ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
再会したとき、どうすればいいだろうか。謝る?何を?嫌なことを思い出させてしまってごめんって?余計嫌な気分になりそうだ。
「むっ、敵か。」
のそのそと視界の外から、またあの人型の怪物が現れる。サナギから生まれたばかりのサピエン・ゼバブはそう足も速くもなく、落ち着いてさえいれば対処に難しくない。
「目標がセンターに来たらトリガー・・・と。」
一体だけならなおさら慌てる必要もない。よーく狙って確実に殺すことだけを考える。近接攻撃が出来るなら、足を狙って転ばせてからトドメを刺すのもいい。なにはともあれ無事にクリアできた。
この程度の障害なら造作もない。多分アシュリーとのコミュニケーションの方が難易度は高い。何を話せばいいか、と考えながら敵を排除していく。
「アシュリー?ラッピー?どこだー?」
銃を持ちながらあちこち探しまわる姿は映画の殺人鬼ぽさもある。実際アシュリーのような女の子を操作するゲームもあるが、そういうゲームのエネミーがまさに今の遊馬のようだ。
「殺人鬼、そうか・・・アシュリーのトラウマか。」
なんとなく話が見えてきた。つまり遊馬が母親を殺した殺人鬼に見えたと・・・。
そしてその殺人鬼の正体は、新聞記者のシナリオで明かされる。
「父親が痴情のもつれの末に母親を惨殺するんだよな・・・。」
真相は時に陳腐だ。犯人不明の迷宮入り事件かと世間には思われていたが、その実犯人は既に死んでいたのだった。
「アシュリー?」
「アスマ・・・。」
「らぴ!」
しばらく普通車の中を探したところ、トイレにいた。かくれんぼで隠れると言えばトイレだ。ついでだ、水が出るなら手も洗わせてもらおう。
「アシュリー、ケガ無いね?」
「うん、大丈夫・・・。」
とにかく、無事なようでよかった。ふるふると小さく震えながら、少し顔色が悪いようだが、ケガはないようだ。
「アシュリー・・・なんだ、その、怖がらせちゃってごめんね。」
「うん・・・。」
「けど、もうちょっと頑張れるかな?」
顔色をうかがいながら、言葉を選ぶ。選択肢が出てくれれば楽なんだけど、頭の中にそんな都合のいいものは浮かんできてくれない。
「・・・わかった。」
「ありがとう、アシュリー。」
「らぴ!」
「ラッピーもね、守ってくれててありがとう。」
よしよしと撫でてやると、ラッピーは嬉しそうに跳ねた。
「・・・。」
「アシュリー?」
「わ、私も・・・撫でてほしいな・・・って。」
「うん、いいよ。」
アシュリーの髪はとても柔らかかった。それにつるつるで艶がある。