マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート   作:みみずくやしき

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パート14 CROSS CONNECTION 後編

 剣を弾いたのは、橙色の髪をした魔法少女だった。

 それだけじゃない。その隙に帆秋さんを下がらせたのはまた違う魔法少女。金髪でサイドテールの子。

 

「このみ!? それに観鳥まで!」

「かえでちゃんとかこちゃんからいつも以上に変だって聞いたの。だから……」

「こうして観鳥さんといそうな所を探してたわけ。こうなってるとは思わなかったけど」

 

 二人は帆秋さんの知り合いみたいで、守るようにスズネの前に立ちはだかっている。その隙にさっき手に入れたグリーフシードを使った私もそこに並ぶ。

 

 そこまで来て、このみと呼ばれた子の状態に気づいた。……足が震えてる。大きな鋏を持つ手だって、さっきの防御で痺れたのか今にも手放しそうだ。でも、その顔はそんな恐怖を感じていないみたいに鋭い視線をスズネに向けていた。

 

「……四対一だよ。分が悪いと思うけど?」

「いいから早く逃げなさい!」

 

 帆秋さんが叫んだ理由は私にもわかる。さっきまであんなに苦戦してたんだ。正直、四人でもギリギリだと思う。けどその声はもっと悪いなにかを知っているみたいに切羽詰まったもので、すぐにその意味を知ることになった。

 

 スズネが、消えた。

 姿が見えなければ気配もない。私はこれに似た魔法を知っている。まさらが得意なこの戦法は、まさか――!

 背後を振り返ったときにはもう遅かった。普段から見慣れている私だからどこから来るかを察することができたんだ。無防備な観鳥という子の背後から、串刺しにしようと刃が迫っていた。

 

「観鳥! ぐっ、あああっ!」

「っ! 今の、どこから!?」

 

 近くにいた帆秋さんが観鳥さんを突き飛ばしてなんとか最悪の事態は免れた。代わりに帆秋さんが脇腹を抉られるという結果を伴って。

 

 追撃が来ることもなく、また姿が消えた。やっぱりこれはまさらと同じ『透明化』……!

 

 私たちは怪我した帆秋さんを中心に、それぞれの背中を守るように囲んだ。これなら背後からの奇襲は防げる。

 ……でも、私はまさらの攻撃を正面から防ぎきれる? ましてや炎まで混じってきたら?

 

 嫌な空気が流れる。どこから来るかわからない恐怖と、いつ来るかわからない焦燥がじりじりと押し寄せてくる。

 風が吹く。雲が流れる。それぞれの呼吸音が大きく聞こえる。

 

 口火を切ったのは、スズネじゃなかった。

 

「――観鳥ッ! 地面を撃って撮れ!」

「わかった!」

 

 急なその指示に観鳥さんは躊躇いもせずに、バズーカでコンクリートの地面を破裂させた。そしてすぐにカメラに持ち替えてシャッターを光らせる。

 

「見つけた……! 止まれ!」

 

 煙と光が影響を及ぼしたのか、一瞬だけ姿がブレたようなスズネが見えた。その姿はすぐにその場に固定されて身動き一つしない。

 見えない驚異が遠ざけられても安堵の息を吐く余裕がない。代償に帆秋さんのソウルジェムがみるみる濁っていく。焦ったこのみさんがグリーフシードを使ってもすぐに濁り始めるそれは、どれだけの魔力を消費しているか見当もつかない。

 

「長く持たない! 今のうちに行って!」

「っ……イヤ……私に守らせてよ……!」

「なんでそこまで……!」

「失いたくないからに決まってるでしょ!?」

 

 問答してる時間はない。今だってあの人の固有魔法で止めてるだけでいつ動き出すかわからないんだ。……私だって、置いて行きたくなんてない。

 私たちだけじゃこの状況を変えることができない。もう一手、スズネを追い詰める切り札がいる。

 

 だから、お願い――まさら!

 

「――こころ!」

 

 白銀の髪をなびかせて降り立つ彼女。所々透明な、白と青の衣装にダガーを構えるその姿は、まさしく私が待ち望んでいたものだった。

 でも、その表情は今までに見たことがないほど怒気を含んでいた。

 

「……魔女に邪魔されてた。もう大丈夫だから」

 

 帆秋さんの限界が来たのかスズネが動き出す。また攻撃が来ると思って身構えた。

 けれど、ダガーを構えたまさらに視線を動かしたかと思えばその場から後退していった。

 

 ……助かった、のかな。

 でもまだ動けない。まさらが周囲を見てくれているけど、さっきまでの恐怖が一気に押し寄せてきて思わず地面に座り込んじゃった。

 

 どうにか動けるようになったのは、戻ってきたまさらが帆秋さんにグリーフシードを使ってからだった。

 あのスズネって子、危険すぎる。なんで狙うのかもわからないけどこのままじゃ神浜が大変なことになる。今日のところは帰宅することになったけど、明日には集まって対策を考えることになった。

 私はまさらに、帆秋さんは観鳥さんとこのみさんに付き添われて、家路につくのだった。

 

「どうしたの観鳥。猫でもいた?」

「……いや、なんでもないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――と、いうこと。私たちが最後に見たのはその場所よ」

 

 その報告を受けたのは、帆秋さんが緊急の用があるということで開かれた会合でのことでした。

 ですが、あまりに急なものだったので集まれたのは私、美雨さん、葉月さんのみ。そして帆秋さんが連れてきたこのみさんと観鳥さん。それと……『粟根 こころ』と『加賀見 まさら』のお二方。

 

「ななかさん……でしたよね。私からもお願いします。どうかあの子を止めるのに力を貸してください」

 

 こころさんが私にそう告げる。

 この話が狂言である可能性は限りなく低い。そうする理由もないし、なにより私の固有魔法がこの方たちに反応していない。『敵』ではないと言い切れる。

 

 それにこの『スズネ』という人物……明らかに魔法少女に害そうとしている。帆秋さんの首を執拗に狙っていたと聞きましたが、それは人体の急所だからという理由ではないでしょう。

 変身時、帆秋さんの首にあるのはチョーカーの装飾のように付いたソウルジェム。そしてソウルジェムは――私たち魔法少女の命そのもの。彼女も知っているのでしょう。いくら肉体を損傷させたところで、それを壊さない限りは無事だと。

 

 断る理由もなく、協力を承諾した後、問題になったのはその対処法でした。

 

「その姿を消すやつはアタシなら見破れるかもしれないけど、その後だよねー……」

「……直接戦うのは危険だと思います。あの人、本当に強いんです」

 

 このみさんの言葉には怯えが混じっていました。直接刃を交えた面々が言うのであれば、そうなのでしょう。特に帆秋さんの速度に対応できるということはかなりの手練れ。

 捕縛すれば凶行に及ぶ理由を聞き出せるかもしれませんが、成功させるために数人が犠牲になる可能性がある以上それは認められません。

 殺し合いなんてもってのほか。ならば、追い出すのみ。

 

「みなさん、私の策に乗っていただけますか」

「……その様子だと、随分自信があるみたいだね」

 

 観鳥さんの言葉に頷き、その内容を話す――

 

 

「――この作戦は美雨さん、あなたが頼りです」

「……承知ネ。あとはスズネの場所を特定しないといけないヨ」

 

 話を聞く限りスズネは市外の魔法少女。どこかに拠点があるか、交通機関で神浜に来ているはず。また同じように魔法少女を狙っているのなら結界を探せば見つかるはずですが、それでは偶然に頼るしかない。

 手分けして……というわけにもいきません。単独で見つけた場合が危険すぎる。

 

「……相談所よ。事前に神浜を調べているならあそこの噂を聞いててもおかしくない」

「待つヨ。あきらは確か相談所に用事があるからと言ってなかったカ?」

「私が向かいます。人前では襲ってこないでしょう。それに出会えれば私の固有魔法で判断できますから」

 

 なるべく早く行ったほうが良い。……あのあきらさんです。下手なトラブルで巻き込まれるかもしれません。

 誰かについてきてもらうことを提案する前に、一人で行かせるわけにはいかないと言って同行してくださったのが葉月さんでした。

 

「先ほどは助かりました。私一人ではお二方を説得できませんでしたから」

「またまた~、アタシがいなくてもなんとかしましたよね?」

 

 作戦を話したとき、その内容――『帆秋さんを囮にする』というものに反発されるとは想定できていました。観鳥さんとは随分と仲が良いと聞いていましたし、このみさんのことは、葉月さんたちの一件で十分に理解しています。

 聞いた話ではスズネは他の方よりも帆秋さんを狙ってきていた。であれば、姿を見せれば誘いに乗る可能性が高い。本人も自覚していたらしく、真っ先に賛成したのが彼女でした。

 

 だからかもしれません。観鳥さんが飄々としたイメージを崩した怒りを見せ、このみさんが泣き出してしまった。正直に申せば、そこまで心の比重を占めていることを読めなかった私のミスです。

 私としても危険な行為は避けるべきだと考えています。しかし、偶然という幸運に頼らずに、確実にこの先の神浜で起こりうる不幸を取り除くにはこれが最適だと思っていたのです。

 

 美雨さんとまさらさんが静観し、帆秋さんとこころさんが止めようとする中、場の空気を変えてくれたのが葉月さんです。

 一度話題をリセットし、感情に訴えるわけでも理論に偏りすぎているわけでもない手法で、最終的に『こころさんとまさらさんも連れて行く』という妥協の着地点へ導くその手口。私の考えを理解して導いてくれた手際には見事と言うほかありません。

 

 そうして相談所が近づいてくると、遠目にあきらさんの姿が見えました。また今日も途中で誰かの世話を焼いているようで、見たことのない人物を連れています。

 ですが、この感覚は。

 

「……葉月さん、ここで待っていてください。それと連絡を」

 

 私の魔法が反応している。あの人物は『敵』だ。私たちを害する害だ。排除すべき敵意を持っていると脳裏に痛いくらいに示し続けてくる。

 直感が示す。アレこそ『スズネ』だと。今はあきらさんに笑顔を向けていますが、あれは私と同じもの。表には出せない意思を隠し持っている。

 

「あ、ななか。やっぱりボクも行ったほうが良かった?」

「いえいえ、特に重要なことでありませんでしたから」

「そっかぁ、帆――」

「ところでそちらは?」

 

 そう問うとスズネは「どうも」とだけ答えて言葉に迷っているようでした。となれば、あきらさんのことですから助け舟を出します。

 そして確かに教えてくれました。彼女は『天乃 スズネ』だと。

 

「……あなたは?」

「常盤ななかと申します」

 

 鋭い視線がぶつかる。警戒されている。

 

 あきらさんが言うには、近くで怪我をして立ち眩みもあったから相談所で休んだらどうかと声をかけたとのこと。それが嘘かどうかはこの際いいでしょう。

 あくまで自然にどこから来たのか、学校はどこか、なにをするつもりなのかといくつか問い詰める。そのどれにも曖昧な返事を返してきて、かなりの時間をかけたからか、もう調子が戻ったからと彼女は去っていきました。

 やはり、詮索されたくないのですね。情報を流されたくないと言い換えてもいいでしょう。

 

「ちょ、ちょっと! どうしたんだよ、そんな聞き方して!」

「……お怪我がなくて何よりです。事情を説明しますのでこちらへ」

 

 葉月さんと共に説明をすると、どうにも信じられない様子でした。どうしても理由を聞きたいと言うその優しい姿、それこそがあきらさんの長所なのですが、人を信じすぎる危うさもある。

 自分も囮になると言ってくれましたが、手の内を知っている帆秋さんの方が適任です。もしもスズネと私たちを繋ぐ線があきらさんしかなければ、本人の希望を尊重したかもしれませんが……。

 

 そこまで話したところで、こころさんから念話が届きました。曰く、葉月さんから連絡を受けてスズネを尾行していたまさらさんから、結界に近づいたと報告が来たようで。

 

 ……少し早いですがいいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 身を潜めた陰から様子を伺う。

 人通りのない裏路地で、スズネと帆秋さんが向かい合っていた。

 

「見つけた。今度はケリをつける」

「……帆秋くれは」

 

 互いに口数が少ないゆえにそれで戦闘は始まりました。

 カトラスと剣がぶつかり合う。聞いていた通り、カトラスはたった一度のぶつかり合いで壊れてしまっていた。

 両者共に昨夜動きを見ているからか、その差は歴然。有利な状態を維持し続けるスズネと押し込まれる帆秋さん。どちらが優勢かは一目瞭然でした。

 

(ななか、これはマズいネ。あまり持ちそうにないヨ)

(……そうですね。では、こころさん、まさらさん。お願いします)

 

 念話での返事と共にまずこころさんがその場に乱入する。ここまではまだ再現。

 こころさんが入ることで少しは持ち直しますが、すぐに旗色が悪くなる。次にまさらさんが姿を現して攻撃を仕掛けて――私が飛び出す。

 

「やっぱり、常盤ななか……!」

 

 速い。直に刀を向けてそれを実感する。

 振るう一閃がことごとく避けられるか防がれる。囲まれて不利だと悟れば即座に姿を消して奇襲を仕掛けてくる。距離が離れれば炎の剣を飛ばす。一手一手が鋭く、魔法が対人戦用へと昇華されている。

 ……なるほど、これは魔女よりも手強い。どれほど実践を繰り返せばこのような太刀筋となるのでしょう。全力を尽くせば勝てない戦いではないでしょうが……それではいけない。

 

(……美雨さん、お願いします)

(わかったネ)

 

 

 

 

 

 

 

 合図の後、一瞬の隙を狙って炎が飛来する。

 ……これ自体は目眩し。本命は次! 隠されて振るわれた剣を弾くのではなく、鞘で受け流す。その勢いで速度を付けた一撃を腕に放つ!

 

「……っ!」

 

 片腕を持っていける算段でしたが、炎の衝撃で無理やり体勢を変えて避けられました。咄嗟の判断力まであるとはますます厄介です。

 

 そしてまた姿を消す。こちらにもまさらさんがいますが、透明化を無効にできるわけではない。位置を予測して直感で攻撃を防ぐしかありません。

 

 奇襲を防ぐ。反撃する。また消える。その攻防が続く。拮抗が崩れたのは、こちらの一人が崩れ落ちたからでした。

 

 帆秋さんがその場に倒れこんだ。あの様子ではもう魔力が限界……!

 その姿を見た私たちは各々行動を変えました。こころさんは近寄り、まさらさんはスズネを妨害しようとする。私もそこに駆ける。

 

 それでも好機と見たスズネの一撃にはあまりにも遠く、炎熱を保持した刃がその身を輝かせ――赤紫のソウルジェムが、砕かれた。

 

「な、帆秋、さん……っ!?」

「う、嘘……!」

 

 その意味はわかっている。変身が解けて赤く染まった地に倒れ伏すその姿が示している。

 ……それは魔法少女の死だ。肉体的にも首を切られて致命傷。二度と動くことはない。

 

 それからは、あまりにもあっけないものでした。

 

「そんな……なんで……!」

 

 取り乱して無防備になったこころさんにスズネが接近し、それを庇おうとしてまさらさんがやられた。その結末を見てしまったこころさんもその場から動けずに、ソウルジェムを砕かれた。

 

 そして私に一瞬で距離を詰めたスズネは剣を振りかざして。

 

「……さようなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……と、いう具合に去っていったかと思います」

 

 私とまさらさんが攻撃を仕掛けた後、合図と共に発動された美雨さんの『偽装』によりスズネはこの場を離れていった。これは単純な幻惑などではなく、事実として刻まれる強力な魔法。スズネの中では私たちは死んだことになっている。

 

 帆秋さんが単独で来て、それをこころさんが助けに入った……というのは見せかけで、まさらさんと私による奇襲が本命……と、思わせる。全ては美雨さんの『偽装』の条件が整うまでの時間稼ぎ。

 

「……本当に大丈夫なの?」

「ええ、昨夜の再現です。助けが入らなければ確実に殺していた……その認識を利用します。帆秋さんがお二方に逃げるように諭していたのも好都合です。一人で来ても不自然ではありません」

 

 重要なのは惨劇までの過程が自然であること。それゆえある程度戦闘をして魔力を消耗したという事実を見せつけた。

 

「本当は四人での奇襲。でも返り討ち……って自分で言っててもなんか……」

「気分が悪いわね。そしてそれを知ったあの二人がなりふり構わず捜索を始めた……でいいのよね」

「はい。一度広がった情報を隠蔽するのは困難で、もはやその二人を狙おうと止められない。ならば取る手段は……神浜を離れることです。狙っていた帆秋さんを殺害した以上、この街にこだわる必要もないでしょう」

「その情報、観鳥とこのみが流したの?」

「……帆秋、聞いてなかったのカ? 『蒼海幣』ヨ。よく知ってると思うけど、南凪区で活動してる組合というか青年団みたいなものネ。SNSの拡散はこっちでやるヨ」

 

 美雨さんの言う通り、既にSNS上では行方不明者として彼女の捜索が始まっている。スズネの写真自体は観鳥さんが撮っていたからそれを利用しただけ。大衆の目による包囲網が出来上がりつある。

 

「それで少しだけ穴を作って神浜から逃す……でも、この手のヤツは他の場所で同じことやるヨ。もう一度聞くネ……これで良かったのカ?」

 

 美雨さんのその問いに私は頷いた。

 ここで止めることができるのであればそれが最善なのでしょう。ですが……そのために何人の仲間を犠牲にすればいいのでしょうか。

 

 私たちは魔法少女でありながらおとぎ話に出てくるような完全無欠の存在ではありません。伸ばせる手には限界があって、守れるものは有限。ならば、いくら非情と言われようと私は仲間を守ります。それで見知らぬ誰かが傷つくとしても。

 

 今回は追い返せる条件が整っていただけ重畳でした。

 特に助かったのは帆秋さんの『停止』。あれで魔力の反応だけを止めたおかげで美雨さんが『偽装』の発動可能距離まで安全に近づけたのですから。

 

「すごい疲れたわ。ほんと、これ以上増えなくてよかった。二人も隠すなんて」

「……ボクも直接見てわかったよ。アレは本気だった」

 

 実のところ、美雨さんの護衛兼失敗時の離脱支援のためにあきらさんにも来てもらっていました。その目で見なければ納得もしてもらえないでしょうから。

 

 しかし、魔法少女を襲う魔法少女……昏倒事件のように魔法少女を狙った事件。これもまた、『飛蝗』のような災厄なのでしょうか。

 無事に追い返せたことを確認するまではまだ気を抜けませんが、ひとまず私たちは姿を隠すことにしたのでした。

 

 

 

 

 

 ……それと、帆秋さん。以前から薄々とは思っていましたが、今回の一件で確信しました。あなたはソウルジェムの真実を知っているのでしょう?

 

 けれど、そこまで身を捨てられる戦い方……一体なにがあなたを突き動かしているのですか。

 全てを救えるわけではないのです。私も、そして……あなたも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リセットの危機が迫るRTA、はーじまーるよー。

 

 生きてるー! アーッハッハッハッハッハ! 防いでくれたー! ハッハッハッハ! 生きてるぅー! 防げたーハッハッ生きてる! ハッハッ! あー生きてるよ!

 

 おうまさら遅い……このみィ!? あと観鳥さん! 観鳥さんじゃないか!

 これはピンチだと信頼度が高いキャラが助けてくれるお助けイベントですね。無駄に上がりまくっているこのみちゃんと次点で高い観鳥さんが来てくれました。良かったあ~ブロッサムで働いてて。ガバの功名じゃないか!

 

 いやよく考えたらダメです。このみちゃんと観鳥さんじゃ鈴音に太刀打ちできません。むしろ余計な被害が出ます。やっぱりガバじゃないか(呆れ)。

 

 このみちゃんがやられるとかえでちゃんとかこちゃんに影響を及ぼします。かえでちゃんの場合は今後のメインストーリーに多大なダメージを与えることになり、かこちゃんの場合はそもそもこの『CROSS CONNECTION』が失敗する可能性まであります。

 

 観鳥さんは……みゃーこ先輩のソウルジェムが濁るでしょうねぇ、ええ(不満)。それと巡り巡ってマギウスの翼が大幅強化される恐れまであります。このみちゃんよりかはマシですが避けたほうがいいです。

 

 つまりどちらにせよ死守しなければいけません。馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!(天下無双)

 というわけで、三人を守りつつ鈴音を撤退させるわけですが……。

 

 

 

 ああああああああ!!!! 鈴音さん許して! タイム壊れちゃ~う!

 ちくしょう! 帆秋ちゃんがみんなを守るから、誰かチャートを守ってくれ!(自業自得)

 

 最悪の場合リセットする覚悟(判断が早い走者の鑑)だったのでむしろ悪化してる気がしますね。ですがこの後ノーミスならお釣りがくるので続行します。

 

 鈴音! 四人に勝てるわけないだろ! 大人しくしろ!

 

 さすがに正面からは来ませんね。消えられました。これは……『陽炎』じゃな? 見えねぇってのは怖えなあ……完全な初見殺しですね。姿も気配も消えていますが、今もこちらを狙っているはずです。高確率で背後からの奇襲が来るので防ぎましょう。

 

「っ! 今の、どこから!?」

 

 このように帆秋ちゃんを盾に初撃さえ防げれば互いに背後を守ってくれるので多少はマシになります。

 では三人に囲まれてる間に回復しておきましょう。……こんなことならモブ魔法少女にグリーフシード渡さなきゃ良かったぜ!

 

 この『陽炎』ですが、名前の通り光の屈折で姿を消しています。魔法的な力なので普通の陽炎とは色々違いますがどうにかしましょう。

 まずはせっかく観鳥さんがいるので地面を撃ってもらいます。これに当たればよし、衝撃で屈折をミスればよし、距離を離してもらえればよしの良いことづくめです。

 うまくいけば、このタイミングでカメラを使うことで別の光を与えて一瞬だけ解除できます。『シャッターチャンスを逃さない』はこういう場面でも働いてくれるので結構効きますね。

 

 見えたので全力の『停止』で止めます。マジで全部です。手足だけ止めても『炎舞』とかいう出し得技が飛んでくる可能性があります。というかここまでやれば鈴音ちゃんも撤退してくれるやろ……撤退してくださいお願いしますリセットは勘弁してくださああああああああ!!

 

「……魔女に邪魔されてた。もう大丈夫だから」

 

 あ、やっと……まさらが来てくれたんやなって……。まさら is God。

 

 いくら鈴音でもここまでの消耗に加えてまさらの登場で撤退します。じゃあな!

 なんとか襲撃を退けましたね。なんだあの戦闘力チートか?

 

 

 

 

 

 

 

 生きてる証拠だよ(挨拶)。

 

 初戦をなんとか突破できたので、さっそく鈴音を神浜から追い出します。あんなことがあった翌日ですが即動きましょう。こいつすげえ精神してるぜ?

 ちなみに帆秋ちゃんは健康体なので体力の自動回復効果が少し高いです。やっぱり……規則正しい生活は大事なんやなって……。

 

 

 協力を頼む相手は当然ななか組です。このイベント、ななか組が生存していれば高確率で鈴音を撃退できます。ですが、呼び込むためにはななか組の誰かが狙われる、もしくはななか組長が鈴音と遭遇するなどの運が絡みます。

 ここでアザレアイベントに参加して以降、時折連絡を取り合っていた意味が出てきます。この連絡ルートを使えばななか組、アザレア組に協力要請が簡単にできるんですね。

 

 話し合いでは帆秋ちゃんが全部説明すればあとはななか組長がなんとかしてくれます。ただし、来てくれなかったあきらとかこちゃんへの説明だけは組長が言わなくてもやりましょう。かこちゃんの絵本探しの目の前で血みどろの戦いが始まったら、追い出しが失敗する可能性があります。

 

 では説明も終わったのでかこちゃんに連絡を入れて……出ませんね。仕方がないので直接出向きます。公衆の面前では襲ってこないので安全です。でももしエンカウントしたらリセットです。

 

 あ、別に観鳥さんとこのみちゃんは付いてこなくていいんですよ。付いて……来てますね。あのさぁ……。

 

 仕方ないので三人組で夏目書房に到着です。

 おうやってるかい! かこちゃんはいますね。それと青とピンクの二人組がいます。

 

「あっ、帆秋さん!」

「……誰、その人?」

「あのクールな人……かな」

 

 あの二人は表ルートをやる場合に協力する『成見(なるみ) 亜里紗(ありさ)』と『詩音(しおん) 千里(ちさと)』です。千里の固有魔法は『魔法効果の解除』というとんでもないもので、期間限定ですがあらゆる魔法少女に対応できます。ですが信頼度を上げる余裕がないので使いません。

 

 彼女らは千里の父親が描いた絵本を探しに神浜に来ています。これを軸にしたストーリーが繰り広げられますが、今はそんなことをしている場合ではありません。こうして会うことで参加もできますが当然スルーです。

 かこちゃんにしばらく連絡を取らないように伝えたら即帰ります。頑張れよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「帆秋くれは……」

 

 いや~怖いっす……。

 追い出しのためにはこうしてもう一度鈴音と戦うことになります。しかし今回は最初からその辺に助けがいますし、時間まで耐えればいいだけなので楽です。

 

 この作戦の最大の鍵は美雨の固有魔法である『偽装』です。こいつは事実を偽装するという超チート固有魔法です。ただし発動には関わる人物や物が美雨の近くになければならず、あまりにも現実とかけ離れていると効きません。

 そのため『停止』で美雨を対魔法少女ステルス状態にして忍ばせておきます。あとは一番狙われている帆秋ちゃんを排除したと『偽装』して、神浜に鈴音の情報をばらまいてやれば帰ってくれます。

 

 大体はあきらが鈴音を引き付ける役をやろうとしますが、ソウルジェムの位置からして危険なのでどちらにせよ帆秋ちゃんがやります。本当は一人でいいんですが、今回はこころちゃん、まさら、組長まで追加で四人でやることになっちゃいましたね。(任せてもらえないとは)未熟です……。

 

 

 ではもう一度、『魔法少女 天乃鈴音』戦です。ご存知かと思いますが、帆秋ちゃんじゃ無理です。とっととダメージを受けてイベントを発生させます。

 

 するとこころちゃんが来てくれます。でもまだ終わりではありません。

 更に加速させるために、こころちゃんの分まで攻撃を受けましょう。まさらとななか組長が来てくれたらもうすぐです。

 

 はいここ! ここです! やれェ美雨! 

 ヨシ! 鈴音が急に止まって帰りました。こりゃいい画撮れてますよ! 生のこの……格上を騙した感覚が、いいじゃないですか。

 

 ちなみにこの鈴音は撃破、捕縛の他に固有魔法の『舞台演出』でも撤退させることが可能です。しかし美雨ほど安定性がなく、蒼海幇のサポートもないのでこのチャートでは採用しておりません。

 

 恐ろしいイベントでしたがなんとか乗り切りましたね。

 後は全部組長に任せて終わりっ! もう鈴音はこりごりなので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 




■今回の内容
 『CROSS CONNECTION』

■加賀見 まさら
 残念ではない真のクール系魔法少女。神浜のアサシン。
 気配を悟られずに鈴音を撤退に追い込むレベルで強い。

■成見 亜里紗
 ホオズキ市の魔法少女。魔法少女になる前は気弱。
 属性がダークだったりその辺があやかに似ている。

■詩音 千里
 ホオズキ市の魔法少女その2。衣装がとんでもない。
 マミさんより退場が早い。

■『偽装』
 条件が厳しい代わりに効果がチート。
 『停止』くんも見習わないとあかんのちゃうか?

■常盤ななかと申します
 「お前のことは知っているぞ」の意。
 笑顔が怖い。語尾に「~」が付くときもある。

■帆秋ちゃん
 格上対人戦激弱魔法少女。命とタイムが超ピンチだった。
 死ななきゃヘーキヘーキ、記録欲しいでしょ?




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