マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート   作:みみずくやしき

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パート41 浅き夢の暁 後編

 目の前には、無防備に立っているアリナ・グレイがいる。マスケット銃の乱射で私たちがなにもできないことが心底面白いように笑い続けていた。

 確かに、一発の威力が上がった銃弾は防ぎながら移動するのは楽じゃない。 

 

 でも、こちらにもできることはあるのよ。

 弾幕自体は元々巴さんが行っていた戦法。対策は、持ち主が一番理解していた。

 

 巴さんが銃撃の雨の僅かな隙間に飛び出して、巨大な銃から銃弾を放つ。それは弾幕をものともせずにアリナに迫るも余裕で回避されるが、弾避けとしての役割を果たしていて、接近を許していた。

 撃ち合いが不利だと判断した巴さんが選択したのは接近戦。銃身を短くした二丁の銃で流れるような動きで攻める彼女だったが、やはりそのことごとくを避けられ続ける。

 

 だけど、そこに私が加われば。

 

「避けるのなら、避けられない攻撃をすればいいだけ!」

 

 いくら未来が見えると言っても、その予測に動きが追いつかなければ避けることはできない。

 いつの間にか相手の乱射も止まっている。狙うなら今。

 

 アリナが下方から頭を狙う銃弾を避けた。アクロバティックな見せつける回避のせいで両足が空中に浮いている。

 例え飛べようとも慣性までは無視できない。ゆえにそこに槍を突き出す!

 

 渾身の力で繰り出した一撃は、空気を裂いて一直線に伸びていく。穂先は遂に白い衣装に辿り着き――傷一つ負わせずに跳ね返された。

 私にタイミングを合わせて遠隔でリボンを放った巴さんも同じだ。拘束しようにもなにかに阻まれて身体そのものに触れられないで隙間ができている。

 

 リボンはすぐにキューブからの光線で焼き切られるも、それで理解できた。

 

「被膜……!」 

「アハッ! やっと気づいたワケ?」

 

 美国さんからアリナの固有魔法は『結界生成』だと聞いていた。それは性格とは正反対に防御に長けたもので、魔女の結界のように閉じ込めたりするだけでなく、バリアのように扱うこともできると。

 まさに今、イブを覆っているように魔法を自身に使っているのだろう。それもウワサとの融合で強固になった結界そのものを。

 

 当てられない。当てたところで結界が邪魔をする。そもそも空を飛ばれて遠距離攻撃に専念されたら為す術がない。痛めつけようと遊んでいる状態だからまだ戦闘が成り立っているだけで、不安定な足場の上に立っているようなものだ。どうすれば……アレを止められる?

 

「アリナ、どうしてそこまでして滅びを求めるんだい」

「それはもう言ったヨネ。それこそ人類が求めるアート。アリナのラストワーク」

 

 柊さんがアリナに話しかけるのと同時に彼女から念話が届く。会話で少しでも時間を稼ぐから突破口を探ってほしいという、願ってもない連絡だった。

 

「ウワサをここまで利用するなんて手段と目的が逆転しているよ。元々はイブを孵化させるために感情エネルギーを集めるのがウワサだった。なのにそれで操るなんて、創造主の僕の意図とは外れてる」

「大衆や評論家がアートの思惑を理解しきれないことはあるヨネ。でもウワサは画材。それを使うのがアーティスト」

 

 そして首を傾げて続けた。

 

「それに、アナタたちが言えるワケ? 融合の実験を繰り返して余計な技術を高めたのはそっちなんですケド。アリナは利用してるだけだヨネ」

「……そーだよ。わたくしたちは散々ひどいことをした。帆秋くれはと観鳥令にやったことは許されるなんて思ってない。……だから! わたくしが止めないといけないのっ!」

「灯花……」

「ねむは下がってて。これ以上戦ったら身体が危ないでしょ」

 

 里見さんが柊さんを下がらせて一歩前に出る。これで彼女と巴さんと私がアリナを囲んでいることになる。

 

(遠距離攻撃できる人はわたくしに合わせて。回避できない高火力を当てるよ)

 

 その指示にいろはがクロスボウを、鶴乃が扇を、みふゆがチャクラムを、巴さんが銃を構えた。私はいつでも大量の槍を飛ばせる準備をする。

 言葉もなくすぐに多くの傘が展開され、そこにエネルギーが収束する。あれは里見さんが何度も見せた技。それに各々の出せる全力攻撃が加わり、アリナのいる場所に大爆発が起こった。

 

 けれど。

 

「……ダメ。硬すぎる……!」

「受けられると()()()()()から受けたんですケド。次はアリナのターンだヨネ」

 

 銃の次に空中に浮かんだのはいくつもの緑のキューブだ。複数の同じ正方形が一つを構成しているそれは、たまらなく嫌な予感がする。

 

「さ、レッツパーティー」

 

 銃は一つにつき一発だったというのに、一つのキューブから数十もの光線が放たれる。それでいてキューブの総数は銃以上。これでは攻撃の数が跳ね上がる。

 

 ……この場で一番危ないのは二葉さんが庇っているういちゃんだ。話を聞く限り魔女との戦闘経験もない彼女はこの状況下で動けるはずがない。

 

 だから、いろはがしようとしていることを代わりに引き受けた。

 それは二葉さんの前に立って降り注ぐ光線を叩き落し続けること。いろはよりも私のほうが向いているといった合理的な理由もあるけれど、私だって頼れる背中を見せたいというこの場に似つかわしくない心情も少しはあった。

 

 しかし緑の光線は強力で、それらの理由を差し引いても私で良かったと心から思う。

 これは今まで受けた攻撃の中でも上から数えた方が早い。それだけの速度と威力を持っていた。

 

 槍を振るう手が追いつかなくなるところを無理矢理動かす。砕ければすぐに生成する。多少なら受けたところで問題はない。治せばいい。

 身体が疲労してようとまだ魔力は残っている。なら意識を保てば防ぎ続けることだってできる。

 

 ……本音を言えば限界よ。全力を保ち続けられるわけがない。

 だけど、どういうわけか、身体の奥から懐かしくて暖かい魔力が湧いてくる。それがまだ私を奮い立たせている。

 

 気がつくと、降り注ぐ光線はいつの間にか止んでいた。他の魔法少女がアリナに攻撃を仕掛けて中断させていたらしい。

 

「……無事?」

「っ、やちよさん……!」

 

 息すら止めた全力は代償として強烈な疲労感をもたらした。

 それでも、まだ。ふらつきそうになる身体を押し止めて、アリナに槍を向ける。

 

「リミットも近いのに無理してるヨネ。デスへのチケットならあげるワケ」

「生憎だけど、私たちのリーダーを残して逝くわけにはいかないの。投げ出す命はないわ」

「じゃあワンモア」

 

 同じようにキューブが隊列を組む。本当に……底無しの馬鹿げた魔力ね。

 けど、それが光を放つ前に私たち全員の視界が切り替わった。

 

「ま、間に合った……」

 

 遠くのビルの屋上に跳ばしたのは、帆秋さんと伊吹さんを連れて撤退したはずの桑水さんだった。

 彼女が言うには二人はやっぱり無事のようでほっと胸をなでおろすも、状況は好転したわけじゃない。むしろアリナから離れた分、イブを動かすかもしれず悪くなったかもしれない。

 

 それに真っ先に気づいた鶴乃が桑水さんに説明すると、続けて私たちに向けて言った。

 

「わたしの『幸運』なら少しは避けれるから! なんとか方法を見つけ出して!」

「待ってください。それに『幻覚』を加えればもう少し耐えられます。ここはワタシと鶴乃さんに任せてください」

 

 注意を引きつけるという二人の役割は危険でも必要なこと。心配ではあるけれど、回避に専念すればできないことじゃない。

 

「……わかったわ。でも、万が一のためにイブも止めないといけない。拘束できる巴さん、二葉さん、『忘却』で操作を妨害できるフェリシア、それにワープで接近できる桑水さんが後でそれぞれの対処……今はそれでいい? いろは」

「はい。一番止めないといけないのはイブですから」

 

 突破口を見つけるまではそれで凌ぐしかない。一旦回復を済ませると、それぞれの配置に桑水さんがワープさせていった。

 ここに残るのはいろは、私、里見さん、柊さん、御園さん、戻ってきた桑水さん。それに小さなキュゥべえを抱えたういちゃんだ。

 

 あの二人でも稼げる時間は少し。ウワサを創った本人である柊さんがすぐに話し始めた。

 

「おそらく三種融合させたウワサを憑依させてる。厄介だけど、完全にアリナと融合してるわけじゃない。そんなことすれば会話すら困難になる」

「それにわたくしじゃないんだし、魔力だって無限じゃないはずだよ。心を通わせられなくても強力な攻撃で無理矢理剥がすぐらいはできると思うけど……」

 

 完全にイブの制御を乗っ取られている以上は無視するわけにもいかず、心を通わせて剥がすか強力な攻撃で強制解除するしかない。アリナが指摘していた通り、融合に関してはこの二人が一番詳しい。ならばそれを信じるしかない。

 

「ただ……はっきり言うけど、わたくしたちにもアリナの思想は理解できないよー。結界による防御はあっても強制解除のほうがまだ可能性があると思うけどにゃー」

「心通わせて剥がすのなら相野さんを連れてきてもらうけど……」

 

 仲が良かったという可能性に期待を込めて、全員が御園さんを見た。

 けれど彼女は悲しそうに俯いたままだった。

 

「……みんな、ごめんなの。わたしはアリナ先輩とは戦えない」

「それに、みとも疲れてるんです。これからワルプルギスと戦うことも考えると難しいかと……」

「ううん、無理はさせられないよ。私たちにできる方法を選ぼう」 

 

 いろはの宣言は、イブとワルプルギスの両方を倒して一人の犠牲も出さないという決断をした彼女らしいものだった。無理かもしれないけれど、最初から諦めていたらできないと彼女は知っている。だからこそ私たちは彼女をリーダーとして付いて行っているのだから。

 

「くふふっ、さっすがお姉さま。……未来予知なんて織莉子みたいなことしてるけど、アリナが油断してるのが隙だよね。見えてても避けれない攻撃をすれば当てられることはわかってる」

「けどあの集中攻撃でも通らなかったわ。これ以上の火力となると……」

「……なら、僕がやろう」

 

 柊さんが武器にしている本を持ってそう言った。

 

「ウワサを着せた者として責任を取る必要もある。贖罪には足りないだろうけど……」

「ダメ! ねむちゃん、自分から死のうとしてるんでしょ!?」

 

 彼女がやろうとしていることは、ウワサの根源たる『具現』の力を魂が擦り切れるまで行使することだろう。言うまでもなく、ソウルジェムが破損することは免れない。

 それをいろはが、そして彼女と同じ意志を持つういちゃんが止めないわけがない。

 

「そ、そうです……くれはさんも言ってました。『命を捨てるような真似はしないで。償う気なら生きて償って。特にねむ』って……」

「……参ったね。彼女も予知を持っているのかな」

「なくても見てれば予想ぐらいつくわよ。で、まだやる気?」

「他の選択肢があるのなら僕だってそれを選ぶよ」

 

 誰だって、あの結界を破るには相当な攻撃が必要だと理解している。だから柊さんはそれを口にしたんだから。 

 

 ……一つだけ、方法がある。

 今も感じるこの懐かしくて暖かい魔力。それが私の考えるものであるならば。

 

「道を作るのはわたくしがなんとかする。でも肝心の攻撃が……」

「一度だけなら、あの結界を突破できるかもしれない。だから――」

 

 それを口にして、桑水さんが情報を伝えて、予想していなかった最後の切り札を用いた作戦が決まった。

 

 あとは桑水さんが私たちをアリナの所へ跳ばせば始まる。

 それぞれが準備をする中、ういちゃんがいろはを心配そうに見つめていた。気づいたいろはは、ただゆっくりと微笑んだ。

 

「うい、ちょっとここで待っててね。お姉ちゃん、頑張るからね」

「で、でも……」

「流れ弾は僕が防ぐから安心して」

 

 身体に影響しない程度にウワサの手下を呼びだした柊さんが、ういちゃんと御園さんの前に立つ。

 その姿をいろはが嬉しそうに見て、視界が切り替わった。

 

 

 戦いは、既に劣勢だった。

 周囲の建物への被害が尋常じゃない。鶴乃もみふゆもそろぞれ限界を迎えようとしている。むしろ、よくここまで持ってくれた。

 

 これ以上やらせはしない。里見さんが全方位に傘を生成して炎を放つ。しかしすぐに銃弾に破壊されていく。

 続けて飛ばすのは私の槍の連続射出、『アブソリュート・レイン』。これはキューブで迎撃された。

 

「三人戻ってきただけだヨネ。フールガールは?」

 

 迎撃しながらそう言うアリナは私たちの策が読めていないようだった。

 

 ……里見さんの推論が一つ当たった。

 イブを拘束しようとすればそちらに意識を割いてもいいはずなのに動いていない。ここに来るのが私たち三人だと知っていても、御園さんがどうしているかまではわかっていない。ならばあの未来予知は少なくとも戦闘中ならアリナ周辺のことかつ短時間の未来に限定されるはずだ。

 

 なら、次の手も通る。

 

「レガーレ・ヴァスタアリアッ!」

 

 事前に準備をしていた巴さんを桑水さんが連れてきた。

 桑水さんがいる以上、水がある場所に一瞬で移動できる。ここには最初の移動で使った水があるのだから戻ってこれる。

 

 使ったのは広範囲の拘束魔法。元よりアリナを対象としていないそれは予知の範囲外。仮に読めたとしても見てからでは広範囲に及ぶそれを避けきれない。

 被膜で直接縛れなくとも、焼き切られるまでの一瞬の時間は稼げる。 

 

 そして次に放つのは巴さんが『ボンバルダメント』と呼ぶ大技。巨大な大砲に乗った彼女がアリナをリボンで拘束しつつ、その強大な一撃を放った。

 

 直撃。爆発。黒煙が周囲を覆い尽くして、晴れる。

 

「アッハハハハ! 感謝してアゲル! このパワー、そういうこともできるってティーチングしてくれたワケ!」

 

 被膜の上から新たな結界を張って防ぎ切ったアリナは、同じ大砲を生成した。

 

 それがもう一つの推論。

 新たな技を見せれば同じ力を持つ『神浜聖女のうわさ』を用いて対応してくる。

 ならば、その通りにさせる。新しい画材を手に入れたアーティストが、目の前のそれを捨てて未来なんてものに目を向けるわけがない。

 

 その隙を狙うのはいろはの一射。全力を込めた射撃が発射直前の大砲に突き刺さり、大爆発を起こす。

 回避できず、本人の魔力を用いた超火力を受けた。それでもアリナは立っている。

 

「ま、惜しかったケド――」

 

 でも、まだ手はある。むしろここまでの全てはそれを届かせるためにあった。

 槍を構えて全力で突撃する。迎撃、拘束解除、大砲生成と一度に多くの魔力を使った今、接近するのは容易い。

 

「こっちが本命よ! アリナ・グレイ!」

「知ってる。それが?」

 

 また未来を見たアリナの表情は、瞬時に驚愕したものへと変わる。「直撃する未来しかない」と声が聞こえる。

 だって、これは。

 

『やちよ』

『七海先輩』

 

 聞こえる。あの二人の声が。

 

「かなえとメルが遺してくれた力を、止められると思わないでッ!」

 

 これは私だけの力じゃない。二人の因果を上乗せした、私たちの力。

 穂先にアリナが引き寄せられて、遂にその硬い被膜を突き破る。右肩を完全に貫く。

 

 確かに全力で魔力を叩き込んだ。なにかを破る手ごたえは確かにあった。

 

 

 けど、そこまでだった。

 

 アリナがにやりと笑って槍を砕く。すぐに怪我が治療されて、衣装も修復される。

 

「バッド。一つ分、剥がれたヨネ」

 

 すぐにキューブが並び、今度は極彩色の光線が放たれる。威力は単色のものより遥かに高い。

 それが最後の推論。三種融合したウワサは一つ剥がしても出力と効果が落ちるだけでそれぞれの効果はまだ残る。こればっかりは、私たちに有利に働かない。

 

 それでも一つ分、アリナが全て剥がれる代わりに捨てるとしたら。

 イブの制御に直結する『毛皮神のうわさ』に攻撃の主体となる『神浜聖女のうわさ』を切り捨てるよりも、防御主体の『星屑タイムビューワのうわさ』を選ぶに決まっている。

 

「アッハハハハ!! 言ったヨネ、完全に融合してるって! まだアリナには未来が見える!」

「くふふっ、知ってるよーだ。もういいよー、更紗帆奈」

 

 次に桑水さんが連れてきたのはあの更紗帆奈。それが示すのは、ただ一つ。

 

「今のアリナに『暗示』とか効かないんですケド」

「はあ? 別にあたしがあんたになにかするわけじゃないよ」

 

 最も厄介な未来予知を弱体化させたという証拠に対しての、残る二つを打破できる最後の切り札の準備が終わったという合図だった。

 

 だから、彼女は嫌がらせがしたいがために、伝えに来ただけだ。

 

「『無重力シャボンのうわさ』は潰してないんだよね。なに考えてんだかわかんなかったけどさ」

「いきなりウワサの話とか、なにが言いたいワケ?」

「あたしは少しならウワサを操れる。で、あいつはくれはのために作ったんでしょ? いひっ、ねえ、似たようなこと、してたよねぇ? 巴マミのためにウワサを作ってたよねぇ!?」

「それがなにを……」

 

 かなえとメルの力は確かに希望を繋いでくれた。

 だって、疲労で薄れゆく意識の中で見えたのは――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのとき、誰もがそれに気づいた。

 

「花びら? なんでこんなのが――」

 

 ひらりと舞い落ちるいくつもの紅い花。

 地面に落ちるとその場で燃え尽きていくそれは、鳥の羽根のようにも見えた。

 

「――そう、そういうことか帆秋くれはァァッ!!」

 

 空に放たれた極彩色の光が、一閃のもとに消え果てる。

 追撃を放とうと高速で接近するアリナをあまりにも簡単に捉えて、地面に叩き落す。

 

 一つウワサを剥がされようと無類の強さを誇るアリナと同等の領域に至った者。

 それは同じく白を纏っていた。けれども、全てを塗り潰す絶望の光ではない。幾つもの祈りが一つになった、暖かな希望の光。

 

 花が飾られたロングベールはまるで羽根のようであり、ふわりと広がる純白のドレスは戦場に似つかわしくないほど美しく、握る銀の直刀には紅いリボンが造花と共に巻き付いている。

 

「アリナ、ここであなたを止めるッ!!」

 

 それこそ悲劇を終わらせる最後の姿。

 ウワサを纏いし、帆秋くれはだった。

 

 仇敵を視認したアリナは大地を蹴り、戦いの場を黒煙の空に移した。

 イブを破壊できるかもしれない力を秘めたそれを相手取るのに地上では不利。下方に移動できるアドバンテージを優先した結果だ。

 

 そして始まった激突は、魔法少女同士の戦いと言うにはあまりに烈しく、魔女同士の戦いと言うにはあまりに狡猾だった。

 

 対決するのは無手と紅いリボンが巻きついた直刀。そのリーチの差は歴然ながら二つの白の戦況は五分五分。何処よりか放たれた極彩色の光線が空を埋め尽くしたかと思えば、振るう度に花が舞う刀がそれをことごとく斬り落とす。その隙に距離を詰めてもまた光線が行く手を遮る。

 

 互いに攻防を続ける中、言葉においても意思のぶつかり合いが始まっていた。

 

「滅びは人類が求めるアート! エモーショナルな感情のためにダークなストーリーを求めるし、ヒストリーの中は戦争に溢れてる! さあさあさあ! このレベルまで上ってきて邪魔するあなたはなにをシンキングするワケ!?」

「ないわよそんなの! 私はただ、ハッピーエンドが好きなだけ!」

「それこそあなたのヴィジョン! 大衆はそんなことどうでもいいのに、誰かを否定してまで貫こうことするならそれがアート!」

 

 互いに傷はない。どちらも一手が足りず攻めあぐねている。

 対照的に、攻防の回数が増えると周囲の地形が書き換わっていく。光線はビルを打ち壊し、刀は余波の暴風でコンクリートの地面を抉っている。さながら多くの災害が一度に巻き起こっているようでもあった。

 

「でも、いい加減ブレイクしてほしいんですケド!」

 

 膠着した流れを変えるためか、光線を盾にアリナが急接近する。狙いは刀の内側。自由に振るえぬ至近距離からの攻撃なら倒せると踏んでのことだ。

 互いに空を飛んではいるが、空中戦闘ではアリナに一日の長がある。遠距離攻撃手段を持たぬくれはでは自在に空を舞う己を叩き落とすことはできないはず。その確信を持っての行動でもある。

 

 アリナは、目の前の敵が刀を投げ捨てたのを確認して舌舐めずりをした。

 削られたウワサの分未来予知は弱体化している。けれどもぼんやりとならまだ見えるそれが、その選択を見せたからだ。

 

 その通りにくれはは刀を投げ捨てる。

 ならば、生成する前にこの場から全力の砲撃を行うのみ。キューブを大量生成し、斉射準備に入った。

 

 だが、投げ捨てられた刀はその身を反転させ、まるで生きているかのように下方からアリナを貫かんと飛来する。

 予知が示す軌道の通りに避けても方向転換してまたも狙ってくる。これの対処にキューブを割いた結果、くれはの接近を許すことになった。

 

「動くな!」

「『停止』……!」

 

 止められたのは移動だけ。ここに来て、アリナは自分が誘われたのだと理解した。くれはの思考を理解したと言い換えてもいい。あいつが自分なら、本命の一撃はどれにするのか。

 

 刀ではなく、拳。魔力を直接練り込んだそれに決まっている。

 多くの魔力を集中したそれが、足止めに用意した結界を一つ残らず突き破ってくる。今にも腹部を殴り抜けようと高速で近づいている。

 

「――がぁっ……ッ! ……けど対価はもらうカラ!」

 

 被膜すら貫通するその一撃が、容赦なく腹部に突き刺さった。

 ウワサによって向上した防御力。元より常軌を逸していたアリナの精神力。それら全てを総動員したからこそ、『神浜聖女のうわさ』の分を強制解除されるだけで済んだ。

 

 だが、アリナ・グレイはそんな凡庸な結果に満足する人物ではない。

 突き刺さる腕を片手で抑え込み、今にも弱体化しようとしている神浜聖女の力を全力で行使する。

 

 巴マミを模したウワサがマスケット銃を扱えるのならば、彼女の象徴たるそれさえ使えるのは見せた通りに自明の理。

 強大な魔力が集中し、人の何倍もある巨大な銃身が、くれはに照準を合わせた。

 

 瞬間、轟音と閃光が周囲を包んだ。

 元より人どころか地形を変えてしまう威力を持つそれを、複数展開できるのに一つに束ねて近距離で人体に向けたのだ。その渦巻く魔力は爆弾などという言葉では表せない。地上に太陽が落ちてきたかのような衝撃をもたらした。

 

「……ほんっと、ムカつくヨネ」

 

 いくらウワサを着込んでいようとその破壊力を消し去ることはできない。大きく吹き飛ばされたくれはの右腕は肩口から先がすっぽりと消え去ってしまっていて、極大の熱を受けた右半身は酷く焼け爛れている。

 

 だが、それがどうしたという。

 

 まだ帆秋くれはの意志は消えていない。魔法少女はこの程度で死にはしない。

 鋭くアリナを睨む目がそれを告げている。

 

 焼け爛れた身体が燃え上がると傷も衣装も全てが元に戻る。

 似たような光景をくれはは見たことがある。故にその熱に驚くことはなく、それもまた別の場所で戦う仲間を強く感じさせるものだった。

 

 それでも客観的に見れば窮地であることに変わりはない。

 ウワサを二つ剥がしたが、まだもう一つある。これでやっと数が同等になっただけだ。三種融合したウワサとたった一つのウワサが同じ力を持っていれば、という前提だが。

 

 だとしても、極彩色の光線を生成した刀で斬り落とし続け、接近されても予知を無視して手傷を負わせている。五分五分の形勢を押されることなく保ち続けている。

 

「なにがそこまで動かすワケ!? もう魔力だって……!」

「決まってるでしょうが!」

 

 ああ、その瞳に炎を灯す限り。

 

 誰かがその名を呼ぶ限り。

 

 倒れることなど、ありはしない。

 

 ウワサの力を100パーセント引き出す融合を維持するには絶えずエネルギー供給をする必要がある。それはつまり、逆に言えば元にするエネルギーがある限り戦い続けられるということ。

 

 くれはが纏う『無重力シャボンのうわさ』は希望を吸い取り夢を見せる悪辣なものであった。

 だが、今この時、それは奇跡を引き寄せる性質となる。

 

 観鳥令の手をもう一度掴んだ。春名このみが待っている。更紗帆奈が声をかける。

 その事実が無限の希望を授ける限り、一時の夢幻を永久に見せることが可能となる!

 

 攻撃が命中する理由はそれだ。

 観鳥令の『確実撮影』が因果を書き換えている!

 

 花が舞う理由はそれだ。

 春名このみの『花を持たせる力』が一撃を致死的なものにまで引き上げている!

 

 ウワサが崩壊しない理由はそれだ。 

 更紗帆奈が友より受け継いだ『暗示』がウワサとくれはを同じ道に進ませている!

 

 この窮地にあっても魔力と意志を失わない理由は確かにそこにある。

 ならば、勝てぬ理由があるものか。

 

 この一撃を届かせることが、できないはずがあるものかッ!

 

「アリナァァァッ!!」

 

 大量の魔力を注ぎ込んだ三対六枚の炎の翼を大きく広げ、極彩色に飛び込む。

 いくら攻撃を受け続けようと関係なく、最後のウワサに致命的な一撃を与えるために。

 

「止まれェェェッ!!」

 

 弱体化したマスケット銃が生成され続けてキューブの光線と共に連射される。巨大な銃身が砲撃じみた射撃を行う。さらには遠方にいたイブに光線を放たせる。

 炎が銃弾と光線を溶かす。投げた直刀が砲撃を斬り裂く。翼が光線を遮る。確実に距離が縮まっていく。

 

 永久の夢幻があれど精神まで融合しているわけではないそれでは、アリナと同様に重い一撃を受ける度に剥がれかかっていた。

 眼前まで接近したとき、遂にあらゆる攻撃を受けきった炎翼の守りが消える。

 

 それでも勢いは止まらない。盾にしたマスケット銃を真っ二つに裂き、キューブを砕く。拳は確かに衝撃を持ってアリナに叩き込まれた。

 

「まだ、だヨネ……! これでアナタのウワサは消えかけ……なのに、なんで」

 

 無理を続けた『無重力シャボンのうわさ』の反応は弱まっている。融合を維持していられるのはあと数秒しかないだろう。

 

 しかし、それで構わない。

 この戦場の全ての脅威が帆秋くれはを捉えているという事実こそ、求めていたものなのだから。

 

「単純な話よ。私だって一人で戦ってるわけじゃない――今よ、かりんッ!」

 

 呼び掛けに応じた彼女は戦いに来たわけではない。ただ、盗みに来ただけだ。

 一瞬の隙を突いた御園かりんは地表からこの空までの距離を一挙に盗み、既にその鎌を振り上げていた。涙を堪えて、これが自分にできることだと確信して。

 

 この攻撃に意味はない。そうアリナは信じていた。弱体化したために直前まで反応できなかったものの、『星屑タイムビューワ』の予知が軌道を見せている。結界による防御もある。それら全てを通り抜けてもこの身に傷を負わせることはできない。

 ()()()、かりんもそう信じていた。

 

 そのすれ違いとしか言えない想いは、奇しくも一致していた。どうしても譲れない最後の一線がここに来て一つになった。

 言い換えれば『心が通い合った』ということ。

 

 そして、くれははウワサの最期の力を全て彼女に受け渡していた。『確実撮影』に『花を持たせる力』の効果がその鎌に付与されている。

 

 結果、その意味がないはずの鎌の一振りは、最後のウワサを盗む渾身の一撃と化す。

 予知を上回る動きを見せた鎌は結界による防御すら貫き、それだけの威力を持ちながらもアリナに傷一つ負わせなかった。

 

「――ッ、バッド!」

「アリナ先輩っ!」

 

 着込んでいた白がその身を晒す。その瞬間、鳥の羽根を模したカトラスが突き刺さり、三種融合したウワサはあっけなく消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 わたしと一緒に地上に降りてきたのは、普通の衣装をしたアリナ先輩だったの。

 ウワサを剥がしたあとだからかすごく疲れているように見えて、すぐに駆け寄りたかったけど、先に落下していたくれはさんがそれを止めた。

 

「みんな、イブはお願い。私はアリナとケリをつける」

「フールガール。手出ししないでほしいワケ」

 

 『毛皮神のうわさ』の制御が外れたイブは、グリーフシードで回復したみんなが相手をする。

 イブに向かおうとするいろはちゃんにくれはさんが少し話をした後、アリナ先輩とくれはさんは向かい合ったの。

 

「お互いにウワサは剥がれた。ここからは……」

「ネイキッドな感情のぶつけ合いだヨネ……!」

 

 空ではたくさん花火を打ち上げたみたいになってたのにまだ戦うの、なんて思ったけど。

 ずっとずっと威力が落ちたキューブから光線を撃つアリナ先輩はすっごく楽しそうだったの。

 

「だいだい、小学校で見たときやウォールナッツで見たときにデリートすれば良かったワケ!」

「それを許すとでも!」

「今よりはイージーだった!」

「あの頃よりは強くなってるしそれもそうね。それでも防いだでしょうけど!」 

「それにフールガールに変なこと吹き込んだのアナタだヨネ! アレから余計やかましくなったんですケド!」

「知らないわよ! 私はずっと避けられてるみたいだったから!」

 

 光線とカトラスがぶつかって互いに消える。ただ、それだけ。そこにはなんの駆け引きもないの。あんな戦いをした後だから相対的に弱々しく見えるわけじゃない。口調は強いけど、明らかに二人とも疲れ切っているの。

 

「……あれ、なにしてんの?」

「ただの口喧嘩なの……」

 

 横で同じように眺める帆奈さんと意見が一致したの。

 それからも同じような言い合いと攻撃が続いて、遂に限界が来たのか二人の変身が解けた。

 

「まだ、まだ……変身が解けてもアリナはここにいる……! さあ録画して! ここがアリナのラストアートワーク!」

「いい加減に……倒れろ……アリナ・グレイ……!」

 

 アリナ先輩は栄総合学園の制服。くれはさんは南凪自由学園の制服。その現実的な姿で、ふらふらした動きをしながらまた戦いを始めたの。

 

「魔法少女が変身解けてんのに殴り合いってさぁ……さすがにあたしもどうかと思う」

「アリナ先輩……」

 

 もう見てられないの。アリナ先輩をくれはさんから無理やり引き剥がして、離すように言うけど無理やり地面に座らせた。

 するともう戦う気がなくなったのか、筆が乗らないって言うときと似たような顔をしてそっぽを向いたの。

 

 遠くに浮かぶイブに色々な攻撃が飛ぶ。

 それを先輩の隣に座ってただ眺めてた。そして一回大きく光って、虹色の光が流れ星みたいにあらゆる方向に飛んでいったの。

  

 わたしたちを呼びに来たみんなが言うにはそれはイブが消えた証で、自動浄化システムが完成した証でもあるんだって。

 ……もう、残ってるのはあの魔女だけなの。

 

「わたしたちはワルプルギスの夜を倒しに行くの。先輩は……」

「パス。じゃ、帰るカラ」

「ダメなの。一緒に行くの」

 

 なんだか嫌な予感がしたの。離れていく先輩の背中が、もう見えなくなるみたいで。予知なんてできないけどこのまま行かせちゃいけないって思ったの。

 だからその手を思いっきり掴んだ。力加減を間違えたかもしれないけど、それぐらいしないと行ってしまいそう。

 

「……痛い」

 

 それでも離さない。

 前のわたしならなにもできなかったかもしれないけど、今はこうして手を掴めるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 切り札を使うRTA、はーじまーるよー。

 

 前回はアリナ先輩に奇襲されて大ピンチになりましたが、れいらの魔法で回復は済みました。

 事前に準備をお願いした帆奈ちゃんが『無重力シャボンのうわさ』をここまで持ってきてくれたので、それごとせいかにワープさせてもらいましょう。

 

「……ほんとにやるの?」

「もう作戦は伝えてますけど、やっぱり危険なんじゃ……」

 

 大丈夫だって安心しろよ~。ヘーキヘーキ、ヘーキだから。勝利欲しいでしょ?

 さっそく『暗示』で操作してウワサと合体。精神汚染は『停止』で封じます。

 

 というわけでホーリーくれはちゃんの登場じゃ!

 

 こいつは条件を満たすと使用できる強化モードです。二段階変身はロマン、はっきりわかんだね。というかホーリーアリナはこうでもしないと強すぎるっピ!

 『無重力シャボンのうわさ』を確認した結果、こいつの融合後の能力は信頼度上位三人の魔法少女の固有魔法に応じたものになるようでした。プレイヤーメタのウワサは総じてこういう妙に強力な効果を得られるので、判断前から帆奈ちゃんに『暗示』で確保してもらっていたんですね。

 

 そしてくれはちゃんの信頼度上位三人は帆奈ちゃん、このみちゃん、観鳥さんです。

 『上書き』自体は特に意味がないはずですが、『花を持たせる力』と『確実撮影』の組み合わせは強烈です。なんせ攻撃が常に必中状態になり全てに強化バフが適用されます。やることなすこと全てが必殺技と化すとかチートもいいとこです。観鳥さんを意地でも助けておいて良かった~って思うわけ。

 

 しかし、このウワサ融合は『暗示』を用いて無理矢理行うので一度使えばウワサはそれで崩壊します。まさに一度きりの切り札ですね。アリナ先輩が想定以上のことをやってきても対処できるように温存してました。

 

 では、これで直接戦闘に持ち込んでねむちゃんのイベントをスキップしましょう。せいかに頼んで釘を刺しておいてもらってますが、もしもねむちゃんがアリナ戦に参加して失敗されるとリセットです。

 なんせイブ&アリナ&ワルプルギスの夜という最悪トリオがラスボスになり、ういちゃんと灯花ちゃんが戦意喪失してもはやどうしようもなくなります。だから、くれはちゃんが突っ込む必要があったんですね(メガトンアリナ)。

 

 それと事前にやちよさんたちがなんだか頑張ってたみたいでアリナ先輩に地味にダメージが入ってます。俺は、その言葉に……応える。

 

 

 それでは『毛皮神のウワサ アリナ・グレイ』戦です。アリナ先輩と戦うのもう何度目でしょうね!

 ここではくれはちゃんに文字通り死ぬほど頑張ってもらいます。近くにいろはちゃんがいるので多少ソウルジェムにヒビが入っても大丈夫です。それぐらいの気持ちでIKEA。

 

 せいか経由で知った情報によるとこのアリナ先輩は三つのウワサを宿しているらしく、スーパーホーリーアリナ先輩とでも言うべき存在です。

 普通の先輩と同じく遠距離攻撃主体で攻撃してきますがそのパターンは多数です。キューブからの光線、マスケット銃の弾幕、ティロ系の必殺技などなど様々な攻撃が飛んできます。

 

 ちなみにくれはちゃんはこのモードになってもまともな遠距離攻撃手段はありません。さては脳筋だな?

 

 アリナ先輩が向こうから近づいてくれたのでここで全力でぶん殴りましょう。

 

 この状態の結界はおそろしく硬いですが、要は攻撃力が防御力を上回ればいいだけの話です。かの有名な高度数式、アルテリオス計算式による綿密な試算を重ねた結果なのでこれで間違いありません。

 さらに皆さんご存知あの有名な理論を用いて解説しましょう。

 素のくれはちゃんを100万パワーとしまして、くれはちゃん+『無重力シャボンのうわさ』で200万パワー!! いつもの2倍の絆が加わり、200万×2の400万パワー!! そして、いつもの3倍の因果を加えれば、400万×3の! ホーリーアリナ先輩! お前を上回る1200万パワーだーっ!!

 難解な理論なので取っつきにくいと思うかもしれませんが、テンコジの定理(もしくはコヒマの定理)で裏付けると理解しやすいですね。1+1が2になるわけがありません。

 この辺りを詳しく学びたい方には民明書房様から出版されている各種参考書または古事記をオススメします。

 

 というわけで、今のくれはちゃんのパワーを全力投球した魔力を込めた拳ならダメージが入ります。(制裁の)拳が入るぞ拳が。

 念のために『停止』で動きを止めまして……はいドーン!

 

「――がぁっ……ッ! ……けど対価はもらうカラ!」

 

 これで一つ強制解除できました。多種融合の場合、一つ失うたびに弱体化するので次はもっと楽――あっぶえ! 体力半分持ってくのはやめてくださいお願いします!

 

 今のは見た感じ『ボンバルダメント』か『ティロ・フィナーレ・グランデ』でしょうか。どちらにせよ痛いのに変わりはありません。

 なお現在のウワサモードですが、精神まで完全に合体してないので一定以上のダメージを受けると強制的に剥がれます。道づれにはならないので安心ですがギリギリのラインでしたね。

 

 というか『星屑タイムビューワのうわさ』を使われて三種融合までされると『確実撮影』でも当たるかどうかギリギリなんですが……普通に当たりますね。なんかあったか? まあいいや。

 

 魔力は潤沢にあるのでいくらでも回復できますが……これ以上時間をかけるのは融合的にもなによりタイム的に危ないので一気に最後のウワサを剥がします。

 もういくら攻撃を受けようが強制解除されなければ回復で凌ぎ続けます。あとはさっきと同様にアリナ先輩に一発ぶちこんで……。

 

 かりん、おめぇの出番だ!

 

 このまま強制解除してもいいですが稀にウワサごとデリートしてしまうので、特にアリナ先輩と仲の良かったかりんちゃんに正規の方法で剥がしてもらいます。

 あとは出現した『毛皮神のうわさ』本体にカトラスを投げつけて終わりっ! 以上! 解散!

 

 

 いやぁ、アリナ先輩は強敵でしたね。タイム的には普通だな!

 ところでウワサが消えたので見事に落下中ですが……着地方法伝えてなかった(ガバ)。

 

 HELP! HELP! せいか助けて。

 

「……また観鳥さんに怒られますよ」

 

 生きてる~!(省略)

 物凄い……(笑)なんか、保護者? なの?

 

 しかし、れいらには何度も盾になってもらって回復もしてもらってますし、せいかのワープも多用してるのでそろそろ『さん』付けして敬うべきな気がしますね。

 まあそれは置いておいて。

 

「フールガール。手出ししないでほしいワケ」

 

 アリナ先輩なのでウワサを剥がそうが戦闘は続きます。

 続いて『魔法少女 アリナ・グレイ』戦です。と言ってもこれはイベント戦のようなものなので適当に相手をしてとっとと先に進めましょう。あ、他のみなさんはイブの相手をしててくださいね。あといろはちゃんはその白タヌキ二世を持っていってください。

 

 くれはちゃんとアリナ先輩のハートフルな戦いを見つつ、このままアリナ先輩を放置した場合のことを……お話します。

 こうしてイベント戦に持ち込まなかった場合、アリナ先輩は姿を消すことになり、第二部まで行方不明扱いになるのが一番多いルートです。余力を残しているかよっぽど恨まれているとワルプルギス戦を妨害しに来ることもあります(7敗)。

 ですが今回はイベント戦とかりんちゃんの友情パワーの前に落ちろ! 落ちたな……(信頼度確認)。俺はそんなさ……殺すほど悪魔じゃねぇんだよ。

 

 かりんちゃんがアリナ先輩を引き剥がしたので戦闘はここまでですね。

 次はイブ第二形態に向けて突撃ー!!

 

 

 素敵なイブ解体ショーのトドメを担当させていただきます出張魔法少女のくれはちゃんです。

 オッスいろはちゃん状況は?

 

「宝石を狙ってるんですが、距離があって……!」

 

 あ、では早速準備の方入らさせていただきますので。

 というわけで白タヌキ二世もとい小さなキュゥべえの最後の晴れ舞台を用意してやるぜ! 飛び込めわかる? 飛び込め飛び込めって言ってんの、ね!? 飛び込めって言ってんだYO!!

 

 イブはういちゃんを狙って突っ込んでくるのでそのタイミングでこいつを投げ込みます。やらなくても勝手に飛び込みますが、短縮のために手助けしてあげましょう。

 そしてこの段階で小さなキュゥべえとイブが接触すれば自動浄化システムが完成します。これをしないとワルプルギス戦で魔女化による戦線崩壊が起きかねないので、みんなは……注意しようね!(1敗)

 大体はこれを灯花ちゃんが思いついてくれますが、気絶されてたりすると小さなキュゥべえではなくういちゃんがイブに戻ったりしてしまうので、ここにいる必要があったんですね。

 

 小さなキュゥべえが無事直撃、イブが消えて虹が散っていったのでこれでイブ戦は終了となります。やったぜ。

 

「……あの子はどうなったの?」

「イブに代わって魔女化を止める浄化システムになったと思う。散っていったのもそう。小さなキュゥべえはシステムとして見守ることになったんだよ……」

 

 灯花ちゃんが良い感じに話してますけどあいつは普通に帰ってくるので心配するだけ無駄ってやつです。次行こうぜ。

 

「やっちゃん、まだ戦えますか?」

「もちろんよ。出せる力なんてもう残ってないけど、だからって弱音を吐いてる場合じゃないもの」

「……はい。いっぱい守って貰って支えて貰ったからこそ、全てが終わるまでは諦めちゃいけない」

 

 全員無事確認ヨシ! いろはちゃん、やってやろうぜ!

 

 と言いましたが実はくれはちゃんはもう結構危ない状態です。なんせ暴走黒羽根、ウワサ黒羽根、ホーリーマミさん、ウワサの観鳥さん、イブの使い魔、イブ、ホーリーアリナ先輩とこの世の終わりみたいな連戦をしています。

 使わないようにしましょうと言ったドッペルも二回だよ二回。人前で疲労だらけのガタイ晒してマジやべぇよ。すっげー視線を感じるぜ。

 

 しかし、これぐらい消耗するのは予定通りなので問題ありません。むしろ全員がそこそこ消耗してないと困ります。

 

 それでは対ワルプルギスの夜戦に参戦するので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 




■今回の内容
 第一部第10章『浅き夢の暁』

■浅き夢の暁
 後編だけどまだ終わってない。
 でもここまでほぼアリナ先輩戦。

■ホーリーくれはちゃん
 帆奈ちゃんの力を借りて、白羽根観鳥さんに似た姿になり、このみちゃんらしく花を誂えた友情フォーム。
 くれはちゃん・ザ・グレート。炎皇合神。最終決戦仕様。大満開。XDモード。タジャドル。この中になくても自分の好きなフォームチェンジ・強化形態を選ぼう!
 A.絆パワー。

■小さなキュゥべえ
 白タヌキ一族にしては完全に味方。
 サンキュー小さなキュゥべえ。

■マミさん
 絶好調。この人どれだけ強いの?
 遂に色んな技まで使いだした。

■やちよさんにかかったバフ
 メルの『未来誘導』による必中。
 かなえの『装甲無視』による貫通。

■『希望を受け継ぐ力』
 マミさん戦で使ってなかったので二回までパワーアップできた。
 でも一気に二回分使ってしまった。使っちゃった。




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