ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
『なんという、恐ろしい機体だ。ドローンがほとんど壊滅させられてしまうなんて。』
質はともかく数には自信があった。非常に安価に、大量生産できる無人機のビジネスはとにかく重宝していた。防御に攻撃に、殲滅にもそれぞれ秀でており、このワスプ一機だけでもマルチに活躍できる。
それがしかし今、真正面から力押しで押し切られようとしている。ここまでのパワーの持ち主は、自分の知る限り一機・・・いや正確には二機ということになるか。人類の救世主の、その親子。
『姿だけでなく、まさかヤツは本当に・・・?』
いや、そんなことがあるはずがない。それに万一そうだったとしても、この三重の防御を突破されることはまずない。
なにせ開発のデータには、その救世主の子たるカサブランカMk.Ⅱのデータが使われている。単純な装甲の強度こそ並だが、ドローンがスクラムを組むことによって発せられるレーザーネットと電磁フィールドは、あらゆるビームを打ち消すことが出来る。その先の掘削機のようなドローンのスクラムは言わずもがなである。
現に未だかつてこの盾が突破されたことはない。安心と信頼の実績のエヴァリアン製だ。と、自身に言い聞かせて精神の平穏を保つ。強固な防壁は心だって守れるのだ。
『またビーム!?』
などと、心の中で思いつく限りのことを羅列しているのは、不安があるからに違いない。データ上の保証や保険がいくらあったところで、実際にあのビームがまた放たれたところではそれらは露と消える。
幸いなことは、カタログは嘘をついていなかったということ。防御能力は見事に働いてくれた。
『ふっ・・・ふん、さすがワスプだ、なんともないぜ。』
一発受けただけで電磁フィールドが火を吹いているので、そう何度も喰らうことはできないだろうが、それは相手にはわからないだろう。
あとは応援が来るまで持ちこたえ、持久戦と物量作戦で押し切ればいい。こちらが未だ優位であるという事が確証された。
『勝てる、勝てるぞ・・・。』
希望が見えてくると、同時に欲がムクムクと湧いてくるじゃないか。あの新型も捕まえて持ち帰れば、『ボス』も大層喜ばれることだろうし、臨時ボーナスも出ることだろう。
『そうと決まれば、もう一度ハニカム・キャプチャで捕まえてやる。』
その時、折よく戦場に一つの影が差す。そら応援が来た。その接近に気づいたアイツも、ドローンが排出される前にハイヴを撃ち落とそうと頭を向けている。
『させるか!』
だが逆にそれはスキを見せたという事。捕獲用ドローンを飛ばして自由を奪う。どうやら流れはこちらに来ているようだ。
『こうなれば機体はそのまま・・・パイロットには死んでもらう!』
要注意人物が乗っていたはずだが、まあそんなものはこの新機体の前には霞むだろう。ドローンが放電することで中のパイロットには気絶してもらい、あとはゆっくりと持ち帰るだけだ。
『フハハ、勝ったぞ!』