マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート   作:みみずくやしき

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パート88 疾走ドラスティックラバー

 

 潤と出会ったのは、もう2年近く前のことになる。

 ビルの前を通ったとき、頭上からヨーヨーが落ちてきて、着ていたパーカーのフードにすっぽりと入ってしまったのが始まりだった。

 

 本当にその日はたまたま、手続きで学校に行かなくちゃいけない日だった。私はずっと引きこもっていたから、外に出るなんて行為は滅多になく、用事を済ませたらさっさと帰ろうと僅かな時間しかいるつもりがなかった。

 

 もし、その日じゃなかったら。

 行くのを嫌がっていたら。

 私がその道を選んでなかったら。

 ほんの少し歩き方が違ってたら。

 

 あらゆるもしもの可能性がちょっとでもズレていたら、潤と出会うことはなくて、面倒でなにもない1日でしかなかったんだろう。

 私を構成するほんの少しの時間に起きた出来事がきっかけになるなんて、運命っていうのはそういう瞬間を狙ってるんだ。

 

 魔法少女の存在を知ったのも、あした屋に始めて行ったのもその頃。

 見知らぬ人たちに囲まれて話すなんて数年ぶりのことで、あした屋の子供たちに雪野かなえって他の魔法少女やキュゥべえなんて、私の世界の登場人物が次々に増えていく。

 

 まるで、白馬の王子様だ。物語が始まったみたいだ。

 潤に手を引かれてキラキラとしたものに触れ始めて、なにかが変わり始めている。普通に外に出れるようになって、違う自分になれるかもって期待が息づいているのを感じてた。

 

 だから、潤が親の都合で引っ越す前に言ってくれた言葉はちゃんと胸に届いていた。

 

『魔法なんかに頼らなくたって、お前はなりたかった自分になれる』

 

 なんでも適う夢みたいな万能の魔法はない。自分の身を守るのも、大切なものを守るのも、夢を叶えるのも最後は自分自身でやるしかない。

 少しずつでいい、ゆっくりでいいと、その時は変われると思っていた。

 

 

 

 だけど、なにも変わらなかった。

 

 

 

 

 潤が引っ越してから1年半後、私は引きこもりのままだった。

 変わりたいのに変われない。同じ学校の生徒も両親も私を遠ざける。居場所なんてどこにもない。行き場をなくした心は苦しめられるばかり。

 

 唯一、潤といた頃の思い出だけが頼りだった。

 あの日々が私をどうにか現実へと繋ぎ止めていた。

 

 だから、その思い出こそが元凶だったんだ。

 

 最初のうちは潤と連絡を取っていた。学校に行けたとか話せる相手ができたとか……安心させるために嘘をついて、次第にそれが現実とのギャップを広くさせて行って、余計に今の自分がみじめに思えた。

 

 いつしか、連絡すら取らなくなった。

 いつまでも変われない私じゃ潤との約束を果たせない。潤を待ち続けるのも、潤の期待を裏切り続けるのも、大切な思い出に苦しめられるのも嫌だった。

 

 いっそ、キラキラとした魔法少女を穢してしまおう。光り輝く象徴に泥を塗って決別してやろう。

 変わろうとして苦しむのなら、もう変わらないほうがいい。

 

 そんな私が願ったのは、悩んでいた時期を真っ向から否定するような『一生涯の引きこもり保障』という願い。これで誰も私を非難することはなくなった。

 

 ……まあ結局、魔法少女として生きるには魔女を倒さないといけないから、外に出る必要があったんだけどねw

 

 ゲームの中じゃ散々化け物と戦ったけど現実はぜんぜん違う。威圧感を前にしたら弱い私はすくんでしまう。

 だから、なりたいキャラを想像して、ヒーローを演じるようにした。ゲームをしている時みたいに、インターネットでの自分みたいに、強い自分になりきる。

 

 それなら魔女を倒せるし、なにより魔女を倒して人を救ったことは確かであって――魔法少女の私なら変われるんじゃないかと、苦しめられて投げ出したはずのあの気持ちが再び顔を出してきた。

 

 実際、数ヶ月もしたら実力もついてきたし、胸を張ってヒーローって名乗れるようになった。

 魔法少女の時の自分は誰かを助けることができる。ずっと憧れていた強い自分がそこにあった。

 

 どうしてそこまで頑張れたのか。

 それは結局、潤との思い出を捨てられなかったからだ。 

 

 魔女にあした屋を害されそうになった時、魔力の消耗も身体の傷を無視してでも無茶してたのもそう。憧れてた強い自分とは潤の姿そのもので、決別なんてできてなかった。引きこもる自分以上に、潤の姿を見られなくなってたことが胸を締めつけていたんだ。

 

 気づかなければ理想の"ヒーロー"のままでいられた。

 だけどいつしか、みんなが褒めているのが、ヒーローを演じている偽りの自分だと気づいてしまった。

 

 ――潤が帰って来たのは、そんな時だった。

 

 再会してすぐ、互いに自分を責めた。私が悪いのに、潤は「止められなかったあたしが、気づけなかったあたしが悪い」って言い合いになって、互いに互いを想っていた。

 

『だったらよォ、偽りを真実にしようじゃねェか』

 

 それは私じゃ到底思いつかない潤からの提案。ヒーロー活動をどんどんやって有名になって、みんなの知る私を偽りの私で塗り替えて行けば、世界にとって正しいのはそっちになる。潤じゃなくてそれに引っ張られることで本当の私も変わっていく。

 宝崎市で活動を始めたのはそれからで、ネオマギウスの人たちとも出会って……今度こそと思った。

 

 

 だけどさ、やっぱり人は簡単には変われないんだ。

 

 

 周囲で起きていた事件は私が無意識に発動させていた『改竄』の固有魔法が原因。解決するどころか引き起こしてしまっていて、それで魔女が力を蓄えてしまった。

 罪を償うために魔女を倒そうとしても歯が立たなくて、潤とネオマギウスのみんなが来て、やっと有利になれた。潤の言う通り倒してリセットして、これでまたスタートに立てると思っていた。

 

 魔女から受けた傷で、潤が魔女化するまでは。

 

 全部、全部、全部、全部、全部、全部、弱い私のせいだ。

 私が関わったから、私が変われていたら、私が一人で立てていたら、私がもっと強かったら。

 

 みんなが言うように潤の想いを無駄にしないためにそこで立ち上がれれば良かった。

 一緒に頑張ろうって、そんな理屈はわかってる。だけど、心がもう限界だったんだ。

 

 潤の死は絶望に直結して、すぐに私も魔女化する。

 

 ……はずだった。

 生き汚くも、無意識のうちに発動した『改竄』がその記憶を書き換えて私を生かした。潤は親の転勤で海外に行っただけで死んでない。いつか帰ってくるって思いこみを続けた。

 

 それからは、以前のように、来る日も来る日も遠くにいる潤を想って再会するまでに変わろうとする日々。

 気づかないうちに自分への魔法を重ねがけしていたんだろうし、みんな気遣って話を合わせてくれていたから、自分が穴の中を歩んでいるのだと思いもしなかった。

 

 けれども、今の私はあの日に潤は死んだと理解している。

 藍家さんに神浜市長選挙の西側候補に『改竄』をかけて東へ追い詰めて、そちら側の魔法少女を取り込もう……なんて作戦を持ちかけられたとき、気づいたんだ。

 

 ネオマギウスが勝つためだけに神浜市を混乱に陥れることなんてできない。たとえ偽りでも、私に向けられたあの人たちの想いを無下にして奈落に落とすなんてやっちゃいけないんだ。

 それに、そんなことをして――潤になんて言えばいい?

 

 残っていた正義心が反発して、魔法が完全に解けたあとはまた苦しんだ。ドッペルがなかったら魔女になっていたに違いなく、同じように自分に『改竄』をかければ楽になると何度思ったことか。

 

 だけど……やり方が過激になっていくネオマギウスを見ていたら、私がここで折れちゃいけないって強く思った。

 私の魔法少女の始まりは逃避でも、続けさせたのは誰かの感謝だった。ネオマギウスは自分本位のグループじゃない。所属するみんなのためにみんなが頑張れるグループのはずだった。

 

 これから藍家さんがやろうとしていることは、魔法少女を広める最悪の方法だ。一般人を傷つけて翻弄する手法は恐怖だけがあって、私たちが目指していた真実には程遠く、ネオマギウスの子たちだってどれだけが望むだろうか。

 

 人は簡単には変われない。

 だけど、私がなりたかったそれを諦めてしまうのは、理屈よりも感情が否定していた。

 

 だから……覚悟を決めたことを、運命は見ていたのかもしれない。

 

「待った待った、仲間割れすることねェだろ?」

 

 その声は、既に思い出の中だけに響くものだったはず。

 理性が否定する。既に死んだと理解したと呼びかける。

 

 だけど、だけど――

 扉が開いた病室の外に見えるのは。

 

「――潤!?」

 

 動かしにくい脚を無理やし動かしベッドから飛び起きて、時雨ちゃんとはぐむちゃんを追い越して、後から来た三人組も、道を塞いでいた教官とミユリちゃんさえも押しのけてその肌に触れた。

 人の肌の温もり。これが『改竄』の効果だとしたらなんて都合の良い記憶だろう。

 

 わかってる。私の魔法は、そんなわかりやすい幸せを作り上げてはくれないと。

 

「うぅ、あ……!」

「あ~……なんというかな、今まで姿を見せないで悪かった」

「だ、だって、ずっと魔女化したって、思って……!」

 

 感情が溢れ出して、抱き着いたままみっともなく泣き続けて、それでもなお、耳だけは周囲のみんなの疑問の声を拾い続ける。ついさっきまで敵対する雰囲気だった教官とミユリちゃんさえ話しているんだ。私だって潤がいる理由が気になっていた。

 

「グリーフシードは間に合ってた。だってのに、魔女化したって幻覚を直前に見せられてたんだとよ。あたしも宝崎の魔法少女に偶然見つけられなきゃそのまま本当に魔女化してた」

「まさか、私の『改竄』がみんなも……?」

「いや、みつねのせいじゃねェ」

「じゃあなんで……」

「厄介になってたところのためにも、どうしても悟られるわけにいかなかったんだ。あの――日向華々莉に」

 

 ヒナタ、カガリ?

 

 潤んだ瞳で背後を確認してみても、その名前に聞き覚えはないみたいで疑問符が浮かんでいた。ただ、なんだか聞き覚えがあるような人もいたけど……確信はできていない。

 

「まァ……そうだよな。みつね、内容はなんでもいいから『改竄』をぶつけてみな。同系統の魔法の反発だとかで解けるぜ」

「解けるって……?」

「その幻覚だよ」

 

 ……そう、だ。

 潤が生きているのが正しいのなら、今もそう思っているネオマギウスのみんなにはまだ魔法がかかっている。

 私は私に潤は海外に行ったという『改竄』をかけたと同時に、実際は魔女化したという偽りまでも本当だとかけていたのかもしれない。認識が幻覚の魔女化で止まっていたらなおさらだ。

 

 前までは潤を失った影響か、固有魔法を使うのにドッペルが必要だった。

 でも今なら使える。その確信を持って魔力を使った。

 

「――っ!?」

 

 その瞬間、強く押したものが跳ね返るような感覚と痛みが襲う。

 自分の身体に直接の影響が出たわけじゃない。それに、私だけじゃなく、教官とミユリちゃんは同じく痛みを感じたみたい。時雨ちゃんとはぐむちゃんもそれほどではないけれど、驚いている。

 

「……思いだした。私たちは姫様を認めて、全部丸く収まったところだったんじゃない」

「ですです、これからミユたちも手を貸すことになって……でもっ、今みたいじゃ……」

「ぼくらはあんまり違いないけど……」

「うん、今なら思い出せる」

 

 ……もしかして、過激な行動をし始めた原因はこれだったんじゃ?

 人によって効果の差異が出てるから他の要因があるにしても、魔法少女至上主義を達成することだけを第一に、それ以外のすべてを投げ捨てるようなやり方を選択させていた?

 

「となると、姫も……」

「その魔法でどっかスイッチが狂っちまったのかもな。そうやって凶行に走らせたことは前もあるみたいだし……」

「だとしたら今すぐ止めに行かないとマズいわ。三輪以外に精神操作の魔法を持ってる者がいるってことでしょう。電波望遠鏡のセキュリティは早々突破できないと思うけど、隠し玉があるといけない」

「電波望遠鏡の件は伝手があってこっちも知ってる。あと――ん、ちょっと待った」

 

 潤は鳴り出したスマートフォンの着信に出ると、「ああ」とか「うん」とかいくつか相槌を打つ。それは電話の向こう側から小さく聞こえるクールな声に対してで、なにかの連絡を受けているみたいだった。

 

「その隠し玉かはわからねェが、前に白い魔法少女が教えてくれたんだけどよ、変電所に仕掛けがあるらしいんだ。そっちは知り合いが行ったんだが……さっき解除できたってよ。精神操作の魔法でまだ良かったよなァ、物理的なのだったらお手上げだ」

「知り合い? ネオマギウスの?」

「いや、詩音千里っていう……って言っても知らねェよな」

 

 すると今度は、驚きの声がした。

 

「待った、詩音千里って……ホオズキ市の人だろう?」

「え、令さん知ってるんですか?」

「前にした裁判の時、十七夜さんの隣に奏遥香さんがいたんだ。確かその人の後輩で傍聴席にいたはずだよ。ワルプルギスの夜との戦いにも来てたはず……」

「おっ、遥香のこと知ってンのか? 一応あたしの後輩だぜ」

 

 ……私の知らない間に、潤は色んなことをしていたらしい。

 宝崎市で活動し始めた頃は互いに精一杯で、そんな話をする余裕なんてなかった。

 

 だから、もっと知りたい。もっと、その頃の話をして欲しい。

 

 だけど。

 

「潤、電波望遠鏡に行こう。この作戦は絶対に止めなきゃいけない。ネオマギウスに入っていて、今まで力を貸してたらからこそ……」

「……みつね」

 

 潤は、笑って同意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 勝手にフラグを立てられたRTA、はーじまーるよー。

 

「うぅ、あ……!」

「あ~……なんというかな、今まで姿を見せないで悪かった」

「だ、だって、ずっと魔女化したって、思って……!」

 

 なんで潤さん生きてるんですか? なんで? なんで? フラグ立ててないじゃーん! 誰も宝崎行ってないし助けられるような人いないじゃーん!

 

「そ、そうだよ……ぼくも魔女化したと思ってた」

「……三輪を連れ出しに来たんだけど、それどころじゃなくなったわね」

「ど、どういうことですかぁっ!?」

「藍家さんも含めて私たちみんな見てるはずなのに……」

 

 そうだよ(便乗)。

 

「グリーフシードは間に合ってた。だってのに、魔女化したって幻覚を見せられてたんだとよ。あたしも宝崎の魔法少女に偶然見つけられなきゃそのまま本当に魔女化してた」

 

 幻覚……? 宝崎の魔法少女……?

 はは~ん……これひょっとして、黒江ちゃんとくろの巡回ルートが偶然にも『ディペンデンス・ブルー』に引っかかってましたね?

 

 黒江ちゃんはあんな性格なので最低限の魔女退治にしか赴かず、くろも月出里の『感情を切り替える力』がかかっている間はひたすら魔女を護衛しているだけで、本来一切関係ありません。

 しかしこのチャート上、2人が引き合うことになるので行動パターンが変化。強くなりたい(レ)ばかりにパトロールを始めるので時々別のイベントと遭遇してしまいます。気づいたらなゆたんと行動を共にしてるパターンもあるらしいっすよ?

 

 じゃあ幻覚のほうはなんなんでしょうね。

 ネオマギウスに加入or拉致済みならみつねちゃんは必要ないはずですが、在野にそんな便利な魔法少女がいるわけ……。

 

「まさか、私の『改竄』がみんなも……?」

「いや、みつねのせいじゃねェ」

「じゃあなんで……」

「厄介になってたところのためにも、どうしても悟られるわけにいかなかったんだ。あの――日向華々莉に」

 

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!

 

 ちょ、ちょっと待ってください、待って! お願いします!

 織莉子ォ! 変身すると紫の衣装で天女のような髪型の魔法少女ってこっちじゃねーか! 冗談はよしてくれ(タメ口)。

 

 『日向 華々莉』とは日向茉莉ちゃんの姉。ホオズキ市における事件の原因です。第一部では勝手に全員生存ルートに入っていたので、てっきり倒されていると思っていたんですが……なんで生きてるんですか? しっかりトドメ刺しといてくれよな~頼むよ~。

 

 おかげでずっと紫色の魔法少女をひめなだと思っていました。(織莉子に)ハメられた! 味方ぶってたのにさ、奴は走者と敵を排除するのが趣味のプロ級魔法少女だ。

 

「となると、姫も……」

「その魔法でどっかスイッチが狂っちまったのかもな。そうやって凶行に走らせたことは前もあるみたいだし……」

 

 うわぁこれは鈴音ちゃんのことですね間違いない……なんだこれはたまげたなぁ。

 というか華々莉の行動原理は全部鈴音ちゃんへの復讐なんですが、なにやってんだあいつ……(困惑)。

 

 状況から見て決定的なフラグは『ディペンデンス・ブルー』の時に立ってしまっており、リセしたところでそこからやり直しなんて再走待ったなし。リカバリーするしかありません。

 

「その隠し玉かはわからねェが、前に白い魔法少女が教えてくれたんだけどよ、変電所に仕掛けがあるらしいんだ――」

 

 ああ(語るに)落ちたねぇ、落ちましたね……。

 謎の白い魔法少女の正体はどう考えても美国織莉子です。ぜんぜん姿を見せないと思ったら裏でverFinalになるほどの暗躍をしてたみたいですね。チャートを崩すのはもう十分堪能したよ……。

 

 変電所の仕掛けは精神操作系の魔法を重点的にかけてあるので、リヴィアさんクラスの調整屋になぎたんみたまさんが協力したうえで、グリーフシードを大量消費しないと解除できない厄介なものです。

 なのでくれはちゃんも付いて行って物理的な破壊で神浜市に大停電と電波障害をもたらして……。

 

「そっちは知り合いが行ったんだが……さっき解除できたってよ。精神操作の魔法でまだ良かったよなァ、物理的なのだったらお手上げだ」

「知り合い? ネオマギウスの?」

「いや、詩音千里っていう……って言っても知らねェよな」

 

 なんで? なんで? なんで?

 やべぇ解除できちゃった(素)。

 

 というかどうしてここで千里が出てくるんですかね。華々莉の情報を与えられただけじゃそんなことにはなりませんし、出会うイベントがあるわけ……あるわけ……ア!(超速理解)

 

 あります。

 

 飾利潤は親の都合で転校を繰り返しており、2年前に一度神浜出た後にどこかに行っています。

 この部分。ハードモードだと見滝原市、風見野市、あすなろ市、ホオズキ市、宝崎市、二木市、松宮市、湯国市など既存の見覚えのある場所に移動し、いつの間にかそこの学校にいます。

 ちゃると一緒に霧峰村に行ったり、『灰色革命』に参加してフォークロアにいるパターンもあるらしいっすよ?

 

 そして今回は……ホオズキ市に移動し、茜ヶ咲中学校にいたのでしょう。

 2年前の彼女は中学2年生。遥香先輩の1つ上です。

 

 第二部参戦は茉莉ちゃんを除いて全滅していたら絶対起きないイベントですが、今回は全員いるんすよねぇ。

 そして変電所の仕掛けはあくまでも"魔法の効果"があって初めて成立するものなので、千里の『魔法効果の解除』で一発解除できます。チートみたいだぁ……(直喩)。

 

 となると……電波望遠鏡での決戦がヤバいぜ!

 

 第9章『夢のなごりに芽吹く花』に電波望遠鏡の防衛に成功した場合、もはやこれまでと即座にネオマギウスとの決戦に入ります。第10章『疾走ドラスティックラバー』の開幕です。

 

 防衛に失敗するとひめなたちは即逃走。神浜市全市民が退場するまでのタイムリミットの間に見つけ出し叩かねばならない大ロスが発生。

 ただでさえ第10章はやることが多く、変電所の仕掛けを解除し、なぎたんとみたまさんが移籍していると彼女たちの対処をしないといけなくなるし、アオちゃんは湯国市に行き始めるし、静香ちゃんが移籍済みかつ第9章で説得できてないと暴れ始めるし、ついでに月咲ちゃんまでネオマギ行くし、私いじけちゃうし。余計な手間増やすのはヤメロォ!(本音) ヤメロォ!(本音)

 

 まあ今回はアオちゃん以外は解決済みなので、ひめなとサーシャを鉢合わせて、いるであろう華々莉をどうにかするだけなんですけどね。なんだよ……結構、簡単じゃねぇか……。

 

 問題はその華々莉。彼女の精神操作魔法はかなり上澄みのもので、その場その場で記憶操作も幻覚もなんのその。本人のステータスも高く、魔法少女の資質に溢れたすずマギラスボスの風格を見せています。

 

 いろはちゃんに連絡したあと、メンバー揃えて向かってるはずですが、先制して精神操作されたらひとたまりもありません。みっふがいればまあどうにかなるでしょうが……やちよさんが敵に回るとヤバイわよ!

 

 というわけで再度連絡。ハロハロー? いろはちゃんやっぱ帰ってきて?

 

『あ、電波望遠鏡ならどうにかなりました。ネオマギウスの羽根の他に、藍家さんと……華々莉さん? って人がいたんですが……』

 

 やっぱ厳しいみたいですねぇ、くれはちゃんであれば精神操作なんてどうにでも……どうにでも……あっもう終わった!? なんで?

 

「帆秋さん、今ひなのさんに聞いたんだけど、向かった中にはサーシャさんも合流したらしい。あと帆奈ちゃんもいるって」

「あと鈴音と茉莉も電波望遠鏡を見に行くって組だったな」

「あの、もしかして美国織莉子さんもいるんじゃ……」

 

 うわぁ(ドン引き)。

 

 これ……さすがに華々莉がかわいそうですね。そうそうたる顔ぶれです。

 

 まず、ひめなはサーシャが来た時点で止められます。

 そして鈴音ちゃんが来たら注意はそっちに向かうでしょう。

 もし織莉子がいて予知していたらその隙を逃すはずがありません。奇襲を仕掛けるか、帆奈ちゃんに話しかけて影の手で行動を封じればもう終わりです。

 

 これが終盤特有のインフレ。お前の難易度調整ガバガバじゃねぇか。

 あっという間でしたがこれで第10章完。ガハハ勝ったな! 余計な要素なんてそうそう混じらないし最速待ったなし!

 

 しかし、くれはちゃんの仕事は残ってます。結菜さんのほうの紅晴ちゃんもです。

 ひめなとついでに華々莉に会いに行ってやらないといけないことがあるので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 潤が生きていたとわかってから数日後。私たちが訪れたのは、やっぱりあの場所。

 『いつかまた、あした屋でな』。もう果たせないはずのその約束は、果たされたんだ。

 

「しっかしなァ……」

「うん、私も驚いた」

 

 私たちが行ったら、そこには知らない子たちの姿があった。

 

「ミィ? ミィは八雲みかげだよ!」

 

 ……と自己紹介してくれたのは、あの八雲みたまさんの妹だそうで。

 私たちがいない間に東西関係なくこの辺りの子たちと仲良くなっていたんだとか。ラピヌって子とは一方的に相性が悪いみたいだけど。

 

「みかげもラピヌも帰って来たあたりで知ってたけどよォ……なんか、成長したか?」

「ミィは成長期だからね」

「おねーちゃんは最初から大人なんだけど!?」

「ははっ、そうだな」

 

 こんな風景がまた来るとは思わなかった。

 あの頃にみたいに予感がして、だけど前を向いて変わっていく。心は晴れ渡っていた。

 

「……で、あんたにも心配かけたな。病院じゃみつねのために来てくれてたんだろ?」

「どうしても知りたかったから」

 

 そして、私たちと一緒に見ていたのは、帆秋くれはさんとその先輩の都ひなのさん。

 これから藍家さんたちの聞き取りが調整屋であるから、それに行くんだって。私たちもネオマギウスだったし行くべきなんだろうけど、順番ってやつ。

 

 だけど一番びっくりしたのは、私とひなのさんは既に出会っていたことだ。

 

『あーっ! 三輪みつねって、オマエだったのか!?』

『あ、あのちっこい魔法少女……』

『だーれが小さいだ!』

 

 なんてやりとりがあった。

 私だって、まさかこの人が年上だなんて思いもしなかったし……。

 

 そんな人の後輩が、あの日、私になんの用だったんだろう。

 帆秋くれはとは、私と潤がネオマギウスと出会う前に所属していただけでそれ以上の繋がりは特にない。ネオマギウスの人たちと潤が共通の話題として名前を挙げたことぐらいは覚えている。

 

「でもひなの先輩、みつねのこといつ知ったの?」

「オマエと衣美里を連れて子供向けの化学教室をやったことあったろ。あのちょっと後ぐらいだったかな……梨花から"神浜のヒーロー"なんて噂話を聞いたんだ。颯爽と現れて助けていって、名前も告げずに去っていくヤツがいるってな。それで偶然にも実際会ったわけだ」

 

 自身満々でやってたけど、他人の口から聞くとちょっと恥ずかしいなぁ。後から中二病なんて思う日が来るかもしれない。ああ、でも……変われたあとはそれが普通になったりして?

 

 この話を聞いて他人が抱く感情はだいたい決まってる。

 なのにどうしてか、彼女の瞳に映される世界はどこか私と似ていた。

 




■今回の内容
 第二部第10章『疾走ドラスティックラバー』
『ガールズ・イン・ザ・フッド』(一部分)
『ディペンデンスブルー』(一部分)
 三輪みつね 魔法少女ストーリー 1話『理想を汚して』(一部分)
 三輪みつね 魔法少女ストーリー 2話『汚れを拭って』(一部分)
 三輪みつね 魔法少女ストーリー 3話『隠れていたもの』(一部分)

■疾走ドラスティックラバー 
 なぎたんみたまさんの離脱と東西問題を事前に対処し、灯花ちゃんがいてサーシャから情報を得て電波望遠鏡の防護を完璧にすると、この章でやることが単純化される。
 ひめなとの決戦はサーシャに任せておけばいいので、チャート上は変電所の仕掛けをどうにかするだけで完了。それをやられたので勝手に終わってしまった。

■ひめな
 本当はもうちょっと色々あるものの、このチャートではあまり接点がないので短縮。
 裏ではサーシャに説得されたりなんたりでイベントが発生している。詳しくはネオマギウスチャートの走者オナシャス!(他力本願)

■華々莉
 暗躍していたのに力技で突破された。
 帆奈ちゃん曰く「今はあんたの相手してる場合じゃない」。

■潤
 ガールズ・イン・ザ・フッドの時点で中学2年生。なので別の中学校に潜り込ませてもいい。
 『パート57 トラブルラビット大騒動』で「電車で日帰りできるとこだけどなー」と言っていたものの、こんな設定は原作にない(たぶん)。二次創作! 二次創作です!

■みつねちゃん
 願いの流れと結果がどこかの誰かさんとちょっと似ている。颯爽と現れて誰かを助けていくなんてどっかで見た気がしますね(すっとぼけ)。
 変わることの否定とその結果どうなるかの象徴であり、憧れたものと演じている意味の答え。実はくれはちゃんのことを一番理解できて一番信頼度を上げられるのが彼女。

■帆秋 あかり
 名前の由来は長女同様紅をくっつけた『紅灯』。つまるところ鬼灯提灯。
 "鬼"で結菜さん要素を入れつつ、"ほおずき"でホオズキ市要素をインストール。なぜかあした屋と関係があったのは潤と見えない要素で繋がっていたため。

■松宮市
 ちゃるの制服は『松宮市立第一中学校』のもの。
 時女関連ではあるが、ここぐらいにしか名前が出てこないドマイナーなマギレコ地名。

■くれはちゃん
 例えるならずっとMSSのみつねちゃんと『ディペンデンスブルー』後のみつねちゃんを併せ持つ状態。最近は"魔法少女"であることすら否定され始めたのでもっとヤバめ。観鳥さんが退場してたらもうダメ。
 偽りの姿では、憧れにはいつまでも届かない。


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