 米利

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 とある方のリクエスト、フロストリーフのイチャイチャものより
 ただこれイチャイチャしてるかなぁ、むしろフロストリーフが変たゲフンゲフン


看病する冷たい手の貴女 (フロストリーフ)

.

 

 

 

「ドクターあのですね...」

 

「皆まで言うな」

 

「いいえ、言います。バカですか?」

 

「グハッ!」

 

 アーミヤの強烈な一言にDr.はベットに沈んだ。ボスンと枕に頭を乗せると、Dr.は動かなくなった。その顔は赤く、息も荒かった。

 ため息をつくアーミヤは、Dr.の額に触れた。幼いといえる年齢のアーミヤ、アーミヤ自身の体温は高いのだがアーミヤの手から伝わってくるDr.の体温はとても熱かった。

 眉尻を下げたアーミヤは、水に浸したタオルを絞りDr.の額に置いた。

 

「風邪をひくなんて、医者の不養生ですよ」

 

「おっしゃるとおりです...」

 

「まったく、私は仕事があるのでこれで失礼しますが別の方を看病につけますからね」

 

「すまんな」

 

「暫くはお仕事お休みですからね、いいですか安静ですよ」

 

「ああ...」

 

 薬や水差しなど必要なものを置いてアーミヤは退出していった。

 病室に一人残されたDr.は、気だるい体を動かす気にならずそのまま寝入った。

 

 

 

 ----

 

 

 

 Dr.が寝入ってからそれほど時間が経たない内に、病室のドアを控えめなノックの音が鳴った。

 

「...失礼するぞ」

 

 入室してきたのは特徴的な赤と黒のジャケットを羽織っているフロストリーフであった。アーミヤに呼ばれ、Dr.の看病しにきたのであった。

 声を小さく足音は立てないようにしながらフロストリーフは、ベットの脇にあるイスへと腰かけた。

 

「ドクター...?」

 

 恐る恐るベットで眠るDr.の顔を覗く。体温が高くなっているのか、頬を赤くしており寝汗もかいている。

 フロストリーフは試しに額に乗せられたタオルを触れてみると、僅かに濡れてはいるがとても熱くなっていた。慌ててタオルをとると、水桶に戻してDr.の額へ自身の手を当てた。

 Dr.の額はとても熱く、フロストリーフは手のひらからアーツで冷気を出した。

 

「...ん」

 

 フロストリーフの手が気持ちよいのか、Dr.の顔から苦しさが抜けた。フロストリーフはほっと一安心、だが片手が塞がってしまったことに気が付く。

 気持ち良さそうに寝ているDr.を見ると手を退ける気になれず、片手で水桶をかき回すことにした。くるくると水桶の中でタオルが回る。

 

 フロストリーフは加減したアーツの冷気で水を冷やしていく。次第に水が凍っていくが、かき回しているためシャーベット状になる。それを確認すると、Dr.の額から手を離してタオルを絞っていく。

 キンキンに冷えた濡れタオルをDr.の額に宛がい、フロストリーフは漸く一息ついた。

 

 フロストリーフはイスに座りなおし、ベッドの上にいるDr.を眺める。じーと穴が開くほど見つめていると、見えている顔周りに寝汗が酷いことになっているのが目に入った。

 フロストリーフはこのままにしてはいけないと、乾いているタオルでDr.の顔を拭いていく。頬から鼻、そして逆頬顎から顎と拭いていき首を拭っていく。

 

 首を拭うさいに寝巻きのDr.の鎖骨がチラ見えする、思わず目を奪われるフロストリーフ。だがよく見ると寝巻きが汗でじんわり湿っていた。

 恐らく体の方も顔同様に寝汗をかいているのだろう。ただ拭うためにはDr.の服を脱がさなければならない、その事実にごくりと生唾を飲み込む。

 

 これは看病のためと心のなかで言い訳しつつフロストリーフはDr.の寝巻きを脱がしていく。ドキドキと鼓動が早くなる中、Dr.の寝巻きを脱がし終えた。

 医者であり研究者でもあるDr.は基本室内に居ることが多い、そのうえ外に出る際には肌を露出させないほど着込んでいる。そのためDr.の肌は白く、日に一切焼けていない。

 

 フロストリーフは綺麗なDr.の体に思わず指を滑らせた。特別鍛えているわけではないが肥満でもないDr.の体は、男性特有の硬く筋肉質でありながらキメの細かい肌であった。

 鎖骨から腹筋まで指を滑らせ、次に腹筋を撫で回すとわき腹までも触れた。フロストリーフは、寝汗のせいかしっとりとしているDr.の肌に夢中になってしまう。

 

「ん、んん...」

 

「!」

 

 余程くすぐったかったのか、Dr.が身じろぎをする。そこで漸くフロストリーフは我に返るが、自分がしでかしたことに羞恥心が込み上げてきたのか顔を真っ赤にさせた。

 気恥ずかしさを隠すように、いそいそとDr.の体を拭いていく。胸部と腹部といった体の前面は拭いたのだが、背部の後ろ側と腕部が出来ていない。

 

 少し考えフロストリーフは仕方がないことだと自分に言い聞かせて、Dr.の体を起こす。少々体格さはあるものの、鍛えているフロストリーフには苦にならなかった。

 Dr.を座ってる状態にすると、フロストリーフは抱きかかえるようにしDr.の寝巻きを脱がしていく。ほぼ抱きしめている状態かつ、Dr.の素肌が目の前にあるという事実に脳内でぐるぐると思考がループし始める。

 

 ギクシャクとロボットのようになりながらも、Dr.の体を拭き終わる。フロストリーフはこれで全部終わったと安堵するが、ふとDr.に顔を向けると目があった。気だるそうな熱に浮かされた目をしていた。

 ビキリと音がしたようにフロストリーフは固まってしまう。ここで叫んだりDr.を放したりしないだけ有情である。

 

「ふろす、とりーふ、か...?」

 

「あ、ああ、そうだ。...寝かせる、ぞ?」

 

「...? そうか、たの、む」

 

 余程高熱なのか寝起きだったためか、Dr.は自分が置かれている状況を把握できていない。フロストリーフはDr.を慎重にベットへ再び寝かせる。

 Dr.は以前として意識が覚醒しきっていないのか、ぼーと天井を眺めている。フロストリーフは心配しながらも、新しい寝巻きを取りに行く。

 

「ドクター、寝巻きだ。着替えられるか?」

 

「ん? ああ、大丈夫だ」

 

 体を起こし寝巻きを受け取るDr.だが、頭はフラフラとしている。その間にもフロストリーフは新しくタオルを濡らし絞る。

 

「...ふぅ」

 

「大丈夫、じゃないな。今はゆっくりと休むんだドクター」

 

「そう、させてもらう...」

 

 Dr.はそう言い残すとまた寝入った。静かな寝息を立てるDr.にフロストリーフは濡れタオルを宛がう。

 最初来た時よりも安らかになったDr.の寝顔に、フロストリーフは微笑む。

 

「頑張りすぎだぞ、ドクター」

 

 Dr.の寝顔を見ながら、その頬を突っつくフロストリーフであった。

 

 

 

 

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 日間は3月一杯までかなーと感じる今日この頃
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