ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「つまりは、月が変わってしまった、と。」
「そうだと思います。」
「うむ、先ほど宇宙から届いた情報とも一致する。」
今度は司令室に人が集まってきた。遊馬はラッピーを抱きしめたままそこにやってくる。
モニターにはリアルタイムの月の映像が映されている。
「やはり、ケーキムーンだ・・・。」
「おいしそうだが、あまり衛生観念上よろしくなさそうだな。」
シュガラーワールドの魔法の力が弱まると、ジェーランドのお菓子は味も薄まってく。だからシュガラーワールドではないこの現実世界では、あのお菓子の月は多分おいしくない。
「まあ、月の資源的価値についてはまた談義するとして。しかし、急に月の様子が変わったというのに、世界は静かだな。」
「変化を知覚出来ているは我々だけなのかと。」
「なるほどな。」
結果論に過ぎないが、それは正解である。現実改変の力があることを知っているからこそ、月の変化に我々だけが気づけている。
「さて問題は、我々の目標であったアダムの忘れ形見がどうなったかの方が重要だろう。」
「信号変わらず出続けているようです。」
「なるほど、しかし月の表面はどうなっている?」
「未知の生命体を確認。それに、大気も存在するようです。」
「・・・本当に食べられるんじゃないのかあれは。」
「月が変化した、というよりも月の表面に新たな世界が現れたというのが正確かと。」
そういう見方は新しいかも。シュガラーワールド、ならびにジェーランドは、月の落下によって人類が滅び去った後の地球という考察や裏設定もあることだし。
「ラッピーはこのことを伝えたかったのだろうな。」
「そうなの?」
「らぴ!」
「そうらしい。」
元はと言えば、僕がラッピーのゲームを挿したままダークリリィを起動したせい・・・ほぼ不可抗力だったとはいえ、原因がある。
「司令。」
「なんだい?」
「僕も月へ行って、調査に加わりたいのですが!」
「ふむ・・・。」
今度は、前回のように即否決はされなかった。
「ところで、理由は?」
「ラッピーの世界には詳しい方です、月で何かあっても対処はしやすいかと。」
「ふむ。」
「それに、僕は一日でも早くダークリリィの操縦に馴れたい。その慣らし運転になるとも。」
「確かに。」
「それに、ラッピーは僕の仲間です。仲間が行きたいところには、僕もついていきたいです。」
「なるほど。」
まあ、夢にまで見たシュガラーワールドがそこにあるというのなら行きたいものだというのも理由の一つにある。ゲーマーとしてなら当然だろう。
「よしわかった。しかし、直接レベリオンでオービタルリングに乗りつけるのも具合が悪い。君もエレベーターに乗って秘密裏に宙へ上がりたまえ。プランはこちらで用意しよう。」
「やった!ありがとうございます!」
「可愛い子には旅をさせよとも言うしな。」
「その可愛い子の親はどこへ行ったのやら・・・?」
「はてな。そういえばいないな。招集をかけたのに。」
まあ、あんなクソ親父のことなんてどうでもいい。とにかく荷物を纏める用意をしよう。