ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第104話

 「らぴ・・??」

 「どうしたラッピー?」

 

 ベッドの上でゴロゴロと転がって遊んでいたラッピーが、突然跳ね起きると、何かをキャッチしたかのように耳をピコピコとさせている。

 

 「ふむ、どうやらネプチューンが海面に達したようだが、それと関係あるのかな?」

 「らぴ!」

 「ふむふむ。」

 「らぴぴぴ!」

 「成程な。」

 「わかるの?」

 「いや、さっぱり。」

 

 だろうな。

 

 「多分外に出たいんだろうとは思いますが・・・。」

 「そうでもなくとも、また補給のためにドックに寄る。」

 「・・・そこから陸地へは?」

 「絶海の孤島だからな、難しいよ。」

 

 ラッピーは相変わらず、部屋の中を跳ねまわっているが、そのうちにドアの前まで来る。

 

 「失礼します、司令!うおっと?!」

 「らぴ!」

 「あ、待ったラッピー!」

 

 折悪く、部屋に人が入ってきて、ラッピーがすれ違いに出て行ってしまった。

 

 「らぴ!らぴ!」

 「どこ行くんだよラッピー!」

 「遊馬君!まあいいや、なんだ?」

 「ハッ、指示通り、世界の次元湾曲の調査結果が出ました。」

 「もうか、早いな。」

 「ウラヌスで待機中の、パトリシアからの報告です。」

 「なるほど、仕事が速いな。」

 

 クリスは隊員から手渡された資料に目を移す。どこかへ行った遊馬とラッピーは今のところは放置だ。

 

 「らぴ!らぴ!」

 「ちょっと待て!ぜー・・・待って!・・・はー・・・。」

 

 なんかやけに体力が減った気がする遊馬には目もくれず、ラッピーは艦の上へ上へと目指していく。ここへ来たばかりのラッピーに上へいく道がわかるとも思えないが、三叉路や曲がり角では最適解をまるでわかっているかのように選んでいくのだから、遊馬も休む暇がない。

 

 道中、乗組員とも何人かとすれ違う。はたから見れば、汗だくになりながらぬいぐるみを追いかけるという奇妙な姿が映ったことだろう、正直恥ずかしい。

 

 そうこうする間に、ハッチ内部から甲板に出る扉にまでやってくる。しかし扉は固く閉ざされている、この事実に遊馬は安堵し、歩調も少し弱まる。

 

 「らっぴ!」

 「ストップ、ぜぇ・・・はぁ・・・やっと・・・追い付いた・・・。」

 「らぴぃ!」

 「なに?おんも出たいのか?」

 

 遊馬は腕の中でもがくラッピーを撫でてやると、扉に手をかける。

 

 「外か・・・いい風が吹く。」

 

 最初に来た時はシェリルに案内されながらのことだったが、こうしてみると本当に外に出られるというのは喜ばしいことだとわかる。

 

 常に危険と隣り合わせな、潜水艦での航行。撃沈すれば海底の闇から二度と浮かんでこられなくなる。だから、頬を撫でる風から生の実感を得られる。

 

 「らぴっ!」

 「ん?なんだ?」

 「らぴぴ!」

 「空?」

 

 水平線を眺めていた視線を上げると、空には雲一つない。唯一浮かんでいるのは有明の月である。

 

 「月がどうかしたのか?・・・ん?」

 

 何かおかしい。輪郭がなんだかあやふやではっきりしない。

 

 「らぴぃ・・・。」

 「あれ・・・月の国?」

 

 その表面には、チョコチップのような斑点があり、表面はケーキのようにふわふわだ。

 

 そう、まるでラッピーの故郷、ケーキムーンのよう・・・。

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