マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート   作:みみずくやしき

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パート22 Rumors in Disguise 後編

 

 ありえない。

 

「あ、ああ……!」

 

 だって、その怪物は確かにくれはさんと繋がっているんだ。

 まるで臍帯のように釣鐘から伸びるツタがそれを証明している。魔力か、生命か、それとも心が全部吸い取られているみたいだった。

 

 羽根から伸びるツタが別の釣鐘を振り回す。人の何倍も大きいそれは、くれはさんを掴んでいるキリサキさんを易々と吹き飛ばした。

 立ち上がって逃げようとするけど、釣鐘の怪物は鳴音をけたたましく広げて突撃する。動かないくれはさんを引きずって獲物を追い詰めるように。

 そこには魔法少女なんていない。ただ、怪物が人の姿をした怪異を狩ろうとしているだけ。

 

 私はただ立ち尽くしていた。構えた鋏と一緒に心まで地面に落としてしまった。

 魔法なんて現実離れしてるけど、だったら目の前で起きていることも現実だって言うのかな。

 

 鐘が激突する音と怪物が響かせる音が全てを震わせる。そう、きっとそう。だから、私はその最悪を恐れて震えているわけじゃない。

 

 結界のような空間が消える。一瞬見えたのは、キリサキさんが攻撃の隙間からギリギリで逃げる姿だった。

 けれど、悪夢はそこにいる。

 

「ひっ、イヤ……やだ……!」

 

 どこにも目がない釣鐘が私を見て、ツタをうねらせて凶器を振り回し始める。ボロボロで傷だらけのくれはさんは動かない。それが、終わりを告げている。

 

 あの優しかった姿。頼れる姿。守ってくれた姿。

 全てがあの怪物に砕かれてしまった。

 

 音が近づく。風が髪を揺らす。

 

 

「――と、まれ……!」

 

 風が止まる。音が止まる。

 釣鐘が下を見て、空中で不自然に動かなくなったツタ諸共消える。……だけどくれはさんはその一言を最後に、また動かなくなった。

 

 震える足でゆっくりと近づいて顔を寄せてみると、呼吸も脈もあった。ソウルジェムだって嘘みたいに輝いてる。

 

「良かった、良かったよぉ……生きてる……」

 

 見たことのない恐怖と無事だったという安堵感が一気に押し寄せてきて、涙が止まらない。

 だけど泣いてるわけにいかない。くれはさんをこのままにしておけないんだ。

 

 ……多分、ソウルジェムの調整をしてくれるみたまさんならなにか知ってる。浄化をしてないのに穢れが消えたことがきっと関係してる気がしたから。

 

 けれど調整屋までは遠いし私一人じゃ連れていけない。あいみちゃんたちを待って、くれはさんの容態が悪化したらなんて考えたくもない。

 だから、ここに走ってくる足音が聞こえた時は安心したけど、それが正しかったかどうかはわからない。

 

「お、おい帆秋!」

「……は?」

 

 そうだよね。考えてみればそうなるってわかったはず。

 だってここは参京区。水徳商店街が近いってことは、相談所も近いってこと。じゃあ誰がそこにいて、一番最初に駆けつけてくるのは。

 

「くれは……なんで、倒れてるの?」

 

 帆奈ちゃんと、引っ張られることになるひなのさんだ。

 駆け寄って来た二人の顔を見ることはできなかった。だって、私でさえこんなに苦しいのにくれはさんにより近い人はなんて思うのか想像さえできない。

 

「う、嘘だよね? 起きてよ……あんたまで死んだらあたしは――」

「……生きてはいる。ソウルジェムだって無事だ」

 

 帆奈ちゃんの声には嗚咽が混じっていて、手は縋り付くように触れている。あまりにも悲痛な姿だった。

 それに対して、ひなのさんの声は暗くも落ち着いていた。私だって、年上なんだ。ひなのさんのようにちゃんとしないと。

 

 だから調整屋に連れて行くことを提案したらひなのさんは頷いてくれた。帆奈ちゃんの返事はなかったけど、すぐにあいみちゃんや相談所にいた人たちが来て聞く暇もない。

 ……調整屋に行く間、帆奈ちゃんがくれはさんから離れることはなかった。

 

 

 

 

 

「……無事なの?」

「ええ、ただ気絶してるだけよ~」

 

 調整屋には全員で来たわけじゃない。来た人の何人かも調査に行くみたいで、残ったのは私とひなのさん、帆奈ちゃんの三人だけだった。

 

 くれはさんの身体にはなんの問題もないってみたまさんが言うように、ベッドで横たわる姿はただ眠っているだけに見える。傷だって魔力で回復させたから大丈夫、のはず。

 でもあの光景がまだ焼き付いている。あれは一体なんだったのかわかるはずもないのに何度も思い出してしまう。

 

 みたまさんは、少しだけ知ってることがあるから起きたら話すと言っていた。

 だから私たちには待つことしかできない。その静寂に一番耐えられなかったのは、やっぱり彼女だったの。

 

「春名このみ……っ!」

 

 帆奈ちゃんは、私の襟首を掴んで言った。

 

「すぐ側にいて、このザマなわけ!? あんたはくれはを止めるにはやっぱり力不足だよ……! 任せてもいいかななんて思ったあたしがバカだった!」

 

 ひなのさんが止めに入るけど私は言われるがままに受け入れる。

 だって、事実だもの。

 

 最初に狙われたのは私だった。キリサキさんの手を剥がせなかった。逃げる覚悟もなかった。説得することもできなかった。攻撃を受けてしまった。すぐに腕を切ることができなかった。悲しませた。くれはさんを、止められなかった。

 

 あの怪物が迫ってきた時も頼っていた。ただただ怯えて震えるだけの私をくれはさんがいつものように助けてくれるんじゃないかって心のどこかで思ってたんだ。

 

 なんて浅ましくて、弱々しい。

 

「……ごめんなさい」

「謝ってそれで終わる話!?」

「帆奈落ち着け! そこ座れ!」

「……そうよ、帆奈」

 

 それは聞き慣れた声。ひょっとしたらもう感じることができなかったかもしれない音だった。

 

 ああ、だけど。

 その姿に手を伸ばす資格は私にはない。飛びつく帆奈ちゃんを眺めることさえ、罪悪感がある。

 

「くれはぁ! あたしがどれだけ心配したと思って……!」

「悪かったわね」

「お前もう少し深刻そうに言え……」

 

 どうしてあなたは変わらないのだろう。

 そこにいたのはいつもの姿でどうしても届かない。……私が強ければ、そこに並べたのかな。

 

 

 起きたことを伝えられたみたまさんが言ったのは、『ドッペル』という現象のことだった。

 ひなのさんですら知らないそれを起こして調整屋に来る子は意外と多いらしい。噂話として広まっていないのは、その重大さから閉じた輪の中で止まってるからだって。

 

 魔女のような化け物が出てくるけど害はなく、グリーフシードを使わずにソウルジェムが浄化される利点もある。それ以上は知らないみたいで、「だからって無茶しちゃダメよ?」とくれはさんに言ったら他の魔法少女の調整をしに行ってしまった。

 

 そしてその場で決まったのは、ドッペルのことはみんなにはまだ言わないでおくということ。

 危険だってこともあるけど、この話が広まって試すような人が増えたら私が感じたことを味わう子がきっと出てきちゃうから。そんなの私だけでいい。

 

 しばらくはくれはさんと帆奈ちゃんを二人きりにしてあげよう、とみたまさんにソウルジェムを渡したひなのさんはキリサキさんの調査に行くみたい。

 調整屋から逃げるようにそれに付いていったけど、すぐにブロッサムを理由にして離れた。

 

 今の私には戦うことも調べることもできない。いつものように大好きなお花に触れることだけが平穏を教えてくれるようだった。

 

 ただ、こんなに痛いものじゃなかったはず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キリサキさんを追い詰めたのは、あいみがくれた情報だった。使い魔みたいなのが広めてたその噂話にヒントがあったんだ。

 

『ね、夏希もそう思うでしょ? この噂話――』

 

 次に遭遇したキリサキさんの姿はチサトさん。だからみんなで言ったんだ。「お名前教えてくださいな」に対応するその言葉を。

 

「貴方の名前は……詩音チサト! ……お願い、これで……!」

「……私は、チサト」

 

 キリサキさんの反応がおかしい。急に動きを止めたかと思ったら、解き放つように本物のチサトさんが現れた。気絶しているけど無事みたい。

 

「あいみ、これってやっぱり!」

「うん! 間違いない、どんどん言っちゃおう!」

 

 結界みたいな空間に包まれたけどキリサキさんは動かない。だけど出口みたいなところが全部シャッターで閉じられていく。……あっちも逃す気はないってことだよね。だったら、この手段でみんなを助けて全部解決する!

 

 次の姿は常盤ななかさん。参京院の有名人だから私だって知っている。それにかのこもあきらも言える。だけど、あきらのチームメイトだったことは覚えてる青い人の名前がどうしても出てこない。

 この頃にはキリサキさんも抵抗し始めていて、助けた人たちを守りながら助けるのは難しいように思えたんだ。でも。

 

「大丈夫、任せて! あなたは昏倒事件の時に一緒だった純美雨さん!」

 

 あいみがバッチリ覚えてくれていた!

 これで最後だったみたいで、キリサキさんは黒い霧から姿を変えない。じゃあアレがハルカさんの言っていた。

 

『この話……響くのは『スズノネ』で、無くしたモノを響かせているってことは探しているのは……』

『――』

『あ、それっぽい!』

 

 そう『スズノネ』!

 

 ……あれ? 

 

 なにか引っかかる。ここに来たのは私、あいみ、ハルカさん、アリサさん、マツリちゃんの五人……だったよね。それで良かったはず。なにも、おかしくない。

 

 だから、名前を告げて結界が消えた後に響いた鈴の音は気のせいだったんだ。

 

 

 

 

 

「では、私たちはこれで。今回はありがとうございました」

 

 ななかさんたちはかこちゃんと合流しに行くみたい。あきらが見せてくれたけど、大量に留守番電話が入ってて驚いちゃった! 本当に心配してたみたい。

 それと入れ違いになったのは、ひなのさんだった。帆秋さんが目を覚ましたから調査の手伝いをしようと来てくれたんだって。解決したって伝えると嬉しそうだった。心配事が消えたんだってはっきりとわかる。

 

「そっちの四人は元々観光に来たんだろ? 帆秋は元気にしてるから気にしないで楽しんでってくれ」

 

 ひなのさんはひなのさんで扇風機を探す用事があるらしい。明日の化学教室で使うんだとか。

 

 そんなわけで、ホオズキ市のみんなは本来の目的の神浜観光をするってことに。せっかくだから私たちが案内することになったんだ。キリサキさんっていう怖いものだけじゃなくて素敵なものをいっぱい知ってほしいから!

 

 

 アリサちゃんとチサトさんはライブに。マツリちゃんはかのこの家に。私とあいみはハルカさんと神浜現代美術館へ。まずはそれぞれが行きたいところへ行ってから合流するってことに。

 

 だけど妹を探しているっていう女の子を偶然見つけて手伝うことになったんだ。ほら、私たち全員、こういう困り事は見逃せないタイプだからね。

 その子が見せてくれたスマホの写真には見覚えがあった。さっき近くで見たんだ。そう遠くには行ってな――

 

「その必要はないわ」

 

 そんな声でいきなり現れたのは、さっき目覚めたって聞いた帆秋さんだった! 

 なんでって聞くよりも先にスマホに表示されているのと同じ子を連れていることに驚いた。偶然見つけてお姉さんを探してたんだって。

 その子は不機嫌な帆奈さんを見て怖がってるけどケガはないみたいで良かった。

 

「あいみ、このカバン持っててくれる? それと帆奈から離れないで」

「え、いいけど……ってもう行っちゃった!?」

「あの人本当に倒れてたのかしら……」

 

 は、帆奈さんの目が更に鋭くなってる……。

 そのせいかあの妹の子はすぐにお姉さんに飛びついた。というか今も少しづつ離れようとしてる……。ごめんあいみ、私もちょっと近寄りがたいんだ。

 

 帆秋さんはすぐに戻ってきたんだけど、少し足取りがおぼつかないみたいだった。まだ本調子じゃないのかな。それを気遣ってか、あいみからカバンを奪った帆奈さんがくっつくように歩く姿は探してた姉と迷子の妹のようにも見えた。

 

 

 無事に解決もしたし、神浜現代美術館へ。今やっている『子供イラストコンテストの受賞作品展』はあの姉妹のお姉さんの作品もあるんだって聞いてたから楽しみ。

 ただ、ハルカさんに帆秋さんのことを話してる時に、話を聞いてた美術館の人も知ってるって言ったのは驚いたなぁ。その『梢 麻友』さんって人も帆秋さんに助けられたことがあるんだって!

 

 もういい時間だし、そろそろ合流しようかなって話になったらちょうどハルカさんに電話がかかってきた。マツリちゃんみたい。

 

「マツリ? 今どこに……え、崖っぷち?」

 

 全員が顔を見合わせる。た、多分あそこだ!

 なんだか大変なことになってそうな気配を感じて、景色が綺麗だって有名な岬に向かう。

 

 ……けど、別にそういうわけでもなくて。

 

「た、たい焼き釣り!?」

「はい! 今帆秋さんがやってるので見ていきます?」

 

 なんでまたこんなところに。『眞尾 ひみか』と名乗る子が言うには、かのことマツリちゃんと一緒に来たらしい。

 

 見ると夕日に照らされた帆秋さんが袋に入ったたい焼きを釣っていた。帆奈ちゃんもいるけど、疲れてるのかたい焼きを抱えて隣で座り込んでる。

 というか、チサトさんにアリサさんと知らない子二人もここにいる。いつの間にか全員集まっていた。

 

 マツリちゃんが釣ったっていうたい焼きはちゃんと甘くておいしい。探してたご当地たい焼きは見つからなかったらしいけど、みんなで見る夕日は綺麗だって笑顔で言ってくれたんだ。

 

 これも良い思い出だよねって、なんだかしんみりしちゃった空気を変えたのは遠くから聞こえる声。

 

「ももこちゃーん、レナちゃーん! 移動したなら教えてよー!」

「……やば、忘れてた」

 

 走ってきたのは『秋野 かえで』さん。帆秋さんとアルバイトしてる子だから知ってたんだ。

 

 そしてその後ろから付いてきたのは、あきらのチームメイト。夏目書房のかこちゃん。チサトさんとアリサちゃんは前に会ったことがあるみたいで再会を喜んでいた。

 

 なんでも、ななかさんたちから話を聞いてどうしても会いたいからって急いで来たんだって。

 その理由は、押し花を使った特製の栞だった。趣味で作っていたそれを神浜に来た思い出としてホオズキ市のみんなに渡したかったらしい。それは素人の私から見てもとっても綺麗で、欲しくなっちゃう品だった。

 

「……あれ、一枚多くない?」

「それなんですけど……同じ茜ヶ咲中学校の鈴音さんに渡してください。あの人も、きっとわかってくれるはずですから」

「うーん……わからないけど、なんか……忘れてる、ような……」

 

 かこちゃんにホオズキ市の友達が他にいたのかな? みんな知らないみたい。帆秋さんたちはいつの間にか遠くで釣りをしてるし、答えは出なかった。

 

 でも、その悩む姿を見て思わず声をかけたんだ。

 忘れている人になにを忘れているか聞くのは酷だけど『応援』はさせてほしいから。

 

 ゴー! ファイッ! ウィン! きっと思い出せるよ、って本気で魔法を込めて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 別に切り札は自分だけじゃないRTA、はーじまーるよー。

 

 

 前回、中々取り込めないのでルールに反したと認識されて結界に入ってしまいましたが、このまま魔力を消費し続けます。ちなみにこれは絶対に味方の魔法少女がいる、もしくは駆けつけられる位置でやりましょう。下手するとそのままお陀仏です(7敗)。

 

 そういうわけでソウルジェムの穢れが最大まで溜まりました。本来はこれで魔女化となり、ゲームオーバーですが……。

 

 ヒャッハードッペルだ! これは『滞留のドッペル(TinkerBell)』ですね。背中からおどろおどろしい羽根を持つ釣鐘が生えます。一体型じゃないので本体へのダメージを気にしなくて済むなんてウレシイ……ウレシイ……。

 

 みなさんご存知の通り、ドッペルの威力は絶大です。恐ろしい火力を叩き出してくれます。

 

 なのでさすがにノーリスクで使いたい放題というわけではありません。使用すると一定期間穢れが溜まりやすくなり、その間に使ったら効果が累積されてそのうちまともに動けなくなります。

 

 ですがRTAなのでギリギリまでやります。どう考えてもドッペル連打はくれはちゃんの今後の魔法少女人生に悪影響を与えるでしょうが、タイマーストップまで持ってくれればいいです。ただ、行動に支障が出るので動けなくなる前ぐらいで止めておきましょう。

 

 なにより嬉しいのはこれ以降、怪我の回復に消費する魔力に怯えなくてよくなることですね。さらに燃費最悪の『停止』くんが一転、攻勢に出て敵を止めたら即ドッペルという戦法を使える凶悪固有魔法と化します。

 

 しかし、最大の問題は下手に目撃されると説明とそのあとのメンタルケアで大幅にロスることです。日頃引き連れている帆奈ちゃんにはとっとと目撃して慣れてもらいますが、他の魔法少女がいる場所では使わないようにしましょう。もちろん使える場面では即使用してタイムを短縮します。

 

 今回このみちゃんに見られているのでさっそくガバってるだろ! いい加減にしろ! と思われるかもしれませんが初回のドッペルなら大丈夫です。この後調整屋に運ばれてドッペルのチュートリアルが入るので説明をスキップできます。

 というわけでキリサキさんもどっか行ったのでドッペルを止めましょう。正面から倒すと組長たちをロストするのでここでは倒しません。

 

 おっとくれはちゃんがダウンだ! (視界が)暗くなってんぜ?

 

 

 

 

 

 調整屋からおはよーございまーす!

 

 ベッドか~ら出た途端周囲に、知り合いの魔法少女がずらっと(三人)いるんだもん。ビックリしたよ。

 

 では適当にみたまさんの話を聞き飛ばして状況を確認しましょう。誰がどの情報を持っているかを把握しておくことは重要です。今回は……このみちゃんは当然として、みゃーこ先輩と帆奈ちゃんがドッペルを知りましたね。想定通りです。これなら問題ありません。

 

 そしてまだパーティ内に鈴音がいるということは『Rumors in Disguise』が続いているので時間もそれほど経過していないみたいです。ですが、参加しているのがゲストキャラ扱いの鈴音だけではクリアボーナスが貰えません。

 というわけでこのみちゃんとついでにパーティインしたみゃーこ先輩には鈴音と合流してもらいます。頼んだぜ!

 

 くれはちゃんはここで大人しくしていましょう。あいみが無事離脱できたということは、ホオズキ市のメンバーと合流できたということです。

 

 つまり、鈴音と茉莉が遭遇しています。『Rumors in Disguise』では、茉莉がキリサキさんに封じられた記憶を切り裂かれるイベントが確実に起こるので……あっ(察し)。

 なのでこのまま向かうとすずね☆マギカのラスボスとエンカウントするという地獄を見ます。なにもしなければ鈴音をお引き取りしてくれるので手を出すのはやめましょう。

 

 というかみゃーこ先輩に知られた以上、そもそも出させてくれません。キリサキさんを倒してくれるまでは諦めて、帆奈ちゃんとひたすら会話して『暗示』を捨てさせる説得が出来ないか試します。

 

 

「……今日みたいなこと、もうしないでよ」

 

 おい全然説得できないじゃねえか! みたまさん、どうにかしろ(無責任)。

 

「くれはちゃん、お客さんよ~?」

「帆秋くれはさんでございますね。私は天音月夜。ぜひ聞いてもらいたい話があるのでございます」

 

 はああああぁぁぁぁっ……!!(畏怖)

 どうにかしろとは言ったけど勧誘イベントを発生させてロスさせろってことじゃないだろ! いい加減にしろ!

 

 以前も言いましたが、調整屋で魔女化やドッペルの話をするとマギウスの翼への勧誘イベントが発生します。もちろん拒否するので発生するだけ無駄です。しかしこんなすぐに来るとは近くで待機してやがったな!?

 

 今回は『天音(あまね) 月夜(つくよ)』とモブ黒羽根ですね。みふゆさんとかが来てたら面倒なことになってたのでピーヒョロ姉妹の足をやられるほうで良かったです。このタイプは帆奈ちゃんがいれば勝手に追い返してくれます。

 

「……じゃあ、ドッペルが魔女化を防いでくれるってわけ?」

「そうでございます。更紗帆奈さん、あなたがマギウスに手を貸してくだされば解放はより現実的なものになるのでございます。魔法少女が背負った魔女化の運命を避けることに興味はございませんか?」

「へえ、それ……あたしの前で言うんだ? よりによってあたしらに魔女化の話をするんだ!? あはっ! ねえくれは、こいつらなんにもわかってないよ!」

「お前、なにを言って――」

「みなさん、無理強いはいけないでございます。……気が変わったらいつでも返事を。マギウスの翼はあなた方を歓迎するでございます」

 

 おう帰れ帰れ! このチャートじゃ利用しないから次はメインストーリーでな! やちよさんが槍をぶん回して待ってるぜ!

 

 じゃあ気を取り直して帆奈ちゃんとお話ししてましょう。

 なるほどなるほど、違う魔女化の話じゃない。マギウスの翼の話でもない。固有魔法の話をだな……違う『停止』の燃費の話でもなくて……。

 

 

 

 

 ダメでした(絶望)。

 いい加減に『暗示』を捨ててくれませんかね。確かに強いんですけどこれのせいで単独行動させられないし、『上書き』が活用できないんですよ! それに下手に『暗示』を使うと帆奈ちゃんごと監視されるようになって行動が制限されてしまいます。まあバレなきゃいいんですが。

 

 そんなこと言ってたら『Rumors in Disguise』がクリア扱いになりました。無事にやってくれたみたいです。鈴音もいつの間にかパーティから外れてるので安心ですね。じゃあな! もう来るんじゃないぞ! 

 ……ボーナス入ってないからあの二人間に合ってないな? まあ誤差だよ誤差!

 

 

 みゃーこ先輩が来てくれたら街に繰り出しましょう。そろそろアイツも探さないといけませんし、今のタイミングならホオズキ市の魔法少女関連のイベントも発生してうまあじです。そのために来たんだからなぁわざわざホオズキ市から……(余計なお世話)。

 

 ではライブ会場からイクゾー!

 

「今日あんた来るって言ってたっけ?」

「レナから聞いてたけど本当にさゆさゆ推しなんだ……」

「……あ! 夏目書房で見た人!」

「チサト、よく覚えてるわね」

 

 ここには千里と亜里紗がいるので、関係したももこちゃんとレナちゃんの信頼度を上げることができます。しかも話すだけで済むので手間がかかりません。

 しかしここでこの二人ともお別れですね。千里だけでも残って欲しいけどな~俺もな~。話す内容はなんでもいいので、餞別としてバックスタブが得意なまさらの話でもしてあげましょうか。

 

 

 ライブが始まりそうになったら次です。あの神浜現代美術館の近くに行きます。今は子供イラストコンテストの受賞作品展をやっていますね。そのイベントが遥香と関係する夏希とあいみの信頼度上げに利用できます。しかも、ここを超スピード!? で終わらせることでまゆゆまで上がるなんて良いイベントだぁ……。

 

 これはモブ姉妹を仲直りさせるというものなので、先回りして誰よりも早く妹を確保します。あいみに任せるとイマジナリー伊勢崎くんに気を取られて説得できないという大ロスをやらかすので絶対に自分で行きましょう。

 本来は姉のほうが魔女の口づけを受けて時間を取られますが、妹を渡した後すぐに周囲を探索して結界内の魔女を粉砕すれば問題ありません。

 

 というわけで結界に入りました。帆奈ちゃんはあいみに預けてあります。ということは……ドッペルの時間だ! 

 魔女を全力で『停止』! はい濁ったドッペル発動叩き割れ!

 

 勝ちました。やっぱりドッペルは楽ですね。魔女の体力がどんどん削られていきますよ! 

 しかし今日はこれ以上はやめましょう。慣れていないと疲労困憊で倒れて大幅にロスしてしまいます。初回分はカウントしないので除いて、今の所は一日一回が限度です。使っていけば段々と増えるので暇があれば使っておきましょう。

 

 

 じゃあ次行きましょう。面識を作っておいたかのこに連絡して茉莉と合流します。このままたい焼きを求めてのわらしべ珍道中に付いていけばなんと、まなかちゃん、あやか、みゃーこ先輩、エミリー先生、みたまさん、ひみかちゃんの信頼度がまとめて上がります。神か?

 

 そしてもう一つ利点があります。

 

「あ、あなたは……帆秋くれはさん!?」

 

 この途中、『牧野 郁美』こといくみんに確実に出会えます。マギウスの翼側のキャラである以上こういう場面で偶然(偶然とは言っていない)出会わないと警戒されてしまうので、付いていく必要があったんですね。

 

「くれはさんを知ってるんですか?」

「令ちゃ――こほん、だって~くれはちゃんって有名人だよ? 南凪の不審者って言ったら大体はわかってくれるんだから!」

「……ふ、不審者なんだ」

 

 彼女とは出会っておくだけで十分です。今回の立ち位置では信頼度上げも難しいのでスルーします。黒羽根プレイだと頼りになるんですけど関係ないな!

 

 

 最後に全員が集合したら『Rumors in Disguise』関係も全て終わりですね。鈴音はもう十分堪能したよ……。

 なお、ここでのたい焼き釣りですがプレゼントアイテムになるので話を聞き流しつつ釣っていましょう。余ったら帆奈ちゃんにあげるだけなので無駄もありません。

 

 ホオズキ市の魔法少女を見送りつつ今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 くれはが眠る時間と起きる時間はいつも同じ。それってつまり、その間は自由に変身できるし行動できるってこと。

 

 別に悪さしようってわけじゃないよ。今まで一回もやってないし。

 ただ、ちょーっと思っただけ。このみだってむかつくけど、そもそも天乃鈴音が神浜に来たからくれはが倒れたんだって。

 

 

 あはっ! だったらさ――

 

 

 少し嫌がらせしてもいいよね?

 

 




■今回の内容
 『Rumors in Disguise』
 日向茉莉 魔法少女ストーリー 3話 『釣る権利→???』
 奏遥香 魔法少女ストーリー 1話 『しっかり者のお姉さん』

■日向 茉莉
 モチーフは電話の魔法少女。緑。
 マギアはシャイニングフィンガー。

■奏 遥香
 マミさん的な魔法少女。黄色。
 帆奈ちゃんと似ている部分がある。

■かこちゃん
 ミラクルを起こして無事。
 鈴音が魔法少女キラーならこっちは13歳キラーだ!

■その必要はないわ
 誰だって一度は言いたいあのセリフ。
 やちよさんも言う。

■滞留のドッペル
 その姿は、釣鐘。
 この感情の主は、永遠に大人になることのない苦しみを味わう。
 このドッペルは己の分身たる鐘を振り回して攻撃するが、その度に本体にも同じ衝撃が走りそのうち割れてしまう。修復もしてくれるが遅いので頼りない。
 主は傷つくことを恐れずに攻め込むが、その鐘はひび割れていく。主に振り回されるドッペル。

■椿の栞
 秋野かえでから話を聞いた夏目かこが作った特製の栞。鈴が付いている。
 プレゼント用アイテム。





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