マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート   作:みみずくやしき

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パート56 常夜の国の叛乱者 後編

 最初に覚えたのは、未来が変わるという達成感と、どう転んでも利があるという幸福感だった。

 続けた湧いた情など、どこかに消えてしまったかのように激しく、強く。

 

 私とラピヌお姉様"のみ"を守ろうとするコルボーお姉様は死んだ。私が殺した。

 お母様のためにある侍女の願いを無為に消費するなど、許せるわけがない。少しでもその愛情を受けていた身を愛せない。

 

 だから、もう一度仕向けた。

 

「コルボーが……!?」

「パテーでの戦いで、名誉の戦死を遂げられました。断片が白紙の予言書に記載されてしまっては、絶対に覆りません」

「嘘だ! そんな、うぅ……」

 

 同じく愛を受け、願いを浪費する者を消すため。

 ただ唯一、私が愛されるためならば、この先の未来に希望を灯すためならば。

 

 姉を失うことなど、微塵も惜しくはない。

 

「本当に、お可哀想に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コンピエーニュに向かう?」

「はい、非常に大きな断片があると天使様とペレネルさんが」

 

 ……という、会話をしたのは少し前。

 

 戴冠の地だって言うランスへ向かう途中、あたしらは急に現れた断片へと向かっていた。

 コンピエーニュはそう離れた場所にあるわけじゃないらしいけど、 別に無視してもいいのにさ。フランスのやつら総出で行くなんて律儀だよね。 

 

 まあ、あの滅茶苦茶強いタルトとリズ。どの距離でも十分に戦えるエリザ、当たれば消滅の攻撃ができるメリッサがいればどんなのが来ても相手にならないだろうけど。小さいけどやちよもいるし。

 

 だから戦闘は全部任せればいいし、あたしは便利そうな『影』の練習をしつつ、くれはと一緒に最後尾を歩いてたんだ。

 

 くれはの様子はまったく変わりない。コルボーがミヌゥに殺されたという景色を見たそうなのに、変わってない。

 その変わらなさがおかしくて、また使ったんだろうなってすぐに理解した。

 

 逆に、明確に目に見える変化がある。

 

「あのさあ、そんなにタルトが気になる?」

「ええ」

 

 ため息のひとつでもつきたくなる。あたしが隣にいるってのに、悪びれもせずに言い切った。

 こいつの視線の先はずっと先、前方にいるタルトに向けられている。休憩になればずーっと話してるし、面白くない気持ちがあるのは事実だ。

 

 それだけに、やちよが言ってたことが気にかかる。

 

『影響されないといいけど。彼女、救国の聖女なんて直に見たら憧れそうじゃない』

 

 あいつはくれはの理想だ。強くて、頼られて、すべてを救える力を持つ英雄。手を伸ばし続けるくれはにとって、ああいう存在は眩しく見えるに違いない。

 ……あんたに求められてるのは、そういうものじゃないのに。

 

 隣を歩く真顔を見てもやっぱりいつも通り。

 変わったところなんてなく、自由気ままにあたしに顔を向けた。

 

「ねえ、帆奈。なにか嫌な予感がしない?」

「急にどうしたっての。くれははこっちに行くって賛成してたでしょ」

「そうなんだけど、なんだか――」

 

 その瞬間。

 

「――ッ!?」

 

 ぞわりと、首筋を撫でるおぞましい感覚がした。

 触られたわけじゃない。ワルプルギスの夜みたいな、暴風みたいな空気の圧だ。明確な殺気が実体となって襲い掛かってくる。

 

「下がって、帆奈!」

 

 咄嗟に変身したくれはに庇われて、最初の攻撃――桃色の光線は防げた。『停止』で止めたんだ。効果時間が切れた光は彼方に飛んでいって、大爆発を起こした。

 この戦い方をするヤツをあたしは知ってる。でも、こんな強くなかったはず。

 

「みーつけた……」

 

 遠くに見えたのは、ウサギの仮面をしていないだけの、ラピヌと呼ばれてた魔法少女。

 

「絶対に許さないッ! お前たち全員バラバラのぐちゃぐちゃにしてやる!」

 

 速い。

 考えられたのはそれだけ。気づけばもう目の前にいる。最後尾だったのが裏目に出た。

  

 けれども、ここにはあの馬鹿げた聖女がいるわけで。

 案の定すっ飛んできた白金の剣に止められたんだ。

 

「タルト!」

「ぐっ……大丈夫、です! 今のうちにみなさんを下がらせてください! リズ!」

 

 さらにタルトの影からリズが飛び出て来て、ラピヌのソウルジェムに影の短剣を投げる。

 容赦ないよね。死角からの攻撃であいつの技量なら外しもしない。普通ならそれで終わる。

 

 だけど、紅のソウルジェムに触れるやいなや、見えないなにかが短剣を弾いたんだ。

 

「まさかっ!」

「うひひ……もう誰も私のソウルジェムは砕けない! そう願わせたんだよ!」

 

 妙な笑い声につられて、あたしも笑いそうだった。いや、笑うしかない。

 『願い』は絶対のもので、どんなことだろうと叶う奇跡だ。それが、あいつのソウルジェムを守るためだけに使われて、成立してしまってる。魔女化しても元に戻るなんてふざけてるのに、これじゃあ魔法少女を殺す2つの手段が通じやしない。

 

「……これ、倒せるの?」

 

 そんなぼやきはすぐに消える。

 倒せないなら他に方法もあるけどさ、こいつらは我先にと逃げるなんてするわけないし。くれはの表情は心配だし。結局、戦うことになるんだよね。

 

 魔法少女以外じゃ役に立たないからって、やちよとエリザ、メリッサが兵士たちを撤退させてる間、色々と試した。

 下手に傷つけたらあの厄介な魔女になる。リズとあたしがなんとか影で拘束しても、すぐに破られる。じゃあやっぱり逃げるかといえば、あの速度じゃ無理だって今さら気づいた。

 

「イッヒヒ! コルボー、仇を取ってあげるからね! そのためならどこまでだって追いかけてやる……お前たち全員殺すまで、どこまでもねぇ!」

 

 いくら死ななくても疲れはするはずなのに、そこも願ったのかぜんぜん。

 

 じゃああいつは本当に不死身なのか。

 どうやっても全滅するしかないのか。

 

 ……いいや、違う。

 コルボーを殺したミヌゥという正史の景色。急に現れたコンピエーニュの断片。この2つが僅かな可能性となって否定している。

 

 正史を取り戻して適用したらコルボーは消えた。

 だったら――もしも正史で倒されていたら、ラピヌも消えるんじゃないか?

 

「行こう、くれは。正史の断片を撮って、あいつが倒された歴史を取り戻すの。それなら勝てる」

「……それは」

「行ってください! あなたたちにしかできないんです!」

「ここは私とタルトが抑える! 行きなさい!」

 

 どうにかラピヌの相手ができるタルトとリズに任せて、あたしらでコンピエーニュの断片を撮る。これが唯一の突破口だった。

 そのうちエリザたちも来る。正直、足手まといにしかならないあたしらが戦うより、圧倒的に分がある賭けなわけ。

 

 

 

 

 ――だからさ、こうなるなんて、思ってもなかった。

 

 

 

 

 正史の断片を撮影することには成功した。歴史は取り戻した。

 問題は、見えたものだった。

 

「な、んで……」

 

 くれはの言葉が重い。あたしだって、そう言うしかない。

 

 正史でも同じくタルトとリズはラピヌと戦っていた。

 それはいい。こいつらなら戦うはずだ。

 

 おかしいのは、リズの影がタルトとラピヌの両方を拘束していること。 

 

『リ、リズ? これは……』

『ここでラピヌを排除しなければ全員死ぬ。なら、どんな手を使ってでもここで終わらせる。決して光を消させはしない!』

 

 嫌な予感がした。

 同じ『影』を持っていて、その暗闇の世界を見たからわかる。あいつは!

 

『無駄だ! 何回倒されても、私は……!』

『倒しはしない。共に影の牢獄へ堕ちてもらうだけだから』

『――ダメです! やめてください、リズッ!』

 

 道連れにして、死ぬ気だ。

 

 影の世界よりももっと深い地獄へ引き込んで、出口を閉じたらもう脅威はいなくなる。

 だけど出れなくなったら餓死か魔女化して終わりだ。それでもラピヌは永遠に生き続けるだろうけど、リズは間違いなく死ぬ。

 

 姉のように思い慕う彼女が地獄へと消えてしまうこと。

 伸ばした手が届かない日が来てしまったこと。

 

 それは、きっと、タルトだけじゃなく、くれはにとっても受け入れ難い結果なんだろう。

 理屈はわからなくても、リズの顔を見れば決意がわかる。あいつはそういうところが敏感だから、わかっちゃうんだ。

 

 あたしだって簡単には受け入れられない。過ごした時間が短くても、過去の人物でも。以前だったら無感情のままでいられたのに、友達ってものを知って、心があったかくなった今のあたしじゃ、無理なんだ。

 

『タルト、ここでお別れね』

 

 顕現した地獄の門が開かれる。極寒の空気と共に、闇に引きずり込もうとする手が伸びて、ラピヌとリズを引きずっていく。

 

『イヤです、これ以上大切な人を失うなんて……!』

『やだっ! コルボー、ミヌゥ!』

 

 わかってるんだ。方法はこれぐらいしかなくて、全員死ぬより、ひとりが死んだほうがマシだって。だけど、こんなにも心が痛くて。過去の映像なのに必死になって影を操ろうとして……ほんと、なんだろうね、この気持ち。

 瀬奈とくれはしか助ける気持ちなんてないはずなのに、ずっと横にいたら、あたしも欲張りになってたんだ。

 

 似た感覚が昔にもあった。

 認めたくない不条理は避けられなくて、どれだけ今が嫌で足掻いても神様なんてのは助けてくれないってこと。

 

 そうして、痛いほど伸ばされた手は届くことなく。

 二人は扉へと消えた。

 

「リ、ズ……」

 

 ああ――そんな涙は、もう見たくなかったのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 くれはを引っ張ってフランスのやつらと合流すると、事の顛末がわかった。

 

「まったく、思い出しましたわ! リズが戻らないのも、タルトが消えたのも、全部! さきほどの戦い、まったくの再現じゃありませんの!」

 

 見えた正しい歴史。そこで起きたこと。あいつらに戻った記憶。全部、もっと悪いほうに流れていってたんだ。

 

 正史ではあの後、リズを失ったタルトは呆然としてイングランド軍に捕まった。

 それから誰もが助けようとしていたところ、今回の異変が起き始めた……つまり、最後の最後まで思い出したんだ。もう、リズはいなくなってたってことまで。 

 

 それを知ったくれはは、顔を真っ青にして震えていた。

 

「私が、確定させたから。選ばなければ、リズはまだ……!」

「帆秋さん、あなたのせいじゃないわ。すべきことをしただけよ」

 

 そうだ、あたしが誘ったからだ。

 その意味は、わかってるつもり――なのに。

 

 くれはがやちよの言葉に生返事を返すと、よく知った魔力の波を感じた。

 ソウルジェムの輝きが不自然に止まる。深呼吸をして、落ち着いた様子だった。

 

 あれは3人だった頃には知らなかった使い方で、2人になってから知った手段だ。見た目は変わらないけど感情的なくれはが、気持ちを簡単に抑えられるわけがない。だから、その対策としてか、平静を保つために自分に『停止』を使う。

 

 姉を殺した妹の姿と同じで、それだけリズのことが重かったってことなんだ。あれだけ仲良くしてたタルトが捕まったのもあるだろうけど。

 

『けれど、これで正史自体は取り戻した。異変自体は解決に向かうはずだよ』

『なにかあればフランスの外にいる私たちから報告しましょう。今日は休んだほうが良いわ』

「ペレネル様の言う通りです。くれはさん、ご無理なさらず……」

 

 先に休めって言われたのは、真顔に戻っても雰囲気が疲れてるって感じさせたんだろう。

 メリッサがあたしらを野営用のテントに連れてくと、しばらくしてエリザまで顔を見せに来た。もちろん、あたしら2人だけでいいから追い返したけど。

 

 それからしばらくすると、さすがにくれはも『停止』を使わずとも落ちついていた。

 

 あたしもやっと気が抜ける。

 今一番重要なのは、くれはが落ち着いてくれること。ラピヌが魔女化してたってことは、ここじゃドッペルが使えない――その魔法少女の当たり前が、恐ろしかった。

 

「……あ」

 

 そこだ。

 やっと、気づいた。

 

 加えて、今の状況はマズいとも――!

 

「魔法……これ、まさか!?」

 

 雫の『空間結合』に似た感覚が周囲を包む。

 あたしらを狙う敵の立場から考えてみたら、ソウルジェムを直接壊さずとも精神を追い詰めたっていい。タルトもリズもいないこのタイミングを、逃すわけがない。

 

「――あなたたち! そこから離れなさい!」

 

 ふわりとした感覚が消えたのと、テントの中にエリザが飛び込んできたのはほぼ同時。

 気づけばあたしらは、どこかの教会みたいな場所にいた。

 

「あら……白紙の予言書の持ち主ひとりだけで良かったのですが」

 

 居丈高な調子の、僅かな憤慨を含んだ声だった。

 呼び出したのは発したのはミヌゥと呼ばれていた猫の仮面をした魔法少女に違いない。この言い方と視線からして、くれはだけを連れてきたかったのが、あたしらが側にいたから引っ張られたみたいだ。

 

「もう全部取り戻したからあたしらの勝ちでしょ? 負け惜しみで卑怯な手を使いにきたわけ?」

「まさか、あなたたちもおわかりでしょう、どちらが有利かなど……」

 

 嫌味なんて効いてないように、にやりと笑った。

 

「せっかくですわ。きちんと説明してさしあげましょう」

「タルトとリズがいないことなら知ってるわ」

「いいえ。最初から狙いはあなたたち――」

 

 ミヌゥが勝ち誇ってペラペラと話し出したこと。

 それは陰湿で、初めからあたしらに勝ち目なんてないものだった。

 

 なんせ、こいつの目的は『正史を取り戻させる』ことだったんだから。

 

「持ち主が歴史を確定させれば本当に元通り。もしくは……あら、やり直したことがない……?」

「なによそれ」

「使ったことがないようですが、白紙の予言書には時間を巻き戻す術がありますわ。あなたたちは正しい歴史を認めず、死を否定してやり直すことができるのです。取り戻せる歴史があなたたちの望むものかは存じ上げませんが……」

「わたくしたちが延々と繰り返したら、なんて考えないのかしら?」

「さすれば、あなたたちの魂が擦り切れて夢のフランスの結果が変わる。どちらを選んでもいいのですよ」

 

 夢のフランス。それは夢を通した未来からの介入でタルトの心を救ったのだと聞いていた。

 問題は、未来に存在するくれはがいたからできたということ。もしもここでくれはの魂が消えたら"なかったこと"になる。

 

 つまり、どっちに転んでもミヌゥの望む結果になる。

 むかつく。あの仮面の下で、相当意地の悪い目をしてるんだろう。

 

「待って。正しい歴史を取り戻させるって、コルボーとラピヌが死んでいいっていうの」

 

 そう言って、一歩前に出たのはくれはだった。

 

「それにどうしてコルボーを殺したの……! あなたの家族でしょう!?」

「ああ、それは――もう、愛しておりませんので」

「は……?」

 

 ……こればっかりは、くれはにはわかんないことだろう。

 あたしだって家族を愛してたかなんて言われたら反吐が出る。あんなの死んで当然だったと思うし、蘇るなんて言われても嫌だ。二度と会いたくない。

 

 それだけに、()()()()()のくれはは遂に真顔を歪ませた。

 

「……ラピヌは」

「とても役に立ってくれましたわ。厄介な魔法少女を葬ってくださったのですから」

「お前……! あの子が最後に何を言ったと思ってる!?」

 

 いつもの口調さえも崩れて、羽根を模したカトラスが向けられた。

 こんなに怒ってる姿はあたしでさえ見たことない。ミヌゥの言葉は、くれはの思う家族の在り方とはかけ離れているんだ。綺麗な関係でいられるほうがこの世は少ないってのに。

 

「もう前置きもいいでしょう。この舞台が始まった時、既に勝敗は決した! 邪魔者は消え、乙女は失意に沈み処刑はまもなく訪れる! さあ正史を確定なさい! しなくとも……夢のフランスで乙女は魔女となる!」

 

 大仰な口上に呼応して光ったのはくれはのスマホ。この決定をやれって言ってるみたいだった。

 

「タルトが死ぬか、魔女になるか、選べっていうの」

 

 それは、ダメだ。

 くれはにそんなことさせちゃいけない。

 

「あたしが押すよ。確定しなきゃ終わらないなら」

「言ったでしょう、あなたは自分のことを考えて生き残りなさいと。確定して帰りなさいな。タルトは必ずわたくしたちが助け出しますわ」

 

 あたしらが声をかけたのはほぼ同時。

 考えてることも同じだった。その原因を取り除く手段が違うだけだ。

 

「でも、約束したのよ。絶対、みんなを助けてみせる、解決するって。誰かを犠牲にするやり方を否定したのに、これじゃ、同じじゃない……」

 

 そう――くれはに、決断はできない。選べない。

 短い間になにを思ったのか、エリザは気づいてた。だから、言葉を続けたんだ。

 

「わたくしたちは、わたくしたちの時代で守るべき未来のために戦いますわ。あなたたちがいること、それがまだ希望になる。未来はまだ続いているのですから、信じてくださいな」

「そういうことだと思うよ。あたしらが帰ったらさ、タルトが助けられるってことでしょ」

 

 こう言えば、確定を認めるしかなくなる。ちょっとズルいやり方だ。

 

 黙ってるのはきっと、あたしを信じてくれてるってこと。

 そう受け取ってくれはのスマートフォンに手を伸ばすと、画面に表示されてる『確定』を押した。

 

 そして、それは始まった。

 

「ふふ、そうですか。確定を選んだのですね。面白い舞台でしたわ」

 

 ミヌゥが笑って姿が薄れていく。

 

「……やちよに、感謝を伝えておいてくださいまし」

 

 エリザは真剣な表情で伝えて消えていく。

 

 遠ざかっていく景色。白く染まる視界。

 その中で、呟きが聴こえた。

 

「それでもこんな結末、嫌よ……」

 

 なにもかもが策略通りでも、ただ、ひとつだけ。

 帆秋くれはとは、人一倍欲張りで諦めが悪い人間だってことを、ミヌゥは知らなかったのだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先取りするRTA、はーじまーるよー。

 

 パテーの戦いは別の断片を撮ることでコルボーの最期を見ることができます。ここがフラグなので一人で戦地から離脱してました。

 

 さくっと終えて最終盤となると、通常はランスへ向かうこととなりますが……ハードモードだとこの選択は地雷! バカみたいに強化されたラピヌお姉さま(不死身)を正面から倒さないといけなくなります。ミヌゥも引き取りに来てくれないので文字通りの地獄が始まるぜ!

 

 もちろんこれ、わざと負けて白紙の予言書くんの力で少し前からやり直して稼ぎまくることができるので詰むことはありません。通常プレイでも安心ですね。

 されどそんな悠長なことしてられないのがRTA。戦闘なんかするわけねーよ! 常夜の国チャートじゃなきゃただのロスだぜ!

 

「コンピエーニュに向かう?」

「はい、非常に大きな断片があると天使様とペレネルさんが」

 

 なのでフラグを立てておきましょう。おきました。

 

「みーつけた……」

 

 進路を変えてコンピエーニュに向かうことで、原作を先取りしてラピヌ最終戦を発生させることができます。

 さっきも言いましたが、侍女の『願い』でパワーアップした強化ラピヌはかなりの強敵です。ソウルジェムを壊せず疲労もしないとかやめたくなりますよ~戦闘~。

 

 それも当然、本来はリズの生存フラグを立てるために必要な隠しイベントの場所なので、正規クリアを目指すレベルじゃまず勝てません。

 事前に無力化を目的としたステータス配分、固有魔法の強化、パーティ編成等をしておかないとハードモードじゃ無理です。

 

 ところが、生存フラグを無視するのならミヌゥのブチギレゲージ次第で簡単に解決できます。

 へっ、とんだ甘ちゃんだぜ。倒せないなら倒した歴史を持ってくればいいんだよ!

 

「タルト!」

「ぐっ……大丈夫、です! 今のうちにみなさんを下がらせてください! リズ!」

 

 あっぶえ!

 当然の権利のように先制攻撃してくるのはやめろ繰り返す当然の権利のように先制攻撃してくるのはやめろ!

 

 今の攻撃、パワーアップしてVer.2になったタルトさんがいなかったらマジでお陀仏でした。

 燃費以外は最強のステータスをしている彼女がいれば強化ラピヌだろうと耐えてくれますし戦えます。トドメを刺す方法がないだけです。

 

 というわけでタルトさんとリズに任せてすたこらさっさ。

 速度特化にしてるのであっという間にコンピエーニュに到着、断片の場所は知ってるので直行して撮影。あっ帆奈ちゃん遅かったっすね上映会が始まりますよ上映会が。

 

「なにこれ……」

『リ、リズ? これは……』

 

 フラグを立ててないため、原作同様リズとラピヌの退場シーンが入ります。

 ちなみに影の牢獄に堕ちたのは肉体だけで、タルトの影の中にリズのソウルジェムはあります。退場は半分正解で半分間違いですね。現代じゃ失った肉体を再生できる固有魔法持ちもいるらしいっすよ?

 

 なお、地獄の門を開く魔法は『影の操作』で行える最上級レベルの技です。誰にでも効く実質即死魔法とかバランスがね……。

 ちなみに今の帆奈ちゃんでは熟練度が足りないので門は開けません。無駄だよ、その扉は私のどうぞという声にも反応しないのだ。

 

 見るもの見たしじゃあ次行こうぜ。

 グリーフシードで回復しつつ話を進めます。合流してテントの中に入ったらご注目、イベント発生です。

 

「魔法……これ、まさか!?」

「――あなたたち! そこから離れなさい!」

 

 なんかエリザまで来ましたが、まんまとくれはちゃんがミヌゥに転移されてしまったのでOKです。テントに入ったのもこのイベントを発生させやすくするため! ミヌゥ、手伝っといてやったぜ!

 

「せっかくですわ。きちんと説明してさしあげましょう」

 

 聞いてる時間はないのでさくっと解説すると、これが『常夜の国の叛乱者』を終了させる最終イベントです。確定させればそのまま帰ることできます。も、もう終わりですか?

 

「もしくは……あら、やり直したことがない……?」

 

 (ロスなので)ないです。

 ここまでに何回やり直したかで反応が変わるのが面白いですね。魂消えてるだろって回数を繰り返してても驚いてくれます。

 

 勘の良いみなさまならもうお気づきかもしれませんが、確定せずに"やり直し"を選ぶことで、フランスブートキャンプをもう一回プレイすることができます。経験値の稼ぎ所さん!?

 

 常夜稼ぎをするチャートならやるんですが、かなり攻めたチャートになるのでやりません(半ギレ)。少しミスると、参加した魔法少女が消え去って退場してしまうリセ要素があるのが怖いですね、これは怖い……。

 

 しかしもっともマズいのは、キャラの関連イベントをすべてなかったことにして構成し直すので、開始時の暗転のような超絶ロスが発生することです。

 例えばういちゃんがいなかったことになると、いろはちゃんの契約イベントが吹っ飛ぶので第一部から構成し直しの大惨事ですね。再走しろ。

 

 さて、説明が終わったら必ず会話をしましょう。ミヌゥからコルボーとラピヌに関する発言を引き出します。

 くれはちゃんの頭では難しいことは言えませんし深いこともわからないので、説得も駆け引きもできませんね。さてはお前なにも考えてねぇな?

 

「とても役に立ってくれましたわ。厄介な魔法少女を葬ってくださったのですから」

 

 ん? 今とても役に立ってくれたって言ったよね?

 お母さま第一ってのは怖ぇなぁ。こいつすげぇ策略だぜ?

 

「もう前置きもいいでしょう。この舞台が始まった時、既に勝敗は決した! 邪魔者は消え、乙女は失意に沈み処刑はまもなく訪れる! さあ正史を確定なさい! しなくとも……夢のフランスで乙女は魔女となる!」

 

 確定かやり直しか、どちらが、上かな? もちろん、確定だよね。

 

 

 ~少女待機中~

 

 

 ……せっ……押せ……っ! 確定しろ……っ!

 すみませ~ん、ミヌゥ(大嘘)ですけど~ま~だ時間かかりそうですかね~?

 

 今回は時間かかってますね。まあこういうこともあります。

 そんなこんなで確定されたらまた自身に『停止』。くれはちゃんには魔法少女が知られているフランスをよーく覚えておいてもらいましょう。

 

 そして、ここからが経験値稼ぎをしないのにわざわざフランスに来た最大の理由です。

 白紙の予言書の持ち主が現代に戻される直前、白い謎空間に入ったら帆奈ちゃんに合図します。

 

「……なに?」

 

 今こそコピーした『影の操作』を使う時!

 地獄の扉を開くんだよ! できるできるできる気持ちの問題だ!!

 

「そっか、そうだよね。あんたなら、そう言うよね――あっは! いいよ、だからあんたに付いてきてるんだから!」

 

 さっき扉を開く魔法熟練度はないと言ったな。あれは嘘だ。

 正確に言うと、現代に戻される時空間の歪みが発生している今なら『停止』くんのサポートがあれば誤魔化せます。すげえぜ。

 

 細かいことは後々まとめて話すので今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真っ暗な闇の世界に、光が見えた。

 急に現れたそれは眩しくて、視界を遮るより先に、手が伸びた。

 

 そして、触れたんだ。

 

 だって私は、まだ生きていたいから。

 




■今回の内容
 『常夜の国の叛乱者』

■くれはちゃん
 仮面三姉妹の関係(精神ダメージ大)と選択したことでタルトとリズを失ったこと(精神ダメージ特大)でメンタルがガタ落ち。
 でも『停止』くんを使えば問題ないのでこのまま行きます。

■強化ラピヌ
 もはやどうしようもないイベント戦ボス。
 正攻法で倒すか無力化するとリズの生存フラグが立つとか。それはそれでこの後が高難易度になる。

■常夜の国の叛乱者
 本来はコンピエーニュの戦いより前に起きている。
 ハードモードなのでノーマルエンドよりも悪いルートに。

■地獄の門
 リズの最期の技。使う時は詠唱がいるとかいらないとか。
 『この門をくぐる者は一切の望みを棄てよ』のアレを詠唱するらしいっすよ?
 
■くれはちゃん絶望再走ポイント
 全員見殺しにする。



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