マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート 作:みみずくやしき
最後の大騒動に挑むRTA、はーじまーるよー。
いやぁ、ミナギーランドは強敵でしたね……(14万)。
前回は競合する遊園地、キレーションランドを開園前に閉園させましたが、この後は時間経過で勝手に第8章『偽りに彩られ神浜』が開始します。
このタイミングは灯花ちゃんたちがどれだけ張り切ってるかで前後しますが、チームみかづき荘となぎたんの作戦会議の日より前にはなりません。メンバーが欠けていたりして発生条件を満たしていない場合は確実な判断方法がないので難しすぎるっピ!
というわけでこの間は最後の準備期間です。ミナギーランドで信頼度ブーストをかけたように、戦力チェックや決戦に向けての蓄えなど今のうちにできることをしておきましょう。しておきました(先手必勝)。
「なんだそのグリーフシードの数……よくもまあこんなに集めたもんだ」
杏子ちゃんがこんなこと言ってますがこの準備は通常プレイでも重要です。
なんせこの先は魔女を倒してグリーフシードを手に入れる暇なんてありません。ドッペルを撃てば魔力は回復しますが、それで動けなくなったらリセット待ったなしなので迂闊に使用できませんし、ハードモードである以上予想外の事態は起きるものとして動いたほうがいいです。
それにここまで来ればもうラストまで走り抜けるだけです。なにが起きてもリカバリーしてやるぜ!
「なあ帆奈、ゆまと理子どこ行った? もう昼飯だろ」
「庭でしょ。というかなんであたしに聞くの」
「懐かれてんじゃん?」
「はあ!? ……呼んでくればいいんでしょ呼んでくれば!」
また、今回はゆまちゃんを引き入れることができたので彼女と理子ちゃんを何回か会わせています。
理子ちゃんの行動は、第8章が開始するまで延々と千秋屋に通い続けて把握していてもいいのですが、こうしてゆまちゃんと遊ぶようにくれはちゃんハウスに呼び寄せればその間は別の行動ができるのでうまあじです。
なんだよ……結構……リカバリーが良い状況を生み出してるじゃねえか……。ゆまちゃんと確実に会えればチャートに加えてもいいかもしれませんね。
「くれはお姉さんはお出かけですか?」
「ゆま、みんなと留守番してるからね!」
そしてなんと、本日が作戦会議の日です。最速ならこのタイミングで始まるのでそれを願いましょう。
ではメイドカフェにイクゾーと言いつつドアを開けて門を開けて――あっぶえ!
「アアアア!」
意外ッ! 開幕黒羽根ッ!
確かに今日開始を願いましたがこんな位置に出現するんじゃねえ!(屑運) メタウワサといい呪われてんのかこの家!
この黒羽根はいつものあいつらとは違って強化版です。問答無用でソウルジェム狙いをしてきます。ですが散々狙われ続けたこのくれはちゃんが避けれないわけがありません。
ソウルジェムを壊すわけにいきませんし、切断するのも絵面がよろしくないので、ここはうっかりペンダントにカトラスをぶち当てます。するとあら不思議、正気に戻っちゃうんです!
それもそのはず、こいつらは『受信ペンダントのうわさ』によって思考が消されてマギウスの命令を忠実に聞く暴走状態になっています。なのでこうすればウワサから解放できるんですね。
これでルールに反したとして今すぐに本体が出てくればいいんですが、さすがにそんなに簡単に出てきません。総数を減らしましょう。
おっと電話。
「おい黒羽根が暴れだしてるぞ! 相談所はアタシがどうにかするが……」
「なんかいっぱい黒いのが来てるの! アリナ先輩もいないの!」
「黒羽根の様子がおかしいってななかから連絡が来てないカ? 早く来るヨ」
あーもう(通話履歴が)めちゃくちゃだよ。交友関係が広いせいで凄いことになってるぜ!
まあこの辺は置いといて……もしもーし! いろはちゃん今どこ!
「今ですか? 十七夜さんとメイドカフェにいますけど……。くれはさんを待ってるところです」
ヨシ! 今から行くからちょっと待ってろ!
というわけで変身して超スピード!? で到着しました。
ここまで来る途中に判明しましたが、今回の黒羽根は一般人に見えていません。相手側は場所を選ばずに襲ってこれるってわけです。
この『受信ペンダントのうわさ』は本来ならば暴走させるだけですが、ねむちゃんの頑張り具合によってはこんな感じに強化されます。見えなくなるとかおめぇマジシャンみてぇだな~。
「くれはちゃん! この黒羽根って!」
「暴走してるんですか!?」
ここも黒羽根が多くてすっげーことになってんぞ~。
といってもチームみかづき荘にかもれトライアングルとなぎたんが揃ってるので楽勝ですね。じゃあパパパッとペンダント外して、終わりっ!
正気に戻したら全員と情報共有しましょう。第8章が開始します。
今は神浜の各地にマジで殺しにくる暴走黒羽根が多数出現するので、多くの魔法少女を助けようというパートですね。そして早速ですがここが下手すると魔法少女がどんどん退場していく難関ポイントです。
進行条件は時間経過のみなので放っておけば勝手に終わりますが、なにもしないとワルプルギス戦で鍵となる魔法少女が軒並みやられてクリアが難しくなってしまいます。
本来は今この場にいるメンバーが散らばって各地区に行くわけですが……今回はその必要はねえぜ!
交友関係が広いと先ほど電話がかかってきたように向こうからこっちに来てくれます。40人以上、50人以下? 何人の魔法少女と出会ったかわかんねぇ。
「そうね、下手にばらけるよりも各地の魔法少女が周囲の人を助けながら集合してくれたほうがいいかしら」
やちよさんもこう言っていることですし、さっそく各地の魔法少女に集合をかけましょう。もたもたしていると妨害されて圏外になります。
これでここまでに信頼度を一定値以上にした魔法少女全員が調整屋に集合します。しかし全部自分でやると多いので、みゃーこ先輩経由や組長経由など手分けできるところは手分けしましょう。
忘れてはいけないのがここで見滝原勢も呼んでくることです。
というわけでもしもーし。
「……帆秋さん?」
おうさやかちゃん元気ねえな! かくかくしかじかでマミさん取り戻すチャンスだからまどほむ呼んでこっち来てくれよな! 杏子ちゃんを迎えに寄越すぜ!
はい次! 帆奈ちゃん!
「さっきの黒羽根また来てるんだけど! そっちどうなってんの!?」
杏子ちゃんにさっきのことを伝えてもらうのはもちろん、ゆまちゃんとちょうどいる理子ちゃんを調整屋に運んでもらいましょう。あ、帆奈ちゃんはそれが終わったらこのあとの準備のために一回帰宅してくださいね。
ゆまちゃんを調整屋に置いておく理由はもちろん、チートじみた回復固有魔法『治癒』のためです。怪我した魔法少女がいたらそれで癒してもらいます。この恩恵は多々ありますが、マギウスの翼から脱出した雫ちゃんが戦線復帰できるようになるのが大きいですね。ワープしたい放題ですから。
なお、彼女が脱出できるかどうかは観鳥さんといくみんがマギウスの翼に所属しているかで大きく変わります。
今までも言ったことがありますが、観鳥さんがマギウスの翼にいないか退場していると強化されるというのはこの部分です。脱出に失敗した雫ちゃんが『空間結合』を駆使してあらゆる場所に黒羽根を送り込んでくるせいで難易度が跳ね上がります。まあ今回は平気だな!
「あの、やっぱり私……」
魔法少女への電話がようやく終わったと思ったらいろはちゃんから『万年桜のうわさ』の話。やっぱ暴走黒羽根の出る第8章はすっげーな。休まる暇がねえぜ。
彼女はこんな状況でも北養区にある『万年桜のうわさ』というウワサの場所に行こうとしますが、実はここが奴らの本拠地、『ホテルフェントホープ』の入り口です。ウッソだろお前! 単身乗り込みに行くとか笑っちゃうぜ~!
そして彼女は頑固なのでなにを言っても「うん、でもね……」で流されます。大体はなにもしなくてもさなちゃんが一緒に行ってくれますが、それでも当然の如く捕まるので何人かそっちに送り込みましょう。
今回の選出はかもれトライアングルと鶴乃ちゃんにフェリシアです。やちよさんとなぎたんは東西のトップなので魔法少女の誘導に回ってくれたほうがスムーズにいきます。本来の役割をしてもらうからな?
「レナも安全な調整屋にいたいんだけど……」
「ふゆぅ……レナちゃんが臆病だよぉ……」
「かえでに言われたくないわよ!」
「はいはい……。危なそうだったらすぐに戻るからさ、アタシらの心配はしないで」
ちなみに、こう言ってますが別に調整屋は安全ではありません。暴走してるやつに中立地帯云々が通じないのはあたりまえだよなぁ? まあいつもの組長を置いておけば防衛の指揮は勝手にやってくれるので任せましょう。
これで大体の方針が決まりましたね。
魔法少女のみなさんは他の魔法少女を助けつつ調整屋に集合。やちよさんとなぎたんはそれのサポート。
やちよさん以外のチームみかづき荘とかもれは『万年桜のうわさ』へ。
杏子ちゃんは見滝原組の出迎え、帆奈ちゃんはゆまちゃんと理子ちゃんを運んだあと準備。
ではくれはちゃんはどうするかと言いますと……。
ハロハロー? せいか元気ー?
「すみません……! 今ちょっと電話してる場合じゃ……!」
お、大丈夫か大丈夫か。結構危機そうですねぇ。
東は元々黒羽根が多いので危険地帯と化しています。それに基本的に単独で動く理子ちゃんが組み合わさると、もう危険すぎて気が狂う! だからここ最近ずっと理子ちゃんの行動を把握する必要があったんですね(メガトンチアキ)。
もちろん団地組やひみかちゃんもやべぇよ……やべぇよ……な状態です。団地組は学校に行ってる時なら新西区にいるんですけどね。
やることは当然みとさんの救出です。鶴乃ちゃんの時に見せているので送り込まれている数も多いでしょう。ここだけは自分で行って確実に連れてきます。
じゃあ大東区行くんで他の場所はよろしくな!
オッス(到着)。
というわけで普通に電車に乗ってきました。街中を歩いてたら奇襲されるからね、仕方ないね。
わぁ、これが神浜大東団地ですかー。色んな棟(全60棟)がありますねー。こんなに建ってるとは思わなかったぁ(使い回し)。
ここは入り口で、向こうに、黒羽根の山があるんだ。今すぐ、そこへ行こうよ。
「ア、アアア!」
「くれはさん!」
なんだこの数……(困惑)。
団地組を強化しておいて良かった~って思うわけ。生きてる証拠だよ!
「アア…ア……クレハ……?」
「クレハ……!」
ん何だコイツら?!(驚愕) や~めろお前ら! お前らに、お前ら黒羽根なんかに負けるわけねえだろお前オゥ! これ命令にくれはちゃん狙いが混ざってんな!?
「気をつけてください! 数人変なのが混じってます!」
馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!! どうせ白羽根とかだろォ!?
なるほどなるほど、炎の手を操る黒羽根。近場にワープしたりさせたりする黒羽根。騒音と一緒に高速移動してくる黒羽根。色々と『反転』させてくる黒羽根。武器や遠距離攻撃を盗み取る黒羽根。
『鉄火塚のうわさ』に『覗き見城下町のうわさ』、こりゃまた懐かしいな。それとうわあ……これは、『クビナシ珍走団のうわさ』ですね。それにこれは『パズルタイルロックのうわさ』で、ああ、こっちは『おしゃれモンスターのうわさ』ですね。なんだこれは……たまげたなあ。
融合ウワサここに配置してやがったwwwww死ぬwwwww。
というか数多すぎwwwww絶対誰か退場するwwwww。
ペンダントで感情消されてるから心も繋げないwwwww無理wwwww。
草生やすな(豹変)。
あっ(察し)。そういえばウワサを潰してるとき予定よりも早く進んでましたね。水名の芸人集団のみなさんが頑張ってくれたと聞いてましたけど……なるほどぉ、黒羽根とウワサを融合させるために戻してたんですね。
バキィ!!(チャートが壊れる音) 水名ァ! 漫才やってんじゃねえんだぞ!
というかこいつら相手によく今まで生き残ってましたね。みとさんやられてたらリセットですよリセット!
くそー、こんな強敵ラッシュで神浜が持つのかよ!
こうなったら後先考えずにドッペルで強行突破しかねえ!
魔法少女の生き様を見せてやるので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。
◆
観覧車草原での一件が終わったあと、私たちはそんなことがなかったかのように普通の日々を過ごしていた。ただし、魔法少女としてだけどね。
迷うこともあった見慣れない道をスイスイと歩いて、いつも通りに途中でれいらとせいかの二人と合流する。それでまた、いつものように神浜市立大附属学校に登校するんだ。
ただ、前と違うことは他にも結構ある。
「おっすー! あーしも入れてー! あ、れんぱすおはよー!」
「お、おはようございます……」
「みんな元気だね! ふんふん! 私も負けてられないよ!」
海浜公園で同じ学校のこのみさんに出会ったように、くれはさんと出会ってから色んな魔法少女と出会ったんだ! 相談所が一番多かったかな? 自分たちの学校にもこんなにいたんだって最初はびっくりしちゃった。
例えば生徒会の一員でバドミントン部のささらさん。ブロッサムで会ったかえでちゃんにかこちゃん。
それと前に偶然出会ったいろはちゃんも宝崎市からこっちに引っ越してきてたんだって。
そうそう、そのこのみさんなんだけど、最近はとっても嬉しそうなんだ。
出会うといっつもくれはさんの話をしてくれて、私の知らないことも知れて楽しいなーって思うんだけど、ちょっと多いかなーとも思う。ブロッサムでもそんな感じだってかえでちゃんも言ってた。
あと、マギウスの翼のことはみんなが教えてくれた。
魔女化をなくすことができるってのはすごいなって思うけど、関係ない人を巻き込んでまでっていうのはちょっと違うと思う。
……でもね、そこまでして助かりたいって気持ちもわからなくないから。わかりあえるのだったら、魔法少女同士で戦いたくはないな。
それは三人で話し合った結果でもあった。
やっぱりれいらとせいかは優しいんだもん。元々は魔法少女だった魔女と戦うことにも慣れてはいても、やっぱり心のどこかで気にはしてる。なのに魔法少女同士で戦うのはもっと悲しいから。
それはそんな日々が少し続いて、私が団地に遊びに行ったときのことだった。
いつも通りの団地なのに魔法少女の反応がいっぱいあった。なんだか嫌な予感がして二人との待ち合わせ場所に急ぐと、そこはもう戦場だったんだ。
まだ昼間なのに人目なんて気にしないで襲ってくる黒羽根の人たち。ここに来るまでにも見かけたけど、普通の人には認識されてないみたいでお構いなし。
戦いたくないけど相手は本気で襲いに来てる。だから変身してその場に飛び込んだ。弓を振り回して無理やり隙を作って、二人と合流する。
「みと、この人たち……!」
「わかってる! 人通りが少ない方に行こう! せいかお願い!」
「うん!」
合図と一緒に、木とかレンガとかを壊さないように勢いを弱めた水が流れてきて視界が切り替わっていく。
それで移動する私たちを黒羽根が追いかけてくるけど、その中に何人か変なのがいた。
二つの高温の炎の手を操って邪魔をしてくる黒羽根。
せいかみたいに跳んだり逆に戻したりしてくる黒羽根に、ワープする場所に先に来るぐらいに速い黒羽根。
足止めに撃った矢を跳ね返してくる黒羽根がいたかと思えば、矢だけじゃなくて弓を持っていっちゃったりする黒羽根。
黒羽根は固有魔法を使ってこないはずなのに、そうとしか思えない手段を使ってくる人たちだ。ここに来て使うようになったのかな。
でも、それは違うって感覚でわかる。
だってあの人たちからは魔法少女以外の魔力を感じる。観覧車草原で見たのと同じ、ウワサの魔力だ。
「だったら、ウワサを剥がせば!」
そう思って魔法を発動させる。一番近くにいた速い黒羽根と心を繋げようとした。
……ダメ! この人たち、心が覆い隠されてる! 帆奈さんの暗示で隠されてたのと似てて、黒い靄が包み込んでて繋げられない!
あの時は解除できたからもう一回やればって思ったんだけど、これじゃ無理だ!
変な黒羽根以外はなんとか対処できてるけど、一人ずつ気絶させるのは難しい。痛みで気を失ってくれたらまだ良かった。どんな傷でも動き続けるから終わりが見えない。
だからやりたくないし心が痛むけど、ごめんねって言って足を狙い撃つ。そうすれば這ってくるだけになるから逃げきれる。だけどあの変なのにはまったく当てられてない。
まったく消耗しない変なのにだんだんと追い詰められ始めてきた時、緑の人影がやってきた。
「ペンダントよ! それを狙って!」
「ア、アアア!」
「くれはさん!」
私が来る前にせいかに連絡があったっていうあのくれはさんだ。やっぱりすごく強くて、私たちを囲んでた黒羽根を一気に追いやった。
その目に見えない速度で振るわれるカトラスは、正確にローブに付いてるペンダントだけを切り落とす。すると今まで一心不乱に追いかけて来てたのに、急に立ち止まって周囲を見渡し始めたんだ。
「あれ、ここは……?」
「いいから逃げなさい」
「は、はいっ……!」
それでピカーンって閃いた。あのペンダントのせいで心が隠されてるんだ。だったら、あの変なのだってペンダントを外せればウワサも剥がせるはず!
「アア…ア……クレハ……?」
「クレハ……!」
でも、普通の黒羽根に変な黒羽根も全部一気にくれはさんに向かって行っちゃってる!
「気をつけてください! 数人変なのが混じってます!」
くれはさんは炎の手を避けるけど、位置を変えさせられて別の黒羽根の攻撃を受けちゃう。カトラスを何本か投げたけど反転したり奪われちゃったりしてて攻撃を防げない。
それを乗り越えても、くれはさんの速度に追いつける黒羽根がずっと張り付いて接近戦を続けてる。何回かカトラスが速い黒羽根のペンダントに届くかと思ったときがあったけど、その都度ワープさせる黒羽根に跳ばされて逃がしちゃう。
私たちも援護するけどやっぱりあの反転と盗む黒羽根が厄介で、戦況は五分五分。
むしろ、私たちがいる分くれはさんが不利なのかもしれない。時々私たちに向けられる攻撃まで『停止』で防いでるんだから。
ただ……それは狙い通りだったのかも。
「ドッペルを使う! 下がってて!」
ドッペル。
私も知ってる。魔女化を防いでくれるもので、このみさんが恐れてたものだ。
だけど今はもう違うって教えてくれた通り、現れた燃える釣鐘はとても暖かく感じた。
けど、だけど。くれはさんはもしかして殺す気なんじゃないかって考えが頭を過った。
それを私自身が否定する。違うよ。あの力はそんなことのために使うものじゃないよ。そうなら、このみさんはあんな顔しない。
「――っ」
それに苦しそうだもの。
燃える釣鐘を叩きつければ終わってしまうのに、盾にして耐えるしかしないのはきっとそういうことなんだろう。
でも、このままじゃダメだ。れいらと釣鐘の炎が私たちを癒し続ける間は大丈夫だけど、限界が来たら押し潰される。
だからかな。水を使えるせいかが跳んで炎の手の対処をしに行ったんだ。
普段ならそんな行動はしないから、多分焦ってたんだと思う。戦いたくない同じ魔法少女と戦って、相手は自分の命を狙ってきて、くれはさんと一緒でもなかなか突破できないんだから。
奥で炎の手を操る黒羽根の近くに行く。それって……私たちの援護を受けられない集中攻撃を受ける位置に跳ぶってこと。せいか自身も移動したあとでハッとした顔をした。
向こうのウワサの黒羽根は特別みたいでその状況をすぐに理解した。
くれはさんに迫ってた黒羽根が反転して巻き戻るようにせいかに向かっていく。
れいらの七色の炎とくれはさんの真紅の炎がそれを追いかけるけど、ワープさせる黒羽根が引き離しちゃう。だから私が弓で援護しようとするけどそれはまた引き寄せられるか反転させられる。
あの炎の手がせいかに降りかかる。
すぐに水流を振るうけど、それも反転させられて周囲がずぶ濡れになっちゃう。守る手段がない。
もう触れるかどうかの瀬戸際。高温がせいかに迫って。
その音が、私の耳に届いた。
そう。
リン、と。
鈴の音が聞こえた。
「――『桜火』ッ!!」
炎の手すら燃やし尽くすこの猛烈な炎は、れいらのでもくれはさんのでもない。
急に現れたその姿を私は知らない。でも、くれはさんは知っている。
その話なら聞いたことがある。魔法少女を襲う魔法少女。蜃気楼のように姿を消せる人がいたって。
そうだ。反転した水流でそれが解除されたんだ。
灰色のコート。カッターみたいな剣。あの魔法少女は。
「鈴音っ……!?」
「……久しぶり」
だけど炎の手は一本じゃない。
迫るもう一つが――魔法の砲撃で消し飛んだ。
「これ以上の狼藉は許さーん!」
この場にもう一人来る。桁違いの威力の砲撃を放ったあの子は。
……そう、あれは。
「かずみちゃん!」
私の、あすなろ市の友達だ!
それだけじゃない。あの二人を追ってくるように急いできた人たちがいる。
「そっちも市外から?」
「ええ。もう一度観光をしに来たんですけど、どうにも大変なことになってるみたいで」
「私たちは夏目書房に行くはずだったんですけどね。かずみがもう一回ウォールナッツに行きたいって言うからその後に」
「夏目書房? あ、それなら私たちも栞のお礼をしようと……」
橙色と青色の色合いが似た人同士が話してる。その横には桃色と緑色の二人。
せいかと一緒に戻ってきた天乃鈴音さんという人と一緒に今の状況を手短に話すと、すぐにわかってくれた。なんというか、みんな肝が据わってるって言うのかな。
「――うん、わかった! ペンダントを外せばすぐに解決するんだね!」
「よし、いっちょいきますか!」
もう人が増えすぎて色々と混乱してるけど、これだけ数がいるのなら。
「帆奈はどうしてる?」
「……なにかやったの?」
「それは、もう」
「帰ったらその辺は詳しく聞いとくわ。だから今は――」
ウワサの黒羽根と、心を通わせられるッ!
■今回の内容
第一部第8章『偽りに彩られ神浜』
■NEXT CONNECTION
効果:第8章に生存しているホオズキ市の魔法少女が参戦する。
・『CROSS CONNECTION』、『Rumors in Disguise』が成功している。
・『天乃 鈴音』が生存している。
・『天乃 鈴音』との信頼度が一定値以上。
・『日向 華々莉』への妨害ポイントが一定値以上。
■鈴音
あのキリサキさん。生き残ったパターン。
君どうやってクリアしたの……?
■妨害ポイント
・記憶を書き換えるタイミングが違った。
・千里がまさらの戦法を知っていた。
・茉莉に全力の『応援』がかかっていた。
・『椿の栞』を鈴音が所持していた。
・帆奈ちゃんが『暗示』で嫌がらせをしていた。
■Another Clover
効果:第8章に『かずみ』、『御崎 海香』、『牧 カオル』が参戦する。
・『Another Daze』が成功している。
・『かずみ』が生存している。
・『かずみ』と信頼度の高いキャラがいる。
・以上を満たしたうえで低確率で発生する。
■かずみちゃん
あのウォールナッツで会った子。実装されてたら昴で来てたしもっと増えてたかも。
マギウス冷えてるか~?
■フランスのやべーやつら
時間の壁がね……。
DLCに期待、しよう!
■ウワサの黒羽根
色々とド捏造。
無駄に強い。難易度補正付き。
■発生させるつもりのないイベントはガバでは?
バカ野郎お前いいだろそんなこと! ホラ飲め飲め!