ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第120話

 「お、売店か?」

 

 グリーン車ももう終わるというところで、車内販売の売店を見つけた。ありがたいことに冷蔵庫が生きており、冷たい飲み物やお菓子もある。販売員はいないが、この非常時だし少し失敬することにしよう。

 

 「そういえば、通信はまだ回復していないのかな?」

 

 喉を潤せたことで少し余裕が出てきた。再びゲームPODネクスを取り出すあ、相変わらずノイズが走っていて通信出来ず、完全に孤立してしまっていることを再認識する。

 

 「しかしなぜ、こんなことになってしまったのか。」

 「らぴ?」

 「そうだな、僕とラッピーしかいない。」

 

 これもクラックによる世界の融合の影響なんだろうか?だとすると、デッドソイルの登場人物が出てきてもおかしくなさそうだが・・・。

 

 デッドソイルは複数人の主人公がいる群像劇的作品だ。それぞれ、軍人、記者、科学者、テロリストなど職業や立場も違うし、得意なこと不得意なことも分かれている。

 

 「僕は・・・誰に近いだろうか。」

 

 遊馬は戦闘はあまり得意な方ではない、文系の人間だ。新聞記者のジムが近いだろうか。持ち前のフットワークで情報を素早く集めて、早い段階からEADの存在や真相に近づいていく。まあ遊馬は既に知っているし、ゲームの中の真相云々は、この現実とは関係ないだろうからひとまずは置いておいて。

 

 この現実の攻略方法としては、世界のどこかにあるクラックを閉じること、あるいはゲームをクリアすること。クラックを閉じるにはモンドの力が必要になるので、ゲームをクリアする方法を考える・・・それにはボスを倒す必要がある、が。

 

 「正直戦いたくない。」

 

 ホラーゲームの敵なんて大体遭遇したくないが、それがボスともなるとグロテスクさも上がる。デッドソイルのラスボスは、ゼバブの王『バアル・ゼバブ』だ。かつては豊穣の神だったものが、悪魔の一柱と呼ばれるようになったとは皮肉なものだ。

 

 ゼバブはEADを運ぶキャリアとして生み出された合成昆虫だったが、それがテロリストによってEADを生み出すようになり、さらに暴走してバイオハザードを起こした。ゲームの中では様々な生物のDNAを取り込むことで進化し、ゼバブをコントロールする頭脳が発達。ボスというよりもステージと呼べるような大きさになったのを、様々な武器で焼くのがラスボス戦だ。

 

 「それに関しては、ダークリリィさえ使えれば楽なんだけど・・・向こうとコンタクトが出来ないからなぁ。」

 

 まずは、通信を復旧させるのが先になる。考えろ、一体何が原因で通信できないのか。そもそもどういう理屈で通信出来ていたのか。こういう時トビーなら瞬時に判断してくれるんだろうけど。

 

 「そうか、逆転の発想。」

 「らぴ?」

 「こっちが見つけられないなら、向こうに見つけてもらおうって魂胆だよ。」

 

 何かシグナルを発して、向こうからこちらへ通信をよこしてもらおう。通信が出来そうな設備、となるとやはり最後尾車両の操縦席だろう。行先は変わらないが、明確な目的が生まれた。

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