ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第124話

 「うらっ!」

 

 手に伝わってくる嫌な感触も、そろそろ嗅覚と共にマヒしてきたところで、11号車の制圧が完了した。今のところ遊馬の手に余るような強敵は出てきていないし、傘が折れる心配もまだなさそうだが、こんな貧相な鉄の棒とは別な武器がそろそろ欲しい。

 

 「リーチがあって、頑丈さと威力もいいもの・・・となるとやっぱ鉄パイプとかなのかな。」

 

 街中なら壊れた壁から剥がして使えたりするんだけど。壊れた手すりとかは今のところみあたらない。

 

 特にリーチは重要だ。相手の攻撃が届かないところから、一方的に殴れるというのはそれだけでお得。もっとも、物干し竿ほどの長さがあってもこの閉所では邪魔にしかならないが、

 

 やっぱり銃が欲しい。普通の拳銃でも十二分に強いが、モンドのレーザーキャノンなら2週目以降の隠し武器レベルのチートさだ。一旦返してしまったことが本当に悔やまれる。

 

 「火、火、火・・・ないなぁ・・・。」

 

 さて、敵を排除したことで安全に捜索が出来るようになり、鼻歌まじりに遊馬はそこらの荷物をひっくり返し始めた。はたから見れば完全に火事場泥棒だろう。

 

 「おっ、ミッケ!」

 

 そうして十数個のカバンを漁って、ようやくライターを見つけた。一般的なオイルライターのようだ。オイルが残っているのか試しに擦ってみて・・・。

 

 「いやアブナイアブナイ。ガスが充満してるんだった。」

 

 分解された死体から、メタンガスのような可燃性ガスが発生している恐れがある。こんなところで着火すれば、たちまち引火して火だるまになっていただろう。確認するなら外でも出来るし、それにそもそもこんなちっちゃなライター一個じゃ、まだ全然火力が足りない。

 

 「火炎瓶か何かをクラフトするか。」

 

 幸いなことにアルコールならある。酒は飲めなくともこういう使い方もある。アルコールを詰めたビンに、布や新聞紙で燃える芯をつけるだけなら、大した知識が無くても出来る。

 

 「あっ、しまった・・・ちょっとこぼれちゃった。」

 

 こういうのもゲームなら一瞬で出来てしまうが、四苦八苦しながらなんとか作る。とりあえず3本出来た。出来具合もまちまちで、投げた時に上手く炎上してくれるといいが。

 

 さて、作ったはいいがこれをリュックに入れる気にはならないな。背中で火事になったらかちかち山の騒ぎではない。ぬいぐるみのラッピーも灰になることだろう。

 

 「らぴ!?」

 

 あんまりラッピーをイジメるのもよくないな。本当にかちかち山のように逆襲でもされたらかなわん。

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