ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
さて、ネプチューンを飛び出してナビが差す方向は南方、ソロモン諸島だ。赤道をまたぐことになるが、ダークリリィに乗っていればすぐだ。
「途中で船舶にぶつかったりしないようにしないとな・・・。」
海面スレスレを飛びつつ、レーダーからは目を離さない。
「らぴ!らぴ!」
「ん?ああ、いい景色だな。」
外には出られはしないが、モニターには青い海が広がっている。あれに飛び込んだらさぞ気持ちがいいことだろう。
どれ、少し遊んでみようか。ダークリリィは張られたバリアのおかげでソニックブームも風圧も起こさずに、海面を波立たせないようにしているが、少し手を伸ばせば水切りのように線が出来る。
「らぴらっぴ!」
「ふふふ、今度は水上スキーだ!」
ランディングするように脚を前へ突き出すと、もっと大きな水しぶきをあげながら水面を滑っていく。
『そんなに遊んでていいの?』
「いいじゃない、ずっと籠りっぱなしで体がウズウズしてたところだし。」
『引きこもりのセリフじゃないな。』
「引きこもりでもたまには外に出てたさ、多分。」
と、モニターにはゲーム世界の仲間たちの顔が並ぶ。
『ラッピーも元気そうでよかったですわ。』
「今はちょっと静かにしててほしいけどね。」
『でもラッピーもロケットの操縦が出来たし、ラッピーにもレベリオンの操縦が出来るのでは?』
『さすがにレバーやペダルに手が届かないんじゃないかな。』
「ラッピー、手や足が伸びる設定もあるんだけどね。無理ではないかも。」
『伸びるの?!』
「ネコも伸びるし。ウサギだけど。」
『まあどっちにしろ任せたくはないわね。』
「らぴ?」
少なくとも人間には追い付けない挙動になることは間違いない。相乗りしていたらゲロは必至。
『それより、ソロモンについたらどうするの?』
「そこからリニアレールに乗り換え。ダークリリィはまたそっちに送り返すから、修理をしてほしい。」
『OK、また素材を集めておかないとね。』
『トレーニングもしておかないと。』
『なかなか休まるタイミングが無いな。』
本当に緊張状態が続いている。今はせめて景色を楽しみたいし、どこかで骨休めもしたいものだ。
『でも遊馬には何か約束があるんじゃないの?』
「んん?ああ、そうだった。今考えてもちょっと胃が痛いかも・・・。」
『何の話だっけ?』
「デートの約束。」
『ワオ、やるじゃん。』
「僕が誘ったわけじゃないんだけどね。誘われちゃってね。」
『じゃあ遊馬モテるんだね。』
「モテた経験はないかな・・・。」
学校では・・・どうだったろう、覚えていない。ただ学校の空気に馴染めなくて、引きこもりになっていたのは覚えている。
今のこの仲間たちの空気は好きだ。引きこもりになるという心配はない。と言っても、引きこもる先が無いのだが。