ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第135話

 「まあ、とにかく先頭車両に行ってみようか。アシュリー、ラッピー。」 「らぴ?」

 「行くの?」

 「うん、そうしないことには前に進めなさそうだからね。」

 

 再び弾倉に弾を詰めなおし、冒険に出る準備を進める。

 

 「アシュリーも来てくれるかい?ここに置いていくわけにはいかないし。」」

 「うん、私も行く。」

 

 特に文句も言わずについてきてくれるらしい。まあ、元から一人にするわけにはいかないんだけど。

 

 以前行動を共にした仲間、レイとは違って戦闘力は持たないが、アイテムを探してきてサポートしてくれる。まあ、レイの場合はロクな戦闘が無かった記憶があるが。

 

 レイの時も思ったが、どうにもこのコンパニオンをただのNPCだとは思えない。同じように感情がある、人間のように見える・・・いや、生きる世界が違うだけで、実際に生きているのだけれど。

 

 いや、そういえばレイが死んだときに決めたっけ。どんなゲームも全力でプレイすると。なら、やはりアシュリーのこともしっかり守らなければ。

 

 「よし、行こうか・・・。」

 

 思い出すと悲しくなってくる。無力な自分に泣いたこともあった。そして守られる側から守る側になるんだと思ったが・・・現実ではヘイヴンのみんなに助けられたり、レベリオンの操縦を覚えたが結局ダークリリィに助けられた。

 

 で、今は弾の補充にアシュリーの力を借りている。なかなか自立するのも難しいものだが、今は矢面に立つのが役目だろう。逆に言えばこの状況を自立して生きられてこそ、サバイバルゲームということか。

 

 「アシュリー、あんまり離れないでね。」

 「うん。」

 

 まずは16号車を通るが、一回通った道だと油断は出来ない。敵の急襲があるかもしれないし、折り返しとなると敵が再配置されている可能性もある。

 

 特に、マゴーの這いまわっていたグリーン車は成体ゼバブの出現が予測される。ポケットから溢れるほどに弾が潤沢にあれば対処は容易かもしれないが、それだけ弾が補充されたという事はつまり戦闘があるという予兆であって・・・まだまだ気が抜けないという事だ。

 

 「らぴ!」

 「外か?」

 「キャッ!?」

 

 窓の外に、何かがいる。その何かとは、羽虫という大きさではない。

 

 『キシャアアアア!』

 

 棘のようなものの生えた腕が窓の下から伸びて、ドンドンと叩いている。窓の高さからでは腕しか見えないのがまた幸いである。

 

 あれこそ、ヒトの遺伝子を取り込んで進化したゼバブ、『サピエン・ゼバブ』だ。ゾンビゲーで言うところのゾンビに当たる、メインクリーチャーと言えよう。

 

 「らぴらぴ!」

 「むっ、前か。」

 

 しばし窓の方を眺めていると、進行方向のドアも叩かれていることに気づいた。

 

 チュートリアルは終わり、いよいよ腹をくくる時が来た。ぐっと銃を握る手に力がこもる。

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