ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第103話

 「ふむ・・・驚きに次ぐ驚きだな。」

 「らぴ?」

 「あんま驚いてるように見えないですけど?」

 「いや、めっちゃ驚いてるよ。驚き過ぎてどういうリアクションをすればいいか迷っているだけで。

 

 クリス司令の部屋にいる人物は3人。いや、2人と1匹。

 

 部屋の主のクリス・ロジャーズと、ゲーマー少年の片桐遊馬、それから月ウサギのラッピー(ぬいぐるみ)だ。

 

 ラッピーはゲーム世界とも違う世界が目新しいのか、部屋の中を跳ねまわっているが、クリスはそれを咎めることもしない。

 

 「ラッピーとはまあ長い付き合いだよ。妻がよくゲームをしていてね、あの子もそれを横で見ていた。ああそうそう、とりあえず私の娘の部屋に勝手に入ったことは不問にしてる。」

 「それはすいません。」

 

 年頃の愛娘の部屋に勝手に入ったとあっては、遊馬の首が物理的に飛ぶ可能性もあったがそれはまあ許された。

 

 「さて、君の言うところによると、世界のどこかが変わってしまったということだが・・・。」

 「はい、ラッピーがこの世界に来てしまった影響が、どこかにあるかも・・・。」

 「ふむ、世界の情勢を調べさせているが、特に地球上ではおかしなことは起こっていないようだ。お菓子だけに。」

 「そうですか・・・。」

 「お菓子だけに。」

 

 何も起こっていないということはないはずだが、それに気づけないのは仕方のないことだ。なにせ、世界の根幹そのものが書き換わってしまうと、そこに住んでいる人間の認識も知らない間に書き換えられてしまうものだから・・・。元あった現実の世界と、空想の産物であるカサブランカの世界が融合してしまった結果が、今のこの世界なのだから。

 

 「仮にラッピーの世界と融合してしまっているとしたら、舞台となる『ジェーランド』が現れてたっておかしくはないんだけど。」

 「お菓子だけに?」

 

 魔法のお菓子で出来た世界シュガラーワールドと、そこの国のひとつジェーランド。そこへ悪意のバイキン『バグバクター』がやってきたことで、お菓子からモンスターが生まれ、ジェーランドは支配される。その支配の手が唯一届かなかった月の国『ケーキムーン』で、夢の魔法からラッピーは生まれた。月、火、水、木、金、土、日の国を旅し、お腹一杯お菓子を食べることがラッピーの旅の目的だ。

 

 まあゲームの説明はともかくとして、そんな摩訶不思議な国があったとしたら、嫌でも目立つことだろう。

 

 「けどこの世界には魔法なんてないし、お菓子で出来た国もない。」

 「ですよね・・・。」

 

 ラッピーとしては、自分の故郷から遠く離れた・・・それどころか、全く別の世界に来たというのに特に気も留めるようなそぶりも見せない。

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