ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第138話

 再会したとき、どうすればいいだろうか。謝る?何を?嫌なことを思い出させてしまってごめんって?余計嫌な気分になりそうだ。

 

 「むっ、敵か。」

 

 のそのそと視界の外から、またあの人型の怪物が現れる。サナギから生まれたばかりのサピエン・ゼバブはそう足も速くもなく、落ち着いてさえいれば対処に難しくない。

 

 「目標がセンターに来たらトリガー・・・と。」

 

 一体だけならなおさら慌てる必要もない。よーく狙って確実に殺すことだけを考える。近接攻撃が出来るなら、足を狙って転ばせてからトドメを刺すのもいい。なにはともあれ無事にクリアできた。

 

 この程度の障害なら造作もない。多分アシュリーとのコミュニケーションの方が難易度は高い。何を話せばいいか、と考えながら敵を排除していく。

 

 「アシュリー?ラッピー?どこだー?」

 

 銃を持ちながらあちこち探しまわる姿は映画の殺人鬼ぽさもある。実際アシュリーのような女の子を操作するゲームもあるが、そういうゲームのエネミーがまさに今の遊馬のようだ。

 

 「殺人鬼、そうか・・・アシュリーのトラウマか。」

 

 なんとなく話が見えてきた。つまり遊馬が母親を殺した殺人鬼に見えたと・・・。

 

 そしてその殺人鬼の正体は、新聞記者のシナリオで明かされる。

 

 「父親が痴情のもつれの末に母親を惨殺するんだよな・・・。」

 

 真相は時に陳腐だ。犯人不明の迷宮入り事件かと世間には思われていたが、その実犯人は既に死んでいたのだった。

 

 「アシュリー?」

 「アスマ・・・。」

 「らぴ!」

 

 しばらく普通車の中を探したところ、トイレにいた。かくれんぼで隠れると言えばトイレだ。ついでだ、水が出るなら手も洗わせてもらおう。

 

 「アシュリー、ケガ無いね?」

 「うん、大丈夫・・・。」

 

 とにかく、無事なようでよかった。ふるふると小さく震えながら、少し顔色が悪いようだが、ケガはないようだ。

 

 「アシュリー・・・なんだ、その、怖がらせちゃってごめんね。」

 「うん・・・。」

 「けど、もうちょっと頑張れるかな?」

 

 顔色をうかがいながら、言葉を選ぶ。選択肢が出てくれれば楽なんだけど、頭の中にそんな都合のいいものは浮かんできてくれない。

 

 「・・・わかった。」

 「ありがとう、アシュリー。」

 「らぴ!」

 「ラッピーもね、守ってくれててありがとう。」

 

 よしよしと撫でてやると、ラッピーは嬉しそうに跳ねた。

 

 「・・・。」

 「アシュリー?」

 「わ、私も・・・撫でてほしいな・・・って。」

 「うん、いいよ。」

 

 アシュリーの髪はとても柔らかかった。それにつるつるで艶がある。

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