ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第108話

 『遊馬君、準備はいいか?』

 「それは服の話?」

 『なかなか似合ってるよその恰好。』

 「オタっぽいってことですかね。」

 

 結局装備したのは、メガネにワイシャツというナードスタイル。髪も少し切ってもらったし、ハンチング帽は後で被るとしよう。

 

 『工作員には既に連絡が行っている。君は指定されたポイントへと向かってくれ。』

 「了解!」

 『彼女たちと合流出来たら、セシルの指示に従ってくれ。』

 「らぴ。」

 

 リュックサックから出てきたラッピーが、コックピットの中を跳ねまわる。

 

 「ラッピー、ちょっと静かにしててね。」

 「らぴっ?!らぴぃいいいい!!」

 

 運転中に顔の前を横切られるのは非常にまずい。一旦リュックに戻ってもらうと、レバーを握りなおす。

 

 先の戦いで破損した個所は一応直してしてもらったが、根本的に素材の質が違い過ぎて完全には直せないという。なので足の装甲はパッチワークのようになっている。完全な修復には、ゲーム世界の方で修復してもらうほかない。

 

 「あっちでは技術者が足りず、こっちでは材料が足りず・・・。」

 『仕方ないだろ!そんな高級品ウチでは取り扱いが無いよ!』

 「応急処置ありがとうね!」

 

 街中のホームセンターに軍需物資が置いてあるはずもなし、基本貧乏なネプチューンにオリジナルランクのレベリオンの素材が置いてあるはずもない。シェリルたちのBランク機体ですら、高級品と言われているのだから。

 

 「ところで、そのオリジナルだとか、AとかBって何のこと?」

 『説明しよう!』

 

 カサブランカのようなアダム原産の超ハイスペック機を『オリジナル』とランクしたとき、オリジナルを基に地球で設計されたものがAランクと呼ばれる。17年前の戦いで地球で作られたものや、エヴァリアンが運用しているものがこれにあたる。また、アーマーギアを装備していればA+になる。ロボットアニメ的に言えば試作機やエース機がこれにあたる。

 

 Aランクから、一部の素材をチタニウム合金などで代用してコストダウンしたり、生産性を高めたものがBランク。シェリルたちの機体がこれで、ロボットアニメなら量産機といったところだ。

 

 量産機と言えば聞こえが悪くなるが、技術者やメカニックが脳漿を絞って組み上げたそれには、Aランクとも大した差はない。宝石の硬度で例えると、Aランクは硬度9のサファイア、Bランクで硬度8のエメラルドといった具合だ。

 

 だがオリジナルはもっと強い、硬度10のダイヤモンドかロンズデーライトのようなもの。数値上は1しか差が無いように見えても、サファイアとは5倍以上のがヌープ硬度に差があると言われれば、いかにオリジナルがケタ違いな存在かお分かりいただけるだろう。

 

 あとBのさらに下にCランクという、遊馬も乗ったライトレベリオンが分類されるクラスがある。ロボットアニメの中でも滅多に描写されることも少ない、例えるなら民間機のようなものだ。これでも戦闘機や戦車よりは強いのが、レベリオンの地力と言える。

 

 『人型であるだけでなんでそんなに強いのか?という疑問があうかもしれないが、それは・・・。』

 「ストップ、ランクについてはよーくわかりました。」

 『なんじゃい、ここからも面白いというのに。』

 「生きて帰ってこれたら聞かせてくださいね。」

 

 メカニックの1人、男勝りなメガネのお姉ちゃんが突然モニターを占拠したかと思うと、長々と高説垂れてくれた。名前も知らないけどありがとうと言っておこう。

 

 『さて、勉強できたならそろそろ出発してくれ。』

 「はい!」

 『それと、あの子達に会えたらよろしく言っておいてくれ。こっちは無事だとな。』

 「はいっ!」

 『よろしい、それでは出撃したまえ!』

 

 ヘルメットを被った作業員の兄ちゃんの旗を目印に格納庫を歩いて、リフトへ乗ると足をロックされる。以前ライトレベリオンで歩いた時よりも、性能がいいこともあるがすんなりとこなせた。

 

 リフトが上がり切り、ハッチが開くと青い空がお出迎え。以前と違って平和な空気が、潮風を伴ってハッチへと入ってくる。

 

 『3、2、1、GO!』

 「片桐遊馬、ダークリリィで発進します!」

 

 声かけは重要。信号機のようなシグナルランプが緑に点灯すると、カタパルトから射出される。今度は振動も少なく、スムーズな発進が出来た。

 

 地面から足が離れ、重力から解放される感覚はなかなかにクセになる。ペダルを踏みこんでバーニアを吹かし、ナビの差す方向へと舵を切る。

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