ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「ついたー!」
紆余曲折あったが、とうとう先頭についに着いた。シャツについたシミが多少大きくなったりしているが、まあ無傷だ。
「さて・・・こっちの機械も動いてるけど、なにを動かす?」
「らぴ!」
「よし、このスイッチだな。」
ラッピーの意見を参考にして、ひとつスイッチを入れると、とたんに機械がやかましい音を立て始めた。
「次は?」
「らぴ!」
「このレバーか。」
おそらくブレーキレバーだろう。これで自動ロックを解除して、それから前進するか後進するかを選ぶ。
バックしても道はないし、とにかく今は前を目指そう。前照灯をつけると、前には線路は続いているのを確認できた。つまり、前へ進めということだろう。
「それじゃあ、出発進行だ!」
「おぉー!」
「らぴー!」
ガチャンッと勢いよく一番大きなレバーを押し込むと、地面が少し揺れはじめた。
「あれ、なんかあんまり進まないな・・・そうか、壊れてる車両があるせいか。切り離し出来るかな。」
隣の制御画面から、13号車の連結を解除させる。が、アクセル全開な状態でいきなりブレーキを解除すればどうなるか、少しだけ遊馬には考えが足らなかった。
「どわっ!?」
「うわぁっ!?」
「らぴぃ!!」
重たい枷から解放されたリニアカーは、文字通り弾丸のようにトップスピードで解放された。
慣性により後ろの壁に追突された遊馬たちは、全員仲良くバランスを失ってへたれこむ。
「うぉおおお・・・こ、こんな速度で走ってたのか・・・。」
「らっぴぃ・・・。」
音速の一歩手前、時速1000kmの加速度がズシリと体に乗りかかる。しかも、車両を切り離した分だけ速度は出ているはずだ。
徐々にそのGにも慣れてきたところで、ようやく体を起こすことができるようになった。
「やれやれ・・・アシュリー、ケガない?」
「大丈夫・・・けど、動き出したね。」
「ああ、予定通りならこのまま軌道エレベーターに着くはずなんだけど・・・。」
果たして、この世界にはあるんだろうか?もしもこの先も、レールがぷっつりと無くなっていたら、この疾走する弾丸と運命を共にすることになるのだけれど・・・。
とにかく、目線を前に戻してよくよく凝らす。暗くてよく見えないが、異常はなさそうだ。
「あっ、あれ・・・。」
「ん?おお、見えてきたな・・・。」
どうやら、その心配は杞憂だったようだ。月と星の光にだけ照らされた、天を衝く塔が目に入る。あれだけ巨大な建造物なら遠目からでも少しは見えると思うが、まるで今まで無かったものがそこにポップしたかのように突然見えるようになった・・・。列車を動かすのがフラグだったんだろう、多分。