ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第137話

 一瞬のうちに、アシュリーは姿を消してしまった。ひどく怯えていたようだった。

 

 「えーっと、けど銃に弾が・・・。」

 

 いや、ラッピーが追いかけてるなら落ち着いていこうか。すぐに追いかけに行きたい気持ちは持ちろんあるが、その前に自分の安全を確保しなければならなくては。銃弾の箱を取り出して、また弾倉に一発ずつ詰めていく。

 

 一発一発、やつらを倒すことを考えながら込めていくが、せめてもう一つ弾倉が欲しい。せっかく自動拳銃は弾数が多いことが強みなのに、これではリボルバー以上にリロードに時間がかかる。

 

 ゲームの中でマガジンが無くて困ったことは無かったな。まあ弾の心配をしなくていいほど供給があるのはありがたいし、最悪近接でなんとかできる。戦闘のバランスは本来ならヌルめなんだろうか。

 

 まあ戦闘がやたら難しくても困る。いくら相手が生物が変異したミュータントだからって、所詮は火に弱い虫。デカくなろうが火に弱いことは変わらない。やりようによっては、スプレー缶とライターの即席火炎放射器でも倒せるようなやつらだ。ひとつ作っておくのもいいかもしれない。

 

 「よし・・・と。」

 

 安全装置をロックして、ズボンに突っ込む。そういえば、こんな修羅場にシャツのナードスタイルは似合わないな。メガネにも返り血のようなドロドロがついている。軍服や警官服でなくとも、せめてもうちょっと動きやすそうなアクティブな服だったら様になるだろうに。

 

 こういうゲームなら隠しコスチュームとかも定番だが、間違いなくこんな服はネタ装備だろう。ポケットはいっぱいついてるから、その点については困らないのだが。

 

 「まあ、おかげで足が重いんだけど。」

 

 さて、今は愚痴よりも逃げていったアシュリーを探そう。そう遠くには行けないはずだ。

 

 しかし、一体どうして急に逃げ出したんだろうか。何が彼女の琴線に触れたのか。何か忘れていることは無いか。

 

 「アシュリーの設定は・・・。」

 

 脳内ではゲームのことを思い出しながら、足には通路を歩かせる。」

 

 「両親が死んで・・・叔母の家に引き取られることになるんだったよな。」

 

 その程度なら映画とかでもよくあるヒロインの設定だ。叔母の方からは邪険にされているというところまで含めて。

 

 本来ならスコットランド行きの設定なのだが、この世界ではどういうわけか日本行きということになっている。これもまた謎だが、日本行きがどうこうとかは今回は関係ないだろう。

 

 「両親が死んだ原因は・・・。」

 

 確か、強盗に殺されたんだったか。母親はノドを切り裂かれ、父親は銃殺されていたとか。この辺は新聞記者のジミーのシナリオでわかる話だ。

 

 そしてそのジミーのエンディングでは、アシュリーはジミーに引き取られる、が・・・根本的な問題は解決していないまま、日常に戻っていく。ハッピーなようでちょっとビターなエンドだ。これでも4つのエンディングの中では一番マトモだというのだから。

 

 「ノドを切り裂かれて、か・・・。」

 

 それが悪かったのかもしれない。3体目のゼバブのトドメが、まさにそんな感じだった。心の傷までえぐってしまったのかもしれない。

 

 ともかく、すぐに見つけなければ。そして・・・そして、どうしようか。

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