ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第132話

 「アスマ、これ。」

 「うん、サンキュー。」

 

 「これ、使える?」

 「うん、サンキュー。」

 

 「アスマ、これ。」

 「うん、サンキュー。」

 

 アイテムを拾ってきてくれるのは助かるが、本当にどこから拾ってきているのだろうか。もうポケットもリュックも弾でいっぱいになってしまった。

 

 (なんか、ボールをとってくる犬みたいだな。)

 

 けどひとつ持ってきてくれるたびにこっちもアシュリーの頭を撫でることができる。それがアシュリーも嬉しいのかまた張り切ってアイテムを探してくるので以下無限ループだ。

 

 さて、そうこうしている間にも16号車をクリアして、後部操縦席にまでやってきた。こちらもやはりカギがかかっていた。

 

 「ラッピー、出番だ。」

 「らぴっ!」

 「うわぁ。」

 

 ショットガンはなくともマスターキーならある。ラッピーのキックならどんな敵だって月まで吹っ飛ぶ。障害物だって何のその。

 

 「さーて、こっちの機械は動いているかな・・・。」

 「らぴぴ?」

 

 多分電源であろう大きなスイッチを入れると、操縦席のランプに光が灯る。

 

 「来た来た、次は無線機か何かで救援を呼ぶか・・・。」

 

 はてさて、どうしたやったものか。おそらく無線らしい機械はあるが・・・やはりトビーがいてくれればなぁと思う。

 

 「おっ、そうだゲームPODは?」

 

 ふと思い出してゲームPODネクスを取り出して起動するが、相変わらず画面には何も映らない。

 

 「アスマ、それなに?」

 「んー、ゲームPOD。本当はゲーム機なんだけど、これで仲間と連絡がとれたんだ。今は真っ暗だけど。」

 「ふーん、真っ暗?」

 「真っ暗だろう?」

 「うーん、そうだね。」

 

 ひとまずアシュリーにゲームPODを預けて、遊馬は無線機をいじる。発信は出来ているようだが、SOSはどの周波数なのか・・・。

 

 「その辺にマニュアルとか落ちてない?」

 「うーん、これ?」

 「それかな?」

 

 座席の下からそれらしいものをアシュリーが引っ張り出してきた。受け取った遊馬はしばし読みふけると、スイッチをいじりはじめた。

 

 「マニュアル運転がこれで・・・オートがこうか。ふんふん、今は緊急停止中なのか。」

 「動かせるの?」

 「どうだろう、大分破壊されてたからなぁ。」

 

 リニアレールは、列車全体が一つの弾丸のようなもの。電流さえ流せればまた動き出せるが・・・壁が破壊されているせいで、電流がうまく流れてくれないかもしれない。

 

 というか、周囲の状況も見えていないのに動かすのは危険だろう。列車を動かすのはナシだ。列車シミュレーターゲームも好きだが、今回はおあずけだ。

 

 「えーっと、前照灯は・・・これか。」

 

 ともあれ、まずは明るくしないことには外の様子もうかがえない。スイッチを入れると、パッと操縦席の前が明るくなる。

 

 「うっ!?」

 

 果たしてその先には『何もなかった』。そのっことが異常であった。

 

 「線路が・・・。」

 「消えてる・・・。」

 

 海上に建設された橋は、綺麗にハサミで切り取られたかのようにぷっつりと途切れていた。波のない海がその向こうからのぞき込んできている。

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