ダークリリィ:ゲーマーの僕が有名ゲームキャラたちと同じ空間に詰め込まれた件について   作:バガン

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第148話

 「んっ・・・寝ていたのか。」 

 「らぴ?」

 「見張りありがとうね。」

 

 どれぐらい眠っていただろうか。柔らかいベッドもない床で寝たらなんだか体が痛い。

 

 「・・・体が硬くなるほど寝ていたというのに、窓の外は暗いままか。」

 

 やはり、クリアしないことには夜は明けないのだろう。

 

 「クリアにはラスボスを倒す必要がある、と・・・。」

 

 少しずつ思い出してきた。ラスボス戦はどの主人公でも同じ場所で同じ相手と戦う。その戦う相手は巨大ゼバブ、バアル・ゼバブ。そしてロケーションは、もう使われていない古い列車の操車場。

 

 その大きな構内に、ゼバブは巨大な蛹を作っていた。伏線もなく突然出てくるのだから初見時はなかなか面食らったのを覚えている。勿論倒し方も知っている。戦い方は全ルート共通だから迷うこともない。

 

 この施設で、ある程度の広さがあって屋内の場所というと・・・。

 

 「軌道エレベーターのシャフト内か。」

 

 ラスボス戦としてはもってこいなロケーションだろう。仮に遊馬がデザイナーだったら間違いなくそこにボスを配置する。

 

 「よし、宇宙に上がるか!」

 

 こうなればとことん進んでやる!・・・って、行き当たりばったりじゃダメだと考え直したところじゃないか。

 

 「すや・・・すや・・・。」

 

 それに、問題はもうひとつある。アシュリーの心のケアが必要だ。というか、遊馬んいはアシュリーの心が何一つわからない。

 

 今はこうして天使のような寝顔を見せているが、その内なる精神に潜むものは悪魔か・・・?子供の純粋で、イノセントな心がいかにして父親を手にかけるという凶行に走らせたのか。

 

 いや、確かに抵抗の末の暴発という可能性もある。けど、そのことをアシュリーが懺悔しなかたったのはなんでだ?

 

 それに、確か『そうじゃなかった』はずだった。少なくとも原作ゲームでは・・・でも原作のその部分をプレイした記憶すらも曖昧で・・・。

 

 「あー、もうわけわかんねえ!」

 

 フロイトじゃあるまいし、専攻分野でもない。高校中退レベルの学力の遊馬にはわからないことだらけだ。

 

 「らぴ?らぴい!」

 「ん?ゲームPOD?」

 

 ラッピーがゲームPODを指し示してきて思い出した。

 

 そういえば、さっき一回死にかけていたな。直接ダメージを受けたわけではなかったが、あのままだと確かに死んでいたはずだ。体力一定以下で捕まると、即死判定になってしまうし。

 

 ひょっとしたら使う条件を満たしているかもしれない。もう藁にもすがる思いで、遊馬はスイッチを入れた。

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