ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第113話

 さて、牛丼屋に変装したヘイヴンのエージェントに指示された場所を目指す。

 

 「ふぅ、11番ゲート、トイレはこっちか。」

 

 案内図を見れば目的地はすぐにわかったが、そこはステーションの建物のほぼ反対側。動く歩道やエレベーターを乗り継いで、やっとのことで到着する。もうちょっと近い場所を次の連絡場所にしてくれればよかったのに。おつかいクエストじゃないんだから。

 

 「奥から二番目・・・。」

 

 個室は案の定、使用中のようだ。用を足したければ他の個室を使えば済むことだが、生憎遊馬は別に催してはいない。

 

 「コンコン。」

 『入ってます。』

 「えーっと、紙は持ってる?」

 『2枚あるよ。』

 「1枚ください。」

 

 スッ、と個室のドアの下の隙間から一枚の封筒が顔を覗かせる。このステーション発のリニアレールの搭乗券(自由席)のチケット、それともう一枚のQRコードが描かれたカードが入っている。

 

 「グリーン席じゃないのか。」

 『文句は司令に言って。』

 「チケットありがとうね。」

 

 さて、これでリニアには乗れると焦ってはいけない。エレベーターに乗るには搭乗券と、身分証明書を兼ねたパスポートが必要になる。秘密裏に行くからには偽造・・・もとい新しく作ったパスポートが必要になる。

 

 新しくパスポートを作るには、個人情報を書いて役所に提出し、審査をされた後、身体や疫病の検査をされてようやく通る。勿論そんなことやってる暇はない。

 

 「ここか。」

 

 そのための最後の関門が、モールの中央から外れたこの証明写真機にある。おもむろに中に入ってカーテンを硬く閉ざし、先ほどのQRコードをカメラにかざす。

 

 『ヨウコソ、画面ノ四角ノ中ニ顔を収メテクダサイ』

 

 ここから軌道エレベーターの人の出入りを管理するデータベースにハッキングし、使いっきりのパスポートを偽造発行する。使い終わった後は跡形もなく痕跡を消されるので安心だ。どうせ顔写真も情報には残らないので、思いっきり変顔を記録するのもいいだろう。プリクラか。

 

 「らぴ?」 

 「よし、ラッピーも一緒に写ろうか。笑え。」

 「らぴ!」

 

 カシャッ、とシャッター音がしてからしばらくすると、写真の受け取り口から一冊の手帳が落ちてくる。これで偽造パスポートの完成だ。オリジナル笑顔の遊馬とラッピーの顔写真がついてくる。

 

 「さて、これで準備はOKだな。」

 「らぴ!らぴ!」

 「そうだな、念のためお菓子を買っておこうか。」

 

 おつかいクエストはクリアしたが、メインクエストに移るにはまだ少しある。今後の事を鑑みてラッピーのお菓子を集めておくのもいいだろう。腹の足しにもなるし。

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