マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート 作:みみずくやしき
目と目が逢うRTA、はーじまーるよー。
なんて言ってる場合じゃねえ!
織莉子ォ! なにが目的だ!? 命か! 首か!
「由良――織莉子さんはペンダントで操られそうだった私たちを助けてくれたのでございます」
はえ~……は? なんで?
お前明らかにくれはちゃんを殺しに来てただろォ!? やちよさんなんか言ってやってくださいよ!!
「……あなた、記憶ミュージアムの時にいたわよね。マギウス側じゃないの?」
「どちらでもない。わたしはただ、滅びの未来を回避したいだけよ」
あ、これかぁ!(超速理解)
くれはちゃん狙いルートかと思ってましたが、これワルプルギス狙いの友好ルートですね。しかも予知したのが正位置ワルプルギスとかいう分岐ルートです。なりふり構わず阻止か逆位置状態の間に倒そうとするので一番行動が読めなくなるパターンですね。ガバだな?
おい、やべぇよ……やべぇよ……どうすんだよ……杏子ちゃん家に呼んじゃったよ……。
「でも、聖堂でマギウスの三人と一緒にいませんでしたか? 逃げるにしてもあの三人の目を逸らすなんて……」
雫ちゃんよう責めた! それでこそ魔法少女や! またトラブル持ってきた七瀬ゆきかも見習わにゃいかんとちゃうんか?
「マギウスは三人。そして二人まで動きを封じられる技を持つ魔法少女がいるのなら、利用しない手はないでしょう?」
「というわけでございます」
「救われたとしても今のマギウスには従えないからね。あっさり逃げられたよ」
なるほどぉ~……『笛花共鳴』で止めてきたからピーヒョロ姉妹がいるんですね。それにキリカもいれば『速度低下』で簡単に脱出できるでしょうね、ええ(確信)。というか逃げてくれて良かったです。万が一マギウスを始末してくれちゃってたらリセットですよリセット!
で、そもそもなんの用だ!?
「手土産を持ってきたのよ。マギウスの目的とエンブリオ・イブにワルプルギスの夜の情報をね。それの共有と撃破のお誘いかしら」
「信用されないとは思ってないのか? 自分たちが断らないとでも言いたげだな」
「そうでしょう?」
「……いいわ。ここは神浜の魔法少女を代表して私と十七夜、それにひなのと……帆秋さんが話を聞く」
「ええ。フェントホープに観鳥令もいるのだからそれがいいでしょう」
こんな感じにこのタイミングで元黒羽根に元白羽根、マギウスに近い立場にいたキャラがいる場合、聖堂やイブの情報、さらにはマギウスの目的に関するものまで手に入ります。
大変便利なので本来の予定では脱出した雫ちゃんから聞き出すつもりでした。総出で治癒魔法をかけるか、ゆまちゃんに全回復させれば多くの情報を引き出せるので無理矢理にでも叩き起こすつもりだったんですが……。無駄に元敵側が多すぎィ!
特に織莉子! こいつすげえ走者殺しの行動だぜ?
いえ、ここで重要な情報が手に入れば短縮できるんでいいんですけど。
あと観鳥さんはなにやってんでしょうね。いくみんまでこっち来るとか相当ですよ。
「マギウスの目的、それは――」
長くなるので聞き流しますが、要はワルプルギスの夜を呼んで感情エネルギーをたくさんゲットしてイブを孵化させようぜ! ついでに強化されたイブにワルプルギスの夜を捕食させて災厄も消せてウハウハ! ってことです。
「ワルプルギスの夜を捕食したイブは最早手が付けられない。魔女化しない世界は出来上がるでしょうけど、そこにはなにも残らないわ。ワルプルギスの夜を放置しても同じ。今回を凌いでもまたいつか現れてこの世界を蹂躙していく。多くの魔法少女が一堂に会した今、ここで全てを叩くのよ」
織莉子の言う通り、これからやるべきことは奴らの本拠地ホテル・フェントホープに突入、エンブリオ・イブの撃破、そして本ルートの最終目的であるワルプルギスの夜の撃破です。
というわけで第8章終了時から始まってますが、これから第9章『サラウンド・フェントホープ』が本格的に開始します。
クリア条件は普通なら単純明快、フェントホープを維持している『女王熊のウワサ』を撃破してとっととイブを外に出すことです。ぶっちゃけマギウスの相手なんてしなくていいぜ?
「どちらにせよマギウスはイブを外に出す。なにもしなくてもフェントホープは勝手に崩壊するわ」
「ウワサの結界が消えても外に出されるだけだけど、その時にはもうイブがいる……。先に行ったいろはたちが危険ね」
「それにまだ姿が見えない観鳥さん、他の羽根のみなさんだっているでございます」
「ウチたちはなんとか逃げられたけど、多分、みふゆさんはまだ……」
と、この通りに、突入前のタイミングでイブの情報が手に入っていると第9章の内容が変化します。
大体の場合は先に行ったいろはちゃんと合流するだけでよくなるのでかなり短縮できますね。ついでに他の羽根たちに警告することになりますが、それは他のメンバーが勝手にやってくれます。
今回は得られた情報の結果、まだみふゆさんが最上階の部屋に捕まってるみたいなので助けに行くことになりました。もちろん助けます助けます(食い気味)。
なんせもしも退場されるとやちよさんのメンタルが危険域に突入してチャートがお亡くなりになってしまいます。それに彼女がいると決戦の時のチームみかづき荘がパワーアップするのでうまあじです。
あとはいくみんにゆきかちゃん、雫ちゃんがなぜか執拗に推してくる観鳥さんですね。
地下にいるみたいですけどマジで見えないとこでなにやってたんだ……これだから難易度ハードはやめられねえぜ!
でも、助ける必要あります?
言っちゃアレですがワルプルギス戦で重要な役割を持つわけじゃありませんし、退場したところで鍵となる魔法少女にダメージを与えるわけでもありません。『CROSS CONNECTION』の時は『羽根の行方』に影響するので意地でも生存させてましたが、ここまで来たらもういくみんとみゃーこ先輩のメンタルぐらいにしか影響しませんし……南凪ってことぐらいですかね。
……ないな! メインストーリーが始まるまでありがとうな! ちょっと南凪って点で迷ったけどこれRTAなんですよ!
って勝手にイベントを進めるなゆきかァッ! くれはちゃんも話を進めるんじゃねえ!
「観鳥さんは、本当にくれはさんのことを大事に思ってたんですっ。いつだって……!」
「帆秋、もう答えは決まってるだろ?」
……いやちょっと待ってください……これってもしかして、もしかするかも知れませんよ?
観鳥さんとの信頼度がストップしたのって『散花愁章』のちょっと後でしたよね。それで今までの上がり具合にここまでの時間経過を踏まえて計算すると……もしも戻ってきたら帆奈ちゃんとこのみちゃんを超えるな?
となると、くれはちゃんの信頼度上位三人が帆奈ちゃんとこのみちゃんと観鳥さんになるわけで、固有魔法がそれぞれ『上書き』に『暗示』、『花を持たせる』、『確実撮影』……。
よし助けましょう。絶対に助けましょう。
最後の不安点を安定させるためです。リセット食らうぐらいなら助けます。ピーヒョロ姉妹分救出枠も浮いたしな!
あと退場されたらメンタルにダメージ食らうのはくれはちゃんも同じでした(ガバ)。
危うく行動不能レベルの精神ダメージを受けてリセットするところとか……いかん……いかん! 危ない危ない危ない……(レ)。一応『停止』や『暗示』で無理矢理動けなくもないですが、それでワルプルギス戦は勘弁してくださいお願いします!
「にしても、なんでマギウスに近づいたんだ。最初から確信を持って行動できたわけじゃないだろ」
「できたのよ。わたしの固有魔法は『予知』。全てを見ることができるわけじゃないけれど、マギウスが騒動を引き起こすのはわかっていた」
「それは、また強力な……」
「でも、停電が起きてからわたしの『予知』に乱れが生じた。……ウワサの中に未来視を邪魔するようなものが作られたのかもしれない。もしくは、この先の運命が乱れすぎているのか……最後に見たのはワルプルギスの夜に立ち向かう多くの魔法少女。ただ、それをかき消すようなノイズが走ったのよ。そんなこと今まで一度もなかった」
織莉子、お前……本気で、言ってるのか? お前……本気で、言ってるのか?(二回目)
みなさんご存じの『予知』が封じられてますがこれは仕様です。
というのも、この先の第9章と第10章は残っている勢力や魔法少女によって大きく変わります。先ほど第9章の内容が変わったのもそれです。
こんなの読めるわけないだろいい加減にしろ! と『予知』くんも言いたくなるほど情報がデカスギる結果、魔法の処理範囲を超えてしまって読めないんですね。この場面以外でもよっぽど混沌とした状況になると同様の事態が起こります。
なお、チャート上では正規ルートを魔法少女の絆パワーでゴリ押しする予定でした。
しかし難易度ハードである以上、どうしても固定できない部分があるのでこの辺りが変わることは想定しています。いくつか用意してあるので今の状況に一番近いチャートを選択してその通りに進めていきましょう。
まず勢力ですが、これは正規ルートとほぼ同じです。メンバーもこちら側が異様に多いだけで誰かが欠けたりはしていないので大きな変化はないはずです。
あと変更点は……ない……? 織莉子がピーヒョロ姉妹を連れて情報を持ってきただけでほぼ正規ルート……? むしろクリア条件が変わって短縮できてるし観鳥さんの特大ガバを未然に防げている……?
やっぱり……織莉子を……最高やな!(手のひらクルクル)
「ならやることは決まったな。二人を助け出し、環君たちと合流しよう」
「合流後にその場のメンバーでイブを撃破、ワルプルギスとの決戦に加勢する……といったところね」
というわけで、目的も決まったのでパーティ編成をしましょう。
ここでは対ワルプルギスに多くを割り振ってフェントホープへは少数精鋭で突撃します。イブはぶっちゃけ楽勝ですし、切り札もありますから。
それにワルプルギスが神浜に被害を与えれば与えるほどイブの孵化が早まってゲームオーバーも近くなります。そちらに主戦力を割いたほうが良いでしょう。
なお、みと様は対ワルプルギス戦で必須になるのでここで待機です。ウワサの黒羽根にマミさん戦で連戦してますし、下手に消耗してドッペル使用からの気絶でもされたらチャートが崩壊します。まだ融合ウワサが出てくるかもしれませんがそこはもうスルーして先に行きましょう。
なので選択メンバーはみと様を除いたフェントホープ内で有利になる人たちで固めましょう。
じゃあさっそく突入パーティを紹介するぜ!
「観鳥さんを助けるならわたしも行くの! それにアリナ先輩が気になるの……」
なんか勝手に育ってたかりんちゃん!
「案内なら任せて。絶対に令ちゃんを見つける!」
道案内役のいくみん!
「いろは、みふゆ、すぐに行くわ」
いつも通りのやちよさん!
「アタシたちで令を取り戻すぞ」
我らが南凪のみゃーこ先輩!
「私が羽根たちにマギウスの真意を伝える。これはけじめなのよ」
本領発揮し始めたマミさん!
なんか揃いも揃ってやる気に溢れてますねぇ! ドリームパーティーの完成だぜ!
「で、準備してきたあたしは?」
帆奈ちゃんは切り札用に後詰めの組に回ってくれよな! いえ負傷されても困るんでほんと待っててくださいお願いします!
その後詰めですが、この人たちは万年桜の位置で退路の確保と後続の羽根の相手をしてもらいます。延々と敵が増えるなんてやってられないので。
ここには……戦力の要として帆奈ちゃんと見滝原組、撤退要員の雫ちゃん、連絡要員の天音姉妹でいいでしょう。
フェントホープ内は念話が遠くまで届きませんが、天音姉妹の固有魔法の『音波操作』を応用すれば無理矢理届けられます。
なお、ここのメンバーが少ないとみたまさんが調整屋の中立の掟を破って後詰めをやってくれます。まあこうしてマギウスの敵に手を貸してる時点で中立もないですけど!
「都、頼むぞ」
「任せろ。そっちの指揮は……心配ないな」
残りのメンバーは対ワルプルギスに当たってもらいましょう。
ここの人たちはこちらがイブを撃破するまでの間、先に来るワルプルギスの使い魔を対処してもらいます。
こっちの編成なんかさ、すごいんだぜ? 正規ルートのメンバーに加えて勝手にホオズキ市とあすなろ市の魔法少女が増えているので問題ないですね、ええ(満足)。
「くれはさん……」
おうどうしたこのみちゃん! ここは信頼度の高いキャラから声をかけてもらえる熱いポイントですね。よっしゃ! その気持ちでやったらんかい!
このイベントが発生しましたし、それに停電からの時間経過からしてそろそろワルプルギスの夜が我らが南凪区に近づいている頃でしょう。もう出発です。
じゃあラストダンジョンにイクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)
というわけでワープしてきました。ここが北養区に存在する『万年桜のうわさ』です。
今あそこにいるのがうわさの本体、『万年桜のウワサ』ですね。絶対四人(いろはちゃん、ういちゃん、灯花ちゃん、ねむちゃん)守るウーマンです。この状況下だと必ず出てきます。
「|あなたたちを待っていた|」
彼女も未来の南凪の仲間ですのでここは仲良くしておきましょう。へへ、肩お揉みしましょうか。
「|いろはたちは先に行った。あとで来る人たちにそのことを伝えてほしいと頼まれた|」
はえ~もう先に行ったんすねぇ。やっぱいろはちゃんなんか早くねぇか?
まま、ええわ。捕まったりしてなければそれでいいでしょう。
じゃあ帆奈ちゃんたち、ここは任せたぜ! フェントホープに突撃ー!!
わぁ、これがホテル・フェントホープですかー。立派な建物がありますねー。こんなに大きいとは思わなかったぁ。
ここは入り口で、向こうに、地下があるんだ。今すぐ、そこへ行こうよ。
……いやこれじゃホテル・デカスギじゃないですか? 通常の何倍もありますよこれ。
このフェントホープ、ウワサ製で状況に応じていくらでも改築ができてしまうので道が簡単に変わりますしこんな感じでサイズも変わります。
どの程度変動するかは結構変わりますが、この分だとねむちゃんが相当頑張ったな? とんだハリキリガールがいたもんだぜ。
いくみんを連れてきた理由を道案内と言った時、走者の癖に道を覚えてないとか恥ずかしくないのかよ? とお思いになったかもしれませんが、ガバではありません。これだけははっきりと真実を伝えたかった。
なんせこの有様なので覚えられません。だから、最新の道を見たことがあるキャラが必要だったんですね。
なお、このウワサの特効となるキャラは今の既存の魔法少女にはいません。風による吹き飛ばしをしてくるので、強いて言えば『停止』で風を止められるくれはちゃんでしょうか。まあパワーで負けますけどね!
おっとエントランスの扉がガラ空きだぜ?
「やちよさん! それにその人たちは……!」
かもれじゃないっすかぁ!?
いろはちゃんは? みふゆさん助けて一緒に聖堂に行った? なんだお前生粋の走者か?
じゃ、観鳥さん助けに行くんでそっちはかもれにやちよさんとマミさんにお願いしますね。
というか聖堂への道はマミさんのリボンが邪魔してるので本人がいないとゴリ押しでの突破しかなくなります。リボンがなくなることはほとんどないので、どうせそこで足止めされます。そこで合流するでしょう。
ちなみに聖堂はこのリボンでウワサから隔離されています。ない時は……そこもウワサの範囲内だから気をつけようね!(2敗)
じゃあな! ワルプルギスの夜ってやつに気をつけろよ!
「待った、レナたちが伝えなきゃいけないことがあるの!」
「帆秋さん落ち着いて聞いてね……」
流行らせ! 流行らせコラ! こっちはとっとと観鳥さん助けに行くんだよ!
「そのことだよ! これは、フェントホープのウワサは……観鳥さんと融合してるんだ!」
なんで?
アクシデントが発生したので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。
◆
フェントホープを脱出できた私たちは、雫ちゃんの『空間結合』ですぐにその場を離れた。
選んだ場所は調整屋。中立の立場のあそこならこの状況でもなんとかなると思ったし、他の魔法少女もいるはずだって考えた。くれはちゃんがどこにいるかもわかるかもしれないって思ったんだ。
でも、跳んだ場所は離れた場所だった。
「……ぅ、ごめんなさい。魔力があまり残ってなくて……」
「無理しないでください。ここまで来れただけで十分ですからっ!」
脱出途中で黒羽根から逃げるために魔力を使ってたんだ。私とゆきかちゃんもあまり余裕はないけど、雫ちゃんが一番消耗してる。
私が一番年上なんだ。ここは二人を引っ張らないと。
だからゆきかちゃんがグリーフシードを使ってあげている横で周囲を警戒する。
操られた羽根は外にもいるはずだから、油断はできない。今のあの子たちは完全に敵なんだ。
そして、その予想は当たっていた。
角から黒羽根が姿を見せて剣を振ってくる。私でも見切れる、工夫もなにもない攻撃だった。
「アアアアッ!」
「やらせない……!」
モップで防ぐけど相手の力が強すぎる。支える腕に痛みが走る。
でも、それを全力で押し返す。少し距離が開いたタイミングでモップを振って、なんとか気絶させることができた。
……これが私にできる精一杯。
ゆきかちゃんみたいに強くないから、一人を相手にしても五分五分なんだ。
私の『フリーズ』は精神を萎えさせて動けなくするものだから、ペンダントで感情を消されてる状態じゃ使えない。だからこうして戦うしかない。万が一にも殺してしまうことがないように、精神を張り詰めて。
遠くを見ると、まだ後続が来る。三人。
同じようにモップを構えるけど、たぶん、無理だ。一人は止められても、その間に突破されるか袋叩きにあうに決まってる。
それを悟ったのは私だけじゃなかったみたいで、ゆきかちゃんが隣を駆け抜けていった。
一人で突っ込んでいったのに、三方向から来る鎖を避けてレイピアで的確にペンダントだけを切り裂いていってる。同じ黒羽根でも、動きがぜんぜん違う。
ゆきかちゃんのおかげで乗り切れたけど、まだ来る。今度は四人。正気に戻った子たちを守らないといけないのに数が多すぎる。
「雫ちゃーんっ!」
でも、その後ろから走ってくる魔法少女がなにかの魔法を使うと、黒羽根の子たちは私たちを見失ったかのように立ち止まって躊躇しているように見えた。
「あたしの『冗談』! 本気じゃなくしたから、今のうちに!」
黒髪のツインテールにシルクハットを被った彼女は確か、雫ちゃんが話してくれたこともある毬子あやかちゃんだ。
雫ちゃんは彼女に手を引かれて走り出す。正気に戻った羽根の子たちに逃げてって伝えて、私たちもその後に続く。
そのまま時折来る操られた黒羽根を対処しつつ、時折隠れたりしながらも走り続ける。そのうちに日は沈み、停電が起きたのか町は真っ暗になった。だから結局、私たちが調整屋に辿り着くのには結構な時間がかかったんだ。
調整屋の外で魔法少女が防衛してたことにも驚いたけど、中には本当に多くの魔法少女がいた。みんなここに集まってたんだ。
その中の小学生ぐらいな小さな子がみんなを治療してあげてるみたいで、少し順番待ちができてる列に並ぶ。それでやっと少し落ち着けた。
雫ちゃんもそれは同じだったみたいで、肩を貸しているあやかちゃんと話してた。
「ごめん、あんな無神経なこと言って……!」
「私もごめん……あやかにすごく心配かけちゃった。……でも、気づけたの。あれだけ怒って避けてたってことはそれだけ感情的になれる相手なんだって。今の私が自然体で居られるのはあやかの傍で間違いないんだって……だから、また傍にいさせて」
「……もちろん! もちろんだよ雫ちゃん!」
洗脳されて自分の意思を曲げられてマギウスの翼に入った彼女。『空間結合』でどこにでも行けるのに居場所を探していたそんな彼女が、やっとそれを見つけられたみたいで良かった。
あやかちゃんと話す今の雫ちゃんは、疲れていながらもとっても穏やかに見えたんだ。
それで雫ちゃんと私が治療を受けて、「わたしは後回しでいいですっ」なんて言ってたゆきかちゃんの番になった頃、入り口から大勢の魔法少女がやってきた。
最初に見えたのはまだ外にいると聞いていた東西のトップ二人。背後にはこの辺りじゃ見かけない魔法少女が何人か。その中にはあの聖女様までが混じっている。そして、そのまた後ろの赤青緑の三人に囲まれている彼女は。
その姿が目に入った瞬間、私たち三人は駆け出していた。
「やっと……見つけました……」
「お願い、令ちゃんを助けて!」
「……観鳥を?」
そう、変身したままで緑の衣装に身を包むくれはちゃんだ。
彼女とは一度しか会ったことがないから覚えてないと思うけど、私はよく知っている。こっちが恥ずかしくなるぐらい、いつも令ちゃんから聞かされてたんだ。その綺麗な容姿を間違えるわけがない。
だけど令ちゃんを助けてって言葉を言ったあと、あまりにも説明が含まれていなかったことに気づいた。
うん、状況を説明しないと。
「あ、あのね――」
「道を空けてほしいでございます!」
「大事な話があるんだよー!」
勢いよく入ってきて遮ったのは白羽根の二人だった。
まさかマギウス側の二人がここまで追ってきたのかと一瞬身構えたけれど、そういうことを考えるタイプじゃないだろうし、後ろから歩いてくる人を見てそんな些細なことは吹き飛んだんだ。
「こうして会うのは初めてかしら」
くれはちゃんと見つめあうのは、いつの間にかマギウスと肩を並べるほどの地位にいたあの由良子さんだった。
その佇まいに私は気圧されるのに、くれはちゃんは一歩も引いていない。
二人の間に割って入ったのはやちよさんと聖女様、もといマミさんに赤い魔法少女。
「赤いのと黄色いのもそんな顔しないでおくれよ。織莉子はそちらにつくから味方だ」
「てめぇ、なに言ってるのかわかってんのか?」
「変な真似はしないことね」
「……杏子、マミ。ここは話を聞きましょう」
くれはちゃんがそう言っても収まらずに今にも戦闘が始まりそうな状況になっていたけど、それをさっきのように遮ったのはやっぱり天音姉妹の二人だった。
白黒の二人と一緒にマギウスのところから脱出できた理由を語る姿を見てると、それは真実なんじゃないかなって思う。私たちみたいにマギウスのやり方に反発したのかもしれないし、後ろの黒い魔法少女が少し怖いけれど信じてみようって気になったんだ。
それに、マギウスの目的を聞かされてその結果どうなるかを知ったら。信じようと信じまいと神浜を守るためにも協力し合うしかない。
聖堂に鎮座されているイブが穢れに満ちた存在なのは事実で、外では風がどんどん強くなっていってて伝説になっている魔女が近づいて来ているのだと示している。もう一刻の猶予もない。
「どちらにせよマギウスはイブを外に出す。なにもしなくてもフェントホープは勝手に崩壊するわ」
「ウワサの結界が消えても外に出されるだけだけど、その時にはもうイブがいる……。先に行ったいろはたちが危険ね」
「それにまだ姿が見えない観鳥さん、他の羽根のみなさんだっているでございます」
「ウチたちはなんとか逃げられたけど、多分、みふゆさんはまだ……」
……やっぱり、みふゆさんも捕まってるんだ。
「梓みふゆ。彼女は最上階の部屋にいるわ。それに観鳥令は……」
「地下……ですか?」
「ええ。ただし地下は地下でも牢獄のほうよ。移動していなければそこにいるはず」
これで場所はわかった。どうして牢獄にいるかはわからないけど、それなら納得がいく。
だからくれはちゃんに、令ちゃんがクリスマスぐらいから姿を見なくなってることを伝えたんだ。調べた結果、巡回の黒羽根の子も見てないっておかしな状況だったことも。
「観鳥さんは、本当にくれはさんのことを大事に思ってたんですっ。いつだって……!」
「帆秋、もう答えは決まってるだろ?」
もしかしたら無理矢理合わせても元の関係には戻れないかもしれない。でも、このままなにもしないよりかはきっとうまくいくはずだから。
「令ちゃんはね、くれはちゃんの横に立ちたいと思ってるの。二人の問題だから私にはこれ以上踏み込めないけど、お互いを思ってる気持ちは同じはずだから……」
イブを倒してワルプルギスの夜も倒さなきゃいけない。そんな状況だけど、彼女なら絶対に手を貸してくれる。だって、令ちゃんが信じる人だもん。
「……任せて。観鳥が私に願ってくれているのなら、助けられる」
聞こえた言葉はとても力強い口調。直接話したことは数えるほどもないけれど、令ちゃんが頼りにしていて、力になりたいと思ってたことがより深く理解できるぐらいには私に響いた。
そして、ベテランの魔法少女を中心に作戦会議が始まったんだ。
「イブは身体の宝石という明確な弱点がある以上、ワルプルギスの夜よりも倒しやすいわ。先に対処して捕食の危険性をなくすべきよ」
「……ワルプルギスの夜本体が来るまで少しは時間もある。その間にケリをつけましょう」
「雫は大丈夫?」
「まだ数回なら『空間結合』で跳ばせます……。入り口の近くまで跳ばすことと帰りの分ならなんとか……」
「雨が降ってるなら私も……!」
「いや、桑水君はワルプルギスとの戦いに必要だ。なにをしてくるかわからない以上、そちらにも瞬間移動は欲しい」
「……脱出する時、あまりにも容易かった。マギウスはまだなにか隠し持っている可能性もある。危険な予兆があったらすぐに撤退しなさい」
「覚えておくわ」
次々に流れていく会話。私みたいな黒羽根にはその会議に口を挟めないけど、聖堂が穢れに満ちていて慣れてない魔法少女じゃ動くことすら難しいなんてことぐらいは言えた。
だから、私がフェントホープの道案内役に選ばれたときは驚いたけど……くれはちゃんがそれを決めてくれたんだ。できることなら令ちゃんに会いたいって思ってるだろうって汲み取ってくれて。
「都、頼むぞ」
「任せろ。そっちの指揮は……心配ないな」
編成が決まってそれぞれが準備する中、フェントホープに行く私たちに近づく数人の姿があった。みんな、これから別行動になるくれはちゃんに声をかけに来てくれたんだ。
「こっちはこの阿見莉愛にお任せを。……帆秋さん、待ってるわよ」
ライバルに言うように告げたのは阿見莉愛さん。
「……もう、本当の意味で一人ではありません。あなたの救えるものを救ってきてください」
静かに、けれども強く言ったのは常盤ななかさん。
「あなたの隣には観鳥さんが必要なのよ。帆奈だけじゃ抑えられないし、目を離すとなにをするかわからないんだから」
それが当たり前の光景だと知っているみたいな口調だったのは静海このはさん。
「月咲君は戻ってきた。帆秋、必ず観鳥君を連れ帰って来い」
全てを託したのは十七夜さんで。
「私も頑張るから、絶対帰ってきて」
くれはちゃんの手をしっかりと取って、そう言ったのが、春名このみさんだった。
その五人の言葉はそれぞれ違ったけどみんなくれはちゃんのことを大切に思ってる。
だから信頼を向けられた彼女も、いつも通りのはずの言葉で言ったんだ。「もちろん」って。あまりにも短いけれど、それが無事に戻ってくるって意味なんだ。
でも、フェントホープに向かった私たちに突きつけられた事実はあまりにも残酷だった。
「観鳥を助けに行くのよ。話は手短に」
「そのことだよ! これは、フェントホープのウワサは……観鳥さんと融合してるんだ!」
「……それ、本当なの?」
「間違いないよ。みふゆさんはそれを知ったから捕まってたんだ。このフェントホープは遅かれ早かれマギウスが自分で壊す。……それって、ウワサが消滅するってことだろ? 剥がせなかったら死ぬ……だからいろはちゃんたちも急いで先に行ったんだ」
それを知ったくれはちゃんの行動は本当に早かった。
万年桜で待っている雫ちゃんのワープは使えて数回。魔力はあっても疲労と集中力の都合がある。帰りの分もあるからそれだけに使うわけにはいかない。
だから、雨の範囲ならワープできるせいかちゃんと役割を交代。ウワサを剥がせるみとちゃんを連れてくるように頼んだ。
そして、その場の全員ですぐに、マギウスを止めるために聖堂に向かったんだ。
壁を壊してウワサのルールに反しても令ちゃんが来ないってことは、動けない状況かもしれない。探し出す時間もない。だからフェントホープを破壊しようとするマギウスを止めるのが一番って結論になったから。
フェントホープは確かに広い。けど、ここは黒羽根になってからずっといた場所なんだから案内は簡単にできる。
時々出てくる魔女を倒してもらって、私を先頭にひたすら先に進む。地下聖堂への道は一直線。阻むものなんてない。ほとんど足止めをされることもなく辿り着ける。
「あの先です! あそこが聖堂……」
「――いろはっ!」
聖堂の奥。ティータイムでもするように椅子に座る二人のマギウスの前に、四人の魔法少女が倒れていた。
「かりん、回収!」
「はいなの!」
童話の魔法使いみたいな帽子をしたかりんちゃんが魔法を発動させるとその四人がこっちに引き寄せられる。……大丈夫。穢れで動けなくなっていただけみたい。
「や、ちよさん……観鳥さん、が……」
「落ち着いて。そのために来たのよ」
小声でなにかを話すやちよさんといろはちゃん。それに後ろにはみかづき荘の人たち。
みふゆさんの姿がないのが気になるけれど、その子たちを守るためにも耐性がある私とマミさんを先頭に前に行く。
マギウス二人の幼くも威圧する視線が向けられる。自分の意思でここまで来たのに、足が止まりそうだった。
「くふふっ、いらっしゃい。待ってたよー」
「……アリナは?」
「そうなの! 先輩は……!」
「アリナなら外で待ってるよ。そのほうが創作意欲が湧くらしい。むふっ、わからなくない」
「あとなにか言ってたっけ」
「『炎が視えた』。方向性が僕とは違うね」
アリナが外にいるのはまずいと、私以外も気づいたはず。
外でみとちゃんを足止めされたら間に合わないかもしれない。だけど……そんなことは織莉子さんのように未来でも見えないと想像できるはずがない。あとで決めたことなんだから大丈夫だって、自分を落ち着かせた。
「あなたたちに構っている暇はないの。観鳥がウワサと融合させられたことは知ってるのよ。どこにいるかとっとと教えなさい」
「なーんだ知ってるんだ。じゃあゆっくり探してみればー? その間にフェントホープを壊しちゃうけどねー」
「……ならこのままイブを倒しましょう」
「やっぱり、目的も知ってるみたいだね」
ねむちゃんが席を立って少し近づく。
「由良子、いや織莉子。厄介なことをしてくれたよ。おかげで僕も予定以上に命を削ることになった。マミも向こうにいるしね。……全部知ってると考えていいのかな?」
「ええ、『予知』のおかげでね」
「……そっかー、そんなだったんだ。『予測』だなんて言ってたけど、本当はそんな固有魔法だったなんて――」
そして、灯花ちゃんも席を立った。
「想定してないと思った?」
くるりと傘を回して、この場に似つかわしくない屈託のない笑顔を見せて、言った。
「元々こっちにいたのに『星屑タイムビューワのうわさ』って知らないのかにゃー? 未来を見られるのはこっちも同じなんだよー」
「不安定だからあまり使いたくないんだけどね。簡単に変わってしまうから作戦には向かない。まあ……裏切る未来は見えたから」
「『心を繋げる』なんてふざけたものがあったんだもん。神経が繋がってるなら警戒するのが普通でしょ?」
「調子に乗ってキレーションランドで痛い目を見たのを忘れた?」
「おかげで気づけたんだからいーの」
なにも言えない私たちに、二人は台本を読むかのようにすらすらと言葉を続ける。
「『増やした融合ウワサ』。『ペンダントのウワサ』。ぜーんぶただの時間稼ぎ。最初っからこっちに来られたら面倒だからねー」
「織莉子がもっと早く裏切ってくれればその情報が届いてより確実だったのだけど、未来はうまくいかないものだね。偶然に助けられたよ」
「そうだねー。ま、令を使えばみとを呼ぶことは必然だよね。誰が対応するかって話もちょっと面倒だったけど、アリナが行ってくれて良かったよー」
「……そこまでわかっててなにがしたいんだ。だったら入れないようにすればいいだけの話だろ」
ひなのさんの言うこともっともだった。
未来が見えていて、ワルプルギスの夜が神浜を蹂躙することで得られる感情エネルギーが必要なら、呼んだ時点でもう勝ちなんだ。どんな対策だってできる。フェントホープの入り口を封鎖して、悠々と待つことだってできたはず。
なのに裏切るとわかってる人をわざわざ逃がして、ウワサと融合した黒羽根とマミさんを用意して、令ちゃんまで利用する意味なんて。
……一つだけ、あるんじゃないの。
それらの情報を伝えて、疲れてるみとちゃんを足止めして、令ちゃんを使う意味が。
「そんなの決まってるよ。わたくしは単純な勝利じゃなくて、絶対的な勝利がしたいの。だから解放の前祝いも兼ねて帆秋くれはの歪んだ顔が見たかっただけ。逃げちゃうし、キレーションランドは邪魔するし、そもそもあなたがいなければもっと簡単にいったんだもん」
どれもこれも全部、くれはちゃんへの
「だからこれ見よがしに情報を流したんだけど、役に立ったかな?」
「選びなよー。時間切れで死んじゃうか自分の手で殺すか」
「……」
「どうしたのかにゃ~?」
「ふざけんなよ……お前……」
「くふふっ、その顔が見たかったんだ! あなたもそんな表情するんだね~! やって良かったー!」
今すぐにでも飛び掛かりそうなくれはちゃんをやちよさんとひなのさんが抑えた。
その代わりにとでも言えばいいのか、マミさんがマギウスに銃口を向ける。それを皮切りに戦える人は全員武器を構えた。近づけない人でも遠距離から援護はできる。
……私だって、このまま黙ってられない!
「……そうです。まだ、諦めちゃダメです」
「二葉さん……もう動けるの?」
奮起する私たちに呼応するように、穢れから離れた四人が立ち上がっていてくれていた。
「そうだぞ! まだみとが来るかもしれないだろ!」
「仮に来ても無駄だよー。最強さんに黒羽根、マミってどんどん剥がしづらくなってたでしょ? どういうことか、わかるよね?」
「……わたしの時より技術が上がってる?」
「最強さんせいかーい!」
「それでも……私は諦めたくない……! 心を通わせられれば剥がせるんでしょ。だったらそれで……!」
そう。いろはちゃんの言う通り、ウワサはそれでも剥がせるはずなんだ。まだ諦めるのは早い。
けれど、灯花ちゃんはまたにっこりと、今度は全てを諦めさせるように笑った。
傘を持たない手でパチンと指を鳴らす。
すると、高速で地面がせりあがってきた。逃げようにもツタみたいにうねる床が足を拘束している。
「勘違いしないでねー。このフェントホープに入った時点で詰みなの」
私たちを包み込むようにだんだんと壁で光が遮られていく。腕を振り回せる空間すらない。
「あとは十分なエネルギーが溜まったあとにイブの鎖を外してフェントホープを壊せば終わり」
最後に聞こえたのは、一方的な突きつける一言。
「わたくしたちの、だいしょーり」
次に空間が見えた時、私の目に映ったのは薄暗いもう一つの聖堂だった。
一瞬、全てが終わってしまったのかと思った。けれどそれには早すぎるし、ここはまだフェントホープの中のはず。
それに、ここにはなにもない。壁の意匠から聖堂だってわかっただけでマギウスもイブもいない。
周囲を見渡すと、かりんちゃんにひなのさん、それに……くれはちゃんがいた。
「まずいの……! 分断されたの!」
「くっ、やってくれたなアイツら……どうにか戻れないか!?」
「……いえ、向こうの誘いに乗りましょう。私たちをわざわざ連れてきたんでしょ。ねえ――」
カツカツと歩く音がする。誰かが硬い床を歩いて近づいて来る。
それはやっぱり、くれはちゃんが一番最初に気づいてたんだ。
「――観鳥」
■今回の内容
第一部第9章『サラウンド・フェントホープ』
■万年桜のウワサ
未来の南凪の仲間。第一部での出番がここぐらいしかないってどうなってんですか!?
RTAでもちゃんといろはちゃんと会えてた。
■織莉子
さすがに途中でバレてるチャートの破壊者。
でも短縮してくれたのでやっぱり味方。なんだお前(素)。
■灯花ちゃん
私怨アンド私怨。おガキ様。
マギウスがそれでいいのかよォ!?
■ねむちゃん
灯花ちゃんに引っ張られる。本当はもうちょっと穏健。
意外と乗り気なのでウワサも活躍する。
■アリナ先輩
先輩がいないの。
なにやってんだあいつ……。
■牧野さん
超真面目。いくみんはどこ? ここ……?
シリアスなので口調がね……。
■サラウンド・フェントホープ
第9章。フェントホープ突撃して救出する話。RTAなので短縮。
これ8割ぐらい内容違わない?
■星屑タイムビューワのうわさ
『ユメミルサクラ』で出てくるウワサ。
どこまでできるかはよくわからない。フィーリング。