マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート 作:みみずくやしき
あの日、私の選択は間違いだったのかもしれないと思ってた。
鶴乃ちゃん、フェリシアちゃん、さなちゃんがマギウスの翼に行ってしまって、くれはさんが一人残って消えた日。その時の私は絶望の淵に立っていた。
やちよさんのためにも折れるわけにはいかない。ただそれだけで持ちこたえていた。
でも、一度間違えたからといって終わりじゃないとみんなが教えてくれたんだ。
くれはさんは戻ってきてくれた。みかづき荘に来た帆奈ちゃんがどうやって助けたのかを誇らしげに説明してくれた。
それだけじゃない。ななかさんが各地の拠点を教えてくれて、まなかちゃんたちも探してくれたからフェリシアちゃんとさなちゃんも簡単に見つかった。洗脳自体はみふゆさんが解いてくれていたみたいで、やっぱり悪い人じゃないんだって思う。
それに、十七夜さんとくれはさんが鶴乃ちゃんの居場所まで見つけてくれた。ウワサの一部になっていることや、さなちゃんがマギウスから聞いた『沢山殺してもらう』という言葉が気になるけれど、まだ間に合うのなら私は諦めない。
今、やるべきことは鶴乃ちゃんを助けること。
だから大東区の『観覧車草原』という場所に行くことになったんだけど、遊園地のうわさを聞いた人たちがもう動き始めているみたいだった。
ちょうど決行日で良かった。みかづき荘にはももこさんたち三人に、ななかさんたち四人と、このはさんたち三人、それにひなのさんと十七夜さんがいる。その数は私たちも合わせて十六人。
まだ来てない人や観覧車草原以外の場所の警戒に当たる人もいるけど、これだけの魔法少女が一緒なら、きっと大丈夫。絶対に鶴乃ちゃんを助ける。
遊園地のうわさの内容は結局わかってない。多くの人を巻き込もうとしているってことは灯花ちゃんたちにとってかなり重要なウワサなんだと思う。東に向かうに連れて私たちを邪魔してくる羽根たちが増えてきた。
「道中は私たちが相手をします。増援の足止めもしますので、みなさんは魔力を温存しておいてください」
「あやめちゃん、フェリシアちゃん、頑張って!」
ななかさんがそう言ったのも、この先のことを考えてのことなんだろう。こちらの戦力を知っているなら向こうだって勢揃いしていてもおかしくない。巴さんみたいに強力な魔法少女や、あの時見た人たちが全員いるかもしれないんだ。
観覧車草原が遠目に見えてきた頃に話していたのも、そのことだ。
「どうにも帆秋が恨まれてるみたいだし、アリナはアタシらが相手をする。このはたちは灯花、ももこたちはみふゆを相手にしてくれ」
「姉妹は自分が抑えよう。他のメンバーが危険そうならそちらの援護もな」
「問題は巴さんが出てきた場合ね。攻撃が派手だから人目につくし、いない可能性のほうが高いけど……いろは、どうしたの?」
「作戦とか、みなさん慣れてるなと……」
すると、やちよさんは十七夜さんとひなのさんを見て、くすりと笑った。
「似たようなことを散々やってたのよ。それに、東西中央のそれぞれのまとめ役なんて呼ばれてるのが揃ってるのだもの。こういうところは任せてちょうだい」
そのときの雰囲気はなんというか、この先になにがあろうと大丈夫だと思えるようで、私を信頼してくれているのが実感できて嬉しく思えた。誰かに頼ることができるってこういうことなんだ。
「……というか、くれはは? レナたちを呼んでおいて遅刻ってわけ?」
「案ずるな。切り札を連れてくるから現地で落ち合うと言ったのだ。信じようではないか」
「あれ! あそこにいるのそうじゃない!?」
あやめちゃんが言った方向には確かにくれはさんがいる。
でも待っていたのは一人じゃなくて五人。てっきり一緒にいるものだと思ってた帆奈さんの姿はない。その姿を見て、いち早く反応したのはかえでちゃんだった。
「あっ、みとちゃん!」
「かえでちゃんも!?」
「……」
「あの……私が何か……」
「ああ違うんです! せいかはちょっと人見知りなだけで!」
せいかさんが物凄い表情をしていたからさなちゃんが怯えてたり、れいらさんの説明に少し手間取ったりして反応が遅れたけど、私だってその三人を知っている。特にみとちゃんは初めて出会った神浜市の魔法少女の一人でもあるんだ。あの緑の矢は今でも印象深い。
そして、そこに並んで困ったような表情を見せているのは黒髪の魔法少女。青と白のふわふわとした衣装に、絵筆のような武器を持っている。
「麻友さんって他の黒羽根の動きを警戒する組じゃありませんでしたか?」
「大勢で戦うなら彼女はいたほうがいいでしょ」
「という理由で連れてこられました……」
梢麻友さんはまなかちゃんの先輩で、神浜現代美術館でのアルバイトがある中でも協力してくれた優しい人だ。くれはさんに押し切られたのかな。
……なんてことがありながらも、頼もしい五人を加えて私たちは観覧車草原に着く。
想定通りそこには多くの羽根たちがいた。その奥には灯花ちゃん、アリナさん、みふゆさん、天音姉妹の二人の姿がある。ねむちゃんに由良子さんという人、それに巴さんはいない。あの時より戦力は少ないけど、油断はできない。
向こうも私たちが着いたことを確認したようで、黒羽根の列が海を割くように分かれて、灯花ちゃんが傘をくるりと回して歩いてきた。
「ここを調べに来たっていうから、せっかくオープンを早めてあげたのに間に合うなんてねー。やっぱり帆秋くれはは殺しておくべきだったんじゃないのー?」
「それはまだアリナ的にノーグッドなワケ。アレを素材にすれば新たなステージが見られると思うんだヨネ」
「……灯花ちゃん、どうしてこんなことするの」
「エネルギーのためだよー。楽しい楽しい遊園地に行けると思ったら強制退場だなんて、すっごい感情の起伏が生まれそうでしょ? とーっても感情エネルギーが得られそうでしょ?」
この二人の物騒な言葉に思わず身構えてしまう。
強制退場って、沢山殺してもらうって、そういうことなの? 人を巻き込んだり、洗脳したり、脅迫したり、今だって鶴乃ちゃんをウワサにして……魔法少女を解放するって言っても、そんな方法じゃ……!
「どうせ平行線だヨネ。通りたいなら――」
アリナさんがキューブを浮かべる。天音姉妹の二人がおずおずと笛を構える。
そんな一触即発の状況は、くれはさんの一声で一旦停止した。
「そこのアリナ、クリスマスにマミと似たようなのを着こんでたでしょ。今はないってことはウワサと融合しても剥がせるわよね」
「さーて、どうかにゃー?」
「ほう、マギウスとやらは扱いのわからぬものを使うのだな? ふんぞり返るおガキ様には難しかったか」
「ガキじゃないよー! ……まあ、いいよー。ちゃーんと最強さんと心が通じてると思うなら倒してみれば? くふっ、殺しちゃうと思うけどねー」
……待って。灯花ちゃんが言ったこと……珍しく年齢通りの姿を見せてるから、きっと剥がせる。鶴乃ちゃんをウワサから解放できるはず。でも気になるのは『心が通じてる』って部分。
「なんだよ! オレたちが鶴乃のことをわかってないって言いたいのか!」
「……心が通じてればいいのね?」
「そう言ってるけど? そもそも通さないんだけどにゃー」
くれはさんはなんだかそこを強調して聞いて、隣にいたあの魔法少女の肩を叩く。
「というわけよ。みと、行きなさい」
「え、私!?」
「そっか、みとの固有魔法は『心を繋げる力』だもんね! それで私たちは心を通わせられたんだから!」
一瞬、灯花ちゃんはぽかんとした顔をした。
「……え、なにその魔法。ちょ、ちょっと!」
「このは、霧! せいかは全員を跳ばしなさい! あのゴンドラよ!」
「任せなさい!」
「はいっ!」
「ダメー!」
「バッド! 都合が良すぎるんですケド……!」
周囲を霧が包んだかと思ったら、観覧車のゴンドラがもう目の前に来ていた。いや、これは……私たち全員が黒羽根の壁を飛び越えて一気に移動している!
ゴンドラにはウワサの反応がある。事前に調べてたくれはさんと十七夜さんの言う通りだ。
そこに突入するのは私たちみかづき荘の四人にみとちゃんたち三人。みんなを信頼して外を任せて、結界の中に入る感覚に身を委ねた。
そうして降り立ったのは、本当に遊園地だった。
グルグルと回る観覧車にメリーゴーランド。それにジェットコースターまで。アトラクション以外にも大きなレストランや出店がある。けれど、どれもこれも結界の中らしく普通の見た目とは言い難いし、サウナがあったりフードメニューが鍋だったり首をかしげる部分もあった。
それに『ミザリーウォーターのうわさ』の結界に入った時と同じで、妙な感覚が身体中を包んでいる。あの時は不幸が襲ってきたけど、これは、気力が削がれていくみたいな……。
「あ、みんなー! キレーションランドにようこそ……って言いたいけど、まだ開園前だよー?」
この声。
何度も聞いた声なのに、どこか間延びしたようなこれは。
「あなた本当に……!」
「どうしたのししょー? ノンビリしよーよー」
鶴乃ちゃんの、はずだ。人間のものではないほど白くなった肌。こっちを見てるのになにも映してない変色した瞳。髪と魔法少女の衣装からは暖かみと共に色が失われて、冷たく突き放すようなイメージを感じさせたとしても。
「鶴乃、帰るぞ!」
「帰りましょう……!」
「……もー。みんな邪魔するんだ。遊園地の運営を邪魔するんだ。だったら大人しくしてて!」
色違いの扇から放たれる青緑の炎。動き出して襲い掛かってくるアトラクション。
この反応はまさしくウワサそのものだ。遊園地の運営というルールに反した私たちを排除しようとしてるんだ。
だけど、助けられるのなら。挫けちゃいけない。
青緑の炎が七色の炎を纏った剣で切り払われる。アトラクションの馬が水流に流される。どちらも魔法少女の力量を感じさせる力強いものだった。
「私たちが攻撃を防ぎます!」
「だから、みと……!」
「任せて! 五人の心を繋げるから、あとはお願い!」
みとちゃんの手に魔力が集まって、なんだか暖かくなっていく。これが……『心を繋げる力』。
そして魔法が発動すると、意識が沈んでいった。
心の奥で私たちを待っていたのは、あまりにも重い事実だった。
視界を流れていく風景は多分、鶴乃ちゃんの記憶。みかづき荘に万々歳、どこか見たことある場所ばかり。でも、それはまるで映画館のように触れられずに見ることしかできない。
『頑張らないと、もっと頑張らないと』
『不安になっちゃだめだ』
『みふゆに話を聞いて、やちよを説得して、ももこの誤解を解いて……わたしが頑張れば……』
『いろはちゃん、大変だな。わたしが先輩として力にならないと』
『一人で生き抜くわたしより大変なんだから、フェリシアの勉強も仕事も鍛え上げないと』
『さなちゃんの日常はわたしが作るんだ。安心できるようにしてあげないと』
『わたしが頑張らなきゃ』
記憶の端々と感情が告げてくる。これまでなにを考えて感じていたのかが全部伝わってきた。
私たちに告げずに、こんなことを思っていたなんて。
「オ、オイこれ……!」
「……鶴乃さん」
「そこまで思ってたの……」
……そうだ。鶴乃ちゃんはいつも元気で、最強の魔法少女を目指していて、一番最初に元気づけてくれる明るくて優しい人だって、そう理解していた。
でも、大好きだったお爺ちゃんを亡くして、代々受け継がれてた万々歳が寂れて、願いで手に入れたお金をお母さんとお祖母ちゃんに散財されて、かなえさんにメルさんを失って。
それで、悲しくないわけない。
なのに、みんなを心配させないようにいつも我慢をして、笑顔でいて、見ず知らずの他人だった私を助けてくれた。ずっと頑張ってたんだ。それに気づかずにずっと頼ってたんだ……!
「……みんな」
出会ってから、優しいのが当たり前だと思ってた。その明るさに甘えてた。私たちみんながそうだった。
だけど、まだ、間に合う。私たちは、気づくことができたのだから。
「もう、我慢しないでいいんです。今度は私たちが鶴乃さんの安心できる場所になります……!」
「あんまり抱え込むなよな……オレ、おかげで結構できるようになったんだ! 心配すんなよ!」
「ごめんね鶴乃。今まで無理させちゃって……長い付き合いなのに理解していなかった……。だから、もう一度やり直させて……!」
「……私、鶴乃ちゃんに頼ってもらえる、そんなリーダーになるからね。誰か一人が引っ張るようなことにはさせない。だから――」
一緒に手を、取り合おう。
パリン、となにかが割れたように、剥がれた音がした。
「――由比鶴乃、ここにふっかーつ!」
その声に、さっきまでの異様な雰囲気はない。私たちの知っている、でも知らないところも知った鶴乃ちゃんのものだ。
既に周囲は元の観覧車草原に戻っている。剥がれたウワサはどうしたのかとみとちゃんに聞くと、「ばーって来たから撃ち落としたよ」ということらしい。
「無事に助けてきたみたいでなによりだ。結構な激戦だったのでな」
「……良かったわね、助けられて」
十七夜さんとくれはさんの声に周りを見てみると、出てきた私たちを囲むようにみんなが立っていた。後から入ってこないようにウワサの入り口を守ってくれていたみたい。
そのまた向こうには気絶させられたり戦意を失った羽根たちにマギウスたち。その中でも特に、灯花ちゃんがこっちを睨んでいる。
「よーく覚えたからね、帆秋くれはに和泉十七夜、それとそこの小動物さん! ……はぁ~あ、本当に腹が立つよ。ムシャクシャするよ。これで全部終わりの予定だったのになー」
「……灯花、ひょっとして調子に乗ってたんじゃないのかな。そこをいいように利用されたのかも。これは由良子の予測にあったのかな?」
「そうだよ由良子! 見滝原に行くって言ったあとどうしたの!?」
「巴マミを回収して帰ったよ」
……最初いなかったはずのねむちゃんがいる。灯花ちゃんを宥めるとこっちに近づいてきた。
「僕が来た理由が気になってるのかな? こんなに魔法少女が揃ってるんだから目的と解放の手段を共有しようと思ってね」
そして語りだしたのは、その通りの内容だった。
マギウスたちの最初の目的は、魔法少女を魔女化という呪縛から解放すること。キュゥべえがいなくて魔女化もしない神浜はその基礎だったんだって。
次の目的は、魔女を守って育ててウワサをたくさん作って、その現象を世界中に広げること。魔女とウワサが発生させるエネルギーを『エンブリオ・イブ』というものに集めて孵化させれば果たされる……らしい。
よくわからないこともあるし、魔女やウワサを使うことは賛同できないけど、まだ内容は理解できる。
だけど、「そして」と続けて彼女たちが言ったことは。
「わたくしは宇宙の全てを知ることができる」
「僕はこの地球を原稿にしてあらゆる物語を具現化できる」
「アリナは宇宙規模のアートにこのソウルを委ねられるワケ」
理解できない。
昔から私じゃわからないことを理解していたり知っていたりしたけど、これはそういう類の話じゃない。
「もちろん魔法少女は救われるんだから、わたくしも魔法少女のみーんなもハッピーハッピーだよね」
「……それは、それはね、ダメだよ。魔女とウワサでみんなを苦しめて得られた結果なんて……」
解放できるからって、自分たちのために不幸をばら撒くなんて。
「いいよいいよ。説明して損しちゃった。わたくしたちと相互理解ができないなら、もう決まり。手段を選ばないから」
子供っぽい言い方を最後に、灯花ちゃんたちは去っていった。羽根たちも一人残らず付いて行って、観覧車草原にはみかづき荘のみんなと協力してくれた魔法少女だけが残っていた。
「……帰りましょうか。もう遅いし、鶴乃は今日はみかづき荘に泊まっていきなさい」
「なんだか懐かしい感じがするね。少し離れてただけなのになー」
マギウスの目的と手段。ウワサとの融合。エンブリオ・イブ。
色々と考えたいことに気になることもあるけれど、今は鶴乃ちゃんが戻ってきたことを素直に喜びたいんだ。
◆
全てを他人任せにするRTA、はーじまーるよー。
前回、杏子ちゃんとゆまちゃんを自宅に連れ込む計画を実行しました。その結果が今です。
「はあ!? この二人これから住むの!?」
「仲良しこよしになろうってんじゃない、協力関係ってだけだよ。用が済んだら出てく」
いきなり仲間割れとかうせやろ? いえ、戦力的にも……キリカが怖い、というのがありまして……。それにゆまちゃんの両親はもう一生ないねんで? わかる? この過去の重さ(哲学)。まあ生きててもアレなんですけど。
「……くれはに料理を期待しないでよ?」
や゛さ゛し゛い゛な゛あ゛帆゛奈゛ち゛ゃ゛ん゛。
よくよく考えたら全員家族死んでるし仲良くしようぜ!(ド畜生)
ではさなフェリ回収まで超スピード!? でお送りします。
おはよーございまーす!
さなフェリは勝手に組長が見つけていろはちゃんが受け取りました。うまいぞ短縮(空気)。
遊園地担当以外のみかづき荘メンバーがマギウスにいないことと、ウワサが一定以上減っているとキレーションランド開園が早まるのでこれは嬉しいですね。特に水名の芸人集団のみなさんが頑張ってくれたそうで予定よりも早いです。
というわけで本日は観覧車草原に乗り込むわけですが、その前に杏子ちゃんに一度見滝原に行ってもらいましょう。
なぜかと言うと、マミさん対策です。また君かタイムが壊れるなぁ……。
彼女が観覧車草原に来た場合には激戦となり、見滝原に行った場合にはまどほむさやかちゃんがしばらく参戦不可能になるというどっちもどっちな展開をやってくれやがります。
激戦はまだその場で対処できるので、杏子ちゃんには様子を見てきてもらいましょう。三人を保護してくれれば御の字です。本来は帆奈ちゃんに行ってもらう予定でしたが、代わりにゆまちゃんと待機してもらっていざという時の追加戦力枠になってもらいます。
そしてみかづき荘に集まるように言われてるくれはちゃんですが、ガン無視します。
南凪から新西行って大東行くより直行した方が速いに決まってるだろォ!? それに周辺警戒に回された人を回収したいですし。
なので連絡だけ入れまして……大東区に乗り込めー! をしたのが現在です。
「くれはさんだ……あの不審者みたいな行動をしてるのは絶対くれはさんだ……」
「でも、なんか……」
「うん! くれはさんはああじゃないと!」
今回のウワサというか、戦いの特効は団地組です。あ、やっと……今まで育ててきた結果が出るんやなって……。
さっそくこの三人を引き連れるわけですが……チームみかづき荘とその他諸々のみなさんが羽根たちを誘き寄せてくれるので、魔力を消耗せずに観覧車草原まで連れていけます。神浜ローラー作戦に参加させてないのもあまり目立たないようにするためですね。
「くれはちゃん、すっごい見られてますけど……」
それとどうしても連れて行きたかったのが、このまゆゆこと梢麻友ちゃんです。今回は活躍するからよーく見ておけよ?
そんなこんなで無事に消費なしで合流完了です……。
マギウスのみなさんと黒羽根白羽根が勢揃いでテーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がるなぁ~。
「ここを調べに来たっていうから、せっかくオープンを早めてあげたのに間に合うなんてねー。やっぱり帆秋くれはは殺しておくべきだったんじゃないのー?」
オープンが早いのは嬉しいんですけどね! 遊園地はもう南凪にあるんだよ! 営業妨害ですよ営業妨害!
なお、ここの灯花ちゃんは会話を長引かせて開園までの時間稼ぎをしようとするので結構話を聞いてくれます。そこを利用してやりましょう。
クリスマスにホーリーアリナ先輩を見ていること、そして似たようなホーリーマミさんと遭遇していることでウワサは剥がせるものだという判断ができます。くらえ!
「さーて、どうかにゃー?」
「ほう、マギウスとやらは扱いのわからぬものを使うのだな? ふんぞり返るおガキ様には難しかったか」
「ガキじゃないよー! ……まあ、いいよー。ちゃーんと最強さんと心が通じてると思うなら倒してみれば? くふっ、殺しちゃうと思うけどねー」
何ぃー何つった今もう一回言ってみろうぇー? まあロスるので一回でいいですけど、聞きました奥さん? ウワサを剥がすためには心を通わせる必要があるらしいそうです。
ところでそこにみとちゃんって人、いるらしいっすよ。
「え、私!?」
「そっか、みとの固有魔法は『心を繋げる力』だもんね! それで私たちは心を通わせられたんだから!」
団地組を連れてきた理由はここ! そう、今こそひたすらレベリングに勤しんできたみとちゃんのお披露目じゃ!
このキレーションランドですが、チームみかづき荘のそれぞれの信頼度を高めていても鶴乃ちゃん関係のイベントを相当に進めていないと『心を通わせている』状態になりません。
そしてうっかり心を通わせずに倒してしまうと鶴乃ちゃんが退場してチームみかづき荘が崩壊、感情エネルギーが大量発生して最悪ここでエンブリオ・イブが孵化します。
なのでみとちゃんに繋いでもらってその場でわかりあってもらいましょう。
つまり彼女は対融合ウワサ特効持ちの絶対マギウス崩壊させるウーマンです。(みとちゃん呼びが恐れ多くて)いや僕もう大いに戦慄ですね。
この切り札で融合解除の成功率を極大まで上昇させるために、団地であの憎っくき白タヌキと一時的とはいえ手を組む必要があったんですね。
というわけで鶴乃ちゃんを助けるのはみかづき荘の面々とみとさんを含む団地組に任せましょう。みかづき荘ルートならともかく、このくれはちゃんがいたところで全く成功確率が上がりません。
「……行ったな。まったく、本当に切り札を持ってくるとは」
「あとはアタシらがここを守り切ればいいだけだ! みんな、やるぞ!」
これはももこちゃんの『激励』です。
「そこどいてー! 絶対絶対絶対っ! 許さないから!」
「とまってくださーい!」
以前も解説しましたがまゆゆの『攻撃不可』は敵の攻撃を止めることができます。
『停止』に似ていますが実はこれ、正確に言うと対象に『一定時間、
ヘイヘイヘーイ! どうしたどうした灯花ちゃんよー! (計画)冷えてるか~?
数の暴力と全体バフデバフの恐ろしさを見せてやるぜ!
「由良子はなにやってるのー! こんなときのための『
それでは『マギウス 里見灯花』、『マギウス アリナ・グレイ』、『マギウスの翼 梓みふゆ』、『白羽根 天音姉妹』とその他白羽根黒羽根戦です。第5章のボス戦に灯花ちゃんとみふゆさんを増やした感じですね。
ねむちゃんがいないのは想定できることですが、織莉子がいないのはよくわかりませんね。なにやってんだあいつ……。帰ったらこんにちはとかはやめてくださいね?
この中で特に警戒すべきなのは当然ながら灯花ちゃんです。
彼女の武器は傘ですが、それで空は飛ぶわ傘の内側から虹色の炎を放つわとやりたい放題し放題です。大量に生成した傘で炎の一斉射撃を行う『ネオ・ジェネシス☆彡』は黒羽根を巻き込もうが容赦なく撃ってくるので、遠方にいても常に飛んでくるものだと考えたほうがいいでしょう。
一番やべーのはこれだけやろうが魔力が減らないことです。無限っておかしいだろそれよぉ!
というのも彼女の固有魔法の『変換』で別のエネルギーを魔力として扱ってるからですね。実質『変換』に使う分しか消費しないので、魔力切れさせてドッペルに行動パターンを変えさせる戦法は使えません。それができればドッペルに全力攻撃を叩き込むだけで楽なんですけどね!
なおアリナ先輩はいつも通りですが、みふゆさんとピーヒョロ姉妹は多くの人を巻き込むやり方に疑問を抱いているので行動が鈍く本気で戦いません。なのでここは味方に任せましょう。
「帆秋くれは! アナタの相手はアリナなワケ!」
「いいやアタシと帆秋だ。行くぞ!」
よっしゃ! 我ら南凪のパワー見せてやるぜ!
と意気込みましたが、この戦いの勝利条件は鶴乃ちゃんの奪還です。なのでウワサ結界に突入されないように妨害しつつ適度に時間稼ぎに徹します。
もう結構アリナ先輩と戦ってますけど異様にくれはちゃんを狙ってきてますよね。お前もしかして……あいつのことが好きなのか?(青春)
それはそれとして、アザレア組とまゆゆは灯花ちゃん、かもれはみふゆさん、なぎたんは天音姉妹と羽根を止めてますね。なぎたんのほうが手薄なので時折みゃーこ先輩に手伝っといてもらいましょう。アリナ先輩だけは絶対にくれはちゃんが止めておかないと固有魔法の『結界生成』で分断されて各個撃破される恐れがあります。
「アナタ、雰囲気が変わったヨネ! 前の方が好みだったんだケド!」
ここはキューブから放たれる光線をカトラスで落とすぐらいにしておきます。下手に追い詰めてドッペルを使われたらデバフ地獄が待っているので耐えましょう。『攻撃不可』がかかってるタイミングで回復してひたすら捌き続けます。
攻撃されまくり弾きまくり魔力割いて停止しまくり。こんなにハードな戦闘を送っているのに状況確認を休まね~ってのはすげーなって、自分でも思うぜ。
というかここ、こんな感じで大量に連れてこないとなぎたんとかもれトライアングルだけでこの数を相手にすることになるんですよね。ノーマルならそれでも凌げるなんて、(強すぎて)ブルっちゃうよ……。
「――由比鶴乃、ここにふっかーつ!」
あ、終わりました? じゃ適当に話聞いて帰りましょう。
いつの間にかねむちゃんが来てますが、どこか近くで待機してたんでしょうね。今の彼女に直接戦闘は危険なので。
「僕が来た理由が気になってるのかな? こんなに魔法少女が揃ってるんだから目的と解放の手段を共有しようと思ってね」
ここでマギウスの話に賛同すればまだマギウスルートに分岐できます。というかこれが最後のチャンスです。もちろん計画になんて賛同するわけねーよ! 洗脳されなきゃ絶対ムリだぜ!
なお、ここまで来たいろはちゃんは必ず拒否します。こう見えてかなり頑固です。なにを言っても「うん、でもね……」で流されます。右だよと言っても左に行きます。そういう子です。
これにて第7章『楽園行き覚醒前夜』工事完了です……。協力してくれた魔法少女には大きなご褒美(ボーナス経験値)やるからな。喜ぶんやど?
おはよーおはよー(変化球)。
本日は帰宅した杏子ちゃんとゆまちゃん、それにその他予定が空いていた魔法少女のみなさんを誘って来ました。
そう、我らが南凪が誇るアミューズメント施設、ミナギーランド! ミナギーシーと隣接する遊園地ですね。梨花ちゃんがイベントでたまに誘ってくれます。遊園地のウワサと戦った後に遊園地来るとか肝が据わってるぜ?
「くれっちすごーい!」
「くれセンパイほんとにいいの!? 高いでしょ!?」
あ、いいっすよ(快諾)。この先の章は一連の流れになるのでお金を使うこともないですし、ここで信頼度ブーストのために消費してしまいましょう。杏子ちゃんとゆまちゃんも上げられるだけ上げ、上げようぜ~。
金額は……14万(事実)!? うせやろ? まあ南凪に払ってるもんやし……かまへんか……。
「キョーコ、ジェットコースター乗ろう!」
「身長制限ってのがあるんじゃねえの? 大丈夫か?」
「大丈夫だよっ! ミナギーランドは子どもの味方!」
「……あっ梨花! 今アタシを見て言ったな!?」
くれはちゃんねぇ、君みたいな可愛いねぇ、子の喜ぶ顔が大好きなんだよ! みゃーこ先輩も(楽しみに)イッキーマウス……。
夢の国を満喫するので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。
■今回の内容
第一部第7章『楽園行き覚醒前夜』
■ウワサの鶴乃
ウワサと合体した鶴乃ちゃん。ノンビリ。
Q. これどうやって一発で助けるの?
■みとさん
ちゃん付けは畏れ多い。セカンドシーズンでツインドライヴ。
A. 目覚めて鶴乃ちゃん! ここにはみかづき荘のみんなと……なぎたんと……私たちがいる!
■灯花ちゃん
げきおこ。おガキ様。
だって炎耐性持ちにワープ持ちに融合ウワサ特効持ちとか聞いてないし……。
■キレーションランドのうわさ
キレートビッグフェリスのウワサの語尾はグル。
キレートマスコットのウワサの語尾はパカ。
■千歳ゆま ログイン⑥(その他)
「ゆまね、いつか遊園地に行ってみたいの」