マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート   作:みみずくやしき

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パート33 無重力シャボンのうわさ

 くれはが、死んだ。

 また助けるために突っ込んで、あいつらのためなんかに一人で残って、この瓦礫の下に。

 

 ぐらぐらと世界が揺れる。心が黒い染みに覆われていく。

 なによりも許せなかったのは、いつかこんな日が来るんじゃないかとほんの少しでも思ってたあたし自身だった。

 瀬奈の時みたいに予兆はあっても想像できないことならまだ良かった。でも、わかってたのに。

 

 悲しむことも狂うこともできなくて、もう死んでるって理解してるのに、身体はまだ生きてるって信じたくて。

 ふらふらとした足取りで瓦礫の山に近づいて、それを一つづつどかす。

 

「帆奈ちゃん……」

「離して……離してよ……! 死んでない、あいつが死ぬわけないんだ……」

 

 聞こえた話を判断する冷静な頭も残っちゃいない。視界がぐしゃぐしゃだ。足元にぽっかりと暗闇が出来たみたいだ。

 あきらがあたしを止めようとする。それを払い除けてもまだ誰かが止める。

 

「その通り。彼女は生きている可能性があります」

 

 白い指が瓦礫を元の位置に戻す。

 ……こいつは、なんて言った?

 

「携帯をお借りしますね。美雨さん、説明をお願いします」

「ちょっと待つヨ……これ、帆秋に入れろ言ったアプリネ。変身してる間は携帯も消えてたみたいだったけど、今は戻ってる。どこにいるかはこれでわかるヨ」

 

 家を出る前に連絡をした奴らが増えていて、そんなことを言った。

 そうだ、確かくれはがそんなことを言っていた。いつも一緒にいるんだから意味なんてないと思ってて使い方すら忘れたそれ。

 

 手慣れた操作で縦長の画面に地図が表示される。この場所には『ハンナ』という文字が被さっていて、そして指でスクロールして表示されたのは、工匠区のどこかに被さる『クレハ』。

 

「で、ここをこうすると音も聞こえるネ。蒼海幣の特別製、口外は禁止ヨ」

 

 美雨の言うことはどうでもいい。今はただ、そこから聞こえる音が全てだから。

 

『――知らない』

 

『勝手にすれば――』

 

『魂――』

 

 くれは。

 

 くれはだ。

 

「詰めが甘いヨ。私ならまず持ち物を探るネ」

「でも美雨……遠すぎない? 短時間でここまで移動できるの?」

「あ、あのっ! 見た中に雫ちゃんがいて! その子は『空間結合』って固有魔法を持ってるんです!」

「……そうですか、彼女が。ならば最後に見た後すぐに捕まってそれで移動した……というところでしょう」

 

 あいつのワープはあたしも見たことがある。だったら。

 

「まだ安心はできないわ。これを追いかけてなにが待ってるかどうか……最悪――」

「生きてる! まだ生きてるんだ!」

 

 その事実が今までの全てを吹き飛ばしたみたいで。

 

 

 ……あはっ! 

 

 勝手に出て行って、勝手に心配させて、挙げ句の果てに勝手に生きてるなんて。

 いーよいーよ、もし本当に死んでたらあたしもそっちに行くだけだもの。

 

 でも、まだ生きてるなら。

 こんな情けない泣き顔を見せるわけにはいかない。

 

「お二方と見滝原の方は休んでいてください。ここからは私たちが引き受けます」

 

 ななかの言うその五人はどうでもいい。

 あたしのソウルジェムは今は葉月が持っている。すぐに奪い返してそこに向かってやる。

 

「それと誰か工匠区にいる方に先に行ってもらいましょう。その方が確率が上がりますから」

「わかった、連絡はボクに任せて!」

 

 そのまま悠長に作戦を話してなよ。どうせ言ってもこいつらは変身させてくれないんだから――

 

「……ななかさん、帆奈さんも連れて行けませんか」

「そうね。一番くれはを助けたいのは彼女でしょ?」

「あちしもそう思う! ななか、いいでしょ!?」

「アタシからもお願い。ここで待っててなんて酷だよ」

 

 隙だらけの懐に伸ばそうとした手が意思に反して止まる。

 脳裏にウォールナッツでの光景が過ぎった。どいつもこいつもあたしがマギウスの翼に行くことを否定して、あたしがなにをしたかを話しても態度を変えなかった憎たらしいこいつらの姿が。

 

 今も、かことあやめが必死になって、このはと葉月が心配して、あきらと美雨が次の言葉を待っている。そして、葉月から()()を受け取ったあいつは、しっかりとあたしの手を取って握らせて。

 

「一つだけ。マギウスの翼を調査していた時、自らの意思で入っていない者がいるように見えました。そしてここの記憶ミュージアムというウワサ……。『暗示』を用いてしまえば同じになってしまいます。今後のためにも使わないでください」

「……口約束であたしを信じるの?」

 

 あいつは――常盤ななかは、裏になにも含んでいない微笑みを見せて言ったんだ。

 

「もう、私の魔法は反応してないんですよ」

 

 

 

 

 

 地図が指し示す場所は旧車両基地。工匠区は路面電車が走ってるからそれのやつ。見た目は寂れて人気のないところだけど、調整屋だってそういう場所にあるんだからおかしい話じゃない。

 

 葉月の『身体スキャン』とあきらの『弱点特定』は使い方によっては人がいるかどうかの判断にも使えるらしくて、ここには黒羽根がいることがわかってる。拠点なんだろう。

 でもさ、そんなのどうでもいいんだ。邪魔するやつは全部壊してけばいいんだから。

 

 だからあたしは誰よりも早く突入できた。

 脆くなってた壁を蹴り破って中に入ると、一人の黒羽根がいたから杖で殴って問いただす。いひっ、『暗示』を使ってないんだから手加減してあげてるよね。

 なんでもここは表面部分はダミーとして使ってて、地下にほんとの拠点があるらしい。実際、魔法で隠してあった後から作られた道があっさり見つかった。もう誰かが通った様な形跡があったけどそれもどうでもいい。

 

 飛び込んだ地下は明らかに作りが違う。ここで待機できるように小綺麗に整えられていた。

 そして、その廊下の先から知っている魔力反応を感じる。

 

 もう届かないと一度は思ったそれ。離したくないと思えたそれ。

 駆ける音に混じる戦闘音がさらに急かす。あいつが大人しく捕まってるなんて思えないから正しいに決まってる。だから、そこにあたしがいてやらないといけない。

 

 案の定、駆け付けた先ではくれはが生きていた。変身してるのに行き止まりに追い詰められるなんてらしからぬことやっている。戦ってるのは同じように緑色のヤツだった。

 

「アハハハハハッハハ!! サイッコーなんですケド!」

「なーに、やってんの」

「あ? ……なに」

 

 こいつは誰かなんてどうでもいい。

 あたしがなにをしに来たか聞いてくるけど、そんなことは見ればわかるでしょ。そこにくれはがいて、お前は傷つけようとしてたんだから。

 

「あっは! お前をぶっ殺してやるって言ってんだよッ!」

 

 横合いから薙ぐように杖を叩きつけてやろうとしたけど、案外反射神経はあるようでしゃがんで避けられた。

 外してぶつかった壁が崩れ落ちる前に、そいつはあたしの顎を狙って蹴りを放つ。だけど遅い。少し首を動かせば当たらない。掴んで後ろに投げてやるだけ。

 

 そいつは空中で体勢を整えて着地した。でも勢いがあったから地面を滑っていく。やっと摩擦で止まった時には、あたしをぎろりと睨んでいた。前ならゾクゾクするなんて言ったはずの目だ。

 

「ねえ今どんな気持ち!? 自信満々だったのにまんまと邪魔されて! 悔しい? 怒った? 言ってみなよ、あっははははっははは!!」

「……お前、本当にベリーバッド」

 

 浮かんだキューブから緑の光線が連射される。数だけは無駄に多いけど、くれはの速度を見慣れてるあたしが防げないはずがない。今後ろにいるあんたに一発たりとも届かせない。

 守ってる。生きてたくれはをあたしが守ってるんだ。

 

「くれは! ねえ、くれは! 来たよ!」

「……そうね」

 

 ……あれ。

 なんかおかしい。間違いなくくれはなのに、水波レナの『変身』を見たときみたいなおかしさがある。本人なのに、本人じゃないみたいな。どこか変わってしまったような。

 

「どうした――」

「なに余所見してるワケ!」

 

 光が一筋、後方へ飛ぶ。それをほぼ偶然に叩き落としたカトラスの動きは酷く鈍かった。本調子じゃないって一目でわかるぐらいには疲労してるんだ。

 それをこいつは追い詰めて、笑ってたわけだ。

 

 ……『暗示』はこいつらには使わない。あの言い方は先のことを見越して言ってるんだから、くれはの邪魔になってしまう。でも、自分に使う分には問題ないわけで。

 だから、こいつはここで叩き潰すという思いを込めて、その言葉を口にしようとした。

 

 でも、直前でやめた。果たしてあいつの運が良かったのか、それとも自分は無茶をするくせに他人のはやめろと言うくれはの思いだったのか。いや、土壇場で踏みとどまったのはあたしだ。常盤ななかが言ったことじゃないけど、この手を使ったらくれはになにも言えなくなるから。

 

 それに、もう必要ない。この場所にななかたちが近づいているのが見える。

 数はななかとこのはたち七人。それとどこかで見たことがある二人。あたしとくれはを合わせれば十一。さすがのそいつも、この数の差がいかに不利かは気づいてるみたいで苦々しい顔をした。……かと思えば、にたりと笑って目まぐるしい。

 

「ま、有意義だったカラ。少しは気晴らしになったヨネ」

 

 心底むかつく言い方に飛びかかろうとした時には、どこからか出てきた魔女の結界に消えていた。あたしが操ってた時みたいに命令を聞いてるのかあっという間に離れていく。

 

 まあいい。逃げてく奴を追いかける暇なんてあるものか。今はそこにいるくれはが一番大事なんだ。

 

「……くれは、見てた? あんたみたいに取れる手段をできるだけ使ったよ。でも、前のあたしみたいななりふり構わない手段はない。自分を捨てる選択もしてない。誰がが傷ついたらあんたはまた無茶するから」

 

 語り掛けても返事はない。もう限界だったらしく、変身を解いたくれははあたしに寄り掛かった。

 

「やっと気づけたんだ。やっと、この手を取れたんだ。……言いたいことはいっぱいあるけど、今は休んでて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日目覚めると、やっぱり横にはくれはがいた。

 

 起き出すまで待って一緒に一階に行ったら、ソファに座ってぼーっとしている。

 あの時は疲れてるだけだと思ったのに、家に連れ帰ってもそのままだった。話しかけても生返事しかしない。時折ハッとしたかと思えばなにかを警戒しているみたいだった。

 

 隣に座ってその手を握ると、震えていた。違和感の原因はそれだったんだ。これまでそんなことはなかったはずなのに。

 

 こいつがあの記憶ミュージアムでなにをしたかってのは環いろはと七海やちよから聞かされた。倒れてもドッペルで立ち上がっての繰り返し。あたしがそこにいたら『暗示』で止めてたことは間違いない。聞いただけでもソウルジェムが濁ったんだ。もしかしたらあたしもドッペルを使うことになっていたかもしれない。

 

 でも、まだここにいる。隣にいる。あたしが間に合ったから死んでない。

 

 今まで悩んでたことを吹っ切ってわかったことの中の一つは、ある意味で諦めだ。

 ドッペルを使わないでって言ったのにそんな戦い方をするのなら、あたしじゃ止められないってこと。瀬奈がいれば、なんて思ったりもした。

 

 くれははどれだけ心配したところで「大丈夫」としか言わないんだ。今必要なのはきっと、並び立つあたしじゃない。だからせめて、一つでも多くの障害を取り除いてやる。ドッペルを使うつもりならその相手を全部ぶっ壊してやる。

 

 あたしには横に立つことしかできない。こうして慰めること以上のことはできないんだ。いくら叫んでも、あんたが求めるなにかにはなれない。

 

「……いろはとやちよ。会いに行かないと」

 

 こうして急に目的を言うのならそれに付いて行こう。こいつがなんと言おうとななかとこのは、それにひなのから許可は出てるんだ。監視すべきなのはあたしじゃなくてくれはだって結論は出てるんだから。

 

 そうと決まったら準備しないと!  

 勢い良く立ち上がってその手を引っ張って一緒に色々と済ませてやる。でも、いざ外に出ようとした時、くれはは急に立ち止まった。

 

「どうしたの。行くって言ったのあんたじゃん」

「ち、違、動けな……」

 

 まるで『停止』か『暗示』を受けたかのようにピクリとも動かない。話せはするみたいだけど明らかにおかしい。

 それを見て嫌な予感がした。味覚の喪失から始まったそれが遂にソウルジェムと身体のリンクを断ち切ってしまったのかと不安に襲われる。

 

「と、まれ……!」

 

 くれはがどうにか変身して『停止』を使う。

 嫌な予感が外れてくれたことは事実でも心に安心をもたらすわけじゃない。だって止める相手がいて、なにかが干渉してるんだから。

 

 瞬間、世界が切り替わる。

 

「これ、ウワサの結界!」

 

 ダメだ。これじゃまたくれはが。

 そう思ったのに不思議とあいつは動かない。違和感があってもすぐにウワサに飛びかかりそうなものなのに。

 

 だってあいつは、自分以外が全部死に絶えたかのような顔をしてたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 絶体絶命の状況から始まるRTA、はーじまーるよー。

 

 前回は誘拐されてソウルジェムを引き剥がされて……ということでした(散々)。

 

 ところで本拠地に連れ去られた場合とこの旧車両基地に連れ去られた場合の違いですが、その後の行動と誰が助けに来てくれるかどうかという話になります。

 

 本拠地の場合は、準備が済んでいるのならわざと捕まるかいろはちゃんを連れて行かせてそのまま最終決戦に持ち込む手法もありますが安定しません。助けてくれるのも信頼度の高かったマギウスの翼に行ってしまったキャラで脱出も安定しないですね、ええ。両方お陀仏も、ありまぁす!

 

 では今回の旧車両基地ですが……第7章の内容をいくつかスキップできることと、ここの場合は結界内や魔法少女による襲撃イベントでピンチになった時同様、信頼度の高い魔法少女か交友関係のある近場の魔法少女が来てくれる可能性があります。

 時間経過すればするほど確率が上がるので耐えてればそのうち来てくれるでしょう。その都合上こっち引いてなかったらさすがにリセットでしたね。

 

 問題は目の前のアーティストですね。アリナ先輩とくれはちゃんのさ、合作ができたらどうする? アリナ先輩とくれはちゃんの……え? 釣鐘の魔女の誕生か?

 

「イライラして仕方ないのに、ベストアートワークをより高みに上げるナニカが得られそうとかアリナ的にアングリー。でもワンステップのためならそれもエモーショナルなんですケド」

 

 なにか言ってる間に嬉し恥ずかし悪影響チェックターイム!

 

 これは身体が無事な割に精神の方に結構いってますね。ソウルジェムが直接損傷したわけじゃないのでいろはちゃんにも頼れないのが難点です。

 放っておけばそのうち治りますが残念だけどこれ、RTAなのよね。なので気にせず続けましょう。もう後半戦なので最後まで立っててくれればいいですぅ!

 

 というわけであとはアリナ先輩のトークを聞いてましょう。聞き流すとさっくりやられることもあるって結構……怖いですよ?

 

「普通の人間はブレインが全てなワケ。見えるワールドも聴こえるサウンドも全部これが処理してるんだヨネ。でも魔法少女は違う。ソウルジェムが魂の存在のエビデンス。人間は無意識に死にたがってる。滅びを望んでる。だからアナタの自滅願望は人そのものだヨネ。魔法少女と人。滅びの後の魂。ペイントブラシでワールドをホットにしても、まだある気がする……だから見せてほしいんだヨネ。人はどこまで人なのかを」

 

 お、やべえ110番だな! アリナ先輩! かりんちゃんのとこに戻ろう!

 これはエサにされるパターンじゃないですね。説得パターンでもないので危険なままですけど。

 

「一つグッドなことを教えてアゲル。アリナたち、アナタの家知ってるんだヨネ。あとは、えーと……そうそう、更紗帆奈がそこにいることも知ってるワケ」

 

 織莉子がいましたし察するに色々と吹き込まれてますね。こう言えばダメージを与えられると思ってるな? 残念だったな! 既に精神に大ダメージを受けてるからこれ以上は傷つかないぞ!

 

 というか絶好の札害(一門特有のマイルドな表現)チャンスなんですけどなんで来ないんですかね。ソウルジェムはないですけどこれ見よがしにアリナ先輩が持ってますし。なにが目的だ! 命か! 脱出後にキリカに自宅を襲撃させるのか!

 

「で、そこで大人しく――」

 

 急に方向転換してドアから廊下に行きましたね。謎の動きをするってなにか変……変よ変よ。

 

「無事!?」

「お姉さん! 助けに来ました!」

 

 かのこと理子ちゃん! かのこと理子ちゃんじゃないか! (助けが)あぁ来たねぇ、来ましたね……。

 

 しめじはともかく小学生に助けてもらっちゃってさ、恥ずかしくないのかよ?

 まあ工匠区の魔法少女ですし、確かに理子ちゃん家は近いですが……だからってお前……。ちなみにかのこは学校は水名ですが家は工匠区です。だからここに来るのが早かったんですね。

 

 しかし、散々言いましたがこの二人は脱出する際にはありがたいです。

 

 かのこの固有魔法である『縫い付け』は対象を糸で地面に縫い付けることもできます。影縫いもできるのでニンジャか防人なんでしょう。キノコが絡まなければかなり有能なので黒羽根を拘束してもらいます。

 

 理子ちゃんは固有魔法の『呼び込み』で人や魔女を誘導できるので隠密行動ができます。アリナ先輩がなぜか出て行ったのもこれです。ここまでもそれで来たんでしょうね。それと『縫い付け』で一人ずつ無効化すれば難しい話ではないはずです。

 

 でもソウルジェム奪われてるんだよなぁ……このままだと操作範囲を抜けちゃうので呼び戻して、どうぞ。

 

「あの人怖いです……」

 

 ここでくれはちゃんが倒れるほうがマズいですよ! はいほら二人とも隠れて、理子ちゃん呼んで!

 

「呼ばれた気がしたんだケド。というかこの反応……」

 

 今だかのこソウルジェムを回収しろォ! あと縄切ってくださいお願いします。

 では彼女の『縫い付け』でくれはちゃんとソウルジェムをくっつけてもらいましょう。魔法少女に成り立てだと力加減をミスってバキィ!!(ソウルジェムが壊れる音) となることもありますが、この終盤なら見事にやってくれます。

 

 ゲット! というわけで変身! あ、ついでに先輩を縫い付けといてくださいね。いざ脱出。

 しかし黒羽根はともかくアリナ先輩への拘束はあまり効果がありません。部屋を抜け出すまでが限界でしょう。

 

「あきらたちも近くまで来てるって! すぐ合流しよ――ってウソ、もう来てる!?」

「逃すわけないヨネ……!」

 

 HELP! HELP! アリナ先輩許して。

 

 『マギウス アリナ・グレイ』戦となりますが……ゾンビドッペル戦法のせいで今はまともに戦えません。デバフが抜けきるまでしばらくドッペル封印でしょうね、ええ(不満)。まあこの後はドッペル頼りという場面も少なくなりますし、稼ぎも終わってますから余計な選択肢が減るのは気持ちいいですね。いや咄嗟の手段がないのは気持ち良くはない!

 

 というかまともに戦えても危険ですね。アリナ先輩は浮かんでるキューブからの光線がメインの遠距離系ですが、ボス格なので接近戦もできます。

 ここで正面から戦ってもいいですが、もう連絡されてるみたいなので逃げます。

 

 ひた走りつつ……おう、かのこ! 理子ちゃん守ってくれや!

 

「帆秋さんを助けに来たんだけど!」

「そっ、そうですよ! それじゃお姉さんが!」

 

 ここで理子ちゃんがやられたらリセット待ったなしなので自分が囮になりましょう。本末転倒ですが君たちは左に突っ込め、突っ込めって言ってんだYO!

 

「……っ、すぐ呼んでくるから、無事でいてよ!」

 

 さすがかのこちゃんですね。三人で戦うより数を増やすほうが有利だと理解してくれました。いろはちゃんとかのタイプだと相当切羽詰まってないとこの選択はしないですね。(理子ちゃんを守れる気がしなくて)未熟です……。というのもあるんじゃないかと思います。

 

「そう! そういうとこだヨネ!」

 

 テンションは普段の110弱%でしょうねぇ、普段を知らないからわからないですけど。

 へっ、わざわざこっちを追いかけるなんて甘ちゃんが! すぐに撒いてやるぜ!

 

 行き止まりだった(小並感)。

 

「アハハハハハッハハ!! サイッコーなんですケド!」

「なーに、やってんの」

 

 更紗帆奈のエントリーだ! ほう、同棲が活きたな。あとでグリーフシードをおごってやろう。

 勝手に変身してますけど組長はちゃんと見てたんですかね? 来てくれたのであとは帆奈ちゃんに任せておけばいいで――あっぶぇ! 今ステータス下がってるから当たったら致命傷なんですけど!

 

 帆奈ちゃんまだ魔力は万端! 戦闘は始まったばっかりよ! だからくれはちゃんを守ってくださいお願いします避けるので精一杯なんです!

 

「ま、有意義だったカラ。少しは気晴らしになったヨネ」

 

 なんか帰ってくれました。次は勝つ(鋼の意志)。

 

 そろそろくれはちゃんも限界なのでここらで気絶ワープしましょう。極度の疲労状態特有の短縮ポイントだってはっきりわかんだね。

 ヘイタクシー! くれはちゃんハウスまでな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 おはよーございまーす!

 (シャバの空気は)あ~うめぇなぁ!

 

 本日からは第7章に向けての情報収集と各魔法少女への情報共有に動きます。特にあれっきりないろやちに早いとこあっておかないと変なフラグが立ちかねません。

 

 そしてこの辺から在庫処分セールのごとく接触できるウワサの数が劇的に増えます。普通に進める場合にはウワサを潰して回ることになるので、簡単になるように遭遇の条件が緩和されたりなくなったりするのが原因ですね。

 次のイベントが発生するまでは、残しておくと後々厄介になるものだけを片手間に片付けておきましょう。もちろん一人では危険なので数の暴力で殴ります。

 

 じゃあさっそく行くぜ! 自宅にいるといつキリカが襲撃に来るかわからないですからね。織莉子怖いでしょう……(レ)。

 まずはいろやち、次は組長だな! 突撃ー!!

 

「どうしたの。行くって言ったのあんたじゃん」

 

 いきなりとんでもないデバフ受けたんだけどwwwww動けないwwwww。

 草生やすな(豹変)。

 

 これは……アレですね。たまーにプレイヤーメタのウワサが生成されることがあるんですがそれを踏みましたね。にしたってくれはちゃんハウスが出現位置になるとか素晴らしく運がないな君は(屑運)。

 

 しかしプレイヤーメタは強敵ですが、その分条件が整ってさえいればボーナスが大変うまあじで今後の安定と短縮を狙えます。ちょうど帆奈ちゃんもいますし下拵えしておきましょう。

 

 そのためにもまず動けるようにならないといけませんね。自分に『停止』を使って干渉を止めます。

 ウワサに反した扱いになったので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アラもう聞いた? 誰から聞いた?

 無重力シャボンのそのウワサ。

 

 そこはプカプカフワフワ夢の空間、みんなが空に浮かんじゃう!

 

 嫌なこと、悲しいこと、辛いことがあったなら、そんなときはイラッシャイ!

 ご家族みんなで来てみれば、日頃のストレスも夢と浮かんで飛んでっちゃう!

 

 けれどだけれどご注意を!

 希望がなくなったら押し潰されちゃうって、南凪区の人の間ではもっぱらのウワサ。

 

 トンデッター!

 

 

 




■今回の内容
 ないです。

■くれはちゃん
 止まらないがメンタルは無敵ではない普通の女の子。
 気分的にはドッペル封印したい。しかしRTAなので必要になれば使います(ド畜生)。
 
■無重力シャボンのうわさ
 希望を吸い取り夢へと変えるウワサ。二次創作。
 おっとくれはちゃんにクリーンヒット!

■第7章は?
 これ第6.5章みたいなもんやし……。





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