マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート 作:みみずくやしき
最終パーティ編成するRTA、はーじまーるよー。
前回、くれはちゃんはなぜかver.Finalではなくver.Ablazeという固有特殊フォームになってしまいました。なんで?
予想外の要素は走者失格だろ! いい加減にしろ!
とはいえ……チャートとは違ったものの十分強いですし、必要な要素はあるので心配もなく向かうところ敵なし。むしろ上振れですよ上振れ! おうおう! コピーでも使い魔でも株分けの鏡の魔女でもなんでも持ってこいやァ……。
嘘です。
その魔力が大問題。さっき大奮発して使ったらもう浄化が必要なレベルになってます。
「おやくれは嬢、これを」
「あれだけの火力を出せば穢れも溜まるか……帆秋さん、注意してよ?」
グリーフシードの差し入れなんていや僕もう多いに感謝ですね。
自分に使う加速自体の消費はそんなにないものの、そこに自動回復が上乗せされるので結局はタルト以上のありえない燃費になります。もう自動浄化システムないねんで? いくらパワーアップしても魔力が足りないと連戦はいやーキツイっす。
かと言って最大魔力量を増やすビルドにすると、限界突破した攻撃力が得られなくなるのが困り所さん。二兎を追う者は一兎をも得ずという名セリフを知らないのかよ?
「そうそう、私みたいに戻れないんだからね?」
「……えーと、私の聞き間違いでも見間違いでもないよね? 魔女から元に戻ってるって」
「私も急に現れたのを見ました。今まで取材してきた魔法少女にそんな人はいなかったし、そんなことがありえるわけ……」
ありえないなんて事はありえない(至言)。
もう最終盤なので、然るべき時にラピヌお姉さまの特殊性を開示するべきでしょう。ペレネル先生は知ってますし、彼女たちに説明してもしょうがないので次行くぞ次!
「そうですね、今は話している時間はありません。その司令塔となっている魔法少女たちが集まっている調整屋に向かいましょうか」
そうと決まれば進軍、イクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)
グリーフシードと引き換えに今までの鬱憤を晴らす超火力くれはちゃんを見ていてもいいのですが、かごめちゃんを守りつつ進むだけなのでじゃ、流しますね……。
~少女移動中~
やってきました八雲さん家の調整屋。
なぎたんや灯花ちゃんという指揮に向いているメンバーや、結菜さんなど策略に向いたメンバーたちが大集合。大人数でてんやわんやの夢の大神浜防衛祭の開催です。
連絡手段は散花愁章の時にみゃーこ先輩たちがやっていたテレパシーの限界範囲に魔法少女を点在させて巨大な連絡網を作るやつ。
今回は各グループのモブが大量にいるので数がその比じゃなく、完全に神浜一帯をカバー。意識で繋げるからスマホより早いぜ?
「ええ、涼子はそっちに行って。え、プロミストブラッドの鈴鹿さくやもいる?」
「さくやには行動を任せてるわぁ。共同戦線と行きましょう……」
「うん、うん……ネオマギウスは東のほうやるね★」
あとなんでまた静香ちゃんは眼鏡かけてるんですかね……きっちり指揮側に立ってるのでレベリングが大成功してるぜ。
「うーん、そうだねぇ、使い魔の流れが東から来てるのなら、ミラーズがある鏡屋敷だと思うよ~」
「ほ、蛍がまともに働いてる……」
「すごいの、ちゃんとしてるの!」
「フールガール……なんでアリナをウォッチして言ったワケ? グリップしてるハンドが痛いんですケド? フールガール? フゥールガァール!?」
そして蛍が神浜を駆け巡るわけもなく、知力マックスを活かしてあかりちゃんがドン引きするレベルで活躍中。かりんちゃんあたりが連れて来たんじゃないですかね?
「む、帆秋……そうか、その様子は……」
なぎたんの暖かい視線を受けつつ、話しかけてきた魔法少女たちを適当にあしらったら状況を確認してみましょう。ヘイ今どうなってんだい!
「環君など各グループのリーダーたちはここに集まってもらい司令部としている。ユニオンは互助組織だが、なにぶん時女一族とプロミストブラッド、ネオマギウスは抱えている一般メンバーも多いからな。分散するよりかは個々の力を結集して戦ったほうが良いというわけだ」
はえ~じゃあ4人しかいないフォークロアのラビさんはなんでいるんでしょうねぇ(すっとぼけ)。
「私たちフォークロアは潜入していたグループの協力をしている。旭の狙撃能力は時女の前衛がいればより発揮され、サーシャの魔法はネオマギウスの協力があれば有用な補助になり、うららの捕縛はプロミストブラッドの攻撃力を高める。私は……」
「ラビさんは固有魔法の『概念強化』の使い所を探ってますの。上手く使えばきっと一気に巻き返せますの!」
「そうそう、ラビたんの魔法凄いんだよ! いろんな魔法少女のこと知ってるかごたんとくれはさんがいればもっと凄いことができるって姉ちゃ言ってた!」
そうだよ(肯定)。なゆたんとみかげちゃんもそう言ってるだろオォン!?
というわけでフォークロアのみなさんも特に問題なく協力に動いているようです。ラビさんがいてくれるのは利用しまくれるので嬉しいですね、ええ。
「確かに鏡の魔女の力は強大です。でも、私たちだけじゃなくて、みなさんがいるんです。ぜんぜん不利じゃありません」
みかづき荘がいろはちゃんとういちゃんしかいないのは他の面々が迎撃に出ているからですね。
彼女たちは揃いも揃って力押しの傾向があり、鶴乃ちゃんも地頭は良いものの全体指揮となるとまた話が違います。
特にやちよさんなんか、纏め役をやっていたものの交渉などは全部みっふに任せていたため、パワーオブパワーの殴れば解決枠。より適したメンバーがいるなら任せるのも重要なんだよぁ。
とまあ、全体的にこちら側が有利に動いているのですが、スマホを破壊していないとこんな状況だっていうのに魔法少女たちは揃いも揃って悪夢を見る全身絶望昏睡状態に堕ちる有様。これらの作戦は一切できません。
正面突破のクリアの難易度爆上がりでねーもう無理! サーシャ、どうにかしろ(無責任)。
「それで自分たちの作戦なのだが――」
作戦内容を聞いててもしょうがないので聞き飛ばしつつ、第12章『結ぶ永久の彩り』における目標を解説しましょう。
見ての通り上空にはたくさんに小さな鏡が浮かんでおり、それらを守る株分けの鏡の魔女とその使い魔、コピーで溢れかえるというワルプルギスの夜よりもヤバい状況になっています。
とはいえ一般人には見えないので一見するとチョー平和。魔法少女が暴れまわってるのに気づかれないのかって? なんのこったよ(すっとぼけ)。
さてそんなことより、一番に注目すべきは南凪の海浜公園にあるクソデカ鏡。
ピュエラケアのみなさんが調査すると判明することですが、一部の使い魔やコピーは鏡屋敷にある本来の結界を壊して魔力を作り出し、これに運ぶ動きをしているという明らかに重要な場所です。バリアにも守られててすっげえことになってんぞ~。
これだけ大きな鏡なら鏡の魔女本体も過去に行けるので改変もなんのその。せなみこ発案、人類の進化を止めて滅亡させてやるぞ☆計画です。そのために必要なエネルギーを集めているんですね。
そうはさせまいと破壊するためには、まず二重のバリアを破らねばなりません。
空に浮かぶ小さな鏡でまず1つ、クソデカ鏡の生成をしているリーダー格のコピー撃破で2つとラスボス特有の段階を踏んだ攻略を強要してきます。
しかしここまでやって破壊しても、やっと過去に行くのを止められるだけ。ロス……っ! あの悪魔……っ! 3段クルーン……!
「うむ、かなりの難関だ。だが……やらねばなるまい。放置するわけにいかないだろう」
あっ、これやらなくていいっすよ。
長々と解説しましたが、ここまでの過程はクリアに一切必要ありません。
要は鏡の魔女を倒せればいいだけなので、神浜の異変は全部無視して鏡屋敷に直行したほうが圧倒的に早いです。
しかし全体がやる気ムードになっているのに方向転換させるには説得が必要。通常は難しいでしょう。
ところが……蛍! ペレネル先生! オナシャス!
「これだけ人数がいるならすぐ行っても良いと思うよ~……」
「戦力を分散させていれば両方が楽になり、本体の防衛に動かすのであれば鏡の破壊が容易になるでしょう。なにより……くれは嬢」
しゃあっ! くれはちゃんの説得力、魅せてやるぜ!
知力が低いですがえっそんなん関係ないっしょ。成功するまでやれば同じだぞ。
「……ああ、わかっているとも。自分も八雲も、あの時から協力を惜しまないつもりだ」
「ええ、わたしはもう、わたしの願いから目を逸らさない」
説得成功。今まで上げてきた全員の信頼度のおかげですね間違いない……。
みたまさんなんかさ、すごいんだぜ? なんて素晴らしい魔法少女なのだ(マジカルかりん)。
じゃあこのままラストダンジョン、果てなしのミラーズに挑んでやるか! しょうがねぇなあ~。
というわけにもいきません。
見てくださいよ現在のパーティ! 家から変わってないからくれはちゃん、観鳥さん、このみちゃん、ペレネル先生、かごめちゃんの非魔法少女1人の実質4人パーティですよ! えっこれでラスボス戦を!?
できらぁ! とは言えず、とても最終決戦に挑めるものではありません。ちゃんとメンバーを集めていきましょう。
なにより律儀に5人にする必要はありません。
ユニオンを除く各グループのネームドメンバーは全員参加するので、さらにこちらも5人パーティ×5の25人の魔法少女を選出しましょう。大胆な戦力増加は未所属の特権。
選抜メンバーは今までに信頼度を上げたキャラから選べるので選びたい放題。すべてのグループの垣根を超えた君だけの最強魔法少女パーティを組もう!
「帆秋、コピーたちから聞き出したわぁ……更紗帆奈は既に鏡屋敷に向かったそうよぉ」
あっそっすかぁ!? 結菜さんも結構……サポート力高いじゃん。
というか帆奈ちゃんはなに一人で急いでるんですかね。おっRTAか?
それも踏まえて、それではさっそくパーティを紹介していきましょう。
当然第1パーティにはくれはちゃんが入ります。(一応固定位置とか主人公みたいな扱いされてて)笑っちゃうんすよね。
そして鏡屋敷にいるらしい帆奈ちゃんも入れて2人。残りはラピヌお姉さまと結菜さん、ひめなを選択します。リーダー2名は仕事の後、さっさとそれぞれのグループの指揮に戻ってもらうので実質3人パーティだな?
この通りリーダー格も加入させられますが、その間はそのグループの全体のパワーが下がるのが難点ですね。
フォークロアとピュエラケアは人数が少ないので、ラビさんとリヴィアさんを入れても残りのメンバーで上手く回るのですが……。
時女一族は静香ちゃんがいないと補佐だらけになり突破力が失われます。サブリーダー適性がある子もなかなかいなく、すなおちゃんとちゃるが引っ張ることになるでしょう。
特にプロミストブラッドはかなりヤバめ。次点が次女の樹里なので元竜々崎と14年を体感したアオはともかく、他のメンバーがなかなか協調できません。今回はさくやが生存しているので、虎屋町枠をひかるとさくやで代用してもらいましょう。ほんの少しの間なら大丈夫です。
その点、ネオマギウスは万全の態勢。前線指揮なら燦様の得意とするところなので特に問題なし。場合によっては覚醒してリーダーシップを発揮する時雨ちゃんがなんとかします。第10章以降は潤さんとみつねちゃんが離脱するのでそこがちょっとツライぜ。
ではユニオンはどうかというと、現在の状況を見てもらえばわかると思いますが、元よりいろはちゃんがすべてを統制しているわけではないので特に問題ありません。みかづき荘もみかづき荘で戦います。
リーダー格を常用するならちょっと面倒ね、面倒……(一般通過七海やちよ)。
そんなわけで残る4パーティには入れません。一部のキャラのみを引き入れるのも連携に支障が出るでしょう。
そこでこちら。
常盤ななか、志伸あきら、夏目かこ、純美雨のななか組4人。
静海このは、遊佐葉月、三栗あやめのアザレア組3人。
伊吹れいら、桑水せいか、相野みとの団地組3人。
計10人をまるっと第2パーティと第3パーティに起用。どうせ一緒に行動するんだから同じだよなぁ?
なにより彼女たちは『そしてアザレアの花咲く』と『バイバイ、また明日』からの因縁があります。対瀬奈みこととなればバリバリ活躍してくれること待ったなし!
残る第4パーティと第5パーティには、くれはちゃんへの信頼度が高いキャラを入れます。高いといざという時に身を挺して庇ってくれるので安定性が高まり非常に便利です。ここまで来てリセとかやめてくれよ……(絶望)。
となると……まずは和泉十七夜、八雲みたまのせなみこ関係で東の2人を登用。
彼女たちは因縁があるキャラなので、いると対瀬奈みことが楽になります。
続けて都ひなの、観鳥令、桐野紗枝の南凪メンバーを3人選出。
単に普段学校にいる分くれはちゃんへの信頼度が特に高い面々です。なんか紗枝ちゃん妙に高くない?
最後に春名このみ、阿見莉愛、香春ゆうな、水樹塁……七瀬ゆきかの5人を選択。
それぞれ信頼度からの選択ですが……七瀬ゆきかとかいうトラブル持ち込み魔法少女を選んだのは、ガード系能力がないのに庇う能力に関してはナンバーワンだからです。しかも勝手に強化されます。願いの影響すら跳ね除ける『対象確定』くんにかかれば自分に不利な効果は回避できるので守ってください! オナシャス!
あとはかりんちゃんやアリナ先輩など無駄に強い面々も選べますが、今回は純粋な戦闘力よりくれはちゃんのサポートのほうが重要なので、彼女たちには普通に戦闘を頑張ってもらいましょう。
とまあ、早期離脱勢を含めて総勢25人くらいじゃないっすか?
最終戦ともなると魔法少女たちの数も物凄いので、(全体数から見たら出撃枠は)案外少ないっす……。こんなところでSRPGあるある現象を起こさなくていいから(良心)。モブまで入れてたら5倍あってもいやーキツイっす。
「……と、来たようだな」
「あれって……」
ああん!? このタイミングでお客さぁん!?
「間に合ったみたいね、わたしとキリカも手を貸すわ」
「神浜がこれじゃお気に入りの紅茶専門店がなくなるかもしれないだろ?」
「よっ、なんか大変らしいじゃん? 恩を売っとくのにちょうど良いと思ってね」
「ゆまもまもるよ!」
「美国さんが来た時は驚いたけれど……神浜がこの様子じゃ、手伝わないわけにいかないわね」
「マミさんだけにはさせませんよっと、さやかちゃんにどーんと任せといて!」
「わたしもね、いろはちゃんたちの力になりたいな」
「私も鹿目さんと一緒に頑張りたいから……!」
「な、なんでなぎさまで連行されたのです……!?」
なんか数多い……数多くない?
勝手に揃った見滝原おりマギ連合!
「……来たけどさ、本当にカガリまで連れてきてよかったわけ? アタシは信用しきれないんだけど」
「まあまあアリサ、ハルカ先輩も許可したんだから」
「ええ、危険かもしれないけど私はマツリを信じたいの」
「……スズネちゃん、邪魔しないでよ? 頭の中を弄ったアイツをどうにかしたら次はスズネちゃんなんだから」
「あなたこそ変な真似はしないで」
「でもマツリは二人といられて嬉しいな!」
いつの間にか華々莉までいるすずマギ連合! 潤さんとみつねちゃんが寄って行ってるのは大丈夫なんですかね?
「帆奈は先に行ったのね」
「海香に会ったっきりだよね。まあ、それもそうか……よし、かずみ」
「うん、守ろう……みんなの笑顔を」
よくわからない交友関係になってるほんへ終了後かずマギ組! いやなんで?
なんやかんやありましたが、鏡の魔女をこの超戦力で叩きに行きましょう。
理由はもちろんお分かりですね? 瀬奈みことが世界をこんな方法で覆し、人類を破壊しようとしたからです! 『覚悟』の準備をしておいて下さいッ! 近いうちに乗り込みます。戦闘も起こします。エンディングにも問答無用できてもらいます。タイマーストップの準備もしておいて下さい! 貴方はラスボスです! マギアをぶち込まれる楽しみにしておいて下さいッ! いいですねッッ!
多くの魔法少女による総戦力が叩き込まれるので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。
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神浜市が鏡の魔女の結界に包まれてからしばらく。
一時は混乱も起きたもの、困ったことにこのような事態は初めてではない。自然と対応する態勢が整えられて行き、自分たちは八雲の調整屋で全体の指揮を執っていた。
「ひかるは単独でも数を用意できる重要な戦力よぉ、他の魔法少女たちの援護に回しなさい」
特に紅晴結菜、かつては敵側の存在だった彼女がいるのは純粋に頼もしい。
そのような目で見ていたら、こちらにくるりと表情を向ける。
「和泉十七夜、手が止まってるわよぉ。体調が悪いのなら言いなさぁい……」
などと言われてしまった。
どことなく母のような言い方だが、彼女はそういう年齢ではあるまい。いや、ありえるのか……? うむ、要検討だな。
しかし、自分とて暇をしているわけではない。今でも自分を慕ってくれる東の魔法少女たちに指示を出し、その結果をここに纏めている最中だ。
西は西で七海と十咎が前線で纏めつつ戦ってくれているという。その報告を環君が受けていた。
状況は五分五分。結界の範囲と鏡の魔女の強大さを考えれば善戦しているだろう。
なにより、こちらはまだ戦力を残している。里見君たちの姿が証拠だ。
「わたくしたちは変身の許可出てるけど、状況が状況だし、アリナの腕輪も解除しておきたいよねー。ねむー」
「わかったよ。示しがつかないけど、それで人類が滅亡しても仕方ない、ウワサを操作して可能にしてみよう」
「│ねむ、無理しないで。私がサポートする│」
とまあ、アリナに変身させるのは些か心配ではあるが、やる気を見せていることに変わりはなく、あの画伯も横に付いている。
それに――調整屋のドアが開いて、"彼女"が姿を見せたのだ。
「む、帆秋……そうか、その様子は……」
そこにいたのは、自分のよく知る帆秋くれは。
もはや不調などどこにもなく、その真顔はとても安心できた。
「心配かけたわね」
「いや、構わない。君がもう一度立ってくれたのなら、自分は感無量だぞ」
最初に自分が話すと、どこからか「えっくれはさん?」との声が聞こえた。
手の空いている者が彼女の周りに集まったのはそれからすぐのことだ。交友のある者は誰しも心配していたのだろう。今ここにいない者にも伝えてやりたいものだ。
帆秋と共に来たのは観鳥君と春名君、佐鳥君。そしてラピヌという帆秋と共にいる子供と、自らをペレネル・フラメルと名乗る白の魔法少女。
彼女たちは他の魔法少女と話し始めた帆秋の横にそのままいたり、少し離れたりと各々好きな行動を取り始める。
自分が声をかけたのは壁際に寄った観鳥君だ。"仕方ないな"とでも言いそうな視線を帆秋に投げかけていて、ほんの少しの自分の不安は杞憂でしかないのだろうと既に理解できたのだが、確認は必要だ。
「……ひとつ聞きたい。帆秋はもう問題ないのだな?」
「それはもうまったく。株分けの鏡の魔女さえ倒せるほどには――」
誇らしげなになにがあったのかを伝えられると、暗闇に浮かんでいた明かりがさらなる炎で燃え上がり、全身を照らしたようだった。
ああ、そうだとも。そんな君を見ていたからこそ、東西の関係を落ち着いて考えられた。みかげと君の友人だという香春君の行動を、八雲と共に信じられたのだ。
そして誓った。この先に続く未来の始まりを壊させはしないと。
「わかった。ならば……」
今の帆秋の力は強大だ。その力を最大限に発揮するためにも、彼女に状況を説明した。
多くの魔法少女がグループの垣根を超えて手を取り合い、南凪にある大きな鏡を壊すために奮戦しているのだと伝えると、帆秋は相変わらず真顔を崩さないままだったが、そこに嬉しさと申し訳なさを抱えているようだった。
「難しい作戦よね」
「うむ、かなりの難関だ。だが……やらねばなるまい。放置するわけにいかないだろう」
「そのあとは鏡の魔女を倒しに行くのよね」
帆秋の問いは当然のものだ。
それを聞く理由は……察せられた。
「これだけ人数がいるならすぐ行っても良いと思うよ~……」
「戦力を分散させていれば両方が楽になり、本体の防衛に動かすのであれば鏡の破壊が容易になるでしょう。なにより……くれは嬢」
話を聞いていたのか、横から声がかかる。
帆秋は自分の目をしっかりと見つめて、「説明させて」と言った。
それから、彼女はこの場の全員の視線を受けた。言いたいことがあると中央に立ったのだ。
帆秋が伝えたのは、鏡の魔女の正体は『瀬奈 みこと』という魔法少女であること。そして、彼女は自分の友人だということ。
自分も都から聞いてはいた。この中にはその事情を知っている者もいる。だが、本人の口を通して出た言葉は重みが違った。
「私は、もう一度みことと話がしたい。その時間が欲しい。……無茶なことを言ってるのはわかってる。鏡の魔女はすぐ倒したほうが良いって言うのもわかる。でも、お願い。みんなの力を貸して。私は友達を――みことを、助けたい……」
場が静まり返る。魔女と化した相手になにを、と猛る者は一人もいない。
みな、知っている。帆秋くれはがどういう人物で、彼女の想いと友に懸ける情熱の強さを。
環君が、一歩前に出た。
「私は賛成です。瀬奈みことさんのことを知らなかったら、なにもせず倒しに行ってたと思います。でも……今はそれじゃダメだって思うんです」
その言葉に多くの者が頷いた。
瀬奈みこと――その存在は、自分も以前から知っている。
とはいえ彼女ほど詳しくはなく、ただ一度話しただけだ。面識があるというだけで、他の情報は一切ない。
もし帆秋がいなければ、瀬奈みことのことを誰も本当の意味で知らなかっただろう。
たとえ知ろうとしても隠され続けた存在を知るその方法がない。単なる鏡の魔女の元の魔法少女だったとだけ思って、やはり打ち倒すべき存在であると認識にしたに違いない。
これは神浜を、ひいては世界を守るための戦い。鏡の魔女を滅ぼす戦い。
紛れもない事実であり、それが変わることはない。相手が人類を滅ぼそうとし、それを倒すことで止めるのだから。
だが……それよりも友人の大切な存在を取り戻すための戦いのほうが身近で、どうしてかより強く確かなものに感じた。
自分たち魔法少女の多くは自分やそれに近いものを想い、願い、契約をした。それに共感するのも考えてみれば当然のことだ。自分にとってはこの戦い、八雲のためにもなる。
そうだ、あの時……更紗帆奈が事件を起こしたときも、自分たちはこうして集い、君の話を聞いた。
君はリーダーではない。誰かを導くために声をかけたわけではないのだろう。
だからこれは、自分も皆も、当たり前のことをするだけ。困っている者を見逃せない……君もそうだったのだろう?
自分たちの意見は、最初から決まっていた。
「行くぞ、君の友人を救いにな」
■今回の内容
第二部第12章『結ぶ永久の彩り』
■第12章
モキュ狙撃が起きておらず、∞いろはちゃんの出現をせなみこが見ていないので色々と違う。
鏡の魔女特有の即死攻撃も魔法少女の数が多すぎるので分が悪く、スマホの悪夢もないので有効打がなかなかない。だいたいスマホのせい。
■本来の第12章前編
魔法少女全滅! 鏡の魔女は怪物だった!
そんな感じのストーリー。悪夢を見ている魔法少女たちの名前が画面いっぱいに表示され、タップするごとに消えていく演出が入る。そしてそれ以外の魔法少女たちも力尽き……。
■せなみこ
登場が遅く特に関連キャラがいないので最終章になっても「そもそも何者ですか」と言われたりする。
しかし今回は情報フルオープン。対策も万全。もう隠れられねぇぞ!
■神浜の状況
本来外に出るはずのないコピーが出てきて大混乱!
のはずが、なぜか後日談でやってしまったので対応が手慣れている。神浜全域の事件ももはやなんのその。テレパシー連絡網とワープ系固有魔法で各地に対応し、怪我人が出れば医療班がごとき治癒系魔法少女が待っている。
■鏡の魔女戦
メインだが殲滅型イベント形式。最大25人の魔法少女で挑むことになるので実際に25人選出。
ここまでのストーリーはアシュリーなどが問答無用で薙ぎ払っていくが、ここは難易度が本当に高く、後に難易度が緩和された。