ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について 作:バガン
「と、言うわけでモンドは正式にタイムライダーになったんだ。」
「うん、そこらへんでストップしておこうか。」
「え、まだこれからなのに。」
「もう、もういいですわ・・・。」
現実時間ならすっかり夜になっていそうなほど喋っていた・・・というかまくし立てていた。トビ-も美鈴も参っている。
「結局、モンドはタイムゲドンを裏切ったんだね。」
「うん、そうして正義の味方として覚醒するんだ。」
「ちょっと見直しましたわ。ぶっきらぼうな人かと思っていましたけど。」
なにより、モンドのことを良く知ってもらいたかった。これから共に戦う仲間だから。
「何を勝手に人の話で盛り上がっているのか。」
「あっ、モンドお帰り。どこ行ってたの?」
「それよりもだ、お前。」
「僕?なに?」
保健室の戸を開けて、モンドが帰ってきた。戦闘を経験したのか、少しダメージを受けているようだった。
「俺はまだ納得してないぞ。100歩譲って、お前の世界では俺はゲームの登場人物なのかもしれない。だが、俺は俺だ。」
「う、うん・・・。」
「俺は、俺自身の意思でタイムゲドンと戦っている。それは間違いないことだ。」
「そう、だよね・・・ごめん。」
名前が同じだからと言って、同一人物だとは限らない。同一視するのは、そのどちらにも失礼と言うものだろう。
「逆に言えば、アスマも何かのゲームのキャラクターなんじゃないの?」
「そう言われると、なんだか不安になってくるな。」
「遊馬さんの家族はどんな人なのですの?」
「僕は、父さんが、なんか、作家?やってるみたい。よく知らないんだけど。」
「ふーん、作家さんって大変そうだね。締め切りとか」
「そうなんだよね。だから遊び相手はいつもゲームだった。ウチにはなぜかたくさんゲームがあってね・・・。」
別にそのことで父を恨んでたりなんかはしない。むしろ、男手一つでよくぞ育ててくれて、感謝している。
「それはそうと、モンドはどこ行ってたの?」
「怪我治しますわね。」
「ああ、あのロボットは地下から出てきただろう?ならこの学校にも、地下施設があるんじゃないかと思って、探ってみたんだ。」
「それで、結果は?」
「当たりだ。それらしい地下格納庫が見つかった。」
「よし、次はそこを捜索しよう。」
「ゲームの方はどう?」
「あともう少しでクリアできる。どうやらストーリーがこの世界の成り立ちに関係あるらしい。」
「どういうこと?」
「格納庫を調べたら、もっと詳しく説明できると思う。」
カサブランカの舞台、設定、それらを鑑みて、この学校の地下に基地があるという状況・・・それらは線で繋がることになる。