ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第123話

 使えそうなもの、目ぼしいものはあらかたポケットに入れていたはずだが、あの虫の壁を突破するに必要なものは手に入れていなかった。こういうのを探しに右往左往するのがゲームの醍醐味だ。再三言うが、巻き込まれている遊馬にとってはちっとも面白いことはないが。

 

 「ライターライター・・・マッチでもいい。出来れば発煙筒。」

 「らぴ?」

 「話し相手がいてくれて嬉しいよ。」

 

 日本語が話せる相手だったらなおよかったが。とにかく相槌を打ってくれるラッピーの存在がありがたい。

 

 ともかく、この状況を打破するには火が必要なのだ。ゼバブは光に反応するが、それは火の光に対しても同じ。フラフラと自分から火に飛び込んで、勝手に焼け死んでくれる。飛んで火にいる夏の虫とはこのことだ。

 

 キャラクターによっては最初から火種を持っていたりするのだけれど、生憎遊馬は喫煙者ではない。それでも火炎瓶をクラフトする程度の知性は持っているが・・・まあとにかく、ライターが必要だ。

 

 しかしまあ、世間は禁煙ムード真っ最中。売店ではタバコもライターも売っていなかった。最悪摩擦力で火おこしをする必要が出てくるが、火が必要になるたびにシコシコ擦っているようでは文明人とは言えない。

 

 「・・・ちょっと戻って、荷物を漁るしかないか。」

 

 二重に気が引けることをするつもりだ。探していないところといえば、グリーン車のニ階部分だ。グリーン車にならアイテムがいっぱい落ちていることだろう。

 

 しかし、ニ階を歩くというところは筆舌に尽くしがたいことだ。原作ゲームでもニ階部分では最初のボス戦があり、大抵有効な武器が無いので走り抜けるしか対処法がないのだ。

 

 「ライターよりも先にショットガンを見つけないとな。」

 

 ショットガン、そうでなくとも最低でもスレッジハンマーが無ければ倒すのは難しい。アメリカの消火栓には斧が置いてあるらしいが、そんなものはここにはない。緊急時に窓を割るためのハンマーならあるかもしれないが、それを武器とするのは心もとない。

 

 しかしそんな都合のいいものが見つかるはずもなく、遊馬はニ階への階段の前まで来てしまった。

 

 「ええい、こうなればさっさと見つけて、さっさと撤収するぞ!」

 

 足踏みしていたって仕方がない。勇んで階段をのぼると、ゆっくりとドアを開けて中の様子を覗う。

 

 中は下の階と大差ないほどに血みどろだった。床をよく見ると、何かが這ったような跡もある。おそらくマゴーが動き回ったのだろう。避けられぬ戦いの予感に武者震いがしてくる。

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