ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第106話

 「出来たぞ遊馬!君を宇宙へ送るプランだ!」

 

 プランはごく単純。ダークリリィで身近な陸地へ飛んで、そこから軌道エレベーターに乗る。至極簡単な話だが、いかに隠密に行動できるか、最短ルートを辿れるかについて脳漿を絞っていただいた。感謝しよう。

 

 「海面スレスレを飛行すれば、波に隠れてステルスで行ける。衛星からも見つかることはないだろう。このルート通りに進め、着いた先で特派員と合流して、軌道エレベーターへの道を案内してもらうんだ。」

 

 しかしシンプル故に奥が深いというもの。単純なシューティングゲームのハイスコア狙いに数時間費やすこともある。完璧を求めれば求める程に、際限なく難易度は上昇することだろう。

 

 「準備はいいかい?」

 「荷物はOK。」

 「そのリュックには何が入っているんだい?」

 「らぴ!」

 「なるほどね。」

 

 もぞもぞと動いて、ラッピーがひょっこりと顔を出す。あれもこれも必要と、旅の荷造りを始めるとこれもまた際限なく増えていくものだが、旅とは身軽に行うもの。

 

 「リュック一個と、仲間と、ほんの少しの冒険心があれば十分だ。」

 「それも何かのゲームのセリフかい?」

 「うんまあ。」

 

 むしろゲーム以外のセリフを知らないってぐらいだ。こういう時文学作品から引用できればかっこいいのかもしれないが。

 

 「そういう司令は何かいいセリフをご存じ?」

 「そうだな・・・。」

 

 少し、クリス司令は顎に手を当てる。

 

 「『希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである。』、なんてな。」

 「早く終わらせて、早く帰ってきたところですし。」

 「おうそうだったな、なにせシェリルとお楽しみがあることだし・・・。」

 「べ、別に楽しみにしているわけじゃ・・・。」

 

 もう終わった後の話をしているが、旅はまだ始まってすらいない。

 

 果たして辿り着いた場所にあるのは希望か、新たな絶望か。開けない方がよかった玉手箱か、それとも絶望の底に希望が眠るパンドラの箱か。

 

 「我々としては、契約の箱が望ましいのだがな。君がもっているのは魔法のランプといったところか。」

 「魔人がなんでも叶えてくれるほど便利ではないかもしれないですが。」

 「なら、ランプではなく指輪止まりか。それでも十分に強力だよ。」

 

 魔法のランプはなくとも、弾丸より早く飛べる機体と、どんな怪我も治せる回復アイテム、それと現状に応用できるゲーム知識ならある。最後の一つはいささか頼りないが。

 

 それに指輪の魔人の代わりの、頼れる仲間たちがいる。ランプの魔人と違って裏切ることはないだろう。

 

 彼らが裏切らなくても、僕が期せずして裏切ってしまう可能性はあるが。そうならないよう、一生懸命がんばりましょう。

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