ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第121話

 「と、その前に。持っていける物がないか探しておこう。」

 

 アルコールは摂取は出来ないが、消毒液代わりにはなるかもしれないので一応持っていこう。地酒、地ビールの缶がある。なるだけ度数の高いものを・・・。

 

 それから、氷だ。EADは低温下では活動が鈍るので、感染した時体に毒が回るのを抑えることが出来る。

 

 「そうだ、ラッピーの『フリーズ』の能力で・・・。」

 「らぴ?」

 「いやダメだ、ぬいぐるみじゃあお菓子が食べられないし、初代には能力がない。」

 

 惜しかった。フリーズが使えればヌルゲーと化していただろうに。それにしても、このマスコットの見た目のラッピーにはグロい敵の相手はさせたくないな。もうしばらくはラッピーはリュックで我慢していてもらおう。

 

 「あとは・・・食べられるものをいくつか。これもリュックに入れるか。」

 「らぴっ!?」

 「ごめん、ちょっと狭くなるね。」

 

 英語のラベルでよくわからないが、食べ物をいくつか掴んではリュックに放り込んでいく。ラッピーはお菓子が大好きだが、幸か不幸かこのぬいぐるみの体では食べられないので、つまみ食いされる心配はない。

 

 胃に入れておく気にははならない。すぐ嘔吐することとなる事態に遭遇するだろうから。

 

 少なくともしばらくトマト料理は食べたくない。

 

 「さってと・・・。」

 

 少し重くなったリュックを背負い直すと、進軍を再開する。ようやく12号車を越えてここから先は13号車、また普通車に戻る。何度か戦闘を経験して、遊馬もプレイヤーと同じく戦い方に馴れてきた。

 

 「うっ、壊れている・・・。」

 

 と、いうところで新しい要素を投入するのが面白いゲームだという。遊馬にとっては全然面白くないが。

 

 続く13号車の扉を開けた時、それまでの車両とは違う新鮮な空気を浴びた。見れば壁や天井が崩れており、外の景色が丸見えになっている。開放的なのはいいが、時速1000km以上の速度で走るリニアがこれではいけない。

 

 どうやらここからは外を歩かなければならないようだ。おそらくここから攻撃が始まったようだ。外に出る前にまずは、まじまじと壊れた壁を調べてみる。

 

 「この感じ、外からじゃなくて、中から破壊されたって感じだな。」

 

 壁は内から外に向けて、開くようにひしゃげている。床もところどころ焦げているように見えるし、外の線路までもが破壊されているようだった。爆発でもあったんだろうか?

 

 「爆破テロかな?」

 

 そういえばゲームもそんな感じに始まっていた。偶然乗り合わせていた新聞記者のジミー、テロに参加していたテロリストのザインと科学者のマウザー、解決のために派遣された軍人のレイチェル、それぞれの行動が重なり合う・・・というのがストーリー。

 

 そんな作中のストーリーに沿ったのが世界なんじゃないのか。となればやはりラスボスを倒してクリアするのが正解か・・・。推測が確証に変わっていく。

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