ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第12話

 「勝った・・・やった!」

 「ふっ、さすが俺だ。」

 「真っ先に倒れてた人が何か言ってる。」

 

 なにはともあれ、一行は危機を脱した。カサブランカは動かない。

 

 「さてと、まずはアイテムの獲得からだな・・・さぞかし、いいものを持ってるんだろう?」

 「どれどれなになに?『純白のブーケ』?」

 

 『純白のブーケ』:白ユリの花が束ねられた、気品のあるブーケ。所持時者はスキル:『白無垢の祝福』を得る。

 

 『白無垢の祝福』:3ターンの間、味方1人のDEXを3上昇させる。このスキルは戦闘中一回しか使えない。

 

 「おお、これは強いんじゃないか?即座にモンドをスピードアップさせられる。」

 「さらに、獲得したスキルポイントを付与すれば・・・?」

 「一気にDEX20にも?」

 「さすがに無理かな。元が遅すぎるし。」

 

 レベルが一気に5ぐらい上がったようだが、それでも貰ったポイントを全振りしても、6+3というところ。ようやく遊馬と並べる。

 

 「でも、今回みたいに何もできないうちに行動させられる確率は下がるかな。」

 「危ない橋はもう渡りたくないですわ。」

 「で、誰が持つ?」

 「誰って、ミスズじゃないの?」

 「今回のポイントも、モンドの敏捷に全部振ってしまうのはもったいないかもって思って。」

 「何故だ!前、ポイントが溜まったら優先して振り分けると約束したはずだぞ?」

 「そこまで言ってないような気もするけど、たしかにそれもいいんだけど、ブークは僕が持って、美鈴に他のスキルを覚えてもらった方が効率的じゃないかなって。」

 「というと?」

 

 今あるのは800P。ステータス上昇には1段階上がることにコストが上がっていき、DEXを3上昇させる頃にはもう他に振り分けられるポイントが残らない。

 

 「でも美鈴のスキルなら、2つも覚えられる。ひとつをDEX上昇の応援にして、もう一つ回復スキルを覚えてくれた方が、柔軟性は上がると思うんだ。」

 「一人だけを強化していくのは、効率が悪いということだね。」

 「なるほど、だが断る!約束は約束だ!」

 「って言ってるけどリーダー?」

 

 モンドは原作でも、プレイヤーのゲームスタイルや選択肢にもよるが、なかなか短気な性格をしている。特に今回のように、身動きがとれない状況というのは、ストレスが大きかったのだろう。

 

 「まあ、まだ序盤だろうし、レベル上げを地道にしていけばスキルにも困らないんじゃないかな?」

 「よし!」

 「なんかズルイ。」

 「次はわたくしのスキルを優先してほしいですの!」

 「ぴっ!」

 

 毎回こんな問答をするのは正直疲れるのだけれど。だが、こうして誰を育てていくか考えるのも、ゲームの楽しみの一つだ。

 

 

 


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