マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート 作:みみずくやしき
今日もブロッサムのRTA、はーじまーるよー。
前回は友好関係を増やしていましたが、そのついでに良いことを聞けました。
最近、キュゥべえの姿を見ないという噂がぼちぼち聞こえ始めたそうです。やっとアイツが追い出されたみたいですね。やったぜ。
しかし、だとするとうかうかしていられません。ここから加速度的に厄介なイベントが起こり始めます。いろはちゃんが神浜に来る前に不安要素は全て片付けておきたいところです。
というかこのペースだと今回は『散花愁章』までこの範囲に入り込んでしまったみたいですね。悪いパターンを引いたか……?
まあ白タヌキに話しかけられてロスることがなくなるのでプラスです。白タヌキー! 白タヌキ見てるかー!? 帰ってこなくていいぞ!
でも他の子に話しかけられるのは大歓迎です。時々発生する会話では意外な情報なんかも知れて楽しいですね。通常プレイではこれを収集するのもアリです。信頼度も上がるので一石二鳥だぜ。
で、おうどうしたかえでちゃん!
「今朝ね、別の街の子と出会ったんだ。私、通り道にある椿の花が好きでお世話してるんだけどその子も好きって言ってくれたの」
なるほどぉ……かえでちゃんらしい話ですね。中々いい趣味してるねぇ、さすがに、ブロッサムでこのみちゃんの手伝いをしているだけのことはある。
「あ、その子はスズネちゃんっていうんだけど――」
ウオワアアアアアアアアア!!
こんなことしてる場合じゃねえ! 今日早退するからあと頼むなかえでちゃん! まずはかこちゃんの家、夏目書房じゃ!
かこーっ! 今日誰か来てない!? あ、来てない? じゃあな!
落ち着きました。
電話すればよかったですね(微ロス)。今日の夜まではとりあえず大丈夫です。
なぜこんな行動をしているのかと言いますと、この時期で一番恐ろしいランダムイベント『CROSS CONNECTION』対策です。発生してしまったので失敗できないイベントその3ですね。
このイベントは下手すると重要な魔法少女が狩られます。今回は運良くかえでちゃんが情報を持ってきてくれましたが、本来はこの期間中はずっと真夜中にパトロールしないと危険です。発生するかわからないイベントですが発生→失敗→大惨事が確定するので保険は重要(確信)。
発生の起点になる『
鈴音の戦闘力は非常に高く、やちよさん、なぎたん、マミさん辺りを引っ張ってこないと無理です。それでも直接戦闘は賭けです。解決までに何人のソウルジェムが砕かれるかわかったものではありません。
幸いなのはタイムスケジュールと手口が完全に決まっているのでこちらも動きやすいところです。神浜に来てからいつ行動を開始するかは数日の誤差がありますが、初戦は確実に『0:35』に発生します。なのでその時間以前に神浜を走り回って兆候を見つけましょう。
そして日中には必ず夏目書房に寄ります。初戦から夏目書房でのイベント発生の流れは固定なので、もしも発生していたら既に誰かお亡くなりになっている可能性があるのでリセットです。必ず現場に居合わせないとチャート壊れちゃ~う!
ちなみにこのイベントはルートが二つありまして、絵本を探す穏便な表ルートと鈴音と激闘を繰り広げる裏ルートがあります。当然選ぶのは裏です。表ルートは通常プレイを参考にして、どうぞ。
では夜になったので神浜を高速で徘徊しましょう。運が悪いとなかなか遭遇できないとか一門への挑戦ですよ挑戦!
探すなら狙い目は結界です。鈴音は魔法少女のいそうなところに来るので、必然的に結界に来ます。犯行に及ぶにしても魔女を倒した後なので結界に入る必要はありません。
しかし、RTAなので片っ端から結界に入って火力と速度に任せて魔女を片付けます。これで結界が減るので遭遇しやすくなります。グリーフシードは大量にあるので大丈夫です。今日は神浜で一番に輝いてやりましょう。
それにしてもこうして結界を回っていると結構魔法少女に出会いますね。モブ魔法少女との交流も面白いですが当然スルーです。パパパッと倒して次行きましょう。グリーフシードはくれてやるぜ!
次はどんな結界かな~ここの魔女も楽勝だな♪
最深部に着くと、笑顔で迎えてくれたのは魔女ではなく、魔法少女でしかも『
しょうがないので協力して倒しちゃいます。こころちゃんとは出会ったことがないので会話が始まっちゃいますねこれは……。
「ありがとう! 今の魔女、ちょっと手こずっちゃってて……」
とっとと追い返した方が良いんですが、鈴音と遭遇した時に盾になってくれれば一人で戦うよりマシです。そもそもノーマルまでなら狙われるのは彼女固定ですし……まあこのまま魔女退治しても……バレへんか(オリチャー)。
というか彼女がいるなら近くに神浜のアサシンこと『
「いつもはね、一緒に戦ってくれる人がいるんだけど……頼りきりじゃなくて手助けできるぐらいには強くなりたいから……」
あっ、ふーん……これは(こころちゃんの身の安全が)キツいですよ。本来なら放っておいてもまさらが鈴音を追い返してくれるのですが、これではこの日に限っていないとかあります。やっぱり追い返したほうがええんちゃうか?
まあ時間的に今日は発生しないかもしれへんし……本人の希望通り適当にもう一体ぐらい倒してから帰っても……大丈夫やろ。
二人で結界を見つけたはいいものの、最深部に向かう間暇なのでついでに解説もしておきます。
『粟根 こころ』はトンファーを使う近距離系魔法少女です。ですがトンファーというより電気を放つパイルバンカーみたいな武器ですね。これで遠距離攻撃も一応できます。彼女は固有魔法により非常に高い耐久力を持つ神浜のメイン盾その2です。おおー、こんな硬てぇ魔法少女になりてぇ!(紙装甲)
魔女のいる場所までもうちょっとですね。……おっと、なにか魔法少女みたいな反応が後ろから来てます。
「こんばんは。私も協力するよ」
来た、来た、来たなぁっ!? あの大剣、鈴の音、間違いありません! あの魔法少女が『天乃 鈴音』です。笑顔に騙されてはいけません。
彼女の戦闘力は凄まじく、あっという間に魔女を倒してしまいます。一振りで一刀両断とか強すぎてブルッちゃうよ……。
戦闘後、結界が消えたら名前を聞かれますので素直に答えましょう。
帆秋くれは……(デケデケデケ)。あっ、そうだ。この辺気をつけてください、(アン)ブッシュがありますから。
「――防がれた?」
はいガードッ! 帆秋ちゃんガードです! この不意打ちは事前に知っているプレイヤーなら確実に防げます。しかしあやめのような防御力がないので既に虫の息です。首切られなきゃヘーキヘーキ、ヘーキだから。仲間の命惜しいでしょ?
でもこころちゃんの名前も聞いてるのに集中的に来ますね。まるで最初から帆秋ちゃんを狙ってたみたいです。
「キュゥべえに聞いた……神浜では協力してくれた魔法少女がいたって……」
あっ(察し)。
違います! あの白タヌキの言うことを間に受けるんですか! 団地? さ、三人のことを思って……独りぼっちは寂しいもんなって感じで……。
慌てましたが想定の範囲内です。むしろこれを狙ってました。ガバではありません。これだけははっきりと真実を伝えたかった。
鈴音が魔法少女を狙う理由を考えれば、キュゥべえと協力して魔法少女を増やした(濡れ衣)魔法少女を狙うに決まってます。こうすることで鈴音を引き寄せつつ他の魔法少女をも守ることができます。全て帆秋ちゃんが受ければいいんだよ上等だろ!
それでは『魔法少女 天乃鈴音』戦です。ソウルジェムを砕かれてもダメですし砕いてもダメです。目的は『神浜の魔法少女は一筋縄ではいかない』と思わせて撤退させることです。これで後々の作戦が効いてきます。
鈴音はその固有魔法で倒した魔女の魔法をコピーできますが、もうこの時期は炎の魔法に固定されています。
この魔法の発動時はカッターのような剣の模様が光るので見逃さないようにしましょう。姿を消す『陽炎』をスルーしたら不意打ちでソウルジェムを砕かれたりします(5敗)。距離を取られると『炎舞』が飛んでくるので滅多打ちにされます(7敗)。もしも『桜火』なんか使われたら即お陀仏です(12敗)。諦めてください。
なんとなくお分かりかと思いますが、ここで残念なお知らせがあります。
帆秋ちゃんのステ振りは魔女やウワサと戦うときはいいんですが、高技量を持つ対人戦だと滅法弱いです。いくら速くて攻撃力が高くても直線的な攻撃が当たるわけないだろ! いい加減にしろ!
あとこの子のカトラスは使い捨て前提なのでそもそも耐久力が低いです。そんなもんを超パワーで振り回したらパリンパリン割れますし、とてもじゃないですが鈴音の剣なんて防げません。最悪の場合素手で殴ってもいいですが、リーチの差が圧倒的すぎて逆にやられます。止めておきましょう。
本来はその辺を補うのが『停止』くんですが、そもそも格上との戦闘にはまったく役に立ちません。物や自分なら長時間止めても消費魔力が少なくて済みますが、鈴音クラスだと止められるのは一瞬です。それも一部分がやっとで全身を止めようものなら魔力が吹っ飛びます。グリーフシードがあっても回復の隙を与えてくれるわけがありません。話し合いも通じません。
なので、攻撃動作に入ったら腕か脚を一瞬だけ止めてバランスを崩します。そこをカトラスで攻撃! すかさず攻撃! 攻撃!
動くと当たらないだろ! 動くと当たらないだろォ! おい当たっても全然攻撃効かねぇじゃねーか! こころ、どうにかしろ(無責任)。
しょうがないので一旦離れますが、飛ばしてくる炎には『停止』が効くので流れ弾がこころちゃんに飛ばないように防ぎましょう。
はい『停止』! 魔力がマッハで魔女化しそうですが耐えろ! できるできるできる気持ちの問題だ世界一になるって言っただろ!
あとよく考えたら味方がいると守らなきゃいけないから動きにくい……動きにくくない? まったくこころちゃんを狙わないわけでもないのでこうやって守らないと危険です。誰だ帰らせなかった奴……。
雷を飛ばせるので一応サポートしてくれてますがあまり効いてませんし、いざとなれば後ろに隠れられるぐらいです。やっぱりオリチャーはダメじゃないか(呆れ)。
「大人しくしてて」
あばーっ! 片脚持ってかれました。動かなきゃせめて痛みを知らずに安らかにの精神でソウルジェム一点狙いをしてくれますが、下手に抵抗するとこうなります。
回復して立て直す間、こころちゃんにガードしてもらいましょう。良かった~こころちゃん連れて来てて。こころちゃんも……神浜のファミリーみたいなもんやし……。
というかこれマジでまさらいないんですかね!
まさらーっ! 早く来てくれーっ! (帆秋ちゃんが)どうなっても知らんぞーっ!
いやほんとお願いします無理無理無理! 勝てない!
「……さようなら」
鈴音が突っ込んできます。これを止められないと危ないです。
しかし回復と『停止』に魔力を割きすぎましたね。あと一回どっちかやるのが限界です。
オイオイオイ、死ぬわ帆秋ちゃん。ソウルジェム砕かれるか魔女化の二択だわ。ワンチャンドッペルが発動してくれるかもしれませんがまだ存在を確認してないので……。
ほらここがどこだかわかるかよオイ? おいほら見てみろよ? 誰も来ねぇぜここ。すっげぇ路地裏だからさ。誰も助けに来ないんだぜお前? えぇ? 絶対助からねぇので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。
◆
「いらっしゃ~い! あら、ハイキングはどうだった?」
「お米が重いです……」
その日、私とまさらはみたまさんが提案したハイキングクイズラリーに参加していた。
てっきりみたまさんも来るものだと思ってたら、最初から1等の賞品超高級ブランド米5㎏が目当てで私たちを参加させたみたいで……お米をどうにか持ち帰って調整屋に来たのはそんな理由だった。
でも、久しぶりの登山はいい気分転換になった。まさらと一緒に準備をするときからワクワクして、最後に山頂から景色を見たときは本当にまさらがいて良かったと思えたんだ。
そんなことを思いながら交代で運んできたお米を渡す。せめてここの住所教えてくれてれば、郵送で送ってもらったのになぁ。
「せっかくだもの。来てくれればこのお米でご馳走するわよ~?」
「結構です。みたまさんの料理は信じられないくらいマズいと評判ですから」
「ちょ、ちょっとまさら……」
いきなりの暴言に驚いたけど、よく考えてみればいつの間にかカバンに入れられてた『みたま特製エナジードリンク』はひどいものだった。ありえないケミカルな色をしてて、一口だけ飲んでみたらそれはもう、人が飲むものじゃない味がした。
「……あの特製ドリンクはなにを入れたんですか?」
「えっと……ベースは甘酒で、塩分がいるかなって思って塩昆布和え。それと疲れたときは甘いものがいるじゃない? だからチョコレートとメロン。足りない栄養を補うためにサプリも入れたわ」
「え、ええ……」
「大丈夫! もう食べ物以外は入れないって決めてるから!」
「前は入れてたのね……」
「まあいいじゃない。それよりも……」
そこでみたまさんは少しだけまさらを見た。
「二人で山登りできて良かったでしょ? 元はと言えばまさらちゃんがこころちゃんと行きたがってたんだから」
この時のまさらの反応は忘れない。照れ隠しの行動がまさららしくて、また一緒に行こうと約束したんだ。何度でも私の『一番の思い出』を塗り替えてほしいなって。
使い魔が放たれた雷撃で消える。私は一人で結界にいた。
いつもなら一緒に行動するまさらは今日は来ていない。最近はずっと一緒に戦っていたから、頼り切るのもいけないと思ったの。今度は私がまさらの助けになりたいんだ。
一人で戦っていた頃と比べると使い魔相手に振るうトンファーは昔より軽くて、強くなってるんだなって実感できた。でも、魔女相手だとやっぱりまだ思う通りに戦えない。まさらならあっという間に倒してみせるんだろうけど、私じゃまだまだ。
そんな私の前に現れたのは、緑の衣装に身を包んだ人だった。その人は一言、「協力する」って言ってから凄い速度で接近して、カトラスでひたすら魔女を斬り続ける。
私も何度か撃って攻撃して、一人じゃ時間がかかってただろう魔女はすぐに消えた。
「ありがとう! 今の魔女、ちょっと手こずっちゃってて……」
この人ってまさらに少し似てる、なんて思ってたけど帆秋くれはという名前を聞いてそれも納得した。あいみから聞いていたクールでカッコいいモテモテな人ってきっとこの人だ。
南凪の制服に淡い栗色のロングヘアで、冷静ってわかるキリッとした顔。肌はお人形さんのように綺麗だし憧れる。これは確かにあいみがそう思うだろうな。
でも、そんな印象とは逆にひみかから聞いてたのは目を離すとなにをするかわからない不審者。まさらも不思議な雰囲気はあるけどそう言われるものじゃないんだ。この人のどの辺りが不審者なんだろう?
だって少しだけ話しただけでも優しい人となりがわかる。私が一人で戦っていた理由を話すと、心配だから付いてくって言われちゃった。……私としても今日はちょっと無理をしたと思う。もう少し話もしてみたかったから、一緒に行動することにしたんだ。
……でも、ここで素直に帰ればよかったんだ。
次の結界で会ったのは『スズネ』と名乗る子だった。帆秋さんも強いなって思ったけど、振るう剣はより速くて、あっという間に魔女が倒された。さっきの魔女より強かったはずなのに。
結界が消えて私たちは元の路地裏に戻る。
周囲に魔女や使い魔の反応はなかったけど私たちは変身を解いてなかった。それは夜のパトロール中だったからなんて些細な理由。でも、そのせいでこの時は視線に気づかなかったんだと思う。……私と帆秋さんの首を見る動きを。
「名前、聞かせてくれない?」
その言葉は普通だったし、優しい笑顔に怪しさなんて感じなかった。
だから帆秋さんと私が名前を言った後、「さよなら」という呟きと共に魔女を倒した刃が振られるなんて思わなかったんだ。
「――防がれた?」
あまりにも速い攻撃に私は反応できなかった。もしも狙いが私だったら防げていたかわからない。
防げた帆秋さんも無事とは言えない状態だった。首目掛けて振るわれたカッターみたいな剣は、首との間に差し込まれたカトラスを砕いても止まらず、咄嗟に出した左腕でやっと止まっていた。
……ひどい。なんとか繋がってるみたいな状態で、とても動かせそうにない。返す刃がまた首を狙って振られたけど――させないっ!
「離れて!」
放った雷撃を警戒して距離を取ってくれた。すぐに帆秋さんの前に出て追撃に備えようとしたけど、それを止めたのが帆秋さん本人だった。
見るとソウルジェムが少し濁った代わりに左腕が治っている。
魔法で治せるのは知ってたけどここまで治せるんだ、なんて場違いなことを考えていたら、次は炎の剣が飛んでくる。
……余計なことを考えてる場合じゃない。理由はわからないけど、この人は私たちを本当に殺そうとしている。
けど、魔法少女と戦うなんてことを考えてもみなかった私は防御に徹するのが精一杯で動けない。だって、魔女や使い魔と一緒に戦う仲間だよ。同じなのに、なんで……!
帆秋さんはそんな葛藤なんて無いように、不自然に止まった炎をカトラスで払いながら接近していく。
そしてカトラスと剣の接近戦が始まった。硬度が全然違うのか、打ち合うたびにまるでガラスのように鳥の羽根を模したカトラスが砕けていく。そして新しく生成したら右手で、左手で、時には両手で弾き、投げ、攻撃を仕掛けている。
時折スズネの攻撃が不自然に止まって隙が出来たと思えば、それすらも反応されちゃう。帆秋さんは少しずつ傷ついていってるのに、対する姿は無傷そのもの。
あんな戦いに割って入れない私は雷撃を飛ばしてサポートするけど、全然当たらない。むしろ帆秋さんの邪魔になっているのかもしれない。
あの人は私たち二人の攻撃を受け続けているはずなのに、時々こっちに冷たい目を向けてはあの炎の剣を飛ばして来る。全部顔の下ぐらいを狙ってるみたいだから防げるけれど、あんなのに近づかれたら……!
どちらにせよこのままじゃダメだ。私はまだ余裕があるけど、帆秋さんはあの止まる魔法に回復、カトラスの生成と魔力を使いすぎてる。赤紫のソウルジェムが段々と黒に色を変えていく。動きも精彩を欠いて鈍くなり始めてる。
そのせいで激しい斬り合いはあっけなく終わった。遂にスズネの剣が帆秋さんの右脚を深く斬り裂いたんだ。バランスを失った身体は重力に従って赤く汚れたコンクリートに叩きつけられる。
でも私だってただ見ていたわけじゃない。何度も炎を止めてくれてたんだ。今度は私が守る!
飛び込んで受け止めた一撃はとても重い。こんなの、何度も受け続けられない。魔法を使ってこれなら素の状態で受けたら無事じゃ済まない。
私の後ろで回復した帆秋さんがまた前に出ようとするけど、あの様子じゃもう無理だ。
だからトンファーを自分の足元に叩きつける。貯められた電気が周囲から噴き出して二人とも一旦距離をとった。
「帆秋さん! 逃げよう!」
とてもじゃないけどこんなの相手にできない。だからそう告げたんだけど、聞こえていないのか私の横を走り抜けて向かっていく。
その足取りとは違って明らかに顔色が悪い。ソウルジェムが濁ってる。このままじゃ……!
「……さようなら」
剣を構えたスズネが帆秋さんに走り寄る。
あれじゃ動けない。私が止めないと、止めないと……いけないのに!
思いとは裏腹に身体が重くて満足に動かない。なんとか撃てた雷も避けられた。ダメ、剣が首を狙ってる!
「――!」
ひゅっと息を呑んで目を伏せた。その瞬間を直視することができなくて。
でも、聞こえたのは想像してた音じゃなかった。
……無事、だ。
刃が弾き返された。でも、違う。まさらじゃない。
だって弾いたのは――
「……今度は私が守るから」
鋏だったから。
■今回の内容
『あの日の一番を超えて』(復刻版・一部分)
『CROSS CONNECTION』
天乃鈴音 魔法少女ストーリー 2話 『追憶』(一部分)
■天乃 鈴音
コラボイベントの魔法少女。キリサキさん。
すずね☆マギカ本編より前の話。
■粟根 こころ
衣装が凄い魔法少女。まさここはいいぞ。
「栗(くり)」ではなく「粟(あわ)」。ちなみにあやめは三栗(みくり)。
■あの日の一番を超えて
まさここイベント。
二人の仲を進展させるためにみたまさんがおせっかいをする話。
■CROSS CONNECTION
すずね☆マギカコラボイベント。
帆秋ちゃんだってかこちゃんと一緒に絵本を探したかった。でもRTAなのでダメです。
■『停止』くん
物を止めて足場にしたり動きを止めて拘束したり魔力を止めてステルスできる。サポート系。
しかし雑魚専。